2012年12月8日(土)
電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。第59回となる今回は、『完璧なレベル99など存在しない』を執筆した周防ツカサ先生のインタビューを掲載する。
▲明坂いく先生が描く『完璧なレベル99など存在しない』の表紙イラスト。 |
本作は、ゲームのキャラクターたちが集まる異世界に来てしまったゲーマー少年の活躍を描いたヒロイックサーガ。自分がプレイしてきたゲームの登場人物たちが集っている状況にとまどう主人公・裕貴だったが、心優しい少女騎士・シャノンに助けられながらなんとか現実に帰還する方法を模索するのだが、ある時驚愕の事実を知ってしまう。
「おれがこの世界で最強……レベル99……っ!?」
そして裕貴はゲームの英雄たちから、すべてを導くためのリーダーに抜擢されてしまうのだが……!?
周防先生には、本作が生まれたキッカケや本作のセールスポイントなどを語っていただいた。また、電撃文庫 新作紹介ページでは、本作の内容を少しだけ立ち読みできるようになっている。まだ読んでいない人はこちらもあわせてご覧あれ。
――この作品を書いたキッカケを教えてください。
デビュー当時から書きたい書きたいと思っていた題材なんです。ただ当時は複雑な設定のお話を書く自信がなくてですね……。それで長らく書くのを躊躇していたのですが、昨年の夏頃、原型となるアイデアを思いつきまして、担当にプロットを渡したところリアクションが意外にもよかったので、「これならいけるか?」と書き始めた次第です。
――作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?
萌え、エロ、アクション、知略、友情、そして……愛。特に友情と愛がウリです。愛にもいろいろな形がありますが、本作の愛は他の作品では味わうことのできない類の愛ではないかと勝手に思っています。どんな愛なのかは内緒です。あと本作はRPGを題材にしていますが、前作『レトロゲームマスター渋沢』のようなパロディ要素はほとんどありません。ストーリー重視の作品ですので、前作を知っておられる方はご注意を。
――作品を書くうえで悩んだところは?
この世界独自のゲームシステムを構築する過程で、どうしても矛盾を排除することができず「もう無理だ……」と500回くらいペンを投げました。書くのを止めようかと思ったお話はこれが初めてかもです。書き上げた直後はまったく逆の感想を抱きました。感無量です。
――執筆にかかった期間はどれくらいですか?
他のシリーズを書きつつ、約1年です。
――主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。
主人公は読者の皆さんが感情移入できるような普通の高校生に、ヒロインは逆に現実世界にはいそうもない極端な“健気さ”を持ったキャラにしようと最初から決めていました。決めていたというか、設定的にそうする必要があったからなのですが……えーと、これ以上はネタバレになるので止めておきます。
――特にお気に入りのシーンはどこですか?
ACT3の終盤です。執筆時、手が震えました。温泉のシーンも気に入っています(イラスト的な意味で)。
――今後の予定について簡単に教えてください。
できるだけ長く続けられたらと思っています。この作品でやりたいことは山のようにあるので、すべてのアイデアを消化できるよう最善を尽くしたいです。
――ゲームで熱中しているものがあれば教えてください。
『Terraria』、『Dayz』、『The War Z』、『バイオハザード6』、『Guild Wars2』。特に最後の『Guild Wars2」は本作を執筆する上で大変参考になりました(なっています)。今年一番ハマったMMORPGです。
――それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。
あなたが好きなRPGを5本挙げてください。その5本に登場するキャラクターの中からあなたのお気に入りのキャラクターを5人選んでください。選んだら、その5人と未知の世界を冒険しているところを想像してみてください。……どうですか? テンション上がったのなら今すぐ書店にゴーです! そんなあなたなら本作を楽しめるはず! ……はず!
(C)周防ツカサ/AMW
イラスト:明坂いく
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