2013年7月16日(火)
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――ちなみにテーマソングの『クロイウタ』を歌われるにあたって、ストーリーや世界観については、どれくらい把握されているんですか?
藍井:『DOD3』については、詳細情報はほとんど知らされてないので、私の思い描く『DOD』の色が出ていると思います。『DOD1』と『DOD2』と、あと『ニーア レプリカント』も合わせた感じですね。
――『ニーア』までプレイされているとは……完全にヨコオタロウワールドにハマってしまっているご様子。ちなみに、『クロイウタ』の作詞や作曲はどなたが?
柴:作曲は本作のサウンドを担当してくれている岡部啓一さんが、作詞は『ニーア』でおなじみの菊地はなさんが担当してくれています。
――『クロイウタ』ですが……なんとも意味深なタイトルですね。
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▲『クロイウタ』という曲名を聞いた瞬間、『ニーア』シリーズに登場する『イニシエノウタ』を思い浮かべたファンも少なくないはず。何か繋がりはあるのだろうか? |
藍井:ちなみに私は、フリアエの『尽きる』がすごく好きだったので、そちらを少し意識しつつ歌っています。
――インタビュー前にあらかじめ曲を聴かせていただいています。バラード調でしっとりした導入から、少しずつテンポが速くなってきて、どんどん心がザワザワしてくるというか……。『DOD』の世界観にピッタリな曲だと思いました。
柴:いいですよね、『クロイウタ』。ファーストPVはこちらの楽曲をBGMにして制作しました。
ちなみに、藍井さんは歌ってみていかがでしたか? 最初に曲を聞いた時の印象とか、歌詞のイメージとか。
藍井:歌詞も曲もとってもすばらしくて! あまり悩んだりすることなく、一気にイメージが膨らみました。この曲で、初めてウィスパー(※)にも挑戦したんですよ。とっても難しかったんですけど、やりがいがありました!
※ウィスパー:声を張って歌うのではなく、ささやき声や息漏れ声で心情を表現する歌唱技法。
柴:藍井さんの曲の魅力は、疾走感にあると思うんですよ。彼女の曲はギューンってスピード感というか、爽快感がすごい。
その点、『クロイウタ』はゆっくり落ちていく感じで、とてもスローモーション。最初は見晴らしのいいところにいるんだけど、そこからゆっくり落ちていく感じなんです。
その後は、いつの間にか真っ暗で何も見えないところまで落ちちゃうくらい。藍井さんはそんな雰囲気を、ウィスパーなどの技法でしっかり表現してくれています。
藍井:ありがとうございます!
柴:とはいえ、『尽きる』とはまた少し違って、魂があるというか、炎があるというか。暗い闇の中でかすかに、でも力強く光っているのが感じられて、すごくよかったですね。
――その光というのが、すなわち藍井さんの色だってことなんですかね。
柴:その通りだと思います。
――ちなみに藍井さん、歌詞についてはいかがでしたか? 印象に残ったフレーズなどはありました?
藍井:サビのフレーズにある「コワレタメノ アル ママ」って部分が、すっごく気になっちゃってます。主人公のゼロが、まさに目から花が咲いてるので、それを暗示しているのかな……なんて、自分で妄想してみたり。早くプレイして、ストーリーが知りたいです! すっごく楽しみ!!
柴:プレッシャーですねぇ(苦笑)。現在鋭意制作中ですので、発売まで楽しみにお待ちください。
――ちなみに、歌を収録する時って、ヨコオさんや柴さんは現場にいらっしゃったんですか?
柴:いえ、僕は出席してないですね。ヨコオさんはいたんじゃないかな?
