2014年4月10日(木)
『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』をレビュー! ついに始まった時空をめぐる戦いはどこに行き着くのか!?
ついに本日4月10日に発売となったPS3/PS Vita用SRPG『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』。そのレビューを特集担当ライター・デルチがお届けしていきます。
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本作は、2008年にPS2で発売された『スーパーロボット大戦Z』、2011年と2012年にPSPで発売された『第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇/再世篇』の続編にあたる作品です。しかも、本作でついに完結するということで多くの『スパロボ』ファンの注目を集めています。
『スーパーロボット大戦』と言えば、参戦作品も大きな注目ポイントとなるわけですが、『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』の参戦作品は以下の通りです。
■『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』参戦作品
『無敵ロボ トライダーG7』
『太陽の使者 鉄人28号』
『六神合体ゴッドマーズ』
『装甲騎兵ボトムズ』
『装甲騎兵ボトムズ ビッグバトル』★
『装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端』★
『超時空世紀オーガス』
『機動戦士Zガンダム』
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』
『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』●
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』
『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』●
『機動戦士ガンダムUC』★
『トップをねらえ!』●
『マクロス7』
『マクロス ダイナマイト7』
『劇場版マクロスF~イツワリノウタヒメ~』
『劇場版マクロスF~サヨナラノツバサ~』
『真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日』
『真マジンガー 衝撃!Z編』
『地球防衛企業ダイ・ガード』
『THEビッグオー』
『フルメタル・パニック!』●
『フルメタル・パニック?ふもっふ』●
『フルメタル・パニック!The Second Raid』●
『獣装機攻 ダンクーガ ノヴァ』
『天元突破グレンラガン』
『劇場版 天元突破グレンラガン 螺巌篇』
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』●
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』●
『コードギアス 反逆のルルーシュ R2』
『アクエリオンEVOL』★
★……『スーパーロボット大戦』シリーズ初参戦作品
●……『スーパーロボット大戦Z』シリーズ初参戦作品
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どうです、この作品数! 個人的には、やっぱり『機動戦士ガンダムUC』や『フルメタル・パニック!』シリーズの参戦がうれしいところ。各種版権作品が融合し、どんなオリジナル展開を見せてくれるのか……こんな想像をしながら楽しめるのも、『スーパーロボット大戦』シリーズならではの魅力でしょう。
■地球はいったいどうなっちゃうの? 『時獄篇』の世界観&キャラクター
そんなクロスオーバーが気になるストーリーですが、前作では日本が2つある! なんて衝撃の展開を見せてくれただけにいろいろと期待しちゃうところですよね。その期待は裏切られることなく、なんと本作の世界は『スーパーロボット大戦Z』と『第2次スーパーロボット大戦Z』の異なる世界が混じりあってしまった“新多元世紀”なのです!
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▲プレイを開始してすぐにわかりますが、本当に大変なことになっている世界が舞台なんです。 |
そんなこんなで大変な世界情勢からはじまる物語ですが、中でも注目したいのがオリジナル主人公。これも、『スーパーロボット大戦』シリーズではお楽しみの1つなわけです。『スーパーロボット大戦Z』が熱血系主人公&心優しい悲劇のヒロイン、『第2次スーパーロボット大戦Z』が飄々(ひょうひょう)としたオトナのヒーローだとすると、今回は謎を抱えたクールな少年、といったところでしょうか。
ヒビキ・カミシロ(声:村上龍) |
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▲デザイン:大籠之仁(STUDIO G-1 NEO) |
東京の研究学園都市に転校してくる高校2年生。偶然遭遇した人型機動兵器“ジェニオン”に搭乗することになります。それを契機に、同機のテストパイロットとして戦線に加入することに。
転校前は父親とともにビーストハンターを生業としており、高いサバイバル技術を持っています。そんな生い立ちも関係しているのか、目的のためならすべてを捨てる覚悟を秘めているクールな性格です。ちょっぴり意外な趣味を持っていますが、どんな趣味なのかは実際にプレイした時のお楽しみということで。
西条涼音(声:柚木涼香) |
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▲デザイン:大籠之仁(STUDIO G-1 NEO) |
ヒビキの転校先の高校に赴任した教育実習生。世話好きで人当たりがよく、多くの生徒に慕われているという、理想的なお姉さんタイプですね。性格だけでなく、そのルックスで一部の生徒から絶大な支持を受けています。
