『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズ座談会でヨコオタロウから飛び出す過去作の衝撃的真実…『DOD1』のアレは神様じゃない!?

文：タダツグ

■ファン激怒？　カイムとアンヘルの関係は、ホストとマダムのそれに類似!?

松下：でもね。正直、あのゲームでのヒロインって、ファンの間ではフリアエではないらしいですよ。特に女性ファンの間では。

ヨコオ：ああ、アンヘル？

松下：ええ。そういう意見も多いですよね？

ヨコオ：たしかに。そこは僕も思うところがありまして。アンヘルとカイムってよくカップリングになってるじゃないですか。あれを自分で分析してみたんですよね。なんであのカップリングが人気あるんだろうかって。

松下：それは意識されて盛り込んだ要素なのでは？

ヨコオ：いや、まったく。僕の中で、あれはホストと、ホストに狂ってるオ●●って感覚ですし。

松下：ちょっと！　その表現!!

ヨコオ：●●ギはダメ？　じゃあ、ピ●●でもいいです。

松下：そういう意味じゃないから。何この残念な感じ。

ヨコオ：つまりは、おばさん。ごめんなさい、ホストと●●ン●だな。歳のいったおばさんがホストに狂うっていう話を描いてたんですけど、結果として人気が出たってことで、その理由はどこにあるんだろうと、自分なりに不思議に思ったんですよね。

▲カイムとアンヘルが契約するシーンは、見る人が見るとエンゲージシーンに映る（らしい）。

松下：……では、分析してみて答えは出たんですか？

ヨコオ：考えてみて思ったのは、自分に自信のない女子が、「こんな私でも認めてくれるんだ」って投影できた……みたいな。“モンスターでもイケメンと付き合える”っていうファンタジーがあったんじゃないかな、と。そういう分析をしてですね、自称・腐女子の方にそう言ってみたら、「はっ、だからアンタわかってないのよ」って言われちゃったんですけども（笑）。

松下：それってつまり……。

ヨコオ：全然わかってないみたいです（笑）。

松下：ヨコオさんの分析、正直おもしろいと思ってしまったんですけど、やっぱり違うと僕も思います。じゃあなんなのって言われてもわからないですけど。

ヨコオ：わからないんですよ、僕も。ドラゴンとイケメンが付き合ってて、どうして女子の人がキャーッって喜ぶのか、さっぱりわからない。あ、もう1杯ビールをお願いします。

染谷：（無言で店員の呼び出しボタンを押す）

松下：そもそも、喜んでるのは女子だけかどうかすらわからない。というか、ヨコオさんの中で、あれがラブストーリーだったのかどうなのかってところなんですよ。そこが、少なくとも僕ら男性ファンにとって、最もわからないところなんです。ほんと、なんだかわからないことだらけだな。

ヨコオ：ラブストーリーじゃないですね、あれは。たしかメインストーリーで、岩崎さんに『ロミオとジュリエット』をやろうって言われたんだよなぁ……。

松下：でもそれって、ロミオはカイムで、ジュリエットはフリアエってことですよね？

ヨコオ：うーん、正直よく覚えてない。

松下：ええ？　ちょっと！　もう酔っぱらっちゃったんですか!?

ヨコオ：いや、本当に覚えてないんですって。実は僕、レオナール、セエレ、アリオーシュの話を自分で書いていて。メインストーリーはどうせ、そんな恋愛話がなきゃいけないんでしょ～みたいな、すごい手を抜いた感じで作ったんで。いや、力を抜いたって言い方のほうがいいかな。

松下：その微妙な手抜き……じゃない、力を抜いて作ったからこそ、思ってもみなかったファンの発想が生まれた、と。

ヨコオ：なんか今、すごい嫌な気持ちになりましたよ。がんばらなかったから評価されたみたいな。

▲レオナールやセエレ、アリオーシュたちのエピソードに力を入れたと語るヨコオ氏。たしかに、これらのお話はちょっとこう……かなり狂気を感じるものが多かった。

松下：そもそもの話、設定資料集に書いてあるじゃないですか。ドラゴンの性別は単一性って。単一性だけど、どっちかというと雌、程度の解釈でしたよね。

ヨコオ：そうでしたねぇ。僕もそれ、最近久しぶりに見て思い出したんですよ。

松下：いつからこれ、れっきとした雌設定になったんだっけ、と。なんだか雌が公式設定になってるじゃないですか。

ヨコオ：そうですね、不思議ですね。本来単一性ってことは、性別なんてないはずなんですけど。まぁ、どちらかというと雌ってことで……うーん、それはもう、ファンの女子の方に聞いてみてくださいよ。僕にはわからないです。

→だったら『DOD2』のカイムとアンヘルはどうなるの？（4ページ目へ）

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