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2014年3月17日(月)

『サガ』シリーズ新作にはワラスボが登場? 伊藤賢治さんのLIVEもあった“ロマンシング 佐賀 Premium Night”をレポート

文:ごえモン

 3月16日に東京・六本木ヒルズ ヒルズカフェ/スペースで開催されたイベント“ロマンシング 佐賀 Premium Night”のレポートをお届けする。

ロマンシング佐賀

 “ロマンシング 佐賀 Premium Night”は、3月13日より開催された『サガ』シリーズと佐賀県のコラボイベント“ロマンシング 佐賀LOUNGE”を締めくくるプレミアムトークイベント。スクウェア・エニックスのエグゼクティブプロデューサー・河津秋敏氏や佐賀県知事の古川康氏などが登場し、『サガ』シリーズや佐賀県とのコラボについてさまざまなトークが繰り広げられた。

■“ロマンシング 佐賀LOUNGE”には『サガ』ファン7,000人が来場

 はじめに『サガ』のシリーズディレクターを担当している河津氏が登壇し、来場したスクエニ メンバーズ会員の100人に向けて「25年間一貫してファンですと言ってくださる皆さんの応援があってこそだと思います。ゲームの場合はプレイしてくださる人がいて初めて完成します。我々にとって皆さんは暗闇に浮かぶ灯台や北極星のような存在です。これからも私たちを導いてください」と開幕のあいさつを述べた。

 続いて登壇したのは、佐賀県知事の古川氏。古川氏によると、“ロマンシング 佐賀LOUNGE”への来場者は5,000人ほどを想定していたが、結果的には約7,000人のファンが来場したそうだ。天気が悪いながらも開場を1~2時間待っていたファンやコラボメニューを待っていたファンもいたが、「新作を待っている身からしたら1時間や2時間はなんだという意気込みを感じました」とコメント。すると、会場からは割れんばかりの拍手が巻き起こった。

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▲河津秋敏氏(画像左)と古川康氏(画像右)。

 河津氏と古川氏の開幕のあいさつが終わり、ここでスクウェア・エニックスのプロジェクトリーダー・市川雅統氏と佐賀県のコラボプロジェクトリーダー・金子暖氏が登壇。改めてコラボの経緯が説明された。古川氏は、2013年8月に市川氏からコラボの打診があった際に、「この話って、まだ生きていたっけ?」という感想だったという。なお、コラボに至るまでの詳しい経緯については、3月13日に掲載したレポート記事で確認してほしい。

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▲市川雅統氏(画像左)と金子暖氏(画像右)。

■コラボグッズは後日e-STOREで販売予定

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 コラボメニューではイチゴのティラミス“シュライク”が一番人気だったという。そこから、話題は『サガ』と佐賀県のコラボグッズの話に移る。河津氏は『ロマンシング サガ2』のパッケージを再現した“ロマンシング 佐賀”伝承の逸品セットについて、「パッケージにこだわりがあって、素晴らしかったです。ずっととっておきたい」と絶賛。河津氏からのお墨付きもあったコラボグッズだが、後日、一部がe-STOREで販売される予定だという。

■『サガ』シリーズのあるキャラをイメージした花束を持って小林智美氏が登場

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 続いての話題は、イラストレーターの小林智美氏がデザインした有田焼の大皿について。小林氏は、何やら赤い色の花束を持って登場し、河津氏へプレゼントした。実はこの花束、ゲームのキャラをイメージした花束を作ってくれないかと小林氏自らが花屋にお願いをし、持参したという。

 小林氏は、花屋の店員に「金髪で、腰まで髪があってちょっと怖い人なんですが、優秀な司令官で、でも妻への配慮は怠らない人なんです」と花束で表現したいキャラのイメージを伝えると、電話越しにゲラゲラと笑われ、仕舞いには「お客さん、お店にいらして自分で選んでください」と言われたエピソードを明かした。そうしてでき上がったのは、恐ろしさと戦いにかける情熱をイメージした『ロマンシング サガ』ナイトハルトの花束だった。

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▲小林氏がデザインした“明けの明星 ‐いつか旅するものへ‐”。

 25周年を記念する花束を河津氏へプレゼントした後、小林氏は“明けの明星 ‐いつか旅するものへ‐”と名付けられ、男女の最終皇帝が描かれた大皿について、「最終皇帝には、遠くを見つめて、次はあそこへみんなで行ってみよう! とみんなを引っ張っていくイメージがあります。実は、最終皇帝のことを自分では明けの明星と呼んでいるんです」と大皿のタイトルの理由を明かした。

 そんな“明けの明星 ‐いつか旅するものへ‐”を描いていた小林氏は、集中力がものすごく、作業中は市川氏たちスタッフの誰も話しかけられなかったという。ちなみに、1日中描いて完成させた後に、友だちへのお土産用にカップ3個くらいにイラストを描いたそうだ。

