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2013年12月20日(金)

PS Vita『劇場版 まどか☆マギカ』アドベンチャー部分をレビュー! 原作の絶望と、希望を抱かせるオリジナル脚本で構成される物語は必見

文:カワチ

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■まどかの願いをかなえるべく、本編ルートを開始!

 “本編ルート”は、プロローグルートのラストにまどかが話してくれた「5人がお互いを信じて力を合わせれば、“ワルプルギスの夜”に勝てたんじゃないか?」という願いを叶えるため、ほむらが時を戻すところから始まります。その後、物語はほむらが魔法少女たちを説得して、30日後に襲来する最強の魔女“ワルプルギスの夜”に備える展開に。

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ The Battle Pentagram』
▲“ワルプルギスの夜”を倒すため、疑われつつも他の魔法少女たちに協力を仰ぐほむら。プロローグルートをプレイした後だからこそ、その姿にこちらの胸もアツくなってきます。

 本編ルートでは、仲間と絆を深める昼パートと、魔女との戦いを繰り広げる夜パートを交互に進めていくことになります。ここで簡単に2つのパートと、2つのパートの合間にいつでもプレイして魔法少女たちを鍛えられる輪廻の魔女結界を紹介しておきましょう。

◆昼パートと夜パート

 昼は魔法少女同士の会話イベントを楽しみながら“絆値”というパラメータを上げていくことになります。いっぽう、夜は魔女討伐を行うアクションパートに。戦闘後のリザルトによってレベルアップの度合いやペアを組んだ2人の絆値が変動するので頑張って戦いましょう!

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ The Battle Pentagram』 『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ The Battle Pentagram』
▲絆値が一定まで上昇すると特別な会話イベントが発生します。絆の深まりによって親密度の高いストーリーが展開します!

 絆値を上げていくことによる利点は、こうしたシーンを見られることだけではありません。戦闘においても、パラメータがアップするなどさまざまな恩恵が得られます。その中で、もっとも大きなメリットとなるのが、敵に高ダメージを与えられるコンビネーションマジックが使用可能になることです。

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ The Battle Pentagram』 『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ The Battle Pentagram』
▲魔法少女たちの絆値を大きく上げることで戦闘中に“コンビネーションマジック”を使えるようになります。

 また、本作では昼パートの行動によって夜パートで挑戦することができるステージの内容も変わってきます。ゲームを1周しただけではすべてのイベントを見ることはできないので、ぜひ何度もプレイしてみてください!

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ The Battle Pentagram』 『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ The Battle Pentagram』
▲昼パートで杏子がグリーフシードをなくしてしまった話を聞いた後の夜パートで、そのグリーフシードが落ちているステージに行けるようになりました。

 どちらのパートでも、会いに行くキャラクターによって得られる絆値や物語の展開が変化します。最初は自分のお気に入りの魔法少女を選ぶようにするといいと思いますよ。

◆輪廻の魔女結界

 自由に魔法少女たちのレベルを上げられる輪廻の魔女結界。ここには昼パートと夜パートと関係なくいつでも挑戦することができます。ストーリーの敵が強いと感じたら利用するといいでしょう。ただし、夜パートの戦闘とは違い、輪廻の魔女結界でいくら戦闘を重ねても、絆値は変動しません。この点には注意しておきましょう。

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ The Battle Pentagram』
▲画面を切り替えることでいつでもレベル上げ用のステージに挑むことができます。

 絆値は変わらないものの、レベルを上げることで戦闘が楽になることは事実です。そのあたりは、前回のレビューに掲載した、ほむらと薔薇園の魔女の戦闘を収めた2本の動画を見比べていただければわかってもらえるかと。

■“もしも、5人が最初から協力していたら……?”そんなifのストーリーに注目!

 やはり本作のストーリーの見どころは、アニメでは見ることが叶わなかった5人の日常を垣間見ることができることですね。ほむらがまどかのお弁当を食べるシーンなどはかなり和みますよ! また、いきなり協力することになってギクシャクしている5人が少しずつ心を通わせていく過程もしっかりと描かれており、こちらも見逃せません。

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ The Battle Pentagram』
▲謎の多いほむらに対してマミも最初は不信感を持っているようですが、やがて……。
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▲まどかの言葉を心強く感じるさやか。もともと仲のいい2人ですが、戦いを経てより強い信頼で結ばれていきます。
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▲シリアスなストーリーだけでなく、魔法少女たちの日常を思わせるようなコミカルなシーンも。個人的に、こういうシーンを見るのがとても楽しかったです。

 ストーリーの展開によっては魔法少女同士での模擬戦などに発展し、実際にアクション部分で仲間と戦うことができるのも楽しいです。原作にはさやかと杏子が戦うシーンなどもありましたが、本作にはそれ以外の夢の戦いを体感することもできます!

