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2013年12月28日(土)

『水曜どうでしょう』最新作シリーズで宣伝されている噂の書籍『藤やん・うれしーの悩むだけ損!』を無料で抜粋まとめ読み!

文:電撃オンライン

 電撃オンラインで好評連載中のコラム『藤やん・うれしーの悩むだけ損!』。雑誌の1コーナーからスタートしたこちらの連載は、『水曜どうでしょう』のディレクターである藤村忠寿さんと、カメラマン兼ディレクターである嬉野雅道さんによる、完全書き下ろしのコラムです。

「なぜ、あの2人がゲーム媒体で連載を? しかもゲーム関係ないぞ!?」

『藤やん・うれしーの 続・悩むだけ損!』
▲最新刊『続・悩むだけ損!』の表紙はこちら! 第1巻『悩むだけ損!』も好評発売中。

 連載当初はそんな違和感満載だったのですが、今となっては単行本化され(『藤やん・うれしーの 悩むだけ損!』『藤やん・うれしーの 続・悩むだけ損!』)、すっかりおなじみの存在感となりました。2013年の東京ゲームショウでも、『悩むだけ損!スペシャルステージ』は大好評でした。

 テレビでおふたりが見せる顔とはまた少し違う、そして『水曜どうでしょう』公式サイトの“本日の日記”ともまた少し違う、ちょっと真面目で、ちょっとお気楽なお悩み相談。書籍で読むとまた違った味わいがあって、オススメです!

 年末年始の長いお休みの合間で、または故郷との長距離移動の電車や飛行機で、読書タイムにいかがでしょうか? 書籍には竹田で撮影したおふたりの素顔、そして田舎の風情が満載のおまけ書き下ろしがたっぷり収録されていますよ。

 では、皆様、「悩むだけ損!」を合言葉にどうぞよいお年をお迎えください。


『藤やん・うれしーの 続・悩むだけ損!』は好評発売中!

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【2人のお言葉を『続・悩むだけ損!』より抜粋して紹介】

お悩み:人は歳を重ねるごとに変わると言いますが、僕は今の自分の考えや、大切にしているものが変わってほしくないと思うのです。でも、今後いろいろなことが起こった際に、今の自分が嫌悪するような人間になってしまうのではないかと不安です。

藤村より(抜粋)

 大事なのは、今の自分の考え方を変えないことじゃない。そのまったく逆で、今後それが変わっていくことをうまく受け入れて、順応していくことなんですよ。変わっていくものに必死にしがみついていると、目の前の状況を読めなくなっちゃう。新たな経験を積み上げることができなくなっちゃう。そしてむしろ「変わっていけない自分」に苦しむことになってしまう。大切なのはずっと自分の中にある、自分ではどうしたって変わらないところを見極めて、それを状況に応じてうまく出していけるかどうか、だと思うんだよ。自分はガンコなのか優柔不断なのか、楽天家なのか悲観的なのか。どんな性格であっても、状況を読んでうまく機能させれば、優柔不断が優しさにも変わり、悲観的なのが慎重さにも変わって、イヤな人間にはきっとならないと思うよ。

嬉野より(抜粋)

 あなたは変わるのが怖いと思っているようですが、生きていれば、何がしか変わってしまうものですよ。それに、変わってしまうようなものなら変わってしまえばいいとぼくは思いますし、また事実、変わってしまうものなのですよ。「生きている」は「感じる」だと思います。「感じる」がリアルの正体だなと思いますが、同じことを繰り返すうちに「感じる」は減じていきリアルは希薄になっていくものです。新しい経験をしないとリアルを「感じる」こともだんだんできなくなっていく。でも、リアルだけが「感じる」を通して「想像とは違う」をぼくらに伝え納得させてくれるのです。想像と違ったのであれば、考え方は変えなければならない。こうして、生きていれば、変化は自ずと訪れることになるのです。

 20代のあなたは、20代までに得た「リアル」の経験値で答えを出しているに過ぎません。でも、経験は量より質かもしれないので、若いあなたが既に出している答えは既に完璧なのかもしれません。そうであれば、今後どのようなことを経験してもそれは変わることはないはずです。でも、変わってしまうのなら、それは変わってしまうような答えでしかなかったということではないでしょうか。

 ぼくはむしろ自分など変わってしまっていいと思います。

お悩み:私は社会人1年目なんですが、仕事とは人生のどの位置づけになるのでしょうか? 最近、忙しすぎて、仕事のためのプライベートなのか、プライベートのための仕事なのか、時々わからなくなります。

藤村より(抜粋)

