News

2013年6月9日(日)

『MTG』の大会に出てみましょっ! 電撃MTGスタッフが“もっとも身近な大会”に参加してみたので、レポートするわね【MTG講座第7回】

文:カワカミ雁々

■もっとも身近にある大会“フライデーナイトマジック”に参加してみた!■

 皆さんこんにちわ。ここからは、電撃MTG担当ライター・カワカミ雁々による“フライデーナイトマジック”の参戦レポートをお届けします。

 フライデーナイトマジックとは、名前の通り金曜日の夜に全国で開催されている『MTG』の大会で、開催頻度や規模から言っても、もっとも参加しやすい大会です。どこのお店で大会が開かれているかはイベントロケーターで、お住まいの地域を入力すれば検索ができるので、探してみてください。だいたいは、皆さんが『MTG』を購入したカードショップに行けば大丈夫だと思いますよ。

 さて金曜日の夜、高田馬場にあるカードショップ・CARDSHOP晴れる屋さんに到着です。ここでのフライデーナイトマジックは大体17時から20時ごろに開かれます。開催時間はお店などによって異なるので、スケジュールを確認して、15分くらい前には着いているようにするといいでしょう。しばらく経つと、店員さんから、大会の受付を始める旨のアナウンスがあるはずです。そうしたら、受付に行って自分の名前とDCIナンバーを用紙に記入すれば参加受け付けは完了です。DCIナンバーをまだ持っていない場合は、受付でそう申告すれば、すぐにナンバーを発行してもらえます。イズミ先生の言うとおり、とってもカンタンなので、デッキができたらどんどん大会に参加しちゃいましょう!

MTG講座
▲こちらは店内の様子です。大会が始まる前はにぎやかで、そんなに緊張した雰囲気はただよっていませんでした。フライデーナイトマジックの開始前には、「練習しませんか?」と声をかけてくる人もいましたよ。

 では、続いて、この日の大会で使ったデッキを簡単に紹介したいと思います。フォーマットは5月に発売された『ドラゴンの迷路』入りのスタンダードです。なお、この日は2回大会に出場したので2つのデッキがあります。まず1つ目のデッキからどうぞ。

土地(23)

クリーチャー(17)

その他の呪文(20)

サイドボード(15)

2《島》
1《沼》
4《湿った墓》
4《繁殖池》
2《草むした墓》
4《水没した地下墓地》
4《森林の墓地》
2《内陸の湾港》
 

4《秘密を掘り下げる者》
4《悪名の騎士》
2《瞬唱の魔道士》
3《吸血鬼の夜鷲》
4《ダスクマントルの予見者》
 
 
 
 

4《思考掃き》
1《送還》
1《遠隔/不在》
2《ディミーアの魔除け》
2《シミックの魔除け》
3《突然の衰微》
3《心理的打撃》
2《化膿》
2《ルーン唱えの長槍》

4《強迫》
3《人間の脆さ》
4《地下牢の霊》
4《概念泥棒》
 
 
 
 
 

 これはビートダウンにちょっとコントロール的な要素を加えた“クロック・パーミッション“と呼ばれるタイプのデッキです。“クロック”というのは“時間を刻む”という意味で、クリーチャーによるすばやい攻撃でライフを奪うことを指し、“許可”という意味の“パーミッション”は打消し呪文によって相手の呪文を妨害する(許可しない)ということです。平たく言ってしまえば“少し打消し呪文の入ったビートダウン”ということですね。

 ビートダウンデッキなので、クリーチャーによる攻撃がメインのアクションとなります。このデッキの主な攻め手は《秘密を掘り下げる者》と《吸血鬼の夜鷲》、そして《ダスクマントルの予見者》ですね。

MTG講座 MTG講座
MTG講座 MTG講座

 これらのカードは共通して“飛行”能力を持っているので、他のクリーチャーにくらべてブロックされにくく、対戦相手にダメージを与えやすいのがポイントです。また《吸血鬼の夜鷲》はダメージを与えるとライフを回復できる“絆魂”とダメージを与えたクリーチャーを破壊する“接死”を持つ、《ダスクマントルの予見者》はカードを引き増しつつ、ライフを奪える(自分のライフも減りますが)という持っています。なお、このデッキはビートダウンにしてはかなりクリーチャー以外の呪文が多く入っていますが、これは“アップキープステップにデッキの1番上のカードを見て、それがインスタントかソーサリーなら変身する”という《秘密を掘り下げる者》の能力を早い段階で機能させるためです。変身した《秘密を掘り下げる者》はわずか1マナで3/2飛行と、きわめてコストパフォーマンスのいいクリーチャーになります。

