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2013年7月9日(火)

文化放送よ、私は帰ってきた!――8月開始のラジオ『あませらげ! 東京!』の魅力をおたっきぃ佐々木さんが語る

文:トランジスタ 協力:DAXEL株式会社

 『ツインビーPARADISE』『君のぞらじお』などのラジオ番組を数多く手がけ、90年代の声優・アニラジブームの牽引役となった元・文化放送ディレクターの“おたっきぃ佐々木”こと、佐々木伸さん。8月4日からラジオ番組『あませらげ! 東京!』(毎週日曜25:30~26:00)を始める佐々木さんのインタビューをお届けしていく。

 2005年ごろから、活動を縮小していた佐々木さんが2013年8月に、“超A&G+”枠のラジオ番組『あませらげ! 東京!』で、文化放送に復帰することに。そんな佐々木さんが、新番組について語ってくれた。

『あませらげ! 東京!』
▲“おたっきぃ佐々木”や“おたささ”の愛称で知られる佐々木さん。90年代の声優・アニラジブームを作り上げた中心的人物の1人と言える。

――おたっきぃ佐々木と言えば30歳前後のアニラジファンなら誰もが知っていると思うのですが、若い人に向けて自己紹介していただけますか?

佐々木さん:以前ネットで書かれていて笑ったんですが、おたっきぃ佐々木は、現在の鷲崎健のポジションであると(笑)。元々は文化放送のディレクターで、番組でキューを振る側の人間でした。イベントの前説をしている内に、トークもやれ、番組もやれと言われてパーソナリティもやるようになりました。「なんなんだ、お前は?」と言われたら、まぁ、ただのオタクなんです(笑)。

――『ツインビーPARADISE』の名物ディレクターとして始まり、『超機動放送アニゲマスター』でパーソナリティを、2004年には“itv”でWeb配信動画もされていましたね。

佐々木さん:ネット動画番組では、アイマスのブレイク前に『アギュー』とか、今井麻美さんや中村繪里子さんと番組をやっていました。本当に好き放題やっていたので、今、会ったら絶対怒られると思っています。

――2005年ごろから、しばらく活動を休止されていましたね。

佐々木さん:フォースの暗黒面に囚われたという風に言っておきましょうか(笑)。実家が自由が丘の焼鳥屋なので、そこを手伝いながら、たまにお声がかかりラジオの手伝いをしていました。それが、今回なんと、古巣の文化放送さんから「番組をやらない?」と声をかけていただきまして、パーソナリティを務めることになりました。

『あませらげ! 東京!』
▲「狙うは地上波!(笑)」と大きな野望を胸に、文化放送で『あませらげ! 東京!』でパーソナリティとして復活する佐々木さん。

――さっそくですが、『あませらげ東京』とは、どんな番組でしょうか?

佐々木さん:“あませらげ”はアニメ、漫画、声優、ライトノベル、ゲームで、ラジオと親和性の高い現代オタク五種、ペンタスロンといった感じです。過去に僕は、アニメとゲームを組み合わせた“アニゲ”という言葉を冠にした番組を行なっていましたが、『あませらげ東京』では、もっと欲張って総合的にオタク趣味全体の話題に触れられる番組にしようと思っています。

 8月4日から超A&G+で4回放送しますが、まずは声優さんを中心に据えたうえで、出演されているアニメやゲーム、原作などをミックスしていこうと思っています。ゆくゆくはレギュラー枠に、あるいは地上波進出……といった夢も見ています(笑)。

――では『あませらげ! 東京!』の予行演習ではないですが、最近のアニメについて伺います。4月期のアニメで、心に響く作品はありましたか?

佐々木さん:『翠星のガルガンティア』がよかったですね。あれは、ワンクールでやるのはもったいないと感じました。人を殺すのに飽きたら今度は……みたいな。虚淵さんこういうのもいけるんだと思いました。最初は『ナディア』的なことをやるのかなと思って見ていて、途中で「あっ、やっぱり『ナディア』だ」とほくそ笑み、そして最後はこういう風に持ってくるのかと。いやな見方してますね(笑)。

 あと深夜系では、僕はいろいろ欠けていて、人としてダメなんで、何かが欠けているキャラクターは好きなんです。だから『変態王子と笑わない猫。』は好きでしたね。

『あませらげ! 東京!』
▲『翠星のガルガンティア』

――これから、放送が始まる7月新番はどうですか。

佐々木さん:『銀の匙』はやっぱりフジテレビでくるのか、という感じですね。原作の空気感をうまく出せるのか、大変だろうな、頑張ってほしいなと思っています。『げんしけん二代目』も始まりますが、43歳の俺からすると、こんなオタク友だちがいるサークルがあってうらやましいです。俺のころ、そういったサークル、全然なかったですからね。今じゃ、現実でもファンの子が集まって文化祭に声優さん呼んだりして、羨ましいなと指くわえちゃいますよ(笑)。

――最近注目してる声優さんはいますか?

