2013年4月15日(月)
SCEから発売されるダウンロード専用PS3ソフト『rain』。本記事では、プロデューサーである鈴田健氏と、ディレクターの池田佑基氏にうかがったインタビューの内容を掲載する(『電撃PlayStation Vol.540』より転載)。なお、チャプター1“夜と子供たち”のプレイ動画も公開されているのでチェックしてみよう。
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▲鈴田健氏……『rain』のプロデューサーで、“PlayStation C.A.M.P!”プロジェクトに携わる。代表作に『無限回廊 光と影の箱』などがある。 | ▲池田佑基氏……本作のディレクター。“PlayStation C.A.M.P!”出身のクリエイター。代表作として『100万トンのバラバラ』がある。 |
――まず、『rain』のゲームコンセプトと、開発のきっかけについてお聞かせください。
池田佑基氏(以下敬称略):「どうやったらプレイヤーを驚かせられるのか?」というところがそもそものきっかけですね。主人公が見えなくなったらどうだろうと……。とはいえ、主人公が見えなくなったらゲームになりません。じゃあ、雨に降られることで姿が浮かび上がるというのは? というアイデアを提案したところ、チーム内からも賛同の声が上がりました。その素敵なアイデアをどのように伝えていくかと段階的に考えたんです。そのなかで、夜の街が舞台であること、そこで迷子になることという設定が、徐々に固まりました。かなりゲーム的にアプローチしましたね。
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▲“雨”も本作のキーワードの1つ。同じ街並みでも雨が降ることで、不安や切なさを感じさせ、イメージはガラリと変わる。同時に少年、少女、怪物の姿を映し出すギミックともなっている点にも注目したい。 |
――トレーラーでは幻想的な映像や、“不思議な世界”という言葉も確認できましたが、世界観はどのようなものになるのでしょうか?
鈴田健氏(以下敬称略):まず『rain』は、幻想的でもあり現実的でもあるということがキーポイントになっています。それは“迷子”というコンセプトにも通じています。迷子とは自分のテリトリーから、少しはみ出るイメージなんですよ。豪快に迷ってしまうのではない。現実性がすぐ近くにあり、少し先に幻想性もある。その2つの狭間の世界を描いていますので、不思議なイメージを感じていただけると思います。
――静かな夜の街に響く雨音からは少年のさびしさが感じられます。
池田:主人公の姿が見えないという状況設定、しかも夜の街という舞台を提供して「どこまでもさびしくしよう」とあおった結果です。透明な物体が見える媒体が雨であるのは、作品の最も重要なギミックの1つとして雨を使いたいという想いがあったからですね。
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――公開されている映像などでは、ドビュッシーの『月の光』が使われていますね。
鈴田:もともと、ドビュッシーが好きだったということもあり、「これしかない!」と思いましたね。
池田:みんなが知っている曲って、共有しやすいですからね。そういう力を借りて、雰囲気を出しています。
→『rain』の世界観や演出へのこだわりは、次ページをチェック!(2ページ目へ)
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