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ The Battle Pentagram』
▲まどかVSマミ。お互いに遠距離武器を得意としていますが、はたして勝者は!?

 “本編ルート”では、原作で魔法少女が戦った魔女たちと順番に戦っていくことになりますが、それぞれの決戦の前には5人で作戦会議を行うシーンがあるのがおもしろいですね。原作と違い、ほむらがチームのブレインとなって仲間を導いてくれますし、先輩であるマミも心強いです。まさに「こんな『まどか☆マギカ』が見たかった!」と思わせてくれる作りになっています。

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ The Battle Pentagram』
▲本編ルートでは、プロローグルートで戦った魔女たちと再び戦うことになります。まどかたちをしっかり育成し、戦いに臨みましょう!
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▲マミの変身シーンなど、話題になった場面がムービーでバッチリ再現されています。ファンはこういうシーンにも注目です!

■効率的に進めたい人は、1人を集中して育てるといいかも

 アクションゲームがあまり得意ではない自分ですが、ストーリーの先が気になって気付けば何時間も必死にプレイしてしまいました(笑)。歯応えのある難易度になっているので、難しいと感じたらすぐに輪廻の魔女結界を使うといいでしょう。

 ちなみにボクのようにアクションが苦手な人は、誰か1人のレベルを重点的に上げて、強化ポイントでSTRを伸ばすのがオススメです。途中まで(本編ルートを1度クリア)しか遊んでいませんが、こうすることでだいぶ楽に進められるハズ……です(笑)。プレイ時間はおよそ20時間ほど。これは、アクション部分のレビューのため、5人を平均的に触ってきたことも関係しています。1人に絞ればもう少し短くなるはずです。

 ちなみに、1度クリアするとより攻略が楽になるオマケが手に入ります。この点からも、まずは誰か1人に絞って育成してみてはいかがでしょうか?

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▲昼パートの会話は、日にちが変わると内容も変わります。すべての内容を見たいのであれば、何周かする必要があるでしょう。
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▲夜パートでは、2体の魔女が同時に現れることもあります。どちらを先に倒すかによって、その後の展開や、攻略の難易度が変わります。何周か遊んでみることで、本作を余すところなく味わえるんじゃないかと。

■ここまで『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ The Battle Pentagram』を遊んでみて

 まだこのゲームをすべてクリアしたわけではありませんが、ここまでプレイしていて感じたのは、作り手の強い原作愛です。それを最初に感じたのは、プロローグルートを遊んだ後でした。遊ぶ前には「プロローグルートなんて、ただのチュートリアルでしょ?」くらいに思っていたのですよ、正直。

 でも、魔法少女たちの散り際という、ショッキングかつ切ないシーンをチョイスしていることもあって、やっていくにつれてどんどんとテンションは上がっていきます。

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ The Battle Pentagram』 『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ The Battle Pentagram』
▲杏子とさやかのエピソード。魔法少女となったさやかの悲劇を描くためには欠かせないお話ですが、思わず「このチョイスは反則だわ~」と口から漏れてしまいました。

 特に、プロローグルート最後の会話シーンを見てしまうと、本編ルートをやらずにはいられないくらいモチベーションは高まります。もう、頭の中で自動的に『コネクト』が流れ出しちゃっているわけです。この感覚は、『まどか☆マギカ』ファンの皆さんにぜひとも味わっていただきたいですね。

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ The Battle Pentagram』
▲ほむらの語りを聞いているうちに、ぞくぞくして鳥肌が立ってしまいました! 目覚めた心は何があってもくじけないのです。

 そして本編ルートでは、5人の魔法少女たちの、ありえたかもしれない物語が描かれます。上でも書きましたが、5人の絆を深めていくことでアニメでは起こらなかった出来事が起こります。ファンであれば思わずうなり、ニヤニヤしてしまうんじゃないかと!

 こうして絆を深めていった5人の魔法少女たちは、どんな奇跡を見せてくれるのでしょうか? こうしてレビューを書きながら、早く続きをプレイしてみたくてうずうずしています! 皆さんもぜひプレイして、強大な魔女たちに屈することなく、きっと待っているであろう幸せな結末に、まどかたち5人を導いてあげてくださいね!

(C)Magica Quartet/Aniplex・Madoka Movie Project
(C)2013 NAMCO BANDAI Games Inc.

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