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2013年3月7日(木)

“原点回帰”と“没入感”に重点を! 『ロスト プラネット 3』の魅力をプロデューサーとディレクターが語る

文:電撃オンライン

 カプコンから、6月27日に発売される『ロスト プラネット 3』。そのソフトを手掛ける開発スタッフにインタビューを実施した。

『ロスト プラネット 3』

 本作は、サードパーソンシューター(TPS)として人気の『ロスト プラネット』シリーズ最新作。シリーズ第1作『ロスト プラネット エクストリーム コンディション』への原点回帰をメインテーマに、厳しい自然環境や現住生物“エイクリッド”との戦いの中で、多種多様な登場人物たちの人間ドラマが描かれるという。惑星“EDN-3rd”での活動に不可欠な、工業作業用重機“ユーティリティ・リグ”が初登場する。

 今回のインタビューでは、プロデューサーのアンドリュー・サマンスキーさんとディレクターの大黒健二さんへお話を伺った。本作の世界観や登場人物など、本作の魅力について改めて語っていただいた。なお、インタビュー中は敬称略。

『ロスト プラネット 3』
▲左がプロデューサーのアンドリュー・サマンスキーさんで、右がディレクターの大黒健二さん。

■テーマはシリーズのイメージへの“原点回帰”

――まず、本作の世界設定について改めて教えていただけますか?

アンドリュー:『ロスト プラネット』といえば、“極寒の世界”をイメージされる方が多い。そういったこともあり、まず今回の世界観として“原点回帰”というキーワードを掲げ、『1』の時のような極寒の世界にフォーカスを当てました。タイトルは『3』となっていますが、シリーズの時間軸としては『1』よりも過去で、シリーズの舞台であるEDN-3rd初期の開拓劇となっています。

大黒:新たな世界観とゲーム性の両立を考慮して作り出しました。シリーズの最新作としては、新しさを見せる必要があります。どうやって表現するかを考えた時に、舞台を過去にすることで、より厳しい“極寒の世界”を描けると思ったんです。さらに、その世界観にあわせた新たな楽しみ、没入感を生み出せるのではないかと。

『ロスト プラネット 3』
▲過去の作品より厳しい寒さとなっているEDN-3rdでは、地球では見られないような、危険なまでに美しい光景も見られる。

――時代が過去ということですが、今回のために設定を作り直したのでしょうか?

アンドリュー:新たな設定を付け加えて、それに整合性をつけました。年表を細かく掘り下げると、若干つじつま合わせが入っていますが、ご愛嬌ということで(笑)。ゲーム作りでは説得力が重要ですが、まず何よりエンターテイメントなので、世界設定に詳しい熱心なファンの方も、そうでない方もしっくりくるような世界設定にしてあります。

――テクノロジー的には『1』よりも昔になりますよね。本シリーズではアンカーショットを使った自由度の高い移動をイメージするのですが、今作でも登場しますか?

大黒:今作では、EDN-3rdの開拓期に起こった先駆者たちの苦労を描きます。そういった中で、アンカーショットを使ってピュンピュン跳ね回る姿は、はたして絵的にも世界観的にも合っているのかという議論になりました。また、テクノロジー的にも過去のものですから、まだ試作品の段階だったのではないかと。それらもあり、過去の作品ほど自由な使用はできず、ある程度限られた場所での使用に制限されています。

 ただ、それによってゲームとしてのテンポが落ちるのもいけないので、途中から徐々に機能は向上していきます。プレイヤーの皆様が触っていただいた時に、気持ちよく使っていただけるようなバランス調整には苦労しました。

『ロスト プラネット 3』
▲特定の場所であればアンカーショットを使っての移動が可能なようだ。

――廃墟となった基地内を主人公が探索する姿が見られましたが、今作はシューターというより探索がメインになってくるのでしょうか?

大黒:メリハリのあるバランスになるように調整しました。世界観的にもそうですが、主人公を通じた人間ドラマが描きたいということもあり、バトルをしながら惑星を開拓していく感覚を強く押しています。

アンドリュー:ゲームの大まかな流れは、本筋の物語を追っていくメインミッションがあり、そこから多数のサブミッションに派生していきます。

■誰にでも親しめる親近感のある登場人物たち

――主人公のジム・ペイトンについて教えてください。

アンドリュー:ジムは、妻と子どもを地球に残してEDN-3rdへやってきた、出稼ぎの労働者です。軍人のような戦うことを生業とした人間でも、典型的なヒーローでもありません。ジムは未知なるエネルギー源であるサーマルエナジー(以下、T-ENG)を採取することで、多額の報酬をもらえます。さらに、いろいろな危険手当もつくので、地球に残した家族を養うために一攫千金を狙っているのです。

『ロスト プラネット 3』
▲口元に蓄えたヒゲが印象的なジム。愛する妻と生まれてきたばかりの子どものため、一攫千金を夢見てEDN-3rdへやってくる。

――ムービーやデモプレイを見る限り、とても親しみやすい印象を受けました。

大黒:ゲームの製作では、世界観をどうやって体感させるか、いかに没入感を出すかが重要なポイントになります。ジムをより一般人に近い能力や思想にすることで、プレイヤーとの距離感をぐっと縮めてより彼の心境を体感できる。そういったこともあり親近感のある主人公にしました。

――ジムの表情はとてもリアルですが、モデルになった方はいるのでしょうか?

アンドリュー:はい。今回は“パフォーマンスキャプチャー”という技術を採用しております。実際の役者さんにモーションキャプチャーでの身体の演技、フェイシャルキャプチャーでの表情の演技、声の収録をすべて同時に行い、その役者さんの一挙一動をゲームに投影しています。

大黒:ジムもそうですが、主要人物となるキャラクターには、すべてこの技術を使っています。イベントシーンのやりとりは、大作映画に匹敵するほどの出来映えで、本作の売りの1つといってもいいレベルのクオリティに仕上がっていますよ。ぜひ、イベントシーンにも注目してください。

――主要人物やジムの雇い主はNEVEC。いままでのシリーズでは敵対組織として登場してきましたが、彼らを見るとフレンドリーな印象を受けます。今作においてのNEVECの立場を教えてください。

アンドリュー:今作の時代では、NEVECは入植活動をする民間企業でした。元々は営利目的だったのですが、入植活動やT-ENGの発見をしているうちに、だんだん軍事目的や資源搾取をしていく悪徳企業に切り替わった歴史があったのではないか。詳細はここでは具体的に言えませんが、惑星を開拓していくなかで思わぬ展開になるので期待していてください。

大黒:モノの見方は、その時の立ち位置で変わるもの。善悪の概念を、主人公であるジムを通じて感じていただければと思っています。

『ロスト プラネット 3』
▲基地の責任者であるブラドック。胸元のロゴからわかるように、彼は過去のシリーズで敵対勢力として描かれたNEVECの人間のようだが、悪人の印象は受けない。

⇒シリーズでおなじみのエイクリッドや
大型重機ユーティリティ・リグについては次のページで!

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