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2013年7月31日(水)

ライトニングの門限直前に現れる時報モンスターとは? 『ライトニング リターンズ FFXIII』開発スタッフインタビューのバトル編をお届け

文:Rusty

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■シリーズ作にはなかったマネージメントの楽しさ

――ライトニング1人のバトルというのは、開発するうえで大変でしたか?

松岡:スムーズに作れたということはないですね。『FFXIII-2』だったらセラとノエルの2人がプレイヤーキャラなので、そこを中心に考えて構築していくわけですが、今回はすべての要素がライトニング1人にかかわってくるわけです。これまでと同じか、それ以上の労力をライトニング1人のバトルに注力しました。ただ、そのお陰で武器ごとにモーションを変えたり、ウェアもいろいろな種類を用意できたりしたので、ライトニングをフィーチャーするというコンセプトからブレずに作ることができたと思います。

――モンスターについてはいかがですか?

松岡:モンスターの数自体は絞っているのですが、出てくるモンスターの半数くらいは、今まで見たことのない新しいものになっています。もちろん以前に登場したおなじみのモンスターもいますが、これらの場合もノックアウト時に1ネタを追加するというように、細かい部分にも手を加えたりしています。

井上:モンスターは昼と夜で行動が変わったり、夜間にはモンスターの目が光るなど、見た目からして変わっているネタも入れています。時間を意識させる要素も入れていますので、そちらにも注目してもらえたらと。あと、時報モンスターといったものもいますよ。

――時報モンスターとは?

松岡:ライトニングは朝の6時になると、冒険の拠点となる箱舟に強制的に戻されるのですが、戻される時間が近づいてくると、必ず特定のモンスターしか出現しなくなったりするんです。

井上:時間を忘れてプレイしていても、コイツが出てきたら、もうすぐ朝かとわかると。世界のどこにいても、その時間になると、そのモンスターしか出てこなくなります。この時報モンスターが出てきたら、急いで要件を済ませるようにしてください。

――今回は4つある大陸のどこからでも進められるようですが、こちらの難易度調整も大変そうですね?

松岡:そうですね。レベルデザインとして徐々に敵が強くなるといった作りにはできないので、日数が経過して、ある日数からは敵のパラメータが上がるという仕組みにしています。例えば1日目から4日目までは、どの大陸でも敵の強さは同じですが、5日目からは強くなると。しかし強くなるかわりに、今までよりいいアイテムを落すようになるといったこともあるんです。夏休みの宿題じゃないですが、早い段階でいろいろことを済ましておくと、後でラクになったりしますよ(笑)。逆に、序盤は敵をあまり倒さずにおいて、いいものを落すようになったらたくさん敵を倒すというやり方もあります。

――では、序盤にバトルをさぼっていると、あとで敵が強くなりすぎて進めなくなるということもあるのでは?

松岡:今回のライトニングの成長は、クエストをクリアすることでパラメータが上がる仕組みになっています。クエストの中にはバトルが発生しないものもあるんです。ですので、敵が強すぎるといった状況になった時は、街に戻ってクエストをこなしてください。また今回は、武器や盾で劇的に強くなったりするので、いい武器や盾を購入すれば先に進めるといったこともあるかと思います。

――時間という要素がストーリーを進めるうえではもちろん、バトルといった他の要素とも関係しあっていて、これらを調整するのは大変だったのでは?

松岡:もちろん大変ではありましたが、バトルに関して言えば、そこについてはそれほどでもなかったかなと思います。時間関係の調整は、井上のほうが大部分をやってくれました。敵の出現に関して、そのフィールドを基準に設定するのか、時間を基準に設定するのかで迷うところはありましたが、それくらいでしょうか。

――今回のバトルでいうと、時間という部分よりも、ライトニング1人という部分のほうが大きな要素だったのでしょうか?

松岡:そうですね。人によっていろいろな攻略パターンが作れるようにという部分には苦心しました。オレはこうやって倒した、いや私はこっちのほうがラクだった、みたいな話をしてもらえるといいなと。そういったところに重点を置きましたね。

――先ほどの複合魔法のように、今までにないアビリティは他にも用意されているのですか?

