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2013年12月6日(金)

【ほぼ毎日特集#64】ゲーミングデバイスブランド“Logicool G”のキーマン古澤さんに聞く、ブランドの方向性からプロゲーマー構想まで(megane)

文:megane

■製品としては遅出となったマウスマット、その理由は?

――ゲーム用周辺機器って御社の製品も含めてですが、必ずと言っていいほど光りますよね。あれはなぜなんでしょう?

“Logicool G”

 理由としては2つあると思っています。1つは単純にゲーム用周辺機器はデザイン的に尖っているものが受けいられやすいというところですね。光るという要素はわかりやすいですから。もう1つは、視認性を高くするということですね。ゲームって比較的暗い環境でプレイをする場面が多いんですね。そういう時にキーなどが光っているとわかりやすい。

――ところで、海外の周辺機器メーカーのラインナップを見ると、たいていマウスマットを多く用意しているんですが、Logicool Gでのマウスマットの登場は遅かったですよね。これは何か理由があるのでしょうか?

 Logicool Gのマウスは、基本的にセンサーの作りこみによって、マウスマットがなくても性能が出るような所をウリにしていました。でも、凹凸がある場所などどうしても性能が出せない場面があったんですね。今回、ちょうどブランドを再構築したということで、マウスマットもラインナップすることになりました。

 色々な大会に顔を出してみると、Logicool GのマウスとRazerやSteelSeriesのマウスマットを組み合わせて使っている方が多くいました。Logicool Gはいつ出すのか、みたいなリクエストも多かったのです。

――確かにメーカーで製品を揃えてたくなってくる気持ちはありますよね。

 Logicool Gでは布タイプの『G240』とハードタイプの『G440』の2種類を用意していますが、マウスをきっちりと止めたい時=精確性を求めるには布タイプを、滑らせたい時=スピードを求める時はハードタイプを使ってもらうといった感じですね。自分がLeague of Legends(以下、LoL)をプレイする時は布タイプを使って、dpiを400~500あたりに設定します。こういうマウスをピタッと止めてコマンドをクリックするようなゲームは、布タイプがいいですね。逆にFPSなど、動きを速くしたい時は滑りのよいハードタイプを選ぶというのが一般的です。

 Logicool Gとしては、7種類のマウスと2種類のマウスマットを用意したことで、さまざまなジャンルに対応できるようになったのではないかと思っています。

“Logicool G” “Logicool G”
▲Logicool Gの製品ラインナップの一部。

■フラグシップキーボード『G710+』の秘められたこだわり

――ちなみに古澤さんがお気に入りのマウスは『G602』とのことですが、お気に入りのキーボードはありますか?

 好きなのはメカニカルキーボードの『G710+』ですね。私は昔からメカニカルスイッチを使ったキーボードが好きなのですが、ロジクールの製品でメカニカルキーボードってなかったんですよ。そして他社のメカニカルキーボードと『G710+』が違うのは、メカニカルの感触は維持しつつ、静音にしていることです。キーに緩衝材となるダンパーが入っているので、静かで、使っていて気持ちがいいんです。

“Logicool G”
▲キーにダンパーとなるゴムが入れることで静音化している。

――確かにメカニカルなのに使ってみると静かなので、非常に驚きました。

 私は『G710+』を使用する前は、メンブレン式のキーボードを使用していたのですが、身体が覚えている“キーを入力して画面に入力されるまでのスピード”が、メンブレン式キーボードよりも『G710+』の方が早かったんですね。本当に感覚的なものでどれくらい早かったかは数値では言えないんですが。ゲームではなおさら、そんなコンマ何秒が生死を分ける世界ですので、そういったところにLogicool Gの技術の強みがあるのだと感じています。

 逆にこういったことは使ってもらわないとわからないことですので、使ってもらうようなストーリーとか、環境整備とか、ゲーマーからのメッセージというのが重要だなと。

――同じようなメカニカルキーボードと比べると、『G710+』ってキーや機能が増えているにしても、やや割高に思えるのですが……。

 そうですね……ダンパーの機構がキー1つ1つに入っているというところもあるんですが、実はわかりやすい例があるんです。

 まず、WASDのキーだけを残したライトの設定ができたりといったさまざまなライト設定が行えるところと、キー1つ1つにLEDがついているところです。基本的に光るキーボードというのはシートを入れて範囲的に光らせているんですが、『G710+』の場合は1つ1つのキーにLEDを入れているんです。それはコストが高くなるよな、と。

“Logicool G” “Logicool G”
▲発光するキーボード。キー部分の1つ1つにLEDが搭載されている。

 ただ光るということだけでも、より鮮明にフォントを出すにはどうすればいいのか、そういったこだわりが製品づくりに表れているんです。あとはWindowsキーの無効化やキー同時押しへの対応といった機能など、ゲーマーから求められる機能をフルに入れていることで、こういった値段になっているというわけです。

 そこまでやらなくてもいいと言われることもありますが、Logicool Gのフラッグシップ製品だからこそ、そこまでやる。それは私個人としてもうれしいこだわりではありますね。

――ちなみに製品の中で多ボタンマウス『G600』が量販店から消えてしまっていたんですが、これは何か理由はあるのでしょうか?

 気づいてしまいましたか。それは『ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア』効果なんです。文字通り飛ぶように売れてしまい、在庫が本当に飛んでしまいました。11月末以降には在庫が戻ると思います。

→Logicool Gは今後どのような製品をリリースしていく?(3ページ目へ)

(C)2013 Logicool

データ

▼『Logicool G602』
■メーカー:ロジクール
■対応機種:PC
■発売日:2013年9月13日
■希望小売価格:オープンプライス
 
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