News

2013年2月15日(金)

2ちゃんねるが生んだヒロイン!? 第19回電撃小説大賞金賞受賞作『明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。』の作者・藤まる先生を直撃!

文:電撃オンライン

 小説『明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。』で第19回電撃小説大賞金賞を受賞した、藤まる先生のインタビューを掲載する。

『明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。』

 『明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。』は、見た目不良の主人公・坂本秋月が、1人の少女の死に遭遇するところから始まるコメディ作品。主人公と、主人公の寿命の半分と引き換えによみがえった少女との、奇妙な共同生活が描かれる。型破りなヒロインが引き起こす事件や、登場人物たちの軽快な会話が魅力だ。

 インタビューでは、担当編集同席のもと、藤まる先生にさまざまな質問をぶつけ、受賞の経緯や改稿時の裏話などを聞くことができた。本作の推薦文を手掛けたという『ロウきゅーぶ!』の作者・蒼山サグ先生とのエピソードなども見どころなので、ぜひご覧いただきたい。

■映画サークルの経験が小説に生かされている?

電撃小説大賞金賞受賞作『明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。』
▲藤まる先生の著者近影

――受賞の電話がきた時の感想から教えてください。

 怖かったですね。なんの経験もないことだったので、どんな形であれ、本になる可能性があると言われて不安が大きかったです。

――周りの方に報告したりしましたか?

 (小説を)書いていることを誰にも言っていないので、自分でよし、と思いました。

――この作品を書こうと思ったキッカケはなんだったんですか?

 この作品を書く半年ほど前に、会社での立場が危うくなったり、病気で入院したり、イヤなことばかりが起こって、何かやろうかなと思ったのがこれですね。その結果、また受賞という怖いことが起こったんですが……。

――そこで小説を選んだのはどうしてなんですか?

 昔から国語が得意だったので、それで小説を書いてみようと思い立ちました。あと、大学のころ、サークルで映画を撮っていたんです。その経験も生きていると思います。

――サークルではシナリオを書いたりしていたんですか?

 僕は撮影の方がメインでしたね。外に出て、エキストラを集めて……と。そんなことばっかりやっていました。一度だけ、絵コンテのようなものを書けと言われて書いたことがあります。使われませんでしたけど(笑)。

――使われなかったんですか(笑)。作った映画の中で、思い出に残っている作品はありますか?

 友だちが撮った映画で、“懸賞を200通ぐらい送れば1通ぐらい当たるんじゃないか”というドキュメンタリーが印象的ですね。よくわからない人形が当たったんですけど、全然盛り上がらなくて(笑)。ジュースか何かの景品だったかな? でもそいつはすごく楽しそうに映画を作っていたんですよ。

――ちょっと見てみたいです、その映画(笑)。

 それを見ていて、好きなものを作るのが大事なのかなということを学びました。それがこの作品にも生かされているんだと思います。

→「メディアワークス文庫の作品かと思った」と言われた(2ページ目へ)

(C)藤まる/AMW イラスト:H2SO4

1 2 3 4 5

データ

▼『明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。』
■発行:アスキー・メディアワークス
■発売日:2013年2月10日
■価格:620円(税込)

関連サイト