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2013年8月11日(日)

『ドラゴンフォース』は100×100の兵士がぶつかりあうファンタジーSLG! テンポよく遊べる良作を紹介【思い出ゲーム特集】

文:豊臣和孝

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■戦闘をこなしていくことで兵士たちに愛着が沸く!

 拠点、または移動ルート上で敵部隊と接触したら、その場で戦闘開始。各キャラクターは配下として最大100人まで兵士を引率できる。兵士はソルジャー、ホースマン、メイジ、アーチャー、モンク、ビースト、ゾンビ、ハーピー、ドラゴニアの11種類があり、それぞれ相性が存在する。戦闘で消耗した兵士は内政パートの各拠点で補充する。予備兵の上限は拠点となる城の規模(レベル)に比例し、上がるほど大量の兵士を準備できる。

 本作の魅力のひとつは、最大100×100で入り乱れる兵士たちの“ゴチャキャラ”バトルっぷりにある。ゲームシステム的には兵士は“消耗品”に過ぎないのだが、デフォルメされたグラフィックの兵士たちがワイワイと動き回る様子は「カワイイ!」のひとことだ。

『ドラゴンフォース』 『ドラゴンフォース』 『ドラゴンフォース』
▲敵がいる拠点、もしくはフィールド上で敵部隊と接触すると戦闘開始。1人ずつ武将を出し合う。▲開始前に初期配置となる陣形を決める。▲兵士への指示はいつでも好きな時に変えられる。

 戦闘では、陣形を決めて最大100人の兵士に前進や後退などの指示をしていく。各キャラクターには必殺技が用意されており、画面下のゲージがMAXになると使用可能に。敵や兵士にダメージを与えるものや、損耗した兵士を復活させる技があり、キャラクターの統率力や兵士の相性以上に使い方1つで戦況が大きく変化。お互いの兵士が全滅するとキャラクター同士の一騎討ちとなり、相手の体力をゼロにしたほうが勝ち残る。倒したり逃げた敵キャラクターは捕虜になることがあり、内政モードで説得に成功すれば味方になってくれる。

 捕虜をゲットして仲間を増やしていく過程は、本作のだいご味。捕虜の顔グラフィックは、セガサターン版では使いまわしだったが、PS2版では変更されている。そんな彼らは、序盤の部隊の層を厚くするうえで大切な存在。そのうち余ってきて後方拠点に放置せざるをえなくなるが、愛着が沸くタイプもかならず何人かは出てくるはず。シンプルなシステムのSLGながら、適度なキャラクター性のフィーチャーがゲームに彩(いろどり)を添えているのが実にいい感じなのだ。

『ドラゴンフォース』 『ドラゴンフォース』
▲画面下のゲージMAX時に、MPを消費することで必殺技が使える。▲キャラクターが成長すると必殺技もより強力なものを使えるようになる。
『ドラゴンフォース』 『ドラゴンフォース』
▲必殺技はダメージを与えるだけでなく、回復系のものも用意されている。

■魅力はテンポと愛着の沸くキャラクター!

 本作最大の魅力は、戦闘と内政を繰り返すシンプルかつ適度なテンポと、ついついお気に入りのキャラクターを育ててしまう“コツコツ感”にあると思う。ストーリー的には8人の英雄の他はモブ以外の何者でもないのだが、プレイしているうちに“なぜか愛着が沸く”キャラクターが出てくる。念入りに育てるべきはゲーム終盤で絶対必要になる8人の英雄たちだが、にもかかわらずお気に入りのモブに褒章を最優先したり、いい装備を与えたりetc……ゲームバランスが比較的ゆるめなので、慣れるに従い自分のペースで展開できるようになるマッタリ感が実にいい。

 最初に選べるキャラクターは6人だが、クリアすると残り2人がアンロックされる。ゲーム終盤にかけてのストーリーはほぼ共通だが、スタート直後からの展開は8人の英雄にそれぞれ独自のイベントが用意されており“一度クリアしたら終わり”といったたぐいの作品ではない。このあたりも強くオススメしたいポイントの1つ。お時間がある方はぜひ一度プレイしていただきたい。

『ドラゴンフォース』 『ドラゴンフォース』
▲登場キャラクターは約170。クリアに必要なのは8人の英雄で、それ以外は極端にいえばどうでもいい存在なのだが、それでもなぜか愛着が沸くキャラクターが……。そういうキャラクターにも相応の活躍の場を用意できるのがいい。

【思い出よみがえりゲーム特集『ドラゴンフォース』アンケート】

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(C)SEGA

データ

▼『ドラゴンフォース』(ゲームアーカイブス)
■メーカー:セガ
■対応機種:PS3(ダウンロード専用)
■ジャンル:SLG
■発売日:2012年7月5日
■価格:800円(税込)
▼『SEGA AGES 2500シリーズ Vol.18 ドラゴンフォース』
■メーカー:セガ
■対応機種:PS2
■ジャンル:SLG
■発売日:2005年8月18日
■価格:2,625円(税込)

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