2014年4月30日(水)
『第3次スパロボZ 時獄篇』のキーパーソン・寺田貴信氏を直撃! 開発秘話や精神コマンドに頼りすぎずに戦うコツを聞いた
4月10日に発売となったPS3/PS Vita用SRPG『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』。その開発にまつわる秘話を、『スーパーロボット大戦』シリーズのチーフプロデューサー・寺田貴信氏に伺った。
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『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』は、さまざまな作品のロボットがクロスオーバーする、シミュレーションRPG『スーパーロボット大戦』シリーズの新作タイトル。PS2やPSPで展開されてきた『スーパーロボット大戦Z』シリーズにおける、最終章の第1部となる。参戦作品は、『機動戦士ガンダムUC』や『アクエリオンEVOL』、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』など計32タイトル。
寺田氏には、発売からおよそ3週間が経った今の心境やゲームの注目ポイント、本作で盛り込まれた新たなシステムなどについて伺った。『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』を楽しんでいるファンは、ぜひご覧いただきたい。
――『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』の発売から2週間が経ちましたが、今のお気持ちをお聞かせください。
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▲寺田貴信氏 |
第2部の開発にもう着手していますので、特に終わったといった感覚はないですね。開発がずっと続いている感じです。
――本作の作業が終わったら、そのまま続編の制作に入ったのでしょうか?
はい、間髪入れずに入りました。
――新作が出るごとに戦闘グラフィックが進化していますが、ご苦労などはありました?
やはり書き込み具合がこれまでと違うので、作業量がかなりのものになったことですね。初代の『スーパーロボット大戦Z』や『第2次スーパーロボット大戦Z』と同じような戦闘シーンでも、新規で作り直している部分が多かったりします。
HD化は『第2次スーパーロボット大戦OG』や『魔装機神III』で挑戦していたのですが、それらの作品よりも物量が多かったですからね。クオリティと開発期間のバランスをどう設定するのか、そのせめぎ合いも大変でした。
――『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』のオリジナルキャラクターや機体などでこだわった部分を教えていただけますか?
本作は参戦作品の中に学校を舞台にした作品がありますので、それにあわせてオリジナル主人公は学生にしようというアイデアはありました。
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▲本作の主人公である高校2年生の少年ヒビキ・カミシロ(写真左)と、ヒビキの高校で現代国語を担当している教育実習生・西条涼音(写真右)。 |
――ヒロインが年上なところが珍しいと思いました。
そうでもないですよ、実は(笑)。年上のヒロインは、『スパロボ』のオリジナルキャラでは割といますし。
――そう言えば、『MX』のアクアや『インパクト』のエクセレンもそうですね。
ただ、生徒と教育実習生という関係は、シリーズでは珍しいと思います。
――主人公機が早い段階でパワーアップした姿を見せるところも驚きでした。
主人公まわりの設定には、双子座をモチーフに盛り込んでいて、“二面性”もコンセプトとなっています。敵側の機体である“ジェミニア”も、その一環ですね。キーワードである二面性を押し出すために、割と早い段階でパワーアップ形態を見せるようにしました。
――本作では新システムがいろいろ追加されていますが、特に注目してほしいものはありますか?
そうですね。“タッグバトル・システム”と、それに付随するセンターやワイドといった攻撃方法をうまく使い分けていただければと思います。
“タッグバトル・システム”は、『スーパーロボット大戦Z』の“トライバトル・システム”の流れを汲んだ新システム。2機のユニットで編成したチームを1単位として運用でき、チームはメイン機体の単体攻撃と、サブ機体のアシスト攻撃を組み合わせて戦闘を行う。
●“タッグバトル・システム”用語
・ユニット……パイロットが搭乗している状態の機体。
・チーム……マップに出撃する際の単位。ユニットが1機のみの場合でもチームと呼ばれる。
・タッグ……2機のユニットで構成された状態のチーム。マップ上での分離や合流は不可だが、メインとサブは交代が可能。
・シングル……1機のユニットで構成されたチーム。入手PPがタッグの1.5倍となる。なお、戦艦は常にシングルとなる。
・メイン……タッグにおいて前側にいるユニット。マップ上の操作は、メインを基準として行われる。
・サブ……タッグにおいて後側にいるユニット。メインに合わせて行動を行う。
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▲こちらがチームの編成画面。チームを組む際に特に制限はなく、好きな組み合わせでチームを作ることが可能だ。 |
――オススメの組み合わせはありますか?