藍井:いえ、収録の時はヨコオさんもいらっしゃってなかったです。というか、収録した時点ではまだ仮録音のつもりで、その後にあらためて本収録を行うつもりだったんですよ。
――え、そうなんですか? ということは……。
藍井:その仮録音の時に収録した歌声をとても気に入っていただけたらしく、そのままOKをいただいてしまいました。
――す、すごい! 1発でアジャストしちゃったんですね(笑)。
柴:じゃあ、ウィスパーなんかも誰かの指示ではなく、自分で考えてやってくれたってことなんですね。
藍井:自分なりに、気持ちを込めて曲を歌わせていただきました。まさかこんなに早くOKがいただけるとは思っていなかったので、びっくりはしましたけど。
柴:そういえば作曲の岡部さんは、藍井さんの歌を聴いた後で、少し音を作り直したって言ってました。イマジネーションがわいたんでしょうね、実際の歌声を聴いて。
――イマジネーションを高め合ったってことですよね。すばらしいコラボレーション効果が生まれている!
藍井:あくまで“仮歌入れ”と聞かされてはいたんですけど、歌っているうちにどんどん世界に入り込んじゃって。時間が経つのがものすごく早く感じたのを覚えています。
柴:そうなると、ヨコオさんや僕は現場にいなかったほうがよかったのかも。あえて自分で考えつつ歌ってもらったことで、結果的にすごくすばらしいものに仕上がったわけですからね。
藍井:結果論の話かもしれませんが、開発スタッフさんの前で歌うということになったら、ちょっと緊張しちゃったかもしれません(笑)。そういう意味では、1人で収録したからこそ世界観に没入できたのかもしれませんね。
――『DOD1』には『尽きる』、『DOD2』には中島美嘉さんの『ひとり』と、歴代シリーズにもテーマソング的なものはありましたが、今回、それらの曲を意識した部分はありましたか?
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▲『DOD1』の『尽きる』や『DOD2』の『ひとり』など、シリーズのテーマソングはいずれも名曲ぞろい。なお、『DOD3』の公式サイトでは『尽きる』のアレンジバージョンがBGMとして流れている。 |
藍井:もちろんあります。私自身、それらの曲は本当に大好きな曲なので、すごく参考にさせてもらっています。ちなみに……。
柴:ちなみに?
藍井:私、自分でも楽曲を作らせていただくこともあるんですが、以前、この『DOD』シリーズから受けたイメージを、私なりの形にしたことがありまして……。
柴:えー!?
藍井:実は私、カイムとアンヘルたんの『DOD2』でのイベントシーンが、ものすごく好きなんですよ。さまざまな困難を乗り越えて再会して、なのにこう……燃えてしまうじゃないですか。
――燃えますね。燃えて尽きますね。
柴:アンヘルたんという表現に、めちゃくちゃ愛を感じます(笑)。
藍井:プレイしていた当時、あのシーンを見るたびに必ず泣いてしまって……たぶん、今見ても泣けちゃうくらい、すごくショックだったんです。2人には天国で、一緒に幸せになってほしいって思うんですけど、その名シーンを中島美嘉さんの『ひとり』がものすごく盛り上げてくれるじゃないですか。
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▲ファンの間で、今なお名シーンとして語り継がれるカイムとアンヘルの別れのシーン。 |
――あぁ、なるほど。わかります、その気持ち。
藍井:あのシーンと曲がすごく印象的だったので、それをイメージしたというか、その時受けたインスピレーションを元に作った楽曲があるんです。
柴:聞きたい! それ聞きたい!(笑)
藍井:もちろん、でき上がった歌詞も楽曲も全然『DOD』とは違うものなんですけど。でも、私にとってはすごく大切な1曲になりました。
柴:そこまで『DOD』シリーズを愛してくれていたとは……もはや変態ですね。
――ちょっと! その表現はどうかと思いますよ!! でも、すさまじいまでの愛は感じます。
柴:もはや狂気ですよね。
藍井:おほめいただいてありがとうございます!
――いやいやいや(笑)。今、藍井さんの目が一瞬、紅に染まったように見えましたけど、気のせいですかね?(苦笑)
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