松岡:今までのものに加え、これまでに見たこともないものだったり、先ほども例にあげた複合魔法だったりと、いろいろなバリエーションを用意しています。ユニークなものだと、オトリとなってくれるアビリティでしょうか。基本的にバトルはライトニング1人なので、敵のターゲットがすべて集中しますよね。そこでGPを消費してオトリを出現させれば、敵がオトリのほうを狙うようになるので、ライトニングが攻撃し放題になるわけです。ウェアにセットするアビリティとは違い、GPを消費して使うアビリティですが、見た目的にもおもしろいですし、ぜひ使ってみてください。

『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』

――今回はケアルがGPを消費する回復アビリティとなっているうえに、バトル後にHPは回復しませんよね? さらに所持アイテムにも限りがあるということで、回復は前作よりも重要な意味を持ってきそうですね。

松岡:まずはどれだけHPを減らさずに戦うか、HPを減らされた時にはどうやって回復するか、もしくは回復せずにバトルをこなし、ギリギリまで耐えてケアルガで一気に回復して節約するかと、選択肢はいくつかあるかと思います。その他に、6時になって箱舟に戻ることで、GPやHPが全回復するので、もうすぐ6時だから回復せずに行けるところまで突っ切ろうとか、いろいろなケースが出てくるでしょう。どこで何を使い、どう進んでいくかという計画を事前に立ててプレイすることが、『ライトニング リターンズFFXIII』では重要になってきますね。

井上:やはりボス戦前はGPがかなり重要になるので、それまでにいかにしてGPを温存しておくかも大事になってきます。もちろん6時でGPが全回復しますので、6時直前にボス戦前まで進んで、全回復したのちにボスに挑むといった戦術もありでしょう。

――拠点の箱舟に強制的に戻って、そこから再び地上に戻る時は、どこに戻ることになるのですか?

松岡:戻った時にいた場所に戻ります。行ったことがあれば、各大陸の街に行くこともできますよ。この大陸でできることは全部済ませたから、次の島に行きたいという場合は、時間をかけて乗り物に乗って移動するといったことをせずに、一瞬で移動できて便利だと思います。

――目的地にたどり着く前に時間切れになることもありそうですね。

松岡:『FF』シリーズは、ボス戦前にはセーブポイントがあって、体力も全回復できて、全力でボスと戦える親切設計でしたが、今回はボスにたどり着くまでに、どれだけ節約できるか、ボスと戦う力をどう捻出するか、といった一連の行動を考える必要があるので、そこは難しいかもしれませんね。

 ただ、イージーモードではフィールド上で一定時間操作せずにいると、HPが徐々に回復していくので、そちらを活用してもらう手もあるかなと。特にデメリットなどもないので、難しいと思った人は、イージーモードを選んでいただければと思います。

――そういった部分のバランス調整は難しかったですか?

松岡:やはり作り手としては、少し難しめに作りたいという考えはありますね。ただ、『FF』というタイトルとして世に送り出す以上は、さまざまな人がプレイして、多くの方がクリアできるものを目指さなければならないですから、そこは難しいモードを用意して、それを望む人に歯ごたえある難易度を楽しんでもらえるようにしています。作っている側としては、ギリギリの難易度でバトルを楽しんでもらいたいので、そこはこれからさらに調整していきたいですね。

――7月27日にはプレコミュの先行体験会があったり、お台場合衆国2013で体験版をプレイできたりと、実際に本作に触れる機会が多くなっています。プレイする際に、こういうところを見てほしい、注目してほしいというポイントがありましたら教えてください。

松岡:モンスターのモーションやライトニングのモーション、バトルのエフェクトや衣装など、前作までとは全部違うので、そういった部分に改めて注目していただきたいですね。前2作から流用している部分は、実はほとんどありません。グラフィックも、今の時代で勝負できるクオリティを目指そうと、スタッフがいろいろとやってくれているので、確認してもらいたいですね。

 7月27日の体験会で触れられた部分は、いわゆるチュートリアル的な部分でしたが、その後の世界の広がりはものすごいです。いろんな大陸があって、いろんな敵がいて、いろんなシチュエーションがあり、選択肢もどんどん広がっていきます。その世界をどう進んでいくかを本編では楽しめるようになっていますので、ご期待ください。

井上:体験会では自由にカスタマイズできなくて申し訳ないですが、製品版ではカスタマイズ部分にぜひ注目していただきたいですね。パーツごとに色を変えられたり、デコレーションも用意されています。はっちゃけたライトニングも生み出せます(笑)。

 あとは、ウェアを切り替えていくスピーディなバトルですかね。ATBのゲージが3つに分かれた時は、これはおもしろいぞと手ごたえを感じました。その辺をぜひ体験していただければと思います。モンスターが攻撃してくる瞬間のモーションなどはわかりやすく作っていますので、ジャストタイミングでさばいて、「オレうまい」感を味わってほしいですね。

『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』 『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』 『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』

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