 続いて、クリーチャー以外の呪文を見てみましょう。基本的には《送還》や《化膿》といった相手のクリーチャーに干渉するものと、《ディミーアの魔除け》や《心理的打撃》のような打消し呪文で構成されています。

MTG講座 MTG講座
MTG講座 MTG講座

 これらの呪文によって飛行クリーチャーの攻撃を通し、速やかに相手のライフをけずりきろう、というのがこのデッキのコンセプトでした。では続いて、このデッキで戦った3回戦を振り返ってみたいと思います。

<1回戦:対青白緑ビートダウン>

 3色の優秀なクリーチャー群と少しの打消し呪文という、似たコンセプトのデッキとの対戦となりました。違いは、こちらがマナ・コストの軽さを重視しているのに対して、対戦相手はやや重いけれど能力が強いカードを多く採用しているというところですね。

MTG講座 MTG講座
MTG講座 MTG講座
▲《聖トラフトの霊》や《ワームの到来》といったコストに対して高い攻撃力を持つカードが多く採用されているのが特徴です。これらのカードによる攻撃を《呪文裂き》のような打消し呪文と《セレズニアの魔除け》のようなカードでサポートして、戦場を制圧していきます。

 第1ゲームは速いターンに出てきた《聖トラフトの霊》に対して、こちらは《吸血鬼の夜鷲》を《ルーン唱えの長槍》で強化して殴り合いに持ち込もうとしましたが、《吸血鬼の夜鷲》を除去されてしまい、そのまま《聖トラフトの霊》と、彼が生み出す天使・トークンに押し切られてしまいました。ここで気づきましたが、このデッキには“呪禁”を持つクリーチャーに対処する手段がほとんどありません。これは大きなミスでした……。

 先手を取った第2ゲームはサイドインした《強迫》で、序盤の攻め手となる《セレズニアの魔除け》を捨てさせて、こちらが攻勢に出る展開に。そのまま《ダスクマントルの予見者》まで順調に戦力を展開し、《ダスクマントルの予見者》の能力で相手の方が《ワームの到来》を公開してしまい、4点のライフを失うラッキーもあり、勝利を収めることができました。やはり攻撃しないでもライフを奪うことができる《ダスクマントルの予見者》は頼りになります。

 再び相手が先手となったゲームは、やはり押される展開に。4ターン目を迎えた状態で《復活の声》と《聖トラフトの霊》を展開され、こちらのライフは10。選択肢は《地下牢の霊》か《ダスクマントルの予見者》の2択。《地下牢の霊》をプレイしますが、これがカウンターされ、返しのターンの攻撃でライフが2に。こうなるとお互いのライフを減らす《ダスクマントルの予見者》は自分の首をしめるカードになってしまいます。結果は変わらなかったと思いますが、先に《ダスクマントルの予見者》を出すべきでした。というわけで第1回戦は1-2で敗北してしまいました。

MTG講座
▲『ドラゴンの迷路』で白緑系のデッキには新戦力として《復活の声》が追加されました。自分のターンに対戦相手が呪文を唱えたらクリーチャーを出せる、という能力がとても強く、打ち消し呪文を使うデッキを強力にけん制することができます。

<2回戦:対白黒赤トークン>

 2回戦は白黒赤3色のトークンデッキとの対戦となりました。1ターン目から《秘密を掘り下げる者》を展開しますが、なかなか変身してくれません。対戦相手は《町民の結集》からの《無形の美徳》というトークンデッキらしい立ち上がりで、攻撃力に差を付けられてしまいます。

MTG講座 MTG講座
MTG講座 MTG講座
▲《町民の結集》や《イニストラードの君主、ソリン》のようなトークンを生み出すカードを多用し、それらを全体強化カードと組み合わせて戦うのがトークンデッキです。『ドラゴンの迷路』で“接死”と“絆魂”を与えられる《覚悟/意欲》が出たことで、戦闘で奇襲的に相手のクリーチャーを討ち取ることができるようになりました。

