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2013年12月26日(木)

『ブレイブリーデフォルト FtS』魔王“白鳩”と“蝶尾”には続編『ブレイブリーセカンド』の伏線が! デザイナーの増田氏と浅野Pにインタビュー

文:ごえモン

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■欧州版『ブレイブリーデフォルト』はすでに発売され高評価に

――増田さんを起用された理由に海外戦略も入っているのですか?

浅野:ごめんなさい。まったく考えてなかったです(笑)。

増田:そんな話は最初のころまったく出ませんでしたね(笑)。

浅野:増田さんにお話しをさせてもらった今年の初めの段階では、海外展開がまだ決まっていませんでした。『ブレイブリー』に関しては海外市場のことをあまり考えず、日本人がやりたいことを思いっきり表現した結果、今、ヨーロッパで高い評価を得ているんだと思います。なので、きっと今回の魔王も受け入れられるだろうと信じています。

増田:僕は海外のフェアやフェスに参加することが多いのですが、Japan Expo(ジャパン・エキスポ)などファションと漫画、アニメ、ゲームが1つの会場で出展されていることが意外と多いんです。今回の2体の配信で、ファッションが好き子もゲームに興味を持ってもらって、ゲームが好きな子にもファッションに興味を持ってもらえるような、そういったクロスオーバーができるといいなと思っています。

 イベントでは、ゲームエリア、アニメエリア、ファッションエリアといった形で分かれているのですが、それらを同じ人が回るようになるといいですよね。その結果、日本人のクリエイティブがおもしろいと感じてもらえたら、いい効果につながると思います。

――海外の話題にもなったとのでお聞きしたいのですが、先日発売された欧州版『ブレイブリーデフォルト』の調子はいかがでしょう?

浅野:ヨーロッパでは12月6日に発売したのですが、すでに出荷10万本を超えていると聞いています。2月6日発売予定のアメリカも入れると、30万程度の出荷になりそうです(インタビュー収録時の12月17日時点)。

増田:ゲームって、海外だと平均でどれくらいの初動なんですか?

浅野:ものによって違うと思いますが、普通に考えると『ブレイブリーデフォルト』は少し多いかと思います。日本での評価が高かったので、北米と欧州のユーザーがともに待ち望んでいる状況で発売できました。発売後の評価も高いですし、海外のほうが商品の足が長いので、さらに伸びていくと思います。

増田:海外でもまだまだ日本ブランドが通用しますからね。今後、もっと売れていくと思いますよ。話は変わりますが、逆に聞いてもいいですか? 僕がゲームに参加することを聞いたゲームファンはどういう反応をされると思いますか? 僕はやりたいことをやらせていただいてうれしいですが、「えー?」と思う人もいるのかなと思っていて……。

――人それぞれとしか言えないですが、私は初めて拝見した時に「こういう魔王もありなのか」という驚きが一番でした。今まで7体の有名な悪魔が発表されていたので、まさか金魚と鳩が魔王だとは考えもしないですから。『ブレイブリーデフォルト』は年齢層が高いので、「こういう異質なものもアリだよね」と考える人は多いような気がします。

増田:考えてみれば、魔王なのに小動物ですもんね(笑)。見たことがないものだと思いますが、年齢が高い方だとどこか懐かしい感じもするのではないでしょうか? その辺りは、うまくいっていると思います。

■異質なものを作るためには“圧倒的なアート力”が必要

――デザイン部分で、『ブレイブリーデフォルト』のファンに「ここに注目してほしい!」という部分はありますか?

増田:やっぱり動くことで表現力がすごく高まっているので、動きを見てほしいですね。僕が細かく配置したものがよく動いているので、むしろ表現力が豊かになっている気がします。

 いろいろなところで“物で会話する”とよく言うんですけど、浅野さんからお題をいただいて、僕がデザインを考えて、それを浅野さんや開発の方に膨らませていただいて、動きが作られて……。そうやってどんどん形になっていくことがすごく楽しいですね。これから先もこういったコラボレーションのように、お互いが考えていた以上のものができ上がっていくといいのかなと思っています。

