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2013年4月1日(月)

【第1回】電撃おすすめアプリ 毎日レビュー『ダークサマナー』

文:石田賀津男

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■狂気に満ちあふれた世界を余すことなく体感せよ!

 ここまでお読みいただいた方には、本作のグロテスクなモンスターや残酷な生贄など、ダークな部分が少しは伝わったと思う。しかし、ここまでの話はまだまだその一端にすぎない。このゲームをよく見ていくと、もっと狂気じみた部分があちこちに存在していることに気づく。

 まずはミッション。ゲームとしてやるべきことは、先へ進むために画面をタッチするだけだ。しかし、内容をよく見てほしい。あるミッションでは要人警護を行うという内容なのだが、周囲の安全を確保するなどの任務を達成すると、その先で敵の強襲を受ける。これを撃退すると、“敵兵を拷問し作戦を聞き出せ”と任務が続く。そしてプレイヤーは淡々と、“実行”を、何度も何度も、目的を達成できるまでタッチし続けるのである。

 他のミッションも似たようなものだ。敵の前哨地へ潜入して見張りを拷問し、防備を聞き出してさらに奥へと侵入し、食糧庫にある食品に毒物を混ぜる。敵の潜伏拠点に火を放ってあぶり出した後に惨殺し、敵の増援にその死体を見せつけ、怯んだところを叩き殺す。いったい誰の指令なのか、陰湿で残忍、傍若無人なミッションが、実に淡々と続いていく。それが文字情報だけで、しかも読まなくても進めるような気軽さで描かれているのが、逆に恐ろしさを感じさせる。

『ダークサマナー』 『ダークサマナー』
▲何気なく書かれたミッションの内容が壮絶。

 またモンスターも絵柄だけでなく、他の部分にも注目してほしい。各モンスターには能力値のほかに解説文が付いており、その特徴や生態が描かれている。“のこぎり状の前足で切り刻み、肉片を巣に持ち帰る”など、こちらも残虐表現が満載。さらに希少なモンスターになると、書物から引用された過去の伝承という形で書かれたものもある。

 ただイラストが怖いだけでなく、容赦のない文字表現も加わることで、本作のより深い世界観が見えてくる。なんとなく画面をタッチしているだけでも遊べるのは確かだが、1つ1つじっくり目を通していくことで、この世界の独特な味はさらに深まっていく。

『ダークサマナー』 『ダークサマナー』
▲新しいモンスターを手に入れたら、その紹介も読んでおきたい。

■シンプルなゲームをダークな世界で形づくり、リッチな演出で描かれた意欲作

 本作はゲーム部分だけを見れば、カードを集めてデッキを組み、指令を進めてバトルするという、オーソドックスなスタイルだ。そこに驚くような仕掛けがあるわけではない。

 しかし、このホラー満載なイラストと、妥協のない残虐な表現が加わることで、他のソーシャルゲームには見られない独自の世界観を見事に構築している。題材が題材だけに好き嫌いが分かれるのは当然だが、全世界で600万IDを突破、うち半数近くが日本国内のものだというから、ただのキワモノ扱いでは済ませられない。

 ブラウザ型ではなくアプリ型であることも本作の大きな利点だ。ゲームを開始直後からBGMが流れ、召喚や生贄ではムービーによる演出も加わるリッチさは、世界への没入感を1段高めてくれる。また1つ1つの行動でページ切り替えが発生しない分、操作はスムーズでストレスがない。タッチ連打でちゃんと反応してくれるというだけで、ソーシャルゲームのプレイヤーとしては結構うれしいものだ。

 かわいい女の子やカッコいい騎士を集めるゲームもおもしろいし、私もそういったタイトルをいくつか並行して楽しんでいる。ただその中で、「それがどうした!」と言わんばかりの、自己主張の強い変わり種が1つあってもいいと思う。「ホラーには興味ないな」という人も、ソーシャルゲームについて語りたいなら忘れずチェックしてほしい一品だ。

『ダークサマナー』 『ダークサマナー』
▲伊藤暢達氏など、著名なイラストレーターも参加。多彩なモンスターのイラストはやはり魅力的だ。

■初心者の方へ ~序盤のポイント解説~

 最後に本作の序盤プレイについて簡単に解説しておきたい。鍵になるのはやはりモンスターとプレイヤー双方の強化だ。

 モンスターにはCからAAA+までレアリティが設定されている。レアリティが高いほど強化による限界レベルが高くなるので、最終的には強くなる。ただ高レベルにするには膨大な数のモンスターと多額のゴールドが必要になるため、序盤はレアリティが低めでも、初期能力値が高いカードを選ぶとスムーズに進められる。基本的にバトルポイントの高いカードは能力が高めに設定されている。

 プレイヤーの強化は、レベルアップのほか、フレンドを増やすのも効果的。フレンドが増えると、レベルアップ時と同様にパワーやバトルポイントを伸ばせる。レベルの近い人を自動で検索してリストアップしてくれる機能があり、申請もワンタッチでできるので簡単。お互いにメリットがあるので、どんどんフレンドを増やしておきたい。

 あとは期間限定イベントには積極的に参加したい。経験値やゴールドにボーナスがあったり、報酬として強力なモンスターを入手できたりする。モンスターの資産がない序盤には特にありがたいので、トップページの情報を見逃さないよう注意してほしい。

『ダークサマナー』 『ダークサマナー』
▲期間限定イベントは次々と新たなものが開催される。乗り遅れないよう参加したい。

(C)Ateam Inc.

データ

▼『ダークサマナー』
■メーカー:エイチーム
■対応機種:iOS/Android
■ジャンル:RPG
■配信日:2012年2月23日
■価格:無料(アプリ内課金)
 
iOS版『ダークサマナー』のダウンロードはこちら(iTunesが必要)
 
Android版『ダークサマナー』のダウンロードはこちら(Google Playにリンク)

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