2013年8月7日(水)
マップはかなり広大で、全体が5層に分かれています。すべての場所を探索しつくして次へ進む、という形式ではなく、奥のほうで見つけたキーとなるアイテムを使って、手前の未探索エリアへの扉が開くといったことが、頻繁に起こります。次のエリアへ進むための手がかりを探して行ったり来たりしているうちに、最初は手こずっていた少し強めの敵が、いつの間にかスムーズに倒せるようになっているでしょう。
▲扉のカギを開けるには、メニューを開いてアイテムを使用します。カギが合えば、軽やかな音ともに成功のメッセージが表示されます。 |
▲竜の神殿から失われた金の杯を元の場所へ持っていくと、回復の泉の機能がよみがえります。ここは序盤の大きな山場! |
ダンジョンはマス目でマッピングできるような単純な構造ではなく、このあたりも、それまでの3DダンジョンRPGとは一味違ったテイストに仕上がっています。ただし、立体的な交差などはないため、画面の右上に表示される東西南北の方向さえ意識しておけば、それほど迷うことはないはず。
ただし、隠し扉がいくつかあって、その中には宝箱や重要なキーアイテムが隠されていることがあります。モンスターが隠し扉を出入りしていたり、別の場所からのぞける窓でその存在を確認できたりするので、これがヒントになります。まあ、途中で地図を手に入れてしまえば問題ないのですが、逆に「この奥に通路があるのに、扉が開かない!」なんて、じれったさを感じてしまうこともあるのです……。
▲これは第2層のマップ。至るところがロックされていて、思い通りには進めません。 |
またダンジョン内には、トゲの突き出した穴や、壁の穴から飛んでくる矢など、ダンジョンRPGならではトラップも満載です。戦闘に夢中で、穴に足を入れてしまうなんてことも、よくあります。ワナを解除できるスイッチを押さないと、奥のエリアに進めないということも。こういった演出は、少しずつ謎を解き明かしている感覚が味わえて、オールドRPGファンなら「楽しい!」と思えるのではないでしょうか。
今回、このレビューを書くためにPlayStation Storeのゲームアーカイブスから本作ダウンロードして、あらためてプレイしてみたのですが、最初のとっつきにくさを突破してしまうと、かなりやり応えがあるゲームです。「こまめにセーブを!」なんて書いておきながら、調子に乗ってずんずん先へ進み、ため込んだ経験値とお金をごっそり失ってしまったり……。ギミックを解き明かして、次のエリアへ進めるようになるということの繰り返しが、中毒性のある楽しさにつながっています。気がつけば、いつの間にか現実の世界では朝日がのぼってきていました。
また最初に遊んだ当時は意識しなかったのですが、ダンジョン内に登場するNPCの個性が意外に奥深くて、おもしろいのです。ショップの店主が「あっちの店は高いよ」なんて巧妙にだましてきたり、「かわいそうな人物に王からもらったカギを譲ってやった」なんて、軽~く告白されたり、いい味を出しているキャラばかり。そういった細かな点も、『キングスフィールド』の独特な世界観を作り上げている要素の1つなのかなと。スルメをかむような“深い味わい”のRPGなので、未体験の方もぜひ1度遊んでみてください!
▲彼の説明で、軍の部隊が先行して探索に出かけていることがわかる。そして彼らの死体を至るところで見かけることに……。 | 教会でほうきを手に立っている男。怪しいと感じているのに、なぜ大切なアイテムを譲ってしまうのか? |
▲墓所に住み着き、何かを探して地面を掘り続けている男。どうやら息子がいなくなってしまったようだが……。 | なんだか頼りない司祭。かなりの難題を吹っかけてくるが、貴重なアイテムを報酬として手渡してくれる。 |
【思い出よみがえりゲーム特集『キングスフィールド』アンケート】
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