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2013年9月12日(木)

元ケイブの浅田プロデューサーがマイクロソフトではなく、MAGES.に入社した理由とは――本人に直接聞いてみた

文:megane

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■パッケージタイトルの第1弾はXbox Oneで発売

 Xbox Oneに関して言えば、ほぼローンチと同じ時期にソフトを発売できるんじゃないかと思います。Xbox 360の時は、ケイブで『デススマイルズ』を発売したのが2009年でしたから、Xbox 360の登場から2年以上が経過してからの開発開始だったんです。今回はほぼ最初からかかわれたのでうれしいところですね。やはりハードの始まりの時期に触れるというのは楽しいです。

浅田誠プロデューサー

 これまで仲がよかったのがマイクロソフトさんということもあって、先方と話をしているとポンポンと進んでしまうことが多いんですよね。そんな中で、今回一発目のパッケージタイトルがXbox One向けといった形になりました。

 MAGES.という会社は、ハードの選択肢があるというのもそうですが、非常に自由度が高い会社だと思いますね。企画書についても、開発からじゃなくて、営業の人が出していたりしますから。ゲームを作ることに関する間口は広い。

――MAGES.に入社してから2カ月が経ったわけですが、印象はいかがですか?

 印象としては、色々な部署があって、さまざまなことに携わってる人が多いので多種多様だなと感じてます。自分の周りもさまざまな方がいて、色々な話が飛び交っています。

 あとは、ケイブ時代は営業も宣伝も自分でやっていたようなところがあったので、MAGES.に来てそれ専門でやっている人がいるというのは、当然ですが勝手が違うな、って思いました。

――普通の会社はそうですよね。

 その分、1人でやっていた時と比べて面倒な場合もありますが、自分の作業に集中できるというのはうれしいですね。後は、MAGES.ってゲームもあれば音楽もやっている。こんなにたくさんの事業部があるんだなと思いました。毎月、何かしらゲームを出しているので、せわしいなと(笑)。

 そうそう、志倉さんがちゃんと社長業をしているんですよ。イベントとか番組とか、外から見ているとそういう姿ってまったく見ないんですが、中に入ったらしっかりと社長をしていた。ただ、色々と見ていると、社内で一番働いているのが、どうやら社長っぽいんですよ。そこをどう覆してやろうか、どう一泡吹かせてやろうか、というのが今の目標でもありますね。

――MAGES.といえば、同じSTG畑として盛さん(盛 政樹プロデューサー)もいますよね。

 そうですね、盛さんとは以前からの知り合いでちょくちょく飲みに行くような仲ですし、社内にも他に知り合いがなんだかんだといる感じではありますね。盛さんも自分と同じくMAGES.のゲームプロデューサーの中ではちょっと特殊な立ち位置みたいですね。MAGES.といえばアドベンチャーゲームが得意と見られていますが、盛さんは初期に1タイトルやったくらいみたいで。

 1人だけ別のジャンルを手がけていた盛さんのところに自分も来て、じゃあどんなジャンルのものを作っていくのか、というのは今後考えていく部分ですね。おそらく皆さんが思われているようにSTGも作っていくとは思うんですが……。

■やっぱり『ジョッキーズロード』の企画書は出していた

――2人で何かをやっていく、みたいなところは予定されていますか?

 今はそういったところも含めて、どんなジャンルを作っていくかを考えたいところですね。ただ、盛さんや志倉さんたちと一緒に何かをやってみたいなとは思っています。ちなみに自分としては今もマイクロソフトさんにはXbox Oneで『Jockey’s Road(ジョッキーズロード)』を作ろうぜ、って言ってますよ。

――まだ諦めていなかったんですね。

 今、マイクロソフトにはたくさん企画書を出しているのですが、その中で一番気合が入っているのが『ジョッキーズロード』についてなんですよ。もともと開発した会社さんにも会いましたし、30ページくらいの企画書というか、もはや仕様書ですね。どうにかして首を縦に振らせたいところなんですが、なかなか手ごわいです。

――移籍後、初のタイトルは『ジョッキーズロード』です。なんて発表もおもしろかったかもしれませんね。

 やりやがったなと思われるかもしれないですね(笑)。自分のようなすごく好きな人が、少ないかもしれませんがハードごと買ってくれると思います。

 開発見積もりなども取りましたし、当時と比べて競馬場もかなり改修されてますから、それを作り直すには、とか。『ジョッキーズロード』については鋭意交渉中です! ほら、行動して駄目なら自分が至らない結果ですが、行動起こさないで駄目だと諦めるのは何も考えてないのと一緒だと思いますし、ちゃんと行動した上で、駄目ならどうすれば実現できるかって考えたいですしね。

 こんな感じで企画書はバンバン出していますが、基本的に何がしたいからMAGES.に入ったというわけではないんですよ。志倉さんからはやりたいことをやってほしい、と言われていますし、現世代機、次世代機、そしてスマートフォン向けに関しても手をつけ始めた感じです。ケイブ時代よりかは選択肢はだいぶ広がりましたね。

 あとはMAGES.って、事業的に色々と幅広くやっているので、展開の仕方は非常にやりやすいですね。音楽事務所もあれば声優事務所もあるので、社内で完結できるのは非常に魅力的だと思いました。アニメ化を前提としたタイトルなんていうのはケイブ時代ではできませんでしたから、今後はどんなことができるか、というのは楽しみです。

――ところで、浅田さんがMAGES.に入られたということで、ケイブのこれまで家庭用ゲーム機に出ていないタイトルがMAGES.から出せたりはしないのでしょうか?

 もちろん、ビジネスなので話をすることはできると思いますが、自分だからって事ではないと思います。お互い会社なので、ビジネスとして互いにメリットがあるようならあると思いますし、そのあたりはスキーム次第でしょうね。ケイブ時代に『弾銃フィーバロン』や『エスプレイド』を実機で動かせていたので出せないこともないでしょうが、ビジネス的になかなか厳しいこともあったので……。

――個人的には『プロギアの嵐』をお願いしたいところです。

 ケイブ時代にカプコンさんとお話をさせてもらう機会はありました。実際にXBLAで販売できないかどうかの話をしましたが、その時は発売まで話が進まなかったですね。

――それでは、月並みではありますが、最後に読者に対するメッセージをお願いします。

浅田誠プロデューサー

 会社を移ったと言っても、自分としては移ったからどうの、というのは意識していません。ケイブ時代から自分のスタイルの中で、ゲームを開発して発売というのを繰り返してきましたし、MAGES.になってもそれは変わらないと思います。

 ケイブからはMAGES.へは、家庭用ゲームが作りたいという思いで来ましたし、その気持ちは大事にしていきたいと思っています。ジャンルもSTGとかADVとか、これまでやってきたものにこだわらず、色々なジャンルをやっていきたいなと。

 今手がけているタイトルもケイブ時代とはちょっと違うジャンルのものですので、発表される日を楽しみにお待ちください。複数のタイトルを用意してますので、そちらについてもお待ちいただければと思います。

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