【ほぼ毎日特集 ♯62】海外ドラマのドキドキ感をゲームの中で体験！ シネマティックホラーADV『ウォーキング・デッド』を遊んでみた（チョロ松）

文：チョロ松

■迫られる決断！ 自分の行動によって新たな展開が

　会話のセリフ以外にも、どのような態度や行動を取るかを選択する場面が、かなり多いです。シチュエーションによっては、非情な選択を迫られることもあります。2人の仲間が同時に襲われていて、どちらを先に助けるかといった状況や、仲間の命を救うための、誰も望まないことをしなければならない状況などでは、自分自身の心に軽いショックを受けてしまいます。ゲームでそういった感情を抱くのは、最近ではあまりなかったことなので、「ああ、練りこまれたアドベンチャーゲームって、こういうものなんだ」と実感しましたよ。

　はたして、あの判断は正しかったのか、他に方法はなかったのかといったことを、常に考えさせられてしまいます。また会話や行動を積み重ねていくことで、自分に対する他のキャラクターの感情が変化していくこともあります。その結果、前回のプレイでは見られなかったシークレットなシーンに突入することも。アドベンチャーと言えば、解き終わったらそれっきりといった印象もありますが、繰り返しプレイすることで新たな発見が生まれるハズです。

　さらに、各エピソードの終了時には、ストーリーの中でポイントとなった決断について、他のプレイヤーがどのような選択肢を選んだかがパーセンテージで示されます。多くの人が自分と同じ判断をしていた場合には、なんとなくホッとした気分になりますが、迷った末に選んだ行動が少数派だった場合には、「ああ、やっぱり」と悔やんでしまいます。でも、「あれが正しいハズ」と思うこともあって、なんだか微妙な気持ち……。

■アドベンチャーならではの謎解きも

　用意されたヒントを手がかりに、その状況を解決する方法を探していくのは、アドベンチャーならではの楽しみの1つです。例えば、外部の情報を知るために携帯ラジオを動かそうとするシーン。まずラジオを手に取り、裏返してフタを開け、電池をセットする。さらにスイッチを入れてボリュームを上げ……。もちろん、電池をどこかで入手しておく必要がありますし、電池をさかさまにセットしないよう注意しなければなりません。

　これはほんの一例ですが、他にも建物の中に閉じ込められた女性を助けるために、ウォーカーを倒すための武器を見つけ、音で注意をそらし、彼らの動きを封じるために車で押しつぶし……といったように、念入りに調査してワナを仕掛けていくような状況もあります。とはいえ、イジワルな仕掛けは存在しないので、きちんと周囲を調べれば、必ず解決法が見つかるでしょう。うまく解決できた時には、ちょっとした達成感を味わえますよ。

■極限の状態に置かれた人々の感情のぶつかり合い！

　ウォーカーという異質な存在の出現によって、徹底的に破壊されてしまった人間社会。そんな極限状態の中で人々がどのように考え、行動するのか。ゲームの中では、激しい感情のぶつかり合いがあらゆる場面で発生します。いがみ合い、暴力を振るい、しかし時には思いやる……。ヒトって、怖くて愛おしいものですね。『ウォーキング・デッド』をプレイして、そんな気持ちになりました。機会があれば、ぜひプレイしてもらいたい1作ですね。

(C) 2012-13 Telltale, Inc. THE WALKING DEAD is (C) 2012-13 Robert Kirkman, LLC. Based on the Comic Book by Robert Kirkman, Tony Moore and Charlie Adlard. Telltale and the Telltale Games logo are trademarks of Telltale, Inc.

(C) 2010 American Movie Classic Company.LLC.All Rights Reserved.
(C) TWD productions LLC Courtesy of AMC
(C) AMC Film Holdings LLC. 2011. All Rights Reserved.
(C) KADOKAWA CORPORATION 2013
発売・販売：株式会社KADOKAWA 角川書店

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