2013年6月19日(水)
松下:場もだいぶ温まってまいりましたが、続けて10位以上のキャラについて語っていただきましょう。
柴:やっと半分なんですね。
松下:ということで来ました! ユーリック兄さんが10位です。
柴:仮面キャラですね。でも、今思えば仮面はいらなかったかもしれません。
藤坂:あー、そうかもしれませんね。
▲ユーリックの素顔。イケメンです。 |
松下:登場した瞬間に自分で脱いだりしてましたし(笑)。ちなみに、ユーリックを仮面キャラにしようと決めたのはどなたですか?
柴:僕です。昔からオタクで好きなんですよ、仮面キャラ。
松下:イラストが初めて公開された時は、この仮面の中身はカイムなんじゃないの? って、不覚にもだまされちゃいました。
柴:いやいや、カイムはこんな真夏なファッションはしないでしょ。
松下:それが不思議なことに、当時は完全にだまされていたんですよ。
藤坂:僕的には、へそ毛を描いて何も言われなかったのが今でも不思議なんですけどね。よかったのかな、これ。
松下:このギャランドゥ。
柴:このギャランドゥね(笑)。
藤坂:どこかで誰かに何か言われるかなって思ってたんですけど……意外にみんな気付かなかったですね。
柴:気付かないわけないんだけど、まぁ、みんな許容してたって感じなんでしょう。
松下:仮面を取ったらイケメンっていうお約束は、しっかり踏襲されていました。人気投票では、女性ファンがとても多かったです。
柴:そこは正直、狙い通り。なんだか申し訳ないくらい。でも、男から見てもいい兄貴ですよ?
松下:たしかに、頼れる兄貴分って感じ。それを地でいって、散ったわけですが。
松下:ユーリックが女性票なら、次は男性票を集めたハンチ。
柴:ハンチが多かった理由、僕はよくわからないから、ぜひ知りたいんだよなぁ。
松下:え? 僕は好きですよぅ、ハンチさん。
柴:どこらへんが好きなんですか?
松下:いやー、やっぱりエロスじゃないですかぁ? わかりやすく言っちゃうとぅ。えへへぇ。
柴:やっぱりそこなんだ。ちなみにここだけの話なんですけど、声優さんが途中で変わってるんですよ。
藤坂:あ、そうだよね。それ、書けるのかな?(笑)
松下:聞きたいです! いざとなれば伏字で。
柴:じゃあ言っちゃうけど。ハンチの声はAV女優の●●●●さんにやってもらってました。
松下:えっ!! ●●●●さん!? ぼ、僕もずいぶんお世話に……いや、げふんげふん。
染谷:カシャシャシャシャシャ(興奮のあまり、カメラで連写し始める)
藤坂:何そのリアクション(笑)。
松下:それが実現していたら、すごく話題になったかもしれませんね。
柴:やるべきだったんでしょうけどねぇ。当時は力およばずでした。……あ、ウーロンハイいただけます?
松下:じゃあ、僕はジンバックを。
染谷:(無言で店員の呼び出しボタンを押す)
松下:しかしそうなると、収録中はさぞかし興奮されたのでは?
柴:そりゃそうですよ! しかもそのAV女優の彼女、声優はたぶん初挑戦だったと思うんですけど、演技がとっても上手でして。バトル中のやられゼリフとか、正直やばかった(笑)。もちろん、その後にお願いした小島幸子さんの演技も素晴らしかったし、だからこそのこの順位なんでしょうけどね。
藤坂:ちなみにデザイナーとしては、ハンチの槍が気に入っています。
柴:うん、あれはかっこいいよね。
松下:これ、ケルピーがデザインされてるんですよね。
藤坂:そうです。『DOD2』の契約者が所持している武器は、その契約対象をモチーフにデザインしています。
柴:あ、ほんとだ。
藤坂:そういうのを盛り込まないといけないんじゃないかって、自分の中での理屈付けというか、こだわりがあったんですよ。
▲契約者たちの武器の意匠部分。左からザンポ(イフリート)、ハンチ(ケルピー)、ヤハ(ノーム)、ユーリック(死神)となっている。 |
柴:ちなみに現在、『DOD3』に登場する“使徒”が公開されていると思うんですけど。
松下:そうですね。ディト、デカート、オクタ、セントの4人が公開されてますね。
柴:彼らにも、藤坂さんらしいこだわりのディテールが盛り込まれています。
松下:え、どこですか?