 結局、変身しないままブロッカーとして《秘密を掘り下げる者》は散り、こちらは《ダスクマントルの予見者》と《悪名の騎士》で戦線を支える展開に。“プロテクション(白)”を持つ《悪名の騎士》は非常に頼りになりましたが、《ダスクマントルの予見者》は《意欲》によって“接死”を得たトークンと相打ちしてしまい、じわじわと数で押されはじめます。その後2体の《ダスクマントルの予見者》を引き込み、空中戦に活路を見出しますが《大天使の聖堂》が与える“絆魂”によってライフをなかなかけずれず、そのうちにこちらが《ダスクマントルの予見者》の予見者によるライフ損失で自滅し、負けてしまいました。

 

 2ゲーム目。《強迫》で手札をのぞくと《無形の美徳》と《悲劇的な過ち》、そして《灼熱の槍》が。手札に《悪名の騎士》があったため《灼熱の槍》をディスカードしてもらいます。その後《悪名の騎士》を展開、《深夜の出没》を《心理的打撃》でカウンターと、順調にターンを進めていきますが4ターンに《イニストラードの君主、ソリン》を出されてしまい、一転ピンチに。さらに《ファルケンラスの貴種》も飛び出してきます。結局、この《ファルケンラスの貴種》を止められず敗北。0-2とストレートに負けてしまいました。

MTG講座
▲ブロッカーとして《ダスクマントルの予見者》を展開したのですが、結果はまたしても自滅!

<3回戦:白青赤ビートダウン>

 2連敗で迎えた最終第3回戦の対戦相手は、またしても《聖トラフトの霊》を主力とした白青赤のデッキ。《聖トラフトの霊》の打撃力に加えて《修復の天使》や《雷口のヘルカイト》といった中型以上の“飛行”クリーチャーを多く採用し、相手のブロッカーを飛び越して攻撃をしていくデッキです。

MTG講座 MTG講座
▲《修復の天使》は相手ターンにも召喚できる“瞬速”という能力を持つので、相手が何か呪文を唱えたら打消し、唱えなかったらターン終了時に召喚するという動きが強力なクリーチャー。《雷口のヘルカイト》は大型の“飛行”“速攻”クリーチャーで、能力により最初の一撃はほとんどブロックされず、安定して相手にダメージを与えられます。

 1ゲーム目は1回戦と同じように、3ターン目に《聖トラフトの霊》を出され、これに対処しようとブロッカーを用意していたら《雷口のヘルカイト》に突撃されるという展開で、何もできずに負けてしまいました。やはり《聖トラフトの霊》対策は必須ですね……。

 第2ゲームはこちらが2回マリガン、対戦相手が1回マリガンでスタート。《強迫》で手札をチェックすると《聖トラフトの霊》《修復の天使》《修復の天使》《雷口のヘルカイト》《雷口のヘルカイト》《ラル・ザレック》という超・高カロリーな手札。しかし、対戦相手は土地が2枚で止まってしまっている状態です。

 この機を逃してはならないと《吸血鬼の夜鷲》に《ルーン唱えの長槍》を装備させてライフをけずっていきますが、これは《ミジウムの迫撃砲》で除去されてしまいます。これで攻め手がストップしてしまい、ついに相手に土地を引かれてしまいます。その後は怒涛の勢いで展開されて勝負あり。第3回戦も負けて、0勝3敗と非常に不本意な結果で1回目の大会を終えることになってしまいました……。

MTG講座
▲頼みの綱だった《吸血鬼の夜鷲》を除去する《ミジウムの迫撃砲》。相手が土地事故を起こしていたので勝てるかも?と思いましたが、そんなに甘くはありませんでしたね。

→今回のポイントを振り返ってみましょう(3ページ目へ)

(C)1995-2013 Wizards of the Coast LLC, a subsidiary of Hasbro, Inc. All Rights Reserved.

データ

▼『ドラゴンの迷路』ブースターパックBOX日本語版
■発行:ウィザーズ・オブ・ザ・コースト
■発売日:2013年5月3日
■価格:13,230円(税込)
 
■『ドラゴンの迷路』ブースターパックBOX日本語版の購入はこちら
Amazon.co.jp
▼『ドラゴンの迷路』ファットパック英語版
■発行:ウィザーズ・オブ・ザ・コースト
■発売日:2013年5月3日
■価格:3,675円(税込)
 
■『ドラゴンの迷路』ファットパック英語版の購入はこちら
Amazon.co.jp

関連サイト