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2013年11月29日(金)

『ガールズ&パンツァー』に学ぶ『World of Tanks』の戦車戦術! 勝ち抜くための秘訣とは?【めざせ! 戦車道免許皆伝 第9回】

文:田中尚道

■戦線に穴を開ける“浸透強襲戦術”

 聖グロリアーナ女学院が得意とする戦術。それが浸透強襲戦術です。基本的には、戦線を突破して裏側に回り込む(浸透する)という作戦。戦線の1カ所を突破しても、それだけではバルジ(突出部)を作るだけで、突出部に火力を集中されれば封じ込められてしまいます。しかし、数カ所で同時にこれを行えば、突破した他の部隊と連携して、その間にいる敵部隊を包囲することができます。旧日本軍ではこれを肉弾戦術と呼んでいました。

『World of Tanks』

 重装甲の戦車を先頭にして戦線を突破し、開けた穴から他の車両を戦線を送り込むのが、この戦術の基本。また、突破口を開かなくても、敵の裏側に回り込めばいいので、ゆるやかな傾斜のある草原の中央に湖がある“マリノフカ”のマップなどでは、湖のほとりを突破した軽戦車が味方をパニックに陥れたりします。

 突出した味方車両が危険にさらされることが多い戦術ですが、敵の裏側に回りこむことで、敵戦車の位置を味方に知らせることができるメリットが大きいです。さらに、敵を混乱させることができ、自分に砲火を集中させることで、味方戦車が敵戦車の弱点を狙いやすくなるなど、チームプレイに向いた戦術ですね。なお、突破した戦車は生存率がとても低く、うまくやらないと、ただ単に各個撃破されて戦力比のアンバランスを引き起こす結果となります。

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■臆病なくらいがちょうどいい“こそこそ作戦”

 いかに重厚な装甲と強力な砲があっても、敵に見つからないに越したことはありません。武士道や騎士道の世界ではないので、名乗りを上げて決闘するとか愚の骨頂。戦車の性能が劣っていれば、よりいっそう“隠れる”ことが重要になるのです。

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 第4話の聖グロリアーナ女学院との試合で、西住みほ殿が採用したのが“こそこそ作戦”。こそこそ隠れて、こそこそ攻撃するわけですが、先ほども述べた通り、敵に見つからずに攻撃するという、基本に即した戦術です。

 機動性に優れた戦車に向いており、障害物や茂みのの陰から陰に移動して、敵戦車をいち早く発見。こっそり攻撃して、とっとと逃げます。撃破できるに越したことはありませんが、高い機動力を持つ戦車はおそらく火力が低いので、無理をしないのが一番。自分に注意をひきつけて、敵を障害物から引きずり出すことにも向いています。

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■走って止まって撃つ“躍進射撃”

 第7話でエルヴィン殿が西住殿に質問していた“躍進射撃”というキーワード。静止状態から敵を攻撃すれば、当てるのもそう難しくありませんが、走行中に敵に弾を当てるのはかなり難しいものです。というか、もはや運次第と言っても過言ではないでしょう。

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 とはいえ、停車した状態では敵の攻撃も当たりますから、痛しかゆしです。そこで考案されたのが、走行中に敵に狙いを定め、急停車して攻撃する躍進射撃です。『WoT』では、走行中の戦車はスペースキーで急停車できますので、一気にブレーキを掛けて攻撃します。

 急停車には他に2つのメリットがあります。車体は慣性にのっとって前のめりになるので、いわゆるノーズダイブが起こり、強制的に俯角が取れます。まあ、一瞬のことなので、これを利用するのは熟練プレイヤーになってからかもしれません、もう1つ、移動している自車両に対して攻撃してくる敵車両は、移動先を予測して偏差射撃(予測射撃)をしてくることが多いので、急停車でこれをかわすことができます。操縦しながら射撃を行う『WoT』では、かなり高度な操車技術と言えるでしょう。

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■駆逐戦車の見せ場“機動防御”

 機動防御とは、機動性と火力の高い部隊を、敵に突破された味方の戦線に派遣して、侵入した相手を撃滅して防御する方法を指します。第二次世界大戦でドイツのヴァルター・モーデル元帥が得意とした戦術で、彼はその防御戦の巧みさから“ヒトラーの火消し屋”の異名を取りました。具体的には、敵の進攻ルートに火力を伏せ、おびき出す、誘い込むなどの方法で撃滅します。

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 大洗女子学園チームは、その戦車の非力さから防衛に回ることが多く、攻勢作戦をとったプラウダ戦では、敵の火力と装甲に阻まれて逆に包囲される憂き目にあいます。攻勢と防御のどちらが難しいかは、プレイヤーの向き不向きや状況もあるのでなんとも言えませんが、小官は待ち伏せのほうが気が楽です。調子に乗って進むとやられるから……。

 装甲が厚く火力が低い戦車の場合は、多少前に出たほうが効率よく働けます。しかし、装甲が薄くて火力が高い車両の場合は、待ち伏せなどの防御において真価を発揮します。つまり、駆逐戦車は圧倒的に防御向きなわけです。大洗女子学園が決勝で当たった黒森峰女学園は、ヤクトティーガーをはじめとする駆逐戦車を攻勢に使用してましたが、あれは火力と装甲が圧倒的だからですね。

 アニメの劇中で駆逐戦車の見せ場となっているのは、聖グロリアーナ女学院との試合での、III号突撃砲(StuG III)によるマチルダ(Matilda)の待ち伏せや、プラウダ高校との試合でのIII号突撃砲によるT34-76(T-34)の待ち伏せ、ヘッツァー(Hetzer)によるティーガー(Pz.Kpfw. VI Tiger)の待ち伏せなどがありますが、いずれも待ち伏せです。

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 近寄らないと装甲を貫通できないとか、側面じゃないと装甲を抜けないとか、大きなハンデがあるのでしょうがありませんね。他にも、ヘッツァーがマウス(Maus)の下に潜り込むシーンなどがありますが、あれは厳密には『WoT』で再現できませんし、自分で攻撃することを考えていない戦術なので、ノーカンでお願いします。

『World of Tanks』 『World of Tanks』

→ウサギさんチームの“戦略大作戦”とは!?(3ページ目へ)

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データ

▼『World of Tanks(ワールド オブ タンクス)』
■メーカー:ウォーゲーミングジャパン
■対応機種:PC
■ジャンル:ACT
■配信日:2013年9月5日
■価格:無料(アイテム課金)

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