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2013年9月7日(土)

『モンスターハンター4』辻本P・藤岡Dインタビュー。「ジャンプ攻撃は欲求から」「絶対にトレードオフはしない」など開発秘話満載!

文:野村一真

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■操虫棍とチャージアックスが生まれた経緯と従来の武器の新要素

――『MH4』で初登場となる操虫棍とチャージアックスについて、生み出された経緯を教えてください。

藤岡:生まれた経緯は操虫棍の方が先で、『MH4』に最低1種類は新たな武器種を入れよう、できれば2種類入れようと、当初から考えていました。1種類だけ入れるんだったら、個性が強く独特な武器を作ろうと考え、無謀なものも含めていろいろなアイデアをバーッと出してみたところ、過去のコンセプトアートに虫使いみたいなものがあり、これは『モンスターハンター』らしいし、虫を使うのはおもしろそうだということで、虫を使った武器というコンセプトで開発がスタートしました。

 とはいえ、ただ単純に虫を攻撃力としてぶつけていくだけでは、あまりおもしろくありません。また、距離感も他の武器と変わりがなさそうだったので、それだけじゃ全然足りないという話が持ち上がりました。そうして出てきたのが、モンスターからエキスを持ち帰らせて、自分を継続的に強化しながら立ち回るというアイデアです。モンスターの部位によって持ち帰るエキスに違いを作れるので、張り付き方とかテンポ感が他の武器とは違ってくる。これなら、個性ある1つの武器としてのポジションが確立できそうだと手応えを感じたので、操虫棍を作り込む方向で進めていきました。

 ある程度、操虫棍が見えてきたので、せっかくだからもう1種類作ってみるかということになり、次の武器はむしろシンプルに考えることにしました。その結果、合体させる武器というコンセプトが出てきたので、あまり悩まずに「これ!」という感じで、チャージアックスの開発が決まりました。

『モンスターハンター4』 『モンスターハンター4』
▲他の武器とは毛色が明らかに違う操虫棍。「個性が強く独特な武器」という藤岡さんの言葉から、このことがより実感できるだろう。▲シンプルな発想から生まれたチャージアックス。操虫棍に比べるとオーソドックスな印象を受けるが、剣と盾の合体という発想は独特だ。

――従来の武器についてお聞きします。いくつか新アクションが追加されていますが、大きく変わったものなど、特徴的な武器を教えていただけますか?

藤岡:近頃、辻本さんは片手剣が好きですよね。

辻本:そうですね。僕は片手剣がオススメです。

――私も先日の体験会で触らせていただきました。結構変わりましたよね。

辻本:ええ。段差に向かって突進斬りを出すとジャンプ攻撃が出るんですが、ジャンプ攻撃であるにもかかわらず、2ヒットするんですよ。

藤岡:普通、段差の上から出すケースでジャンプ攻撃になるんですが、段差の下からでも斬り上げながらジャンプ攻撃になります。段差の下からジャンプ攻撃を狙える唯一の武器なんですよ。

――唯一っていいですね!

藤岡:他の武器の場合、段差の上にモンスターがいると、段差の下に誘いつつ自分は段差の上に移動してからジャンプ攻撃を狙う、みたいな流れになりますが、片手剣は段差の下から直接ジャンプ攻撃が狙えるので、とても個性的な武器だと思います。

――あと、片手剣は回避行動に優れていますよね? 攻撃からの派生で前転と側転の回転回避ができるのは従来通りとして、『MH4』では連係攻撃の派生にバックステップからの“溜め斬り”まである。言い換えると、連係中に前後左右の方向に回避行動がとれるというのも個性的だと思いました。1つお聞きしたいんですが、片手剣のバックステップに無敵時間はありますか?

藤岡:無敵時間はあります。他の回避と同じ扱いになっているので、スキルの影響も受けますよ。さらに、バックステップで後ろに下がる点は距離の調整にも便利です。連係をつなげていくと、どんどん前に進んでいくわけですが、前に行きすぎた際の位置調整としてもバックステップを使用する感じです。ジャンプ攻撃を含め、片手剣は従来よりもアグレッシブに攻めることができるので、すごく変わったという印象を受けると思います。

『モンスターハンター4』 『モンスターハンター4』
▲従来のものに比べて印象が変わったという片手剣。カギになるのはジャンプ攻撃か?

――ランスはいかがですか?

藤岡:ランスはみんながやりすぎてて、もう知っているんじゃないかな……。まあ、突進からのジャンプ攻撃がランスの価値観をだいぶ変えますね。モンスターが突進してきたところをガードすると、当然モンスター側に隙ができる。その後、モンスターを追いかけるように今度はこちらが突進し、そこからジャンプ攻撃を繰り出せるので、モンスターが何らかの隙を見せ時はチャンスです。うまくハマれば、結構な頻度で乗り状態を狙えるのがポイントですね。今までのランスで距離が離れた場合、突進するぐらいなら武器を収納して、モンスターとの間合いを作り直すのが基本の流れだったんですけど、『MH4』では、どんどん突進を狙っていくスタイルになるんじゃないかと。

――従来のスタイルは残りつつも、変化はあるでしょうね。

藤岡:危険なのは、スタミナの管理が大変なことになるというところでしょう(笑)。

――そこは、強走薬をガブ飲みして(笑)。

藤岡:あと、細かいところで言うと、大剣にも注目です。武器出し状態の側転から、なぎ払いを出すことができ、さらに溜めに派生できるので、この連係は重要なポイントかと。今までにない大剣の張り付き方ができるんじゃないかと期待しています。

『モンスターハンター4』 『モンスターハンター4』
▲突進からのジャンプ攻撃によって、どんどん突進を狙っていくスタイルになるという。今までのランスにはないものだ。

 実はまだ、本インタビューには続きがありまして、『モンスターハンター4』の発売日である9月14日の朝に後編をお届けします。ちょっと間が空いてしまいますが、覚えていたり、偶然見かけたり、気が向いたりなど、なんとなくでも読んでいただけたら幸いでございます。引き続き、よろしくお願いします!

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データ

▼『モンスターハンター4』ダウンロード版
■メーカー:カプコン
■対応機種:3DS
■ジャンル:ACT
■配信日:2013年9月14日
■価格:5,990円(税込)

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