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2014年7月9日(水)

『ソードアート・オンライン ―ホロウ・フラグメント―』無料大型アップデートでどこまでパワーアップしたのか? 一足先に遊んだ感想をお届け

文:ライターM

 TVアニメ『ソードアート・オンラインII』の放映&配信も始まった今日このごろ。PS Vita『ソードアート・オンライン-ホロウ・フラグメント-』も、無料大型アップデート“皇輝の継承者”明日配信ということで、ひと足先にアップデート版を体験させていただいたライターMが、レビューをお届けいたします。

『ソードアート・オンライン-ホロウ・フラグメント-』

 レビューをご覧いただく前に、アップデートでの追加&変更点を簡単にまとめてみました。結構ありますが、チェックしてみてくださいね。

・レベルキャップの解放(レベルの上限が200から250になる)
・“秘奥義”を会得できるグランドクエストの追加
・グランドクエストの追加により、管理区規定フィールドや新エリア“雪山”・“火山”を解放。新規ダンジョンも追加される
・サチとのデートが楽しめる《庭園》を解放
・新規CGが見られるイベントの追加
・新規モデルの武器を追加
・強力なボスモンスターの追加
・アルゴをパートナーにして戦闘できるように
・アイテム使用速度の向上
・難易度や各種システムの調整
・ホロウ戦域マップにルート表示が追加
・管理区からの転移を簡便化(マップ地点を指し示して転移可能)
・フレンドクエストに行き先マップ名と昼夜時間帯の表示を追加
・ミニマップにカメラ範囲が表示される
・フィリア&ストレアコンプリート衣装追加
・グランドクエストの難易度はLv110~Lv130
・高レベルボスのレベル設定はLv190~Lv250
・新エリアには高レベル領域(Lv150~Lv220)の場所があり、赤い宝箱などが設置される
・自分よりプラスLv1~15の敵の取得経験値量が大幅に引き上げられる
・一部の宝箱から経験値増加ポーションが出現するように
・ハイドポーション(消耗品/短い時間敵に見つからないアイテム)が店売りされるようになる。
・ホロウミッションの報酬コルが引き上げられる
・実装エレメント調査が緩和される
・鍛冶の成功率を上昇させるアイテムが追加される(高レベルボスドロップ品)
・サチとキバオウの存在場所に、それぞれのシナリオをクリアすることで転移石が追加される
・記録済みのオリジナルソードスキル(OSS)の接続が緩和される
・OSSで繋げられるソードスキルが増加する(実装リストで追加されたソードスキルも可能に)
・OSSによって発生する奥義技へのダメージ補正が大幅に上昇する
・ホロウ・エリアミッション戦域MAPでは、線が引かれてエリアのつながりがひと目でわかるように
・ホロウ・エリアミッション戦域MAPから、直接移動先を指定できるように
・既存ホロウ・エリア各地に青い宝箱が追加される(※低確率でいいアクセサリーがドロップ)
・既存ホロウ・エリアの赤い宝箱から入手される武器の性能が向上され、特殊効果が付与される
・《リメインズハート》の性能が引き上げられる
・《ダークリパルサー》と《エリシュデータ》の性能が引き上げられる
・聖剣が眠る安置所に超短時間報酬が用意される
・新装備品が120種類以上追加される
・一部の希少な武器にはレアリティが記載されるように
・グランドクエストで習得できる秘奥義は奥義技の3倍以上のダメージです
・秘奥義はパートナーも習得できる
・ヒロイン達と一緒にホロウミッションに参加するヒロインクエストが追加される
・新規ホロウミッションが合計で50個ほど追加される
・既存のホロウ・エリアのミッションランク3(Lv180)のラストアタックボーナスが追加される
・秘匿領域が125階まで拡張される
・秘匿領域の深部に防具が入っている宝箱が追加される
・秘匿領域にワープ機能が追加される(21/41/61/81/101階へワープ)
・引き継ぎアイテム《インフィニティ・モーメント》の上位アイテムが超高難度報酬として用意される
・伝説級武器取得ホロウミッション《レジェンダリアバター》が追加される
・最強の敵として、●●●●が登場するように
・チュートリアルイベントが若干修正される
・アルゴの攻略情報に情報が大幅に追加される

 一番大きいところはレベルキャップの解放と新エリアの追加ですね。実際のMMOではこの手のアップデートは珍しくない(※ただし、エリア追加となると有料の場合が多い)のですが、よもやオフライン仕様の本作でMMOと同等のアップデートを楽しめるとは思いませんでした。

 あまりMMOをやらないという人のために、よくある(?)MMOのアップデートの流れを紹介しておきましょう。

“アップデートが告知される”→“ネットの掲示板が盛り上がる”→“憶測が飛び交う(ココが一番楽しい)”→“過度なまでに期待が高まる”→“当日、メンテナンス時間が延びる”→“ログインが殺到してエラー祭り”→“フタを開けて落胆したり喜んだり”

 までが1セットとなっています(笑)。さてさて、本作ではいかがなものかしら? と、まずはホロウ・エリアを確認。管理区のコンソールをいじってみると、なにやら“遺棄されたクエスト”の復元が行われて、いきなり新要素の“グランドクエスト”なるものが追加されます。

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『ソードアート・オンライン-ホロウ・フラグメント-』

 新エリアなどと言われたら、キリト君でなくともゲーマー魂がうずくというもの。早速遺棄エリアに移動……と思ったところで、地味めですが、とてもうれしい新要素を確認できました。

・ホロウ・エリアミッション戦域MAPでは、線が引かれてエリアのつながりがひと目でわかる!
・ホロウ・エリアミッション戦域MAPから、直接移動先を指定できる!

 これです! 以前の仕様(エリア名一覧から選ぶ)と比べると、遊びやすさは格段にアップ。肝心の遺棄エリアですが、ちょっとしたイベント後に探索可能となりました。

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▲Rボタンで表示を切り替えると、エリアのつながりもこのとおり。マップから直接移動先を指定できるのもステキです。

■実際のところ、新エリアってどうなのよ?

 待望の遺棄エリアに飛んでみると、そこは花と緑に囲まれたパラダイス! 「これが庭園エリア!? すごいぞ、ラピュ●は(略」などと“勝手に誤解”した筆者は、愛妻をお姫様抱っこしつつ庭園探索を楽しみます。

 コンソールを囲むように作られた建物は円形の高台に囲まれ、ロボットがふよふよとお出迎え。ところが、「風情あるな~」とお気楽にながめていたら、いきなり斬りかかられてバトルに突入ですよ、奥さん。

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▲夫婦水入らずで楽しんでいるところへまさかの襲撃。もしかしてリア充っぷりに嫉妬された!?(違います)

 落ち着いてマップを開いてみると、管理区から飛んだ先は《コルディア外苑》という通常エリア。アップデートで告知されていた《庭園(圏内エリア)》は別物で、外苑から北に進んでエリアチェンジしたらすぐそこというオチでした。

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▲こちらが本物の《庭園》。なにやら専用イベントも用意されているようですが、特別なフラグが必要な模様。

 外苑の南には宮殿へと続く扉があり、いかにもな窪みが2つ。どうやら、外苑に隣接している火山エリア(爆炎の霊脈)と雪山エリア(霧氷の森)を攻略して、特殊なアイテムを手に入れることで進入できるようです。

<灼熱の《火山エリア》でこんがりコゲました>

 今回の探索では、キャラクターレベルの異なるデータを用意していただいての探索となります。攻略ではないのでそこまで細かくはチェックしませんが、まずはお試しでレベル120代後半のデータを使って、火山をメインに探索開始です。

 出現するモンスターはおよそレベル100前後。でも、油断をしていると、突如“危険区域に踏み入れています”などと物騒なメッセージが流れます。既存のホロウ・エリア同様、高レベルモンスターの生息域もほどよく配置されています。

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▲試しに強敵にカーソルを合わせてみると……レベル159! 軽く死ねるレベル差です。
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▲バグ系の新モンスター。体内に爆発物質を貯め込んでいるらしく、たまに爆発します。こいつらの密集している場所で戦うと、爆風ではね飛ばされて大惨事を巻き起こすことも……。
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▲艶やかな焼き色が食欲を刺激する、クラブ系モンスター。ぽこぽこと子ガニを産むので、複数の親ガニに囲まれるとなかなかデンジャラス。
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▲神話に登場するヒュドラのような三つ首の大蛇や、トンボとカマキリを足して割ったようなモンスターも出現。期待どおり、アツい抱擁とアツすぎるブレスが待っています。

 グツグツと流れる溶岩に見とれていると、突然5,000ダメージ! 予想はしていましたが、焼き土下座系のトラップもそこかしこに潜んでいます。他にも、体内に爆発物を抱えたまま朽ち果てたモンスターを爆破して壁を壊すといったギミックが用意されています。

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▲あるアイテムを手に入れると、化石化したバグに火を着けて発破作業が可能に。
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▲流れ落ちる溶岩や、火口付近に建てられた神殿跡など見どころ盛りだくさん(ただし、見とれていると足の裏がコゲます)。

 攻略記事ではないものの、やっぱり新ボスも気になりますよね。そんなわけで、まずは一体目、業火の主こと“インフェルノブレイズ”さんをしばいてみます……が、数秒でしばかれた! 仕方ないのでボスのレベルと同じレベル140のデータに切り替えてリベンジです。

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▲三つ首のボスから放たれるブレスで麻痺させられたり、前方扇状の範囲で甘噛みされたり、なかなか多彩な特殊攻撃で楽しませてくれます。

 NMとはいえ、さすがに同レベルの強さなら余裕勝ち。「この勢いでもう1体もいってみよ~!」ということで、次なるお相手は、最深部に潜む火山の化身“ガイアルド・ザ・ヴォルケーノ”さん。

 どこぞの覆面レスラーのような名前ですが、腐ってもエリアボス。本体周囲の地面は定期的に焼けただれ、継続ダメージに加えて麻痺や弱体など状態異常の嵐。なによりも強烈だったのが、複数回ヒットし続ける特大ブレスで、焼けた地面に足を取られて逃げ遅れ、一気に焼き殺されてしまいました。

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▲地形ダメージに加えてちょいちょいとザコモンスターを召喚するため、スキルを潰されることもしばしば。
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▲うっかり特殊技をくらってジリ貧になったため、ボスの攻撃範囲から逃れて剣を収めてみると、追撃されることもなく小休止が可能に。再度近づいてみると、ボスのHPやリスクレベルもそのままでした(時間経過で回復するかも?)。

<寝苦しいこの季節にはピッタリの雪山エリア>

 ほどよく火山エリアのボスを倒したところで、お次は雪山エリアです。雪を踏みしめるSEやら降雪エフェクトもあって臨場感もバッチリ。モンスターのレベルもほぼ火山エリアと同等で、レベル120もあればとりあえず探索は可能です。

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▲凍りついてビクともしない扉に阻まれるキリト君。火山エリアであるアイテムを手に入れることで、氷を溶かして進めるようになります。
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▲死神っぽいボロ布や翼の生えた悪魔など、ダークな雰囲気のモンスターが多め。さらに、76層のボスによく似た目玉の怪物がホロウミッションの討伐対象として出現します。
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▲デーモン系モンスターがみっちりと詰まっている雪山の遺跡では、見るからに涼しそうなアイスツリーとも遭遇。

■その他、細々と気になったポイントは……

 このままの勢いではクリアするまで遊びそうだったので、程よいところで探索終了。最後に、エリアネタ以外で気になったところもいくつか触れておきましょう。

●マップ&簡易マップに方向を示すガイドが付いた

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▲キリトたちがどちらを向いているのか一目瞭然。地味ですが、筆者のように迷子スキルが免許皆伝なプレイヤーにとってはうれしいかぎりです。

●アルゴがバトルに参戦!

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▲《鼠のアルゴ》がついに参戦! 試しにホロウ・エリアに連れて行ったところ庭園でロボに撲殺されたため、あわててそれなりに育っているレベルのデータにチェンジ。シーフのように軽やかな身のこなしを見せてくれます。

●メールに詳細な補足が追加された

『ソードアート・オンライン-ホロウ・フラグメント-』
▲開いてみると、依頼内容とともに場所と時間まで明記されていました。すでに遊び尽くした人だけでなく、これからプレイしてみようというユーザーにもうれしい修正なのです。

 ヒロインとの新イベントなども気になったのですが今回のレビューではここまで。お世辞抜きに有料DLCでもおかしくない充実の内容でした。興味はあるけれどなんとなく買いそびれていた人は、この機会にぜひ購入してアニメと一緒に『ソードアート・オンライン』を楽しんでくださいね。


■『SAO ―ホロウ・フラグメント―』TV-CM(“皇輝の継承者”告知Ver)

(C)川原 礫/アスキー・メディアワークス/SAO Project (C)BANDAI NAMCO Games Inc.
※