2013年2月15日（金）
2ちゃんねるが生んだヒロイン!? 第19回電撃小説大賞金賞受賞作『明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。』の作者・藤まる先生を直撃！
■2ちゃんねるが生んだヒロイン!?
――この作品のキモは、この主人公とヒロインが一心同体になるというアイデアにあると思うんですが、これを思いついたキッカケがあれば教えてもらえますか？
最初は主人公が多重人格に悩んでいるという話だったんです。保健室の先生と話をしながら進んでいく、ミステリーやホラーのような感じでした。
――今のこの作品からは想像がつかないですね……。
全然電撃文庫っぽくないので、ヒロインを登場させればそれっぽくなるんじゃないかなと思ったんです。とにかく、“多重人格”をキーワードにして書いていきました。
――多重人格がキーワードになっているのに、主人公の一人称だけで貫いていたのはどうしてだったんですか？
そうしないと、おもしろくないと思ったんです。三人称で書いたら普通の作品になってしまうなと思って……。その分、すごく苦労しましたけど（笑）。本当に書きにくかったです。
――途中で三人称にしちゃおうと思ったことはなかったんですか？
正直に言うと三人称で書いたことがなかったという理由もあります。この作品が人生で2作目なので、経験がないことをやるよりは、最後までこれで行こうかなと思いました。
――他に執筆時に苦労したことはありますか？
ヒロインを出しにくかったので、そこに苦労しましたね。あと、会話させるだけで劇中の日にちがどんどん過ぎてしまうのも問題でした。
――物語の最初と最後で3カ月経っているんでしたっけ。
そうですね。3カ月ちょっと経っています。
――もしかして、劇中の時間経過をカレンダーにして管理していたり……？
応募の段階ではしていなかったんですが、それも改稿作業中に編集さんに指摘されてカレンダーを作りました。
――さすがですねー！
さすがですよー！ いざ作ってみると、1日も隙間がないぐらい埋まっています。でも、カレンダーにしてみてすっきりしました。いつどんなことが起こっていたのかが一目でわかったので。
――ヒロインのセリフなどに、ネットっぽい言い回しがよくあるんですが、2ちゃんねるとかもよく見るんですか？
仕事中に暇……いえ、家で時間がある時に、よく見ていますね。
――えっ？
えっ？
――個人的に、「wwww」を縦書きで書くというのも斬新だなと思いました。
ヒロインは2ちゃんねるが大好きぐらいの感覚で書いていました。2ちゃんねるが生んだヒロイン……なのかもしれませんね（キリッ
担当編集：……。
あれ？
(C)藤まる/AMW イラスト：H2SO4
データ
- ▼『明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。』
- ■発行：アスキー・メディアワークス
- ■発売日：2013年2月10日
- ■価格：620円（税込）