『戦場のウエディング』開発者インタビュー！ 子作りで自軍を強化する“結婚システム”はどんな経緯で誕生したのか？

文：リプトン熊田

■『海賊ファンタジア』のノウハウを継承しつつ大幅なパワーアップを！

――まずは『戦場のウエディング』の開発経緯からお聞かせいただけますでしょうか。

砂賀：テコテックの中西さんとは元々『海賊ファンタジア』で一緒にやらせていただいていて、「じゃあ次はどんなの作ろうか」というところがスタート地点になります。偶然だったんですけど、僕も中西さんも“世代交代RPG”みたいなゲームを作りたいという思いがありまして、企画をブラッシュアップしていく中で“結婚”という要素を入れたらおもしろいんじゃないかという話になったんです。そこから、世代交代という要素を結婚というカタチで実装してみようというのが本作の企画の大もとですね。

――本作の結婚システムについてはのちほど、まとめてお聞きしたいと思います。さて、自分も一ユーザーとして本作をプレイさせていただいていますが、最初にまず驚きだったのが“要素の多さ”でした。コンテンツもひととおりそろっているうえに、全キャラにボイスまで入っているというのは、かなり贅沢な仕様ですよね。

▲ストーリーや育成の他にも結婚、ユーザー対戦、ギルド結成、アイテム作成、ユーザー掲示板などなど、本作はとにかくコンテンツが豊富。

中西：『海賊ファンタジア』など以前の作品でキャラクターボイスのノウハウはありましたので、そこは踏襲しつつ、1キャラあたりのボイス量は増やしていこうというのがまずありました。システム的にはやはり結婚ありきの企画だったので、それを盛り上げるという前提でコンテンツの選別を行ったカタチになります。要素を増やそうというよりは、必要なものを集めたらこうなったという感じでしょうか。

――ちなみに今現在、キャラクターは何人くらい実装されているのでしょうか？

中西：親世代、子世代を含めると200人くらいですね。ただ、キャラは毎月どんどん増えていくので、これが掲載される頃にはもっと増えているかもしれません。

▲まだまだ集めきれていない自分のデータでお恥ずかしいですが……この大量のキャラそれぞれにボイスが複数用意されているというのは圧巻の一言。しかも、今後もまだまだ増えていくというから驚きです。

――増えていくキャラにも、ボイスは用意されるんですよね？

中西：もちろんです、収録が大変です！（笑）

砂賀：中西さんがバッチリ作ってくださるので、なんの心配もありません（笑）。とはいえプロポーズのセリフや、成長に応じてアンロックされるものなど1キャラにつき複数のボイスがあるので、やはりこれだけのキャラ数ともなるとデータ量も膨大ですね。

中西：ある程度まとめて収録して録りためてはいるものの、朝10時から夜9時までとか、数日かけて収録します。

――それはまた長丁場ですね……。起用されている声優陣はかなり豪華な顔ぶれですが、収録現場はどんな感じなのでしょうか？

中西：それが、意外とあっさり終わることが多いんですよ。ベテランの方ほどミスも少ないので。枠を1時間取っていても、一発OKの時は10分で終わることもあります。

――早く終わるのはいいことですけど、それはそれでちょっと寂しい気もしますね（笑）。特に印象が強かった声優さんはいらっしゃいますか？

中西：沢城みゆきさんでしょうか。沢城さんにお願いした“死の女神ビルヒニア”は「男は皆殺しだ！」みたいなすごくエキセントリックなキャラなんですが、感情がこもっていてすごい迫力でした。

砂賀：沢城さんをはじめ豪華声優陣のボイスはオープニングムービーでもチェックできるので、これから本作を始める人にはぜひ見てほしいですね。

▲沢城みゆきさん演じる死の女神ビルヒニアと、杉田智和さん演じる炎の男神ティース。本作のOPムービーでは、他にもたくさんのボイスを聴くことができます。

■完成した絵に合わせてセリフを調整していくリテイクなしの発注

――本作をプレイしてみて、女性キャラがかわいいという以上に、男性キャラの力の入れ具合が印象的でした。この辺りも、こだわりあってのものなのでしょうか？

中西：そうですね。結婚ありきの企画だったので、やはり男女どちらにも力を入れたいという思いはありました。

――男性キャラはなんとなくですが、こう、“濃い”人が多い気がするのですが……。

中西：たまたま濃いめの塗りをされるイラストレーターさんが集まってしまったというか……絵が濃いとセリフも濃くなってしまって（笑）。

▲男キャラの中でもひときわ濃ゆい人たち。手持ちのデッキには入れたくないけど登場キャラとしてはいい味を出してくれます（笑）。

▲一応、ちゃんとしたイケメンもいますよということで。中身までガッツリ濃ゆい人は一握りですのでご安心を。

――ベルナルトさんとか、すごいですよね。

中西：ベルナルトは、なぜかウチのスタッフもみんな“さん”付けで呼んでいます（笑）。絵に関しては戦士とか魔法使いとかざっくりとしたイメージだけをお伝えして、基本的にはイラストレーターさんに自由に描いていただくようにしてるんですよ。もちろん、クオリティーが一定以上であればリテイクもほとんどありません。で、上がってきた絵を見てからセリフやストーリーを調整していくという流れですね。なので絵が濃いと、必然的にキャラも濃くなってしまうんです。

砂賀：これも『海賊ファンタジア』で学んだことですが、ガチガチに設定を固めてから描いていただくより、ある程度お任せした方がイキイキとした絵が上がってくることが多いんですよね。

中西：時々ものすごいのが上がってくることもありますが（笑）。でも、多少悪ノリしていただく方がキャラが立っておもしろくなりますし。制作時間のことを考えても、リテイクに時間を使うよりは、上がってきたものに合わせて作る方が合理的かな、と。……そうだ、悪ノリで思い出したんですが、1つやりたいことがあるんですよ。

砂賀：え、なんですか？

中西：しばらくログインしないと端末に通知が来て、ナビキャラのモニカが彼氏を連れてくるんです（笑）。で、結婚を許すか許さないかの選択肢に。

砂賀：あぁ、「ウチの娘はやらん！」的な？

中西：許すとモニカの子どもキャラが手に入って、許さない場合は指輪がもらえるとか。そういう突発的なイベントもおもしろいですよね。

――確かにおもしろいですが……ちょっと生々しくないですか？（笑）

中西：でもこれだけたくさんのゲームがある状況ですから、目立たなかったり無視されてしまうのが一番怖いと思うんですよ。だったら、なにかしら尖った部分を出したほうがいいんじゃないかと。まぁ、それが生々しさでいいのかどうかは別として（笑）。

▲ナビキャラとして健気に頑張るモニカが彼氏を連れてくるとか許しません。お前にお父さんと呼ばれる筋合いはない！（※モニカは娘じゃありません）

→序盤のオススメキャラ＆スキルについて聞いてみました！（3ページ目へ）

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データ

関連サイト

• 『戦場のウエディング』公式サイト