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2014年3月26日(水)

『ゴールデンタイム』原作者・竹宮ゆゆこ先生によるPS Vita『ゴールデンタイム Vivid Memories』レビューをお届け!

文:megane

 角川ゲームスより3月27日に発売されるPS Vita用ソフト『ゴールデンタイム Vivid Memories』。原作である『ゴールデンタイム』を執筆した竹宮ゆゆこ先生によるレビューをお届けする。

 本作は、電撃文庫レーベルにて刊行されている竹宮ゆゆこ先生著『ゴールデンタイム』を“キャンパスライフアドベンチャー”としてゲーム化したもの。制作にあたり、『とらドラ・ポータブル!』のメインシナリオライター陣が再集結している。また、シナリオは竹宮ゆゆこ先生によって全面監修されている。

 上記の通り、本作のシナリオは竹宮ゆゆこ先生の手によって監修がされているが、実際のゲームは先生の目にはどう映ったのか? なお、原作は現在、最新巻『ゴールデンタイム8 冬の旅』が絶賛発売中。クライマックスを迎え、万里と香子の恋の行方はいかに!?

『ゴールデンタイム Vivid Memories』
▲『ゴールデンタイム8 冬の旅』

●原作者・竹宮ゆゆこ先生によるレビュー
“竹宮ゆゆこのVivid Memories遊んでみた!”

 シナリオは監修させていただいたし、エンディングについてもわかっているはずなのに……改めてゲームとしてプレイし始めたら、この止まらない感はなんだろう!?

 ものっすごい、笑えるんです。そしてうまく目指した方向に行けないと、普通にかなり落ち込みます。ようやくたどり着いた結末に、めちゃくちゃ感動してしまったりします。

 プレイしながら時間を忘れて、ふと気がつけば、手の中で展開する『ゴールデンタイム』の世界観にすっかりどっぷり浸りきっていました。これまで原作で万里たちの日々にお付き合い下さった読者の皆様には、きっと楽しんでいただけるのではないでしょうか。

『ゴールデンタイム Vivid Memories』 『ゴールデンタイム Vivid Memories』 『ゴールデンタイム Vivid Memories』

 基本的には、キャラクター達と会話しながらストーリーを進めていくのですが、失敗した会話のフォローのためにボタン連打しなくちゃいけなかったり(結構焦る!)、場を盛り上げる話題をピックアップするために、まったり流れていく会話からキーワードをタップしなくちゃいけなかったり(そこそこ焦る!)と、「タイミング」を合わせないといけない場面が多いのが、このゲームの特徴かもしれません。

 空気を読めず、タイミングを間違え、ズレたことをしてしまうと、どんどん深みにはまっていく。雰囲気が微妙になっていって、やがて残念なエンディングに突入。……要するにこの辺り、現実世界と同じです。イベントをクリアするために、妙にリアルなコミュニケーションが要求されるのです。恐らくはそれゆえに、間違ってしまったときのショック、残念さはすごい。うまくいったときの喜びもすごい。喜怒哀楽を揺さぶられ、笑えて泣けておもしろい!

『ゴールデンタイム Vivid Memories』 『ゴールデンタイム Vivid Memories』

 でもなにより、私が一番すごいと思ったのは、盛り沢山すぎる展開の数々です。運命的だったり、衝撃的だったり、こんなのアリか!?と笑ってしまうしかなかったり。

 こういうゲームの醍醐味は、原作ではありえなかった展開にあえて踏み込んでいくことだと思うのですが、その結果がいちいち予想外で楽しいのです。まさに祭り!な結末が、半端ないほどてんこ盛りです。

 あんなカップリングで付き合ってしまったり。海の近くであんなものを売ってしまったり。野郎トリオであんな新世界を見出してしまったり。あまつさえ、茶道部をあんなことにしてしまったり……運命のいたずらのあれこれに、ぜひ衝撃を受けて頂きたいと思います。

『ゴールデンタイム Vivid Memories』 『ゴールデンタイム Vivid Memories』
『ゴールデンタイム Vivid Memories』 『ゴールデンタイム Vivid Memories』

 ちなみにミニゲームも充実していて、あらお久しぶり!な女子高生たちにも出会えました。ていうか、ミニゲームにおける茶道部の扱いがもうなにもかもおもしろいので、ぜひプレイしていただきたいと思います。特におすすめなのが、野郎トリオが襲い掛かる茶道部から貞操を守り抜く、という居酒屋ディフェンスゲーム。特攻かけてくる「玉」どもを避け、さお&しーの恐ろしすぎるアタックを退け、三人組の結束の固さに笑い、万里の「特殊能力」に爆笑してください。最初に見た時、本当になにが起きたのかと……後ろに立ってるし……。そしてゲームに負けた後の、禍々しくも生々しい蹂躙の予感にも怯えていただきたい。

『ゴールデンタイム Vivid Memories』 『ゴールデンタイム Vivid Memories』 『ゴールデンタイム Vivid Memories』

 とにかくボリュームたっぷりで展開は多彩、『ゴールデンタイム』の世界がぎゅっと濃縮された上にさらに楽しく華やかに豪勢に盛り盛り!思いっきり多方向に弾けまくったゲームになっております。ご興味持っていただけましたら、ぜひ、楽しんでみて下さいませ!

竹宮ゆゆこ

 

(C)竹宮ゆゆこ/アスキー・メディアワークス/おまけん
(C)KADOKAWA CORPORATION 2014
※画面は開発中のもの。

データ

▼『ゴールデンタイム Vivid Memories』ダウンロード版
■メーカー:角川ゲームス
■対応機種:PS Vita
■ジャンル:ADV
■配信日:2014年3月27日
■希望小売価格:5476円(税抜)

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