2013年4月12日(金)
――今回のジオラマを作ってみて、大変だったところは?
部品やパーツが統一されていないというところですね。例えば、腕は20年前に発売されたガンプラのものを、胴体は最新のガンプラのものを……となると、パーツそのままに組み立てることは難しいんです。じゃあどうするのかというと、どこかでパーツを改造したりしてすり合わせなきゃいけないんです。それと、新しいものはディテールがきっちりとあったり、パーツのエッジがしっかりしてます。昔のガンプラは、その部分でユルいところがあったりするので、最新のものに近づけるというのも大変でした(笑)。
――大変だったというお話ですが、とても楽しそうに話しているように見えます(笑)。
ええ。大変は大変なんですけど、それがまた楽しいんですよ! 実際にガンプラを組み立てたことがある人ならわかると思います。
――確かにそれはありますね。組んだ直後は「しばらく作らなくてもいいかな……」なんて思うんですけど、新しいプラモを見るとついつい手を伸ばしちゃうんですよね。さて、お話を戻しまして、ガンダムの後ろに爆炎がありますが、これはどのようにして制作されたのでしょうか。
これは発泡スチロールをカッターで切って芯を作り、紙粘土で形を整えたんですね。
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▲“怪獣絵師”開田裕治さんのファンだという角田さんがこういう爆発をジオラマに盛り込むのも、開田さんのイラストを意識してのこと? |
――ジオラマに登場しているMSについて伺いたいのですが。
まず、ストライクフリーダムガンダムは、ほとんどは元のMSそのままですね。違うところと言えば、手に持っているライフルが、ガンダムのビームライフルになっていることですね。
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▲武器だけが元の機体とは異なる構成。細部まで塗装されていて、角田さんの作業の丁寧さを伺うことができる。 |
――ガンダムの足元にいるザク(?)については?
これは脚がドム・トローペンで、腕がグフ・カスタムですね。ただし腕はMGのサイズのものなので、他のものよりもかなり大きいかと思います。それと胴体はサザビーですね。ひょっとしたらゲームでは簡単に再現できるのかもしれませんが、実際のガンプラだとスケールが違うので真似するには結構大変かもしれません(笑)。
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▲サザビーの胴体にあるメガ粒子砲の形とドム・トローペンの下半身のパーツの形がぴったりと合っていて、別のMSとは思えないほどマッチしているのが特徴的だ。 |
――頭がガンダムアストレイのMSについてもお願いします。
これも大変なキットでしたね。最新のキットと古いキットがかなり混ざっているMSなんですよ。頭はガンダムアストレイ、バックパックはフリーダムガンダム、脚はヘビーアームズで、腕は百式です。それと武装はMGのシナンジュやサザビーのものを使っています。武器と腕のサイズが違っていて、最初はちょっと持てないんじゃないかなと。それと、実際に組もうとしたら、いろいろなガンプラからパーツを持ってこないといけないので、かなり豪華なキットになっています(笑)。でも、ゲームならこれをすぐに再現できるかもしれないので、いろいろ楽しめそうな予感がしますよね。
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▲1/144の機体に対して1/100の武器と、かなりオーバースケール気味だが、その大きさから力強さを感じることができる。 |
――バンシィが頭部のMSは、イメージビジュアルだと背面しか写っていなくて、少しもったいない感じがしますね。
そうですね(笑)。頭がバンシィで胴体がシナンジュ、バックパックがウイングガンダムゼロカスタム(EW)と、こちらもかなり豪華なパーツになっています。通常のキットを組み合わせたら、機体の色が大変なことになっていると思いますが、黒と金をベースに仕上げているので、かなり統一感が出ていますよね。
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▲イメージビジュアルでは背面しか見えないガンプラだって、もちろんすべて作り込まれている。今回は特別に機体の正面も公開! |
――PGのガンダムですけど、これはビームサーベルの表現が特徴的ですよね。
普通のガンプラではこういう“ビームサーベルを振っている”ような表現はしませんけど、私はこういう表現が大好きなんですよ。ビームサーベルをドライヤーで温めて少し角度を付けて、プラ板をそこに当ててビームの波のようなものを付けていくんです。それを塗装すればこういう表現を作ることができるんです。
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▲ビームサーベルとプラ板の繋ぎ目はパテを使って消しているとのこと。ビームサーベルを避けようとのけぞるMSの細かい表情付けにも注目。 |
先ほどバンダイナムコゲームスさんからパーツの組み合わせの指定があったと話しましたが、最初に見た時はこれを考えた人は何を考えているんだろうと思ったんですよね。でも、実際にやってみると、楽しいし何よりカッコイイんです。しかもこれがゲームだと、すぐに作れるというのもいいですよね。ガンプラを作るのは苦手だけど……という人でもゲームならそれを簡単に再現できるので、ぜひこれで自分だけのMSを作ってみてほしいですね。それで、できれば実際のガンプラにも手を伸ばしていただけたら、私もジオラマを作ったかいがあったのかなと思います(笑)。
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▲実際のジオラマをCGで加工したものがこちら。『ガンダムブレイカー』のゲーム内容もこのようなものになる!! |
というわけで、プロモデラー・角田勝成さんのインタビューをお送りしました。『ガンダムブレイカー』を遊んでいると簡単にカスタマイズできちゃいますが、実際に作ってみるとなると、大変なんだということが伝わってきました。でも、角田さんが実に楽しそうに話すので、大変なところが楽しいんだな、とも思ったり。
今回はジオラマを中心に角田さんのお話をお届けしましたが、いかがでしたでしょうか? 角田さんのガンプラ愛があふれるジオラマは、4月25日発売の『電撃ホビーマガジン 6月号』で確認できます。興味がある人は、そちらもチェックしてくださいね~!
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※画面は開発中のものです。
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