2013年5月13日(月)
――ちょっと変化球的な質問ですけど、発売から少し時間がたった今、『ブレイブリーデフォルト』の出来は100点満点中どのぐらいだったと自己採点しますか?
中原:うーん、80点ぐらいかなあ。ゲーム単体の出来としては80点ですけど、浅野さんをはじめとした開発スタッフの熱量や、遊んでくださったユーザーの皆さんの好意や盛り上がりを合わせると、さらに10点を足せるかなと。残る10点は、開発スタッフとしてやりきれなかった部分の反省です。
逆に、電撃オンラインさんとしては何点ぐらいですか?
――感情的には95点ですけど、いろいろと考えて85点にしておきます。だって、絶対に完成度が高まった続編が出ると信じているので、ここで点数を高くしすぎると、その時にほめるところがなくなっちゃうじゃないですか(笑)。ただ、初めて真終章をクリアした時の気持ち的には、100点満点の衝撃でした。それでは、高橋さんは?
高橋:作り手側の一個人としては、なかなか難しいところです。中原さんと同じような感覚なんですけど、よかった部分に対して僕自身がどれだけ貢献できたのかと考えてしまうと、反省がありますね。林さんや網代さん(シリコンスタジオに所属する網代恵一さん)のシナリオ、Revoさんの音楽、浅野や中原さんのゲーム性やシステムのおもしろさ。そういった部分を手放しで見ると、90点以上だと思います。反面、自分自身の貢献度としては、50点ぐらいでしょうか、まだまだです。
浅野:なかなか自己採点は難しいですね。プロデュースワークという点で言うと、現時点での自分的には「これ以上できない!」という限界までやったつもりなので、100点と言うつもりはないですけど、100%という言い方になります。
一方、客観視して商品やゲームファンの視点から見たとして……うーん、やっぱり客観視できないです(苦笑)。100%やりきったとは言い切れますし、そういう商品でなければお客様の前にお出しできません。ゲームファンの皆さんに対して、失礼なことになってしまいますから。自分は100%やりましたし、他の開発スタッフのみんなにも100%以上を出してもらったと思うんですよ。開発期間も、当初の予定から少し延びましたし。
中原:そういう意味では100%以上作り込みました。開発期間が延びても、全然楽にはなりませんでしたけど(笑)。
浅野:なんと言いますか、これは学問と同じだと思います。いくらでも作り込めて、いくらでもやれるので、ゴールや100点はないと思います。今後もより高みを目指すと言いますか、完成度を高めたゲームを作っていければと思います。
――『ブレイブリーデフォルト』を遊んでいて感じたのは、“プレイヤーが取った行動に対する反応”が、本当に小さな部分まで意識されている気がしました。召喚魔法の“スサノオ”を捜してるように見える人物と戦う時に“スサノオ”を使うと、ちゃんと反応があるじゃないですか。剣聖カミイズミについても、遊び方しだいで彼の生死を変えることができるようになっていますよね。こういう部分は、ゲームならではの楽しみだと思います。
中原:そういった部分は、シナリオディレクターを担当した網代の遊び心の賜物みたいなものです。
▲特定の条件を満たすことでキャラクターの生死が変わることも。普通に遊ぶと気づかないような、大小さまざまな仕掛けが用意されている。 |
――パーティチャットもかなりの数がありますよね。中には、あえて罠にかからないと発生しないものもあって、全部を見ようとするのは大変でした。
中原:Dの手帳も、かなり細かく内容が分岐しますから。初期段階のDの手帳は、自分が旅をした記録を記録していくという想定だったので、サブシナリオのキャラと出会うタイミング1つ取っても、4章で出会ったか5章で出会ったかで体験が違うので、手帳の記述も変わっててしかるべきだったんですよ。ユーザーさんからは、「どちらの場合の記述も、それぞれ手帳に残るようにしてほしかった」との声をいただきまして、ちょっと反省しています。なんにせよ、本当に細かい部分まで遊び込んでいただけてうれしいです。
――小さな反応や分岐が多いので、ついついいろいろと試してみたくなるんですよ。
中原:複数のキャラと同時に戦う場合、どちらを先に倒したかで反応が変わることがあるんですけど、そういった部分まで楽しんでくださるユーザーさんが多かったみたいでして。
――そういう風にちゃんと反応があるから、どんどん楽しくなって遊び続けちゃうんですよ。流行の言葉でいうところの良質なユーザーエクスペリエンスが提供されていると思います。
→冒険家には裏設定が?
『ブレイブリーデフォルト』は妄想話も盛り上がる!
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MAIN CHARACTER DESIGN:Akihiko Yoshida.
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