2014年4月4日(金)
『ドラッグ オン ドラグーン3』DLCレビュー:ゼロ篇。ゼロとミカエルの関係は敵であり友でありボケとツッコミでもあった!?【電撃DOD3】
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多くの熱狂的なファンを持つPS3用ダークファンタジーAPRG『ドラッグ オン ドラグーン3』。物語の中心であるウタウタイの姉妹たち、その1人1人にスポットを当てた6本の追加シナリオDLCが、いよいよすべて配信されました!
DLCの大トリを飾るのは、本編の主人公であり、ウタウタイ姉妹の長女でもあるゼロの物語。今回は、そのレビューをお届けしていきたいと思います。
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▲美しい外見を持ちながら、その凶暴な性格とウタウタイが持つ超常の能力で、敵に恐怖を植え付けるゼロ。彼女の目的は、妹たちを含めたウタウタイの“抹殺”です。 |
世界を滅ぼすほどの力を秘めた“花”を、自らの身に宿しているゼロ。今回のDLCでは、そんな彼女がほかのウタウタイたちを皆殺しにするために、最強の竜を自称するミカエルと行動をともにするまでの物語が描かれていきます。
本編を遊んでいるプレイヤーには言わずもがなですが、ミカエルはのちにミハイルに転生する竜。彼はゼロとどのようにして出会い、ともに戦うことになったのか? 本編ではほとんど語られなかったその詳細が、克明に描写されていきます。
なお、本記事ではその魅力を伝えるにあたって、本編のネタバレになる部分も多少出てきそうな気配。ゲーム未プレイの方はご注意ください!
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▲ミカエルを演じるのは、『DOD』シリーズで主人公のパートナーの竜種を演じてきた俳優のピーターさん。シリーズファンにはおなじみのシブいボイスと熱演で、ミカエルのキャラクターに深みを与えてくれています。 |
■最強の竜との出会いがゼロにもたらしたものとは!?
今回の追加シナリオDLCの名称は“零の書”。物語の開始時点で、世界はゼロと敵対しているウタウタイの妹たちの統治下にあり、彼女は裏切り者のウタウタイとしてワンの差し向けた兵士たちに追われる日々を送っています。
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妹たちを殺すため、“花”を消滅させる力を持つ竜を捜すゼロ。そんな彼女の前に、突如として姿を現したのが、最強の竜であるミカエルでした。
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▲兵士たちに追われながら、ウタウタイ抹殺の切り札である竜を探すゼロ。ようやくミカエルと遭遇し、さっそく共闘するのか……と思いきや!? |
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▲最初から信頼関係を結べるはずもなく、ゼロはミカエルから攻撃を受けることに!! |
粗暴なゼロとプライドが高いミカエル。考えてみれば、この組み合わせでいきなり友好的な関係が結べるはずもないですよね……。2人は激しく対立し、互いにののしり合ったり、いがみ合ったりすることになります。
ただし、そのやり取りは実に軽快! さながら、夕方の河原で殴り合って友好を深めるかのようで、見ていて少しほっこりしてしまいました。
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▲まぁ、ブレスや尻尾攻撃に当たればダメージをくらいますので、笑ってばかりもいられないわけですが! |
そうこうするうちにミカエルは少しずつゼロに興味を示し、結果、彼女が身に宿す“花”の存在に気づくことになります。プレイした方はすでにご存知だと思いますが、“花”は世界を滅ぼす可能性を秘めた危険極まりないもので、竜はそんな“花”を消滅させる力を持つ唯一の存在。
“花”を捕食しようとするミカエルと“花”を消滅させたいゼロは、実は利害が一致しているわけですが、そこは互いに素直ではない2人のこと。簡単に“じゃあ、一緒に戦おう”となるはずもなく……この2人の関係、いったいどうなってしまうのか!? その結末は、ぜひDLCを遊んで確かめてみてほしいと思います。
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▲互いに互いを気にしているものの、簡単には手を取り合えない2人。素直じゃないというか、見ていてやきもきします(笑)。でも、こんな関係って案外ステキかも。 |
■実は結構おバカキャラ!? ミカエルの意外すぎる真実
さて、シナリオの概要はこんなところですが、ここで注目してほしい点が1つ。ミカエルの人物(?)像についてです。彼は本編の第零章にも登場しており、その時は威厳のある、まさしく最強の竜にふさわしい存在だと感じた方がほとんどかと思います。
自分もその1人だったわけですが、このDLCをプレイすることで、その印象は大きく変わることになりました。実はミカエルって、ちょっと背伸びをしたいお年頃の若者っぽいというか、ミハイルにも通じる間が抜けた部分があるというか……ぶっちゃけ、ちょっと中二病的な側面があるんですよね(笑)。
具体的には、竜としての威厳を出そうと背伸びしているのか、無理に難しい言い回しをしては漢字の読み仮名を間違えてしまうなど……カッコつけてはスベってしまう場面が多々あります。
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▲灰塵(かいじん)を“はいじん”と読んだり、カッコつけようとして失敗している感じが、ゼロの前でいいところを見せようとしては失敗していたミハイルを思い出させます。相手をしているゼロも実に楽しそうで、見ていて微笑ましいです。2人の関係の結末を知っているだけに、ちょっとグッとくるものがあるくらい。 |
でも、物語を進めていくうちに、こういった多少間の抜けたところが逆に愛らしく見えてくるから不思議! ゼロと“花”の問題に正面から向き合おうとするマジメさや、他者とのつながりを大事にしようとする性格は、見ていて好感が持てます。なんというピュアなヤツだ!