佐々木さん:完全に趣味ですが、上坂すみれさんは一度お会いしてみたいなと、多分好きな音楽似てそうなので、ロシア語で会話してみたいですね。ロシア語出来ないんですけど(笑)。あとは寺川愛美さんが伸びてきて、そろそろ爆発するんじゃないかな? という感覚があります。

――最近のアニメと言えば、フルサイズではなく、5分や12分尺のアニメも増えてきましたね。

佐々木さん:『てーきゅう』とか、あと『gdgd妖精s』など、実験的な作品が増えましたね。あと、『直球表題ロボットアニメ』は、お前ら馬鹿だろ(もちろん褒め言葉)って思いながら見てました。深夜枠は、どんどん冒険してほしいです。

――『あませらげ東京』も日曜深夜枠として冒険していく感じですか(笑)。

佐々木さん:行きたいですね(笑)。自分はオタク文化の下のほうの人間なので、一番濃いところをあさって、上流のほうにいる人にぶっかけていくような番組にしたいですね。今回は久しぶりなんで、まずは準備運転な感じでいきたいと思います。長い夏休みをもらってだいぶリフレッシュしたので、その間の自由研究をどんどん発表していきたいと思います(笑)。

――先ほど『てーきゅう』『gdgd妖精s』の話題が出ましたが、両作品に出演している三森すずこさんがゲストとして出演されるとか。

佐々木さん:そうなんですよ。まだお会いしたことはないので、いまから楽しみです。そう言えば、今日、2ndシングルの発売日ですよね(注:7月3日にインタビューを実施)?

 タイトルが『会いたいよ……会いたいよ!』からの『約束してよ? 一緒だよ!』でしょ。タイトルがストーカー化してきていて、どうしようって勝手に心配してみたりしているので、そのへんは、まぁ聞いたら怒られちゃいそうですが、かかわった作品とか仲のいい声優さんのエピソード、あこがれの役者や小さいころ見ていた作品とか、新しいものから古いものまで話していきたいですね。

――佐々木さん的に、若い声優さんたちはこの古典を見ておくべき、なんて作品はありますか?

佐々木さん:僕世代にはやっぱり『うる星やつら』はバイブルなので、なんらかの形で見てほしいなと思いますね。萌え、シリアス、ギャグ、ラブコメなど、いろいろな作品の根っこになっている作品だと思うので、オススメしたいです。

――今の若い女性にとっての共通文脈はやはり『セーラームーン』でしょうか。

佐々木さん:2000年以降の声優さんは本当に『セーラームーン』世代なんですよ。セリフのクセとかで、この子は三石さんとかが好きだったんだろうなと思いますもん。そろそろ『プリキュア』を見て育った声優が出てくるころだと思います。

『あませらげ! 東京!』
▲『美少女戦士セーラームーン』

――佐々木さんは『セーラームーン』世代の久川綾さんの番組ディレクターをやり、『プリキュア』の榎本温子さんの番組をやっていらっしゃいましたよね。

佐々木さん:我ながら、本当いろいろやってますね(笑)。実は歴代の『プリキュア』は、僕がラジオやイベントで何かしらかかわった誰かが出演していて、誰もキューを振ったことがない『プリキュア』は『ドキドキ!プリキュア』が初めてなんですよ。

 だからこの番組とかで宮本佳那子さんとかにキューが振れたらプリキュア全制覇できるなとか、そんな目論見は……ないですよ?(笑) そんな感じでほどほどに公私混同しながらやっていければと思います。

『あませらげ! 東京!』
▲『ドキドキ!プリキュア』以外の歴代『プリキュア』作品に出演した誰かしらにキューを出したことがあるというおたっきぃ佐々木さん。『ドキドキプリキュア』の出演声優にキューを出すチャンスはくるのか!?

→おたっきぃ佐々木さんが考える、今後当たりそうな作品は?(2ページ目へ)

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