2013年6月21日(金)
E3 2013会場のNAMCO BANDAI GAMES AMERICAミーティングルームにて、2014年3月に世界同時期発売されるPS3/Xbox 360/PC用ソフト『ダークソウル2』のディレクターである、フロム・ソフトウェアの谷村唯さんにインタビューを行った。
(※NAMCO BANDAI GAMES AMERICAは、米国における本作のパブリッシャを担当)
『ダークソウル2』は、2011年に発売されたアクションRPG『ダークソウル』の続編タイトル。緊張感あふれるゲーム性はそのままに、二刀流や新たな敵などプレイの幅を広げる要素が大きく追加されている。
――『ダークソウル2』における、前作からの一番大きな違いはどこでしょうか?
今回は『ダークソウル』のコンセプトである“達成感”と“ゆるいつながり”の2点に基づいて内容を強化しています。具体的には、前者の“達成感”という部分において死に方のバリエーションを増やす……“死の多様性”という言葉を使っているんですけど、それを開発のテーマとしています。もう1つの“つながり”という部分では、前作の発売初期につながりにくいという問題がありましたが、その反省点をもとに今回はサーバベースにしてつながりやすくしています。また、現在マルチプレイのルールを全面的に見直している最中です。
──死に方が増やされているということでしたが、特にユニークな死に方はありますか?
今回のE3版から一例を挙げると、石像が起き上がって攻撃してくるというシチュエーションがあります。その石像は首を素早く落とすと起き上がらないのですが、落とさない場合は囲まれてボコボコにされてしまいます。そういった各シチュエーションごとに、どう攻略させるか、どう考えさせるかという部分を強化しています。
──ストーリーの前作とのつながりはどうなっているのでしょうか。
世界観は前作とのつながりがありますが、時代や舞台となる地はまったく違います。当然、登場人物も違っていて完全に新規のストーリーとなりますが、前作から継承するした要素や前作との関係を示唆する何かは登場する予定です。
──二刀流が追加されていますが、実装した経緯をお聞かせください。
このゲームの特徴の1つがキャラメイキングやキャラカスタマイズの自由度ですが、自由度を高めるためにも新しいバトルのプレイスタイルを加えたいという意見があり、スタッフの挙げたアイデアから二刀流を実装しました。武器の二刀持ち自体は前作もできたのですが、単純に持てるだけで、特に何かができるわけではありませんでした。ですが「二刀流でカッコよく戦いたい」という要望がユーザーだけでなく開発スタッフからも多かったので、二刀を持つことで専用モーションが出るようなアクションを取り入れました。
──他にも開発スタッフからのアイデアが取り入れられている要素はありますか?
ボスキャラは個々に特徴がありますが、E3版のボスである“鏡の戦士”というボスの持っている鏡から敵が出てくるというのが、その1つです。おもしろいアイデアは随時取り入れています。
──グラフィックエンジンが変わっていて、炎、影、煙などの描写が特に強化されていると伺っておりますが、他の部分はどうなっているのでしょう。
実際に見ていただけるとわかりますが、造形の緻密さや風に吹かれて揺れる草など、単に絵がきれいだというだけではない、没入感を高めるための工夫を行っています。
──演出の工夫の中で特にこだわった部分はどこですか?
前作と比べて、光や影の使い方に気を使っています。単なる見た目だけではなく、影が映って敵が見えるというような、演出とゲームの攻略を絡めた使い方をしています。
──プレイアブルでは敵キャラクターが全部新しいものだと伺っていますが、おもしろい戦いができる新たな敵はいるのでしょうか。
E3体験版の中ですと、甲羅のような装甲を背負った“重兵士”という力押しタイプの敵が登場します。後ろに硬い装甲があるのでバックスタブが無効なんです。とはいえ、攻撃の隙が大きいので後ろを狙いたくなってしまうのですが、後ろに回るとヒップドロップを食らって結構痛いので、ちょっと変わった敵なんじゃないかなと。
──プレイヤーがどう対応するのかを見越した敵の攻撃も用意されているのですね。
だいたい各シチュエーションごとに、「こうやるとクリアしやすいけど、こうやると死にやすい」というイメージやコンセプトがはっきりするようにしています。
──“心が折れる”というワードが前作でも話題になりましたが、今作ではどれくらい折りにいっているのでしょう。
ユーザーさんや、メディアの方からも「なんでそんなに難しくするんだ」とよく言われるんですけど、必要以上に難しくしようと思っている訳ではないんですよ。クリアした時の達成感が このゲームの根幹にあたる部分なので、その体験のために必要な障害を設けている、という形です。あくまで“おもてなし”であって、お金を払って買っていただいたユーザーさんをわざわざ苦しめようというつもりは毛頭ないです。
──基本的にはクリアできるようなバランスになっていると。
例えば、キャラクターをちゃんと育てるとか、注意力を働かせるとか、1回死んで覚えたりだとか、血文字で情報を得ればクリアできるとか……時間をかけたり努力したりした分だけ、上達したり進展したりするようなデザインにしています。
──キャラクタークリエイトもボリュームアップしているのですか?
装備品の数は増えていますので、前作以上にいろいろな装備のバリエーションが楽しめると思います。
──最後に、電撃オンラインの読者にメッセージをお願いします。
『ダークソウル』は難しいゲームとよく言われていて、普段難しいゲームをしない方は敬遠してしまう部分もあるかと思います。ですが、それほど「難しくして苦しめよう」と思って作っているわけでもありません。あまり信じてもらえないのですが……頑張れば誰でもクリアできるように作っていますし、苦労した分の喜びが大きいゲームだと思っています。ぜひ、こういったゲームを普段やらない方にも手に取ってもらえるとうれしいです。
→『ダークソウル2』の基本要素を知りたい人は情報総まとめ記事へ!
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