プレイスタイルによって変わってくるので一概には言えませんが、攻撃的な編成にしたければ、同じ長所を持つ機体で組ませるといいと思います。防御力が低い機体に、援護防御でのサポートとして防御力の高い機体を組ませて短所を補う手もありますね。
ただし、先ほども言ったようにこれらはユーザーさんのプレイスタイルによって変わりますし、いろいろな特徴を持った機体が多いので、人によってベストの組み合わせは変わってくると思います。原作での組み合わせに近いスタイルにするのもいいですし、移動力を重視して、地形適応のあった同士で組んでみるとか、いろいろと試してみてください。
――開発陣の間で人気だった“タッグコマンド”を教えていただけますか?
統計を取ったわけではないので、それはわからないですが、僕は“マルチアクション(※コマンド使用後、次の行動で敵チームを壊滅(=チーム内に1機もユニットが残らない状態)させた場合、行動回数が1回プラスされる)”をよく使います。これを使ってスピーディに敵を倒していって、ボスに“マキシマムブレイク”で大ダメージを与えるパターンが多いです。
――編集部では“チャージSP(※メインユニットとサブユニットのメインパイロットの精神ポイントを25ポイント回復する)”を使うことが多かったです。本作では精神コマンドを使うためのSPがステージ開始後に半分しかなく、毎ターン5ポイントずつ上昇していく形になっていましたが、この形にした狙いは?
精神コマンドは便利である反面、難易度が不必要に下がってしまうケースもあるんです。『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』ではタッグコマンドを採用したこともあって、精神コマンドの使いどころを今までよりしぼるよう調整してみました。
――最初は精神コマンドが存分に使えないことを不便に感じたのですが、敵チームを味方チームでぐるりと囲む“プレースメント”やスキルの“指揮官”の影響、“タクティカルコンボ”など、本作には戦い方によって与えるダメージを増やすことができる方法がたくさん用意されています。これらのシステムに慣れてくると爽快感が出てきましたね。
そうですね。今回は、精神コマンド以外で連続行動ができるようなシステムにしているんですよ。賛否両論あるとは思うのですが、精神コマンドにこだわりすぎないほうが戦いやすくなることもあります。これらシステムの説明はゲーム中の“コンバットレコード”でいつでも確認できますので、ぜひ活用してください。
――先ほど話に出た“マキシマムブレイク”は、やはりボス向けの攻撃なのでしょうか?
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▲マキシマムブレイクは、敵に援護防御やバリア、カウンターを発動させないだけでなく、与えるダメージが通常の1.2倍になる。強敵と戦う時には欠かせない攻撃方法だ。 |
そうですね。『第2次スーパーロボット大戦OG』の“マキシマムブレイク”は、“統率”のスキルを持っているキャラでないと発動できないため、使えるシチュエーションが限定されていたんです。本作でも条件はありますが、なるべくいろいろなシチュエーションで使ってもらえるように調整しています。
ゲーム後半で機体がそろってきたら、強い機体同士でタッグを組ませて、強敵に一気にダメージを与える“マキシマムブレイク”要員にするやり方もアリだと思いますよ。
――新システムと言えば“Dトレーダー”がありますが、AGとキャラの掛け合いが細かく用意されていますね。
AGとキャラの掛け合いは、本編とはあまり関係ないお楽しみ要素の1つですね。閑話休題的なものなので、必ず見なければならないものではありません。ステージとステージの合間に気軽に楽しんでください。他にも“Dトレーダー”では、条件を開放することで並ぶ商品などがあります。いろいろと細かいミッションをこなしていけば出現しますので、やり込み要素として、じっくり遊んでいただければと思います。
――Dトレーダーで“ブースター”などの安価な強化パーツと、“破界の紋章”や強化システムなどの高価なパーツが売られていますが、こちらはやはり高価なものを買ったほうがいいのでしょうか?