『ブレイブリーデフォルト』魔王インタビュー 『ブレイブリーデフォルト』魔王インタビュー

浅野:ありがとうございます。『ブレイブリー』ではそれを実感していて、例えばRevoさんに曲を作っていただいた時も、とてもいい曲が上がってくるので、それに恥じないように、負けないように、と意識して、品質が向上した部分もあると思います。

――相乗効果ですね。

浅野:相乗効果でもありますし、戦いでもあります。増田さんからステキなデザインをいただいたのに、ゲームに落とし込んだらショボかった、となってしまったら担当していただいた甲斐がありませんから。恥ずかしいものは出せないですよね。

――バトル時にはRevoさんの新曲『歪なる思念、其の名は魔王』が流れていますが、ある意味、増田さんとRevoさんの初コラボですよね。これを機会に、Revoさんの衣装デザインとかされたりしないのですか?(笑)

増田:あははは(笑)。そういうお話しをいただければ、ぜひやってみたいですね。そう言えば、浅野さんのオーダーには他にも“圧倒的なアート力”という指定がありました。「圧倒的なアート力を出さなければいけないのか……」とかなり悩みましたね(笑)。

――圧倒的なアート力って……これまた圧倒的に高いハードルですよね(笑)。

浅野:言ってましたね(笑)。異質なものにしたい目的に対して、その方法として、圧倒的なアート力が必要だと考えました。それは増田さんの普段通りにデザインしていただければ、達成できるだろうと考えてのことでした。実際に上がってきた時には、開発も「さぁどう料理しようか」と腕が鳴ったと思います。

増田:浅野さんは引き出すのがうまいですよね。“圧倒的なアート力”なんてお題を出されたら、「どこまでやったらいいんだろう?」と頑張るじゃないですか。

――また浅野さんと一緒にゲームのデザインをやりたい気持ちはありますか?

増田:機会があればどんどんやってみたいですね。

浅野:『ブレイブリーセカンド』用に、また改めてお願いできればうれしいですね。キャラの衣装デザインとか、やってみたかったりしますか?

増田:やってみたい気持ちもありますけど、今はモンスターデザインの魅力に取りつかれてしまっていますね(笑)。今回実際にゲームをプレイしてみて思ったのですが、ゲームの衣装は特殊だなと思います。絶対領域などファッションとしてグっとくるラインもありますが、僕にはできないところなので、デザインされた方はすごいなと思います。こういったデザインに慣れている人と組むのもおもしろそうですね。実際に衣装を作ってしまって、そこからデザインに入るとか、やってみたい気持ちはあります。

――個人的には、増田さんが手掛けるジョブ衣装なども見てみたいですね。それでは最後に、ゲーム以外の今後の活動予定について教えていただけますか?

増田:ニューヨークで初めての個展を2月上旬から1カ月くらい開催するので、今はその作品づくりに追われています。

浅野:アメリカでは2月7日に『ブレイブリーデフォルト』が発売されますので、魔王の配信タイミングは増田さんの個展近辺になると思います。そこで一緒に、海外で話題になってもらえるとうれしいですね。

――増田さんと『ブレイブリー』シリーズの今後の海外展開にも注目ですね。それでは、電撃オンラインを読んでいる読者にメッセージをお願いします。

増田:『ブレイブリーデフォルト』の展開を見せていただくと、いろいろな業界の人を巻き込んで、すさまじいくらいのクリエイティブを作っていると思います。このゲームをきっかけに「まだまだ日本のクリエイティブは強いぞ」と、海外の人たちみんなが驚いてくれるとうれしいです。今回の魔王の配信がそのきっかけとなるように、みんなで見守ってほしいです。

『ブレイブリーデフォルト』魔王インタビュー

→続編にも迫る『フォーザ・シークウェル』発売後インタビュー掲載中!

(C)2012,2013 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
MAIN CHARACTER DESIGN:Akihiko Yoshida.
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MAIN CHARACTER DESIGN : Akihiko Yoshida.

データ

▼『ブレイブリーデフォルト フォーザ・シークウェル』前作所持者向け優待DL版
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:3DS
■ジャンル:RPG
■配信日:2013年12月5日
■価格:2,900円(税込)

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