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▲転入してきたばかりの主人公にも優しく接してくれます。教育実習生ですが、こんな先生がいたらイイな~と思うこと間違いなしです。 |
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▲見よ! これが“ジェニオン”の2人乗り状態です!! どんな感じでコックピットに乗り込んでいるのか気になっていたのですが……。こ、これは予想外! あ、涼音先生の表情は、ゲームをプレイして確認してくださいませ。 |
ジェニオン |
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▲デザイン:岡本光晴 |
DEMコーポレーションが開発した次元力利用機動兵器DEM(ディメンション・エナジー・マシンナリィ)シリーズの試作機。異次元空間でのテスト中に次元震に巻き込まれ、地球に落ちてきます。次元力を動力源としており、環境にとらわれず、つねに最大のパフォーマンスを発揮することを目指した機体です。
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▲ユニットとしてはかなり使いやすいですね。回避・命中が高く、射程も文句なし。必殺技もボスキラーとして役立つ万能機って感じです。 |
■過去作のいいとこどり! より戦略性を増したバトルシステム
王道のシミュレーションバトルながら、さまざまな進化を遂げてきた『スーパーロボット大戦』のバトルシステム。『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』でも今までにない要素が多数盛り込まれていて、新たな戦術が楽しめます。
中でも戦術の核となるのが、“タッグバトル・システム”。DS系の『スーパーロボット大戦』で見られた2機(メインとサブがあります)で1チームを編成するシステムを昇華させたもので、コストなども気にせずに自由なタッグを組むことができます。
そこに、『スーパーロボット大戦Z』の“トライバトルシステム”にあったセンター(敵チームのうち1機に集中して攻撃する)やワイド(敵チーム2機をそれぞれ攻撃する)といった攻撃手段を盛り込んだのが、本作のバトルシステム。センターを選べば、チームメイン機の命中率がアップします。また、ワイドを選べば敵チームのサブ機体が“援護防御”できなくなるという利点があります。なんだか複雑に感じるかもしれませんが、一度遊べば簡単に理解できると思います。
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▲敵チームの1機に集中してダメージを与えたい場合はセンターを、敵チーム全機に効率よくダメージを与えたいのであればワイドを選ぶといいでしょう。 |
“タッグバトル・システム”は、これまでのシステムを進化させた要素ですが、まったく新しい要素も盛り込まれています。その1つが“タッグテンション”です。
これは、タッグごとに用意されたゲージで、メインとサブの合計撃墜数が2の倍数になるか、タッグのどちらかがレベルアップすると1段階上昇します。ゲージが最大になると、“タッグコマンド”と呼ばれる特殊コマンドが使用できるようになるというものです。
“タッグコマンド”には、敵を撃墜することで行動回数が1回プラスされる“マルチアクション”や敵を撃墜した時にPP(パイロットポイント)が2倍になる“ボーナスPP”、メインとサブの精神ポイントを25回復する“チャージSP”など、戦術や育成に恩恵を与えてくれるコマンドがそろっています。私と同じ貧乏性の人は、「ここぞ!」という時に温存したくなるでしょうが、ゲージは2段階で最大なので、使わないほうがもったいないかもしれません(笑)。ガンガン使って有利に戦っていきましょう。
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▲前作で、獅子奮迅の効果を見せた“連続行動”がパイロットのスキルではなくなっていますが、あの無双っぷりを再現するなど、“タッグコマンド”は便利なものばかり! |
新要素は他にも用意されています。それが“タクティカルコンボ”! これは、味方ターン内で連続して敵を撃墜することで、コンボゲージが上昇。ゲージが1段階上がるたびに、敵に与えるダメージや撃墜時に得られる資金などが上昇する効果を得られます。
ゲージは5段階ありますが、コンボが途絶えると1段階減少してしまいます。そのため“全体にまんべんなくダメージを与えておいて、次々撃墜していく”ような戦法を取ると効率よくゲージをかせげる感じでした。まあ、SRポイントの条件が“規定数のターン以内に敵を全滅させる”などになっているマップもありますので、悠長に狙っていられない状況も多いのですが。
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▲ゲージが5段階に達すると、ダメージや資金などの入手倍率が1.25倍にまで跳ね上がります。プチ“熱血”、“幸運”的な効果が発動すると考えるとわかりやすいかも。 |
ここまで紹介したシステムの集大成となるのが“マキシマムブレイク”。これは、“タッグテンション”が最大になると使えるコマンドで、敵1体に対して、タッグで集中攻撃を食らわせるという対ボス戦向けなコマンドです。
援護攻撃などとは異なり、サブ機体も自由に武器を選べるうえ、射程も無視、しかもすべて移動後でも使用できるという大盤振る舞い! ダメージも1.2倍に跳ね上がります。似たようなシステムは『第2次スーパーロボット大戦OG』にもありましたが、あそこまで細かな条件ではなく、気軽に使える点がうれしいところです。
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▲いいとこだらけの“マキシマムブレイク”。敵はカウンターや援護防御、バリアなどを発動できなくなるので、もうやりたい放題です。 |
この他にもいろいろなシステムがありますが、大きな要素は以上です。これだけでも、これまでにない戦術性を楽しめることは伝わったのではないでしょうか? シリーズ作品ながら、ここまで手を入れてくれたのは、シミュレーションゲーム好きとしてもうれしいところ。この戦術面を極めていくとかなり楽しそうな印象を持ちました。
■『スーパーロボット大戦Z』シリーズのラストをお見逃しなく!