これも皆さんのプレイスタイルしだいだと思います。いろいろな作品の機体をまんべんなく育てるのであれば、安いパーツを買いそろえて部隊全体を強化する手もあるでしょう。逆に特定の機体をとことん強くする一点突破型であれば、高価なパーツを購入して、さらにその機体を強くする方法もアリだと思います。
――そうですね。ところで本作はPS3とPS Vitaの2機種で発売されていますが、どちらを買ったらいいか悩んでいる人がいるかもしれないので、それぞれの特徴を教えていただけますか?
ゲームの内容は変わりません。外で遊びたければPS Vita、大きな画面で遊びたければPS3ということで。
――本作は2部作とすでに言われていますが、次回作へのセーブデータの引き継ぎなどはあるのでしょうか?
レベルアップや機体の改造度の引き継ぎなどはありません。『第2次スーパーロボット大戦Z』の『破界編』や『再世編』であったような、クリアデータを引き継ぐと特典が手に入る、リンクボーナスのようなものは考えています。
――ちなみに、次回作の発売時期などは……?
それは今後の発表をお待ちください。
――シリーズ第1作目である『スーパーロボット大戦』のHDリメイク版についてお聞かせください。今回初めてプレイする人も多いと思うのですが……。
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そもそもガンダムやマジンガーZといった機体は登場するのに、アムロや甲児たちパイロットが登場しないなど、現在の『スパロボ』とは一部のシステムが違います。その次の『第2次スーパーロボット大戦』や『第3次スーパーロボット大戦』が現在の『スパロボ』シリーズの形に近いです。
リメイクをすることになった時に、まず“どこまで手を入れるか?”がポイントになりました。いろいろな案が出たのですが、やはり“1991年(発売)当時のテイスト”を大事にしようと決めました。ロボットの戦闘アニメーションも最小限にしていますし、SDのバランスも昔のまま。あえてそのテイストでリメイクさせていただきました。
グラフィックなどはブラッシュアップしていますが、演出などはそのままです。ガンダムが真正面を向いたまま横にビームライフルを撃つなど、初めてプレイする人は「バグなんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、当時はこういう感じだったんです。
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――システムもシンプルですし、簡単に遊べるところもいいですね。
ええ。気軽に楽しんでもらえる『スパロボ』にしてみました。ぜひ、ここ10年で『スパロボ』を始めた方や、まだプレイしたことがない方に遊んでもらいたいですね。また、発売当時にはなかった追加シナリオ(第2部)も入っていますので、かつて遊んだことがある人にも楽しんでもらえると思います。
――では最後に、『スパロボ』シリーズファンの皆さんにメッセージをお願いします。
本作はやり込み要素も豊富にありますので、お気に入りの機体を強くするのもよし、Dトレーダーで強化パーツをそろえるもよし、SRポイントのコンプリートを狙っていただくもよし、ストーリーを楽しむのもよし……。いろいろな形で楽しんでいただきたいですね。タイトルは『第3次』となっていますが、最近はプレイされていない方も手にとっていただければうれしいです。20年前に発売した1作目の『スーパーロボット大戦』のHDリメイク版も4月24日からダウンロード版が販売されていますので、どうぞ一緒に楽しんでください。
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(C)ダイナミック企画
データ
- ▼『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』ダウンロード版
- ■メーカー:バンダイナムコゲームス
- ■対応機種:PS3
- ■ジャンル:SRPG
- ■配信日:2014年4月10日
- ■価格:8,070円+税
- ▼『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』ダウンロード版
- ■メーカー:バンダイナムコゲームス
- ■対応機種:PS Vita
- ■ジャンル:SRPG
- ■配信日:2014年4月10日
- ■価格:7,120円+税
- ▼『スーパーロボット大戦』
- ■メーカー:バンダイナムコゲームス
- ■対応機種:PS3/PS Vita(ダウンロード専用)
- ■ジャンル:SRPG
- ■配信日:2014年4月24日
- ■価格:1,204円+税