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2014年6月16日(月)

ザコがボスに昇進するA・RPG『シャドウ・オブ・モルドール』をレビュー。モンスターの格差社会に突撃してみた【E3 2014】

文:ゴロー

 ワーナーブースで展示されていた『シャドウ・オブ・モルドール(Shadow of Mordor)』のレビューをお届けする。

『シャドウ・オブ・モルドール』

 本作は、J・R・R・トールキンの『指輪物語』で描かれる中つ国のモルドール地方を舞台とした、ハイファンタジーアクションRPG。モンスターの手によって家族と友人、そして自身の命までも奪われ、幽鬼と化して蘇ったタリオンの復讐劇が描かれる。

 今回の試遊では、特徴的な“ネメシスシステム”を体験。プレイする前にネメシスシステムの説明を軽く受けたのだが、話だけでは正直あまりピンとこなかった。登場する敵がそれぞれに“個性”や“記憶”を持っていて、プレイヤーの行動によってそれが変化していくそうだが……。

 ひとまず、いつものノリで戦ってみた結果、モンスターの大群に袋叩きに遭ってやられてしまった。なんの策もなしに突っ込んだ自分が悪いのもあるが、それにしても敵の数がやたらに多く、個々のモンスターがタフで手強い。

『シャドウ・オブ・モルドール』 『シャドウ・オブ・モルドール』

 スタッフによると、プレイヤーキャラの命の重さはフィールドにはびこる個々のモンスターとほぼ同等とのこと。今回の死は“たった1つの出来事”でしかなく、あまり気にすることはないという。ふがいない自分に対しての慰めの言葉かと思ったが、これこそが“ネメシスシステム”の特徴を表す1つの要素だった。

 再び出撃画面に戻ると、初回プレイ時に比べてモンスター同士の関係性が変化しているのが分かった。説明が後になってしまったが、出撃画面にはモンスターの力関係を表すようにしてボス、ボスの配下、それ以外のモンスターがズラリと並んでおり、どのボスをターゲットにして出撃するかを選べる。先ほどのプレイヤーキャラの死はそのモンスターにとっての手柄であり、そいつが昇進(パワーアップ)するケースもある。

 さらに、モンスターは縄張りに入る者を無差別に襲う習性があり、モンスター同士で争いが起こることが常々あるという。そのせいか、力尽きたあとの出撃画面には、いがみ合っている者、命を落とした者などの変化が起きていた。もちろん、敵の同士討ちもプレイヤーキャラの死と同じで、功績をあげたモンスターの昇進につながる。

 この世界における主人公の存在はモンスターからしてみれば大勢いる敵の1人に過ぎず、敵側のパワーバランスが刻々と変化していくという設定も、A・RPGやRPGでは珍しいと言える。興味を持った人は、ネメシスシステムからなる刺激的な世界に足を踏み入れてみてはいかがだろうか。

『シャドウ・オブ・モルドール』 『シャドウ・オブ・モルドール』
▲モルドールの過酷な地を生き抜くには、主人公だけが持つドミネート(洗脳)やモンスターへの尋問がカギに。力技はほとんど通用せず、強力なモンスターを洗脳してけしかけたり、配下に尋問してボスの弱点を聞き出したりして、いかに自分にとって有利な状況を作り出せるかが大切だ。

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