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2013年8月7日(水)

【ほぼ毎日特集#29】格ゲープレイヤーを格好よく描く“BattleCore”。スタローン似の仕掛け人・かまあげとは何者なのか(megane)

文:megane

■格ゲープレイヤーが輝いた瞬間を残したい
 それがBattleCoreのコンセプト

――このBattleCoreというサイトは、どういう経緯で作られたものなのでしょうか?

“BattleCore”
▲かまあげさん

かまあげ:まず、自分が作っていたサイトに“バーチャ道場”というものがあります。これは『バーチャファイター』を遊んでいるユーザーが集まれるコミュニティサイトなのですが、そのうち、『バーチャ』だけでは手狭になってきて、『ソウルキャリバーV』や『アルカナハート3』といった他のゲームのコミュニティサイトも作るようになりました。

 当初はそれらをひっくるめて“BattleCore”という呼び方をしており、“格闘ゲーム全体に対して何かをしたいと思って作ったサイト”というのが当初のコンセプトです。

――『バーチャ』だけではないんですね。

かまあげ:『アルカナハート3』のサイト“アルカスタ”は、おかげ様で公開してから2年が経過し、今では『アルカナ3』で一番大きいサイトになったんじゃないかと思います。開発元のエクサムさんにも公認をいただいているんですよ。

 これらのサイトに動画の投稿やTwitterとの連動機能などを追加していったんですが、時代と技術がどんどんと進んでいきまして、1つのサイトだけで革新的なことをやるのは無理だろうという状況になりました。それで他にないものを作るにはどうしたらいいか、というのを考えて作ったのが、現在のBattleCoreになります。

“BattleCore” “BattleCore”
▲真バーチャ道場▲アルカスタ

――現在のBattleCoreの特徴はどういったところですか?

かまあげ:格闘ゲームに関する有志のサイトって、格闘ゲームで戦っているプレイヤー単体に焦点を当てたものが非常に少ないと思っていたんです。そこで、大須さん(大須晶)と考えたのが、格闘ゲームとそのプレイヤーを最大級に格好よく表現することはできないか、ということでした。格闘ゲームって、大会などでプレイヤーが輝く瞬間があるんです。

 各タイトルでSクラスと言われるトッププレイヤーがいて、そのプレイヤーたちが大会で輝く瞬間を見ると「格闘ゲームってすげえな」と思います。しかしその一瞬って、見た人はわかるけど、すぐに記憶からなくなってしまうんですよ。でもプレイヤーが輝いたその一瞬をどこかに留めて、いつまでも見られるようにしたいというのが、今のBattleCoreのコンセプトの1つです。

“BattleCore” “BattleCore”
▲2012年ビートライブカップでの様子。左はかまあげ&板橋ザンギエフの両名が所属したチーム・板橋ニュートン。右は栗田親方が所属したチーム・屈伸ジェネレーション。

――あの場で味わったあの瞬間をここでも、といった感じですね。

かまあげ:あと、自分も大会に出るのでよくわかるんですが、感動した瞬間って、当然ながら自分ではまったく見られないわけですよ(笑)。自分がその時、どういう表情をしているはわからない。なので、その時自分はどういう表情をしていたのか、そういうことも後から見られるのはいいことだなと思います。

――本人は気にしている余裕なんてないですからね。

かまあげ:そうなんですよ。負けた瞬間やギリギリで勝った瞬間のその表情というのは最高におもしろいし、すばらしいんです。例えば、自分はEvolution 2012の『ソウルキャリバーV』で、決勝トーナメントにてデコポン(Shining Decopon)に負けましたが、あの時は目の前が真っ暗になって何も考えられませんでした。でも後で写真を見たら、あー、こんなツラしてたんだな、と、あの時の状況が思い浮かんできました。

●EVO2012『ソウルキャリバーV』でのデコポンとの戦いとは

 ルーザーズ決勝トーナメント第1戦にて、かまあげさんと戦ったのは、日本人最強と言われているティラ使いの若きエース・Shining Decopon。そのデコポンに対してフルセットまで追い詰めたものの破れている。その時、敗れた瞬間に両手で顔を覆い、しばらく動けずにいたかまあげさんの姿があった。

かまあげ:あとは、他にはないコンテンツを増やしていきたいですね。例えば、現在は格闘ゲームの大会が数多くありますが、そのレポートなどで、「そのプレイヤーがいかに輝いたか」といったところまで表現しているものはほとんどないと思うんです。そういった部分をBattleCoreでもお手伝いできたら、と思っています。

 今、有志やゲーセンがやっている格闘ゲームのイベントなどがあると、プロモーションビデオだったり、K-1のTV番組であるような対戦相手をお互い煽り合う、煽り動画(通称、煽りV)みたいなものが出てくることが多くなりました。

 そういうコンテンツは我々でもきっちりと見ていて、そのクオリティをみんなでチェックしたりしているんですよ。有志が作り出す格闘ゲーム文化のクオリティを、我々だけでなく全体としてもより高めていけるようにしたいなと。

 今のBattleCoreは写真と文章がメインですが、ゆくゆくは動画も同じように作っていきたいですね。作るのであれば妥協せずにいいものを。そして我々ならではの切り口でプレイヤーにフィーチャーしていければと思っています。

――格闘ゲームのイベントといえば、“わからせバトルナイト”とか“聖戦”とか、バーチャ勢は話題作りがうまいとは感じましたね。

石井プロ:無理やりですけどね。火のないところに煙を立ててるんで。『キャリバーV』にしても、かまあげと青パイが戦ったところで特に話題もないのに、“聖戦”だとか言って無理やり盛り上げてたし。

かまあげ:あれはコンテンツとして一番重要な部分が、勝つことに栄光があるのではなく、負けることで地獄に落ちるというところにあったことですね。そこにフォーカスを当てたら、周りも巻き込んでドッカンと爆発しました。

●バーチャ勢が仕掛けた“聖戦”とは

 互いのプライドをかけて、2人のプレイヤーによる10勝先取(10先)で行われる戦い、それが聖戦。負けた者は淀みネームが付けられ、それを一定期間名乗り続けなければいけないという屈辱の日々が待つ。

 インタビュー中にあった、かまあげvs青パイ戦(聖戦Vol.3)では青パイが破れ、パフォパイ(パフォーマンスだけのパイ)としばらく名乗ることになった。ちなみに聖戦Vol.5ではRAZERプロゲーマー・板橋ザンギエフが、GODSGARDENプロ(自称)・かみちゃんに敗れ、淀橋ザンギエフと名乗ることになった。

BattleCoreが目指すのは、あのスポーツ雑誌→(3ページ目へ)

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