2013年5月4日(土)
電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。第75回となる今回は、『OP-TICKET GAME』を執筆した土橋真二郎先生のインタビューを掲載する。
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▲植田亮先生が描く『OP-TICKET GAME』の表紙イラスト。 |
本作は、男子の夢をかなえてくれる“不思議なチケット”を巡る戦い(?)を描いた土橋真二郎先生の最新《ゲーム》小説。10枚集めると同級生の女の子のおっぱいが揉める不思議なチケット――おっぱいチケット。伝説かと思われたチケットは実在しており、それを巡って男子たちがアツい戦いを繰り広げることに。
「裏切らない、おっぱいは裏切らない」
「失敗して灰色の生活を送るのはイヤだ」
「出し抜こうと動いている人間がいる」
揉むか揉まれるか。《夢と希望》、そして《絶望》が表裏一体となった伝説のゲームが幕を開ける!
土橋先生には、本作のセールスポイントや小説を書く時にこだわっているところなどを語っていただいた。また、電撃文庫 新作紹介ページでは、本作の内容を少しだけ立ち読みできるようになっている。まだ読んでいない人はこちらもあわせてご覧あれ。
――この作品を書いたきっかけを教えてください
このネタは前々からあったのですが、『電撃文庫MAGAZINE』のインタビューにてこんな構想があると、ちらっともらしてしまい、「あのネタ、誰かに使われる前に早く書いたほうがいいよ」と担当編集さんに言われたことがきっかけです。僕もずっと、誰かが先に書いてしまったらどしようと息苦しかったです。
――作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?
この作品は大航海時代をモチーフに作られています。この海の果てはどうなっているだろうと、そんな人間の好奇心、そして新しく発見した大陸はすでに誰かのものなのか、それとも未開の地なのか。危険を冒して海を渡った人間たちに共通するのは、探求心と想像力です。その力が原動力となって海へと漕ぎだしました。この作品の主人公たちも、そんなエネルギーを持って戦い真実を探します。
――作品を書くうえで悩んだところは?
主人公の純真さと欲望のジレンマでしょうか。主人公には最後まで純真であってほしいと思ったのですが、ゼロサムゲームに勝つために汚れていかざるを得ず、そこに葛藤がありました。
――執筆にかかった期間はどれくらいですか?
プロットと執筆で2カ月ぐらいです。ただ先にも書いたとおり、もともと構想は昔から持っていました。
――主人公やヒロインについて、生まれたきっかけや思うところをお聞かせください。
書き始めた時に主人公の明確なキャラクター設定はありませんでした。しかし、物語が進むうちに主人公は、時には熱く時には冷静に、仲間とともに喜び笑い嗚咽するという感情豊かなキャラクターになりました。
主人公が最後にたどり着いた境地は、すべての感情を出し尽くしたからこそだろうと、僕自身が教えられました。
――小説を書く時に、特にこだわっているところは?
無駄な言葉を使わないようできるだけシンプルに書こうと心がけています。
――執筆中のエピソードはありますか?
ありません。淡々とひたすらパソコンに文字を打ち込むという渇ききった執筆生活です。
――アイデアを出したり、集中力を高めるためにやっていることは?
気分転換のために執筆はいろんな喫茶店でやるようにしています。近所の喫茶店はほぼ制覇しました。さらに行き詰まったらお散歩に行きます。
――高校生くらいの頃に影響を受けた人物・作品は?
人物、作品共に『ゴルゴ13』です。教室にゴルゴ本棚を作ったため、クラスで「俺の後ろに立つな」という言葉が流行ってました。あと、クラスの女子が読んでた『ガラスの仮面』も、借りてみたらはまりました。
――現在注目している作家・作品は?
『進撃の巨人』のコミックを集め始めました。
――今熱中しているものは?
お料理です。いろんな調味料を集めるのが楽しいです。
――ゲームで熱中しているものがあれば教えてください
最近は“リアル脱出ゲーム”に参加しています。脱出ゲーム友だちは、電撃作家さんの上月司先生や五十嵐雄策先生です。
――読者へのコメントをお願いいたします。
この小説は高校を舞台にした恋愛小説です。僕はぼやっとした愛とか恋という言葉を信仰しておらず、この作品では男女の距離感をデジタル的に表現することにしました。例えば主人公とヒロインの恋愛が完結するまでの距離を十分割し、はっきりと物質として作品に出しています。
つまりこの作品は恋愛を物質として表現した新しい形の恋愛小説だと思っています。特に女性に読んでいただきたいと思っているので、興味が湧いたらぜひどうぞ。
(C)土橋真二郎/AMW
イラスト:植田亮
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