 社会人を20年以上続けて、ぼくは「仕事とプライベートの区別なんてそもそもないんだ」ということに気がつきました。やっぱりどうしたって仕事は、人生の大部分を占めるものなんです。それを認めて、好きだろうが嫌いだろうが、自分の仕事に真摯に向き合えば、逆に仕事に振り回されるだけの人生では終わらないんだ、ということに気がついたんです。

 社会人1年目のキミへ。キミがそもそも持って生まれた「能力」とか「人間性」という根本的な部分は「仕事」だろうが「プライベート」だろうが、どうしたって出てくるものです。そこには本来、区別なんかない。それを無理やり区別しようなんて思わずに、どっちもちゃんとやればいい。仕事のためにプライベートがあるわけでもなく、プライベートのために仕事があるわけでもなく、あるのは、自分の能力を最大限に出していく、全力の人生があるだけです。

嬉野より(抜粋)

 仕事は、仕事をすることで叶えようと強く願う目的があるからするのです。であれば、強く「やりたいと思うこと」が、あなたになければ、強く「仕事」をしたいと願うこともまたないわけです。そういう「なんとなく」な状況で仕事をしてしまうと、何かの拍子に、あなたを悩ましているような発想を生じさせてしまうのです。そう考えると、あなたには、そもそも、強く「やりたいと願うこと」がないから、仕事をする意味も見つけられず苛立っているということになりますね。私はなんだかそんな気がしますよ。物事はシンプルに考えるとスッキリしますね。でも、今の時代はどうしてだかシンプルに考えられないことが多くて、なんでこうなっているのかがわかりにくい時代だと思うのです。それこそあっちこっちで解けない方程式を作っては解こうとし始めて、シンプルだったものをややこしくしてしまっている時代と言ってもいいのかもしれません。

 つまり「プライベート」の部分の解釈というか中身が、昔と違ってきたために面倒になっているような気がするのです。

お悩み:恥ずかしながら、小生カツラを着用しております。しかし、もう何やら疲れてしまいました。上手に職場でカミングアウトするのに、うまい方法がありますでしょうか。笑われるのはツラいのですが、嫌われるのもツラいのです。

藤村より(抜粋)

 これはもう本当に切実な問題でしょうから、悩める先輩の一助となるべく、40半ばの若輩者ではありますが、わたくしが今現在持てる力のすべてを出し尽くしてお答えいたしたく存じます。

 先輩はそもそも、何故カツラに手を出したのでありましょうか。それはもちろん、なんらかの、自分にとっては切実な、のっぴきならぬ事情があったのでございましょう。しかしながらそれは世間で言うところの「下心」と申しましょうか、「ハゲてちゃかっこ悪い」「ハゲてちゃモテない」という理由が大きな部分を占めているものと推察されます。いやこれは決して批難しているのではなく、むしろそのような下心を若い男がなくしては、男がすたるというものでございます。1980円のスウェット上下で町を闊歩してしまうような男はダラシがない。キチンとした身だしなみでそれなりにかっこよくありたい。カツラの装着もそれと同じことです。カツラとて、値の張るものでございましょう。しかし……。

嬉野より(抜粋)

 ある日突然、乗っけていたヅラを脱いだら、そらあなた、世間は笑うと思いますよ。そら誰だっておもしろいもの。しかも面と向かって笑えないでしょうから陰でこそこそ笑いますな。ですから、あなたの歩みの前後で、こそこそ笑いがさざ波のように起きます。あなたはそのさざ波に足下を洗われながらしばらく歩いていくしかない。でも、その笑いは、あなたを小バカにした笑いではないので、これを気にしてはいけないのです。あぁなんだろう、ほら、立派な出で立ちの紳士があっさりバナナの皮で滑って転んだ時、ぼくらは笑っちゃうでしょう。あれと同じです。緊張感の下、せっせと作り上げたであろう「見てくれ(偶像)」が、あっちゅう間にあさってのほうから崩壊を遂げ、台なしになっていく様を眺める時、人は笑っちゃうのです。おそらく、ホッとするんでしょうね。ホッとして笑っちゃう。なんて言うんでしょうねぇ、ぼくらはそれくらい緊張しながら生きているってことですよね。

(C)2013 KADOKAWA CORPORATION

データ

▼『人生に悩む人よ 藤やん・うれしーの 続・悩むだけ損!』
■発行:株式会社KADOKAWA
■発売日:2013年9月30日
■定価:本体1,200円+税
 
■『人生に悩む人よ 藤やん・うれしーの 続・悩むだけ損!』の購入はこちら
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▼『人生に悩む人よ 藤やん・うれしーの 悩むだけ損!』
■発行:株式会社KADOKAWA
■発売日:2012年3月24日
■定価:1,200円+税
 
■『人生に悩む人よ 藤やん・うれしーの悩むだけ損!』の購入はこちら
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