柴:ぜひイラストを見直してみてください。
松下:次はお父さんですね。レグナー!
柴:これはもう、原田芳雄さんに演じてもらうことが決まった段階で、大喜びしてしまいました。
松下:すごいことですよ。アンヘルのピーターさんに引き続き、原田さんを起用されるとは。
柴:原田さんご自身は、ゲーム初挑戦どころか声優自体が初挑戦だったそうです。ただ、さすが舞台などで演じられているだけあって、とにかくオーラがやばかったです。
松下:藤坂さん的に、何か思い入れはありますか?
藤坂:ブラックドラゴンの時も言いましたけど、やっぱりこの『DOD』ならではのドラゴンというのは、長谷川さんが持っている力なんだと実感します。
松下:アンヘルよりもこう、どっしりしているというか、男性的で野卑なイメージが出てますよね。
藤坂:かっこいいドラゴンを描こうと思ったら、普通はもっと単純なデザインがあるんですよ。羽の形とかで、ドラゴンを簡単にかっこよく見せるセオリー的なものがあるんですけど、あえてそれをしないっていうところが素晴らしい。
柴:それをやったら普通になっちゃうから、あえて長谷川さんはやらないのかもしれませんね。
藤坂:僕はプロモーション用のイラストを描かせてもらうことも多かったんですが、集合絵にレグナとか、長谷川さんがデザインしたドラゴンを描こうとするたびに「ああっ!」ってなってました。こんなに面倒くさいデザインなのかって(笑)。
松下:わかる気がします(笑)。
柴:すみません。ここで自慢してもいいですか?
藤坂:うん。
柴:本来、プロデューサーがこういうことを言っちゃダメなのかもしれませんけど。実は『DOD2』のラストバトルって、セリフがいっさいなかったんですよ。しかも曲も。
松下:え? それはどういうことですか?
柴:製品では、ラストバトルの間、レグナとノウェがお互いの想いをぶつけ合うじゃないですか? でも、その掛け合いって最初は入る予定がなかったんです。
松下:おっと。それは演出としてさみしいですね。せっかくの盛り上がりどころなのに。
柴:そう思うでしょ? でも、理由としては、ゲームなので1分で終わる人もいれば、10分かけて戦う人もいるからというものでした。1分で終わる人にとっては、途中で会話が終わっちゃうから、おもしろくないじゃんってことで、それはそれで正論だったんですけど……。
藤坂:あー。あったね、そういう意見。
柴:でもね、今回だけはそれでも絶対に入れるべきだと。そこはプロデューサーの強権といいますか、正論どうこうではなく、絶対に譲れないと主張しました。だって、『DOD2』の物語は、あの瞬間のためにあったわけじゃないですか。極端な話、あのノウェとレグナのラストシーンと、カイムとアンヘルのラストシーンのために、『DOD2』というゲームはあったわけで。
松下:泣かせどころですよね。実際、ファンの声もそこに集中してますよ。ラストバトルというか、そのシチュエーションに。
藤坂:そういうところって、本当は安井さんの得意分野のはずなんですけど。安井さん本人の個性を出すよりも、バランスを取るほうを選んじゃったような気がします。
柴:おもしろいアイデアはいっぱいあったはずなんですよね。いろいろともったいない気がします。
藤坂:もっと吹っ切れればよかったのにね。あのマナとチューして変身しちゃうシーンとか、大爆笑だったもん。
柴:えーーーー! みたいなね(笑)。ああいうのをもっとおもしろおかしくやれば、『DOD2』はもっと違った評価になったのかもしれません。
松下:たしかに1分で終わっちゃう人もいるかも知れないけど、ラストバトルの演出は採用して正解だったと思います。中島美嘉さんの主題歌をバックに戦うとか、ちょっと泣きそうになりましたからね。
柴:この歳になったからこそ思うことなのかもしれないけど、父親を超えていくというテーマはすごくいいものだと思います。また、どこかでやってみたいですね。
→シリーズ最新作『DOD3』は“魔法少女モノ”になる!?(3ページ目へ)
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Character Design : Kimihiko Fujisaka.
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