■伊藤賢治さんが作曲の裏話を披露

ロマンシング佐賀
▲伊藤賢治氏(写真中央)。

 続いて、『サガ』シリーズの楽曲を担当した伊藤賢治さんが登壇した。伊藤氏は『FF』シリーズと『サガ』シリーズの楽曲の作り方の違いについてコメント。『FF』シリーズは、シナリオがあってキャラのセリフがあってと台本のようなものがあるが、『サガ』シリーズはフリーシナリオのため、そういった曲を作るための情報がほとんどないそうだ。

 河津氏からの指定では、街やキャラクターの名前、バトル曲1、2、3、ダンジョン曲1、2、3、喜怒哀楽をそれぞれ作ってね。最後にラストバトルがあるんだよ。でもラストバトルは1曲だとは限らないよと箇条書きで書かれているという。それに対して伊藤氏は「これでどう作れと!(笑) 当時は戸惑いましたね」と振り返った。

 河津氏は「設定だけで作曲家がどう返してくれるか期待しています。いつも期待とかなり違ったものが返ってくるのですが、それはそれで非常におもしろく、創作しているという実感がわきました」とコメント。そうやってでき上がった楽曲はほとんどリテイクがなかったが、伊藤さんがイメージした曲とまったく違うイメージのダンジョンなどで使われているということがよくあったという。

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▲トーク序盤で伊藤賢治氏による“Overture”(『ミンストレルソング』)の生演奏が!

■町長をこらしめることができる『ロマサガ3』は出るのか?

 ここでは、事前に募集していた会場のファンからの質問について、本日登壇した河津氏たち“ロマンシング 佐賀”に携わるスタッフの回答を一問一答形式でお届けする。

――今後の新作『サガ』で佐賀県ネタをこっそり入れるとすれば、できそうなものはなんでしょうか?

河津氏:こっそり入れる必要はないと思いますが(笑)、ワラスボはとりあえず入れたいですね。ぜひモンスターとして入れたいと思っています。あれは外せません。

――ゲームとのコラボが決まった時はどのようなお気持ちでしたか? また、どのように発展していってほしいですか?

古川氏:今まで会えなかった人たちといろいろな形で会えるかもしれないということで、広がりを感じました。SAGAという表記は音が非常に単純で音が明るいんです。国によってサガと読んだり、サーガと読んだりします。東南アジアとヨーロッパでは、サガ、サーガには神様という意味があります。ボルドーのワインにサガというワインがあったり、フランスの運送会社にサーガという会社があったり。世界中のいろいろなサーガを一緒にして、次の展開をしたいと思っています。

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――作画を担当されたキャラで、特に思い入れが強いキャラを教えてください。

小林氏:描くと思い入れがわいてしまうので、皆思い入れがあります。ただ、リテイクをもらうとさらに頭にこびりついて、離れなくなってしまいますね。それを考えると、ヒューズ(『サガ フロンティア』)かなと思うのですが、カッコいい系だとナイトハルトが好きです。カッコいいキャラは描くのが大変なんですけどね。

河津氏:ヒューズは確かに最初はすごくカッコよくて、次は崩しすぎていて、行ったり来たりしたことを思い出しました。

――イトケンと言えばバトル曲というイメージですが、本当は苦手だとインタビューなどで拝見したことがあります。苦手な分野をユ-ザーから強く求められるのは強いプレシャーなのでしょうか?

伊藤氏:プレッシャーですね! 私の音楽はもとをただせばピアノから始まっているので、ロック系の音楽を聴いたのは高校生くらいからなんです。それまではピアノ曲やフォークソングばっかり聴いていました。ロッカーではないですし、そういうスピリッツもないんです。だから毎回毎回疲弊しながら作っています。ありがたいことに、楽しんでいただけて「この曲好きです」と言っていただけているので、それを超えなければければいけないと考えると、プレッシャーを感じます。

――コラボで佐賀県のイメージが変わりました。ところで、知事が好きな佐賀県の食べ物とB級グルメを教えてください。

古川氏:ソウルフードはかしわご飯です。B級では、ちゃんぽんです。ちゃんぽんと言えば長崎ですが、長崎と佐賀のちゃんぽんは違って、佐賀のちゃんぽんには海鮮が入っていません。その代わり野菜が入っています。野菜をかき氷のように盛り付けて食べるので、野菜炒め付きの麺みたいになっています。

――町長をこらしめたいです。それができる『ロマサガ3』をぜひ!

河津氏:町長をこらしめるのは無理ですね(笑)。本当に厚かましい人ですから。町長が出てくるかはわかりませんが、今後も新しい作品を作っていこうと思っていますので、待っていていただければ。

■『シアトリズム FFCC』に『ロマサガ』の楽曲が登場!

 “ロマンシング 佐賀 Premium Night”の最後に、4月24日に発売される3DS用ソフト『シアトリズム ファイナルファンタジー カーテンコール』のDLCとして、“四魔貴族バトル1”と“下水道”が配信されることが発表された。河津氏によると、配信される楽曲はこの2曲以外にも用意されているという。ちなみに伊藤氏は、この情報を聞いた際に「やっぱり“下水道”なんですね(笑)」とコメントしていた。

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▲イベントの最後には“ポドールイ”と“オープニングタイトル”の生演奏も披露された。“ポドールイ”を聴いて、泣いているファンの姿も。
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