『スーパーロボット大戦』は、シリーズを重ねるごとに戦闘シーンが美しくなっている感じがします。もう、ここまできたらリアル頭身の『スーパーロボット大戦』を再び! と、ついつい思ってしまうほどのグラフィックレベルです。
戦闘シーンの演出は、さすがに序盤ということもあってそこまで派手なものを見ることはできませんでしたが、きっと終盤にはハデな技が拝めるはず! と期待しています。システム的にも新しい要素を多数盛り込んでいるので、ゲーム的な部分においても楽しみですね。
『スーパーロボット大戦Z』シリーズの最終章ということで、序盤から壮大なストーリーになりそうなニオイがプンプンしています。この原稿の締め切りがなかったら、遊ぶ手を止められなかったと思います(笑)。2008年からはじまった『スーパーロボット大戦Z』シリーズを締めくくる『第3次スーパーロボット大戦Z』。“時獄篇”はその第1部となりますので、ぜひ楽しんでくださいね!
→参戦作品紹介第1回はこちらから
→参戦作品紹介第2回はこちらから
→参戦作品紹介第3回はこちらから
→『第3次スパロボZ 時獄篇』総まとめ記事はこちらから
(C)GAINAX・中島かずき/アニプレックス・KDE-J・テレビ東京・電通
(C)GAINAX・中島かずき/劇場版グレンラガン製作委員会
(C)賀東招二・四季童子/ミスリル
(C)賀東招二・四季童子/陣代高校生徒会
(C)賀東招二・四季童子/Full Metal Panic! Film Partners
(C)カラー
(C)サンライズ
(C)SUNRISE/PROJECT GEASS Character Design (C)2006-2008 CLAMP・ST
(C)XEBEC・フライングドッグ/創通
(C)SHOJI KAWAMORI, SATELIGHT/Project AQUARION EVOL
(C)創通・サンライズ
(C)BANDAIVISUAL・FlyingDog・GAINAX
(C)光プロダクション・TMS
(C)藤原忍/ダンクーガ ノヴァ製作委員会
(C)1983 ビックウエスト・TMS
(C)1994,1997 ビックウエスト
(C)2009,2011 ビックウエスト/劇場版マクロスF製作委員会
(C)1998 永井豪・石川賢/ダイナミック企画・「真ゲッターロボ」製作委員会
(C)2009 永井豪/ダイナミック企画・くろがね屋
データ
- ▼『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』ダウンロード版
- ■メーカー:バンダイナムコゲームス
- ■対応機種:PS3
- ■ジャンル:SRPG
- ■配信日:2014年4月10日
- ■価格:8,070円+税
- ▼『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』ダウンロード版
- ■メーカー:バンダイナムコゲームス
- ■対応機種:PS Vita
- ■ジャンル:SRPG
- ■配信日:2014年4月10日
- ■価格:7,120円+税
- ▼『スーパーロボット大戦』
- ■メーカー:バンダイナムコゲームス
- ■対応機種:PS3/PS Vita(ダウンロード専用)
- ■ジャンル:SRPG
- ■配信日:2014年4月24日
- ■価格:1,204円+税