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2012年12月13日(木)

【電撃PlayStation】本誌レビューでも高評価! 『WHITE ALBUM2 幸せの向こう側』アクアプラス下川社長インタビューをお届け!!

文:電撃PlayStation

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■丸戸氏のコンシューマ初脚本

── PS3版には多数の新要素が追加されていますが、やはり注目は新シナリオでしょうか?

下川:そうですね。新シナリオを執筆しただけでなく、修正部分の監修も丸戸さんがされています。丸戸さんは、PCの恋愛AVGの脚本を多数手掛けられていて、そのなかにはPSPなどに移植された作品も多いのですが、実はコンシューマ版には手を出さないというスタンスの方なんですよ。でも、本作は丸戸さんが作品を大切にしてくれていて、依頼したところ「やりますよ」と引き受けてもらえました。ですから、本作は丸戸さんがコンシューマ版の脚本を手がける初の作品になります。ぜひ期待していただきたいですね。

── PS3版『WA』と同じくモーションポートレートの導入を決めた理由とはなんでしょうか?

下川:映画なども同じですが、やはりキャラクターが動くと感情移入の度合いは上がりますよね。息吹が感じられるようになりますし。またPCでは厳しい技術でもあるので、物語を盛り上げる演出の1つとして導入しました。『WA』や『ToHeart2DX PLUS』で磨いてきた技術を使わないでどうするといった部分もありますが(笑)。

── これまで動かせなかった部分を動かすなど、『WA』と見せ方に違いはあるのでしょうか?

下川:基本、動かすのはキャラクターだけですね。背景を動かすことも不可能ではありませんが、そこに凝るよりはイベントCGを1枚でも増やしたほうが、ユーザーの方には喜ばれると思います。

── そのほかの追加要素は何がありますか?

下川:シナリオはPC版の世界をていねいに移植することを重視しているので"量"よりは"質"になるのですが、ビジュアルという部分ですとイベントCGは当初の予定より多くなりました。また『WA』はサウンドも非常に重要な位置を占めている作品ですので、BGMはもちろん追加する予定ですが、やはり歌の追加も必須になりますね。ただ、場面にマッチしないような歌が唐突に流れることだけはさけたいので、歌が流れて当然のところに、そのシチュエーションに合った歌を追加しようと思っています。

── 移植作品ではよくある形ですが、新ヒロインの追加はあるのでしょうか?

下川:新キャラクターの追加に関してはありません。正直、かなり議題にはあがって、時間をかけて全員で検討しました。ですが、この物語に新たな人物が入る余地はないので、新規キャラクターの追加よりは、春希たちのエピソードを広げることを考えました。ユーザーさんからの意見でも、ファンディスクといった、世界を広げる方向での展開を求める声が多いですし。

WHITE ALBUM2
▲和泉千晶(CV:羽吹梨里) 峰城大学文学部3年。講義中どころかゼミ室に寝袋を持ち込んで熟睡するダメ学生。要領がよく甘え上手なため、これまでうまく進級してきたが、今は留年の危機を迎えている。

■これからは『WA』の冬が来る!

── 8月からWebラジオがスタートしますが、こちらはPS3版をプレイ前に聞いても大丈夫でしょうか。ネタバレとかが気になります(笑)。

下川:大丈夫です。PS3版をプレイする際に雪菜&かずさの声がなじんでいると思うので、ぜひ聞いてください(笑)。丸戸さんの全面協力も得ながら進行しますから、かなり楽しめますよ。

──Webラジオのほかに、アニメ化やコミック化といった展開が予定されていたりはしますか?

下川:ここでお話しできることで、決まっている展開はないですね。ただ、スタッフ内では「アニメ化できるといいね」といった願望を話していたり、いろいろな企画が動いていたりはします。希望としては、2012年の冬にPS3版が発売され、そのあと2014年の冬ぐらいまで、毎冬、何かしらのことはやっていきたいと思っています。まあ、もしもアニメ化するとすれば、大作2本ぶんに匹敵する長い物語をまとめるという、不可能に近い問題もあるんですよ。となると、生みの親にすがるしかないということで、冗談で丸戸さんに「シリーズ構成・脚本をやってください」と言っていたりもしていますが(笑)。

── まさに冬=『WA2』になりそうですね。では最後に読者にメッセージをお願いします。

下川:『WA2』は、物語が2部構成になっているだけでなく、BGMも第1部と第2部で微妙に変えるなど、物語と音楽の仕掛けが融合した近年まれに見るリアルな人間ドラマが楽しめる作品です。情報を仕入れると“損”をすると思うので、ぜひネタバレを回避しつつ、発売をお待ちください。ガマンできない人は前作をプレイしておくと、ちょっとだけですが、より楽しめると思います。

※本記事は2012年8月9日発売の電撃PlayStation Vol.524掲載分を再掲載したものです。

WHITE ALBUM2
▲風岡麻理(CV:浅川悠) 開桜社という中堅出版社の雑誌編集者。若手でもベテランでもない微妙なお年頃らしい。有能で容姿端麗なデキる女だが、それゆえに「高めすぎて男が寄って来ない」タイプ。

 いかがでしたでしょうか? 下川社長や制作スタッフの本作への思いや意気込みが少しでも伝わればと思います。しばらく恋愛AVGから遠ざかっていた方にもぜひプレイしていただければ!

 明日は、シナリオ担当の丸戸史明氏と原画担当のなかむらたけし氏へのインタビューを掲載予定ですので、こちらもお楽しみに。(電撃PlayStation編集部 ねぎとろん)

(C)2012 AQUAPLUS

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