……というか、よくよく考えてみれば、彼が転生してミハイルになるんですよね。それなら、このピュアピュアさも納得。ミカエルとミハイル、これまではまったく別の存在と思っていましたが、DLCをプレイすることで、1つの線でつながった気がします。ゼロとのやりとりも、ミハイルの時と同じくらい軽快で楽しいので、ファンの方にはぜひ見ていただきたいものです。
■ゼロの剣さばきは健在! 最高難易度の上空戦も楽しめる!!
アクションについてですが、このDLCでは武器が“ゼロの剣”に固定されています。ゼロの剣撃の使いやすさについては、もう皆さん十分熟知していると思いますので、何が相手でも問題なく戦えるかと。ただ、武器レベルは3で固定なので、苦戦するようならウタウタイモードを積極的に使うのがオススメです。
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▲ゼロの剣はリーチも攻撃力も十分で扱いやすいのがウリ。槍などの他の武器は使えませんが、これ1本で問題なく戦えます。ピンチになったらウタウタイモードで! |
あと、シナリオの中にはゼロがミカエルに乗って戦う上空戦も用意されています。この戦いは、次々に出現するガーゴイルキューブと戦うのですが、一定の区間で撃ちもらしがあると、その区間の敵がすべて復活するというやっかいなもの。
途中からは敵の移動速度もどんどん速くなり、個人的には本編よりも難易度が高く感じました。上空戦が好きな人は、ハイスコアの達成にチャレンジしてみるのも楽しいですよ!
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▲後半に出現するガーゴイルキューブは移動スピードが速く、ロックオンをしているヒマはありません。目視でカーソルを合わせて、正確にコアを撃ち抜きましょう! |
以上、ゼロのDLCのレビューをお届けしました。ゼロとミカエルという、これまで語られていなかった2人の関係性を知ることで、ゼロのミハイルに対する想いや妹たちを殺そうとする決意の強さを、より深く理解できた気がします。このシナリオをクリアした後で本編を再度プレイすれば、いろいろと見えてくるものもありそうです。
ちなみに今回の“ウタウタイの記憶”は、ミハイルの日記となっています。その時間軸がいつなのか、最初は混乱するかもしれません。でも、本編をクリアした人であれば、しっかりと読み進めていくことできっと理解できるはず。
●ゼロの“ウタウタイ達の記憶”:ミハイル日記
【どうぶつのくに】
1月12日 はれ
今日は「どうぶつの国」っていうところに来た。
フサフサした毛のはえた大きなネコちゃんとか、お鼻の短いゾウさんとか、くびのすっごく長いおウマさんとか、シマシマのお馬さんとかいろんな動物さんにたくさんあえた。
いっしょにどろんこ遊びしたり、追いかけっこしたりしてすっごく楽しかったけど、太陽がすごくあつくてすごくタイヘンだった。
この“ウタウタイ達の記憶”も含めて、ファン必見の内容だと断言できますので、ぜひゼロのレベルをしっかりあげて、すべての記憶を解禁してほしいと思います。
最後に駄文を少し。自分は『DOD3』からこのシリーズの記事に携わり、『DOD』シリーズについての造詣も浅いのですが、それでも本作のストーリーやアクションを楽しんでプレイできましたし、この狂気をはらんだ世界観やキャラクターたちを知ることができて、本当によかったと思います。
凡百の作品では決して味わえない魅力的な物語を、しかと楽しませていただきました。そして物語は、このDLCをプレイすることで完成するのです。シナリオ1本が571円+税という値段は、決して安いとは言いません。ですが、本編をプレイして、本作に少しでも魅力を感じられた方には、好きなキャラだけでもいいのでぜひプレイして、数奇な運命に翻弄された6人の姉妹の物語を堪能してほしいと思います。それだけの価値があると自分は思うのです。
なんにせよ、4月8日まではトウ篇が無料配信されているので、まずはこのDLCを遊んで、他のDLCもぜひ遊んでもらえればと思います。
それでは、『DOD』シリーズがまだまだ続くことを希望しつつ、今回はこのへんで。ここまでレビューにお付き合いいただき、本当に、本当にありがとうございました!
→DLCレビュー:ワン篇&トウ篇はこちら!
→DLCレビュー:スリイ篇はこちら!
→DLCレビュー:フォウ編はこちら!
→DLCレビュー:ファイブ篇はこちら!
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