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2013年8月7日(水)

『キングスフィールド』はスルメをかむような“深い味”のダンジョン探索RPG! フロム・ソフトウェアの記念すべき第1作【思い出ゲーム特集】

文:チョロ松

 猛暑真っ盛りの中、皆さんいかがお過ごしでしょうか。雰囲気づくりに凝ったゲームが大好きのチョロ松です。お盆休みにじっくりと遊びたい懐かしのゲームということで、今回私が選んだのは、1994年にフロム・ソフトウェアの記念すべき第1作としてリリースされた『キングスフィールド』です。

『キングスフィールド』

■空気感すら感じる雰囲気たっぷりのダンジョン

 この作品は、初代PSが発売されたすぐ後に登場した1人称視点の3DリアルタイムRPGで、当時としては目新しい3Dポリゴンによるアニメーション描写が特徴の1つでした。ダンジョン内の通路や壁、石碑などのオブジェクトは乾いた質感で、ひんやりとした空気の感触を視覚で伝えてくれます。このあたり、冷房を効かせた部屋でプレイするのにピッタリな作品と言えるのではないでしょうか!?

『キングスフィールド』 『キングスフィールド』

 ゲームは、消息を絶った父を探す主人公(ジャン・アルフレッド・フォレスター)が、王家の墓所に足を踏み入れるところからスタート。その目的すらゲームの中では明示されておらず、最初は何をすべきかを探してダンジョンの中をさまようことになります。

 この“放り出された感”は、近年話題となった『デモンズソウル』や『ダークソウル』の原点にもなっている、トライアンドエラーでプレイヤー自身が成長していく往年のRPGのおもしろさ。本作ではこれをたっぷりと実感することができます。また、時折聞こえる自分の「ハッ、ハッ」という息づかいが、ダンジョン内での臨場感を高めてくれるものポイントの1つ。

『キングスフィールド』 『キングスフィールド』 『キングスフィールド』

【『キングスフィールド』プロローグ】

 深い森と、その回りを渦巻く風により霧に包まれた、ヴァーダイトと呼ばれる小さな国があった。

 遙か昔、大きな戦いで人々が傷ついたときにヴァーダイトを救い、森の中に消え去った者がいた。それがいったい何者だったのかは、今となっては森の霧にしかわからなくなってしまったが……。

 人々はそれを「森の竜」と呼び、神殿を築き崇拝してきた。だが今ではその伝説だけが残され、神殿は王家の墓所へと姿を変えて静まり返っている

 「いつの日か、森の竜が魔導器を携え帰ってくる。」と伝説は語っている。しかし、今はまだ神殿の奥深く眠っているのだと……。

『キングスフィールド』

■もどかしさすら楽しいリアルタイムの戦闘!

 本作の最大の特徴は、もどかしささえ感じる戦闘シーン。攻撃方法は、剣による近接攻撃と、魔法による遠距離攻撃の2種類。ただしアクションRPGだけあって、振り下ろした剣を敵に当てるのが難しい! 敵の体に密着していないと当たらないうえに、武器を振るのが非常に遅く、そのタイミングは非常にシビアです。敵がわずかに後ずさって避けるのも憎らしい! とはいえ、攻撃が届く距離は武器によって異なっているので、武器が強力になる後半ではだいぶ楽になっているはずです。

『キングスフィールド』

 もちろん、敵が背中を向けている時に攻撃するのが一番なのですが、前後に移動する、左右を向くという動作しかないので、なかなか思うようには動けないのです。敵から離れようとして、自分の背中が壁に当たって身動きとれなくなってしまうことも少なくありません。

『キングスフィールド』 『キングスフィールド』
▲敵によっては、RPGでは定番の毒攻撃やマヒ攻撃を繰り出してきますので、どんな相手なのかを把握してから攻撃を仕かけましょう。マヒ状態になると、遅い動きがさらに遅く!

 また敵に密着したままでは反撃を受け、大ダメージを負ってしまいます。序盤であれば、2回程度の攻撃で倒れてしまうことも!? やられた時の「あー!!」という悲鳴が、悲壮感をより高めてくれます。これを避けるためにも、所々に生えている薬草や、物陰に隠されている回復薬を集めて歩くのは、非常に重要です(戦闘中でもメニューを開いて瞬時に回復することが可能)。

『キングスフィールド』 『キングスフィールド』

 また、より強力な武器や防具を手に入れるのには莫大なゴールドが必要です。ダンジョン内に隠された武器や防具を探しつつ、コツコツとモンスターを倒してレベルアップにいそしむことになるでしょう。ダンジョンの奥深くに進むためのアイテムを、ショップで購入しなければならないこともあるのですが、これがまた高価で……。

『キングスフィールド』 1

 それと、初めてプレイする時にはなかなかわかりづらいのですが、十字架を模したセーブポイントを見つけておくのも大切です。こまめにセーブしておかないと、やられた時に一気に脱力してしまいますからね!

『キングスフィールド』

→ギミックたっぷりのダンジョン探索! 登場するNPCのリアクションもかなりユニーク(2ページ目へ)

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データ

▼『キングスフィールド』(ゲームアーカイブス)
■メーカー:フロム・ソフトウェア
■対応機種:PS3/PS Vita/PSP(ダウンロード専用)
■ジャンル:ARPG
■配信日:2007年7月26日
■価格:600円(税込)
▼『キングスフィールド』
■メーカー:フロム・ソフトウェア
■対応機種:PS
■ジャンル:ARPG
■配信日:1994年12月16日
■価格:6,615円(税込)

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