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2014年1月26日(日)

『フリーダムウォーズ』“緊急!レッツ開発会議!”をレポート。『ゴッドイーター2』を制作した保井さんが本職かと疑うような鋭い意見も

文:ゴロー

 本日1月26日に都内某所で行われた、PS Vita用ソフト『フリーダムウォーズ』×プレコミュによる招待制イベント“緊急!レッツ開発会議!”第1部の模様をお届けする。

『フリーダムウォーズ』

 『フリーダムウォーズ』は、荒廃した近未来を舞台とするマルチプレイアクションゲーム。プレイヤーは懲役100万年を科せられた咎人となり、刑期を減らすべく略奪者(アブダクター)との戦いや市民(シヴィリアン)の救出に挑む。アドホックおよびインターネット経由による、最大8人での共闘プレイが可能となっている。

 “緊急!レッツ開発会議!”は、SCEプロデューサーの吉澤純一さん(『パタポン』シリーズプロデューサー)と、『フリーダムウォーズ』の原作・監修を務める保井俊之さん(『ゴッドイーター2』のシナリオやゲームデザインなどを担当)によるプレゼンテーションからスタート。“懲役100万年”“奪還のマルチプレイアクション”“都市国家対戦”という3つのキーワードをテーマに、世界設定やゲームの概要と見どころを説明した。

『フリーダムウォーズ』
▲保井さん(右)、吉澤さん(左)ともに、開発段階でユーザーさんから貴重な意見をもらえるということで、この日をとても楽しみにしていたそうだ。
『フリーダムウォーズ』 『フリーダムウォーズ』
▲プレゼン前に、吉澤さんは『フリーダムウォーズ』にちなんだ“なぞかけ”で場を盛り上げていた。▲吉澤さんは、PS Vitaでブームを作るために本作を制作していると言い、制作メンバーを改めて紹介した。
『フリーダムウォーズ』 『フリーダムウォーズ』
▲保井さんは本作の世界設定を説明。牢獄都市・パノプティコンは生きているだけで懲役100万年の罪を着せられるという歪んだ世界で、人々はPT法という法律のもとに管理されているという。
『フリーダムウォーズ』 『フリーダムウォーズ』
▲プレイヤーキャラ(咎人)は自由になるための戦い“ボランティア”を続け、懲役100万年の刑期を減らしていく。▲監視役として一緒に戦うアクセサリは、容姿・体型・コスチュームなどを自由にカスタマイズできるとのこと。
『フリーダムウォーズ』 『フリーダムウォーズ』
▲アリエス・Mは、主人公たちの前に不意に現れ、さまざまな謎に導いてくれるという。▲ナタリア・“9”・ウーは、主人公にいろいろと命令を与える上司のような存在だそうだ。
『フリーダムウォーズ』
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▲『フリーダムウォーズ』の世界では、失われつつある資源を巡って、牢獄都市・パノプティコン同士による大規模な戦争が行われている。キーワードの1つ“都市国家対戦”は、それをオンライン対戦で表現することを意味しており、47都道府県の各地域を自分のパノプティコンとして登録し、ランキングバトルを行っていくそうだ。

 “奪還のマルチプレイアクション”の説明は、吉澤さんと保井さんにスタッフ2名を加えた実機プレイで行われた。1ミッションをクリアする中で、吉澤さんは敵を倒すだけはでなく、捕らわれたシヴィリアン(市民)を救出するという目的と、荊(いばら)アクションの爽快さを強調していた。

『フリーダムウォーズ』 『フリーダムウォーズ』
▲シヴィリアンを助けて護送機に向う途中はアブダクター(敵)が執拗に追いかけてくる。みんなで役割分担をして戦略的に救出する必要があるそうだ。
『フリーダムウォーズ』 『フリーダムウォーズ』
▲荊アクションは、障害物や敵に急接近したり、大型の敵を引き倒したりと、さまざまな用途がある。吉澤さんは、この日のために練習したという“荊ダイブ攻撃”の連続を気持ちよさそうに決めていた。
『フリーダムウォーズ』 『フリーダムウォーズ』
▲討伐数やクリアタイムなどの戦績に応じて、得られる報酬や減刑年数が変化するようだ。

 続いて、『フリーダムウォーズ』最新ROMを使った体験プレイへと移行。参加者が約40分にわたって4人マルチプレイを行い、その後の開発会議の議題となる“操作性”“ゲームバランス”“ユーザーインターフェイス”に関するプレイレポートを提出する流れに。

『フリーダムウォーズ』
▲試遊スペースの扉が開くとプロパくんが登場。
『フリーダムウォーズ』 『フリーダムウォーズ』
▲参加者のほとんどがジャンプフェスタで本作を体験済みということもあり、スムーズにボランティアを達成していた。

 体験プレイが終わり、今回のメインイベントである開発会議へ。保井さんと吉澤さんに、ゲームデザイナーの倉田誠さんと征矢健太郎さん、クオリティディレクターの菅野有造さんを加えて、提出されたレポートをもとに参加者と議論を重ねていった。

『フリーダムウォーズ』 『フリーダムウォーズ』

 最初の議題となる“操作性”では、大型のアブダクターを討伐した時のカットインに対する意見が多くあった。これはプレイヤー全員に戦況を伝えるためのものだが、カットイン中もリアルタイムに時間が流れていることが問題視されているようだ。このことは開発陣も悩んでいるところであり、尺を短くするなどして調整するとのこと。

 また荊アクションについて、視点操作というワンクッションが爽快感の妨げになるとの意見も。背面パッドを触れた位置に荊を飛ばせるようにしてほしいといった鋭いコメントには、吉澤さん保井さんともに「本職の方ですか?」とビックリしていた。

『フリーダムウォーズ』

 続いての議題“ゲームバランス”では、全体的に簡単すぎるという声が半数を占める結果に。これ受けて開発陣は、参加者の実力も加味したうえで「アブダクターの溶断(部位を分断するアクション)がカギになるのでは?」と口をそろえて言い、改善する方向で話を進めていた。その他に気になるポイントとして、1人プレイでの難易度は? 全ミッションにおける奪還と討伐の割合は? といった質問も寄せられていた。

『フリーダムウォーズ』 『フリーダムウォーズ』

 “ユーザーインターフェイス”の部分は、自分・味方の現在地や、その場所の通れる・通れないが分かりにくいといった、レーダーや全体マップの情報不足と見づらさが議題に挙がった。レーダーについては、欄外に情報が出るような形で現在改良中とのことだ。

『フリーダムウォーズ』 『フリーダムウォーズ』 『フリーダムウォーズ』

 白熱した開発会議も、第2部の時間が迫ったところでお開きに。すでに別の記事でお届けした通り、最後は吉澤さんから“本作の発売時期が2014年夏に決定”、“期間限定体験版の配信決定”“ポータルサイトを2月にオープン”という3つの発表が行われた。

『フリーダムウォーズ』 『フリーダムウォーズ』 『フリーダムウォーズ』
▲皆さんからいただいた意見をフィードバックする期間も含めて、今年の夏に間に合わせるように開発していくという。▲詳細は明かせないが、期間限定版だからこそ体験できるものを用意するとのことだ。▲ポータルサイトは、開発状況の告知をしたり、ユーザーと意見を交わしたりする場としてオープンする予定。

 この3つの発表をもって“緊急!レッツ開発会議!”の第1部は終了となった。開発会議中に吉澤さんは、「具体的な理由を添えて要望をいただけると仕様に落としやすい」と言っていたので、2月1日の大阪会場に参加する人はぜひ開発陣を唸らせるような意見を伝えて、『フリーダムウォーズ』のさらなる飛躍に貢献してほしい。

『フリーダムウォーズ』

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データ

▼『フリーダムウォーズ』
■メーカー:SCE
■対応機種:PS Vita
■ジャンル:ACT
■発売日:2014年夏
■希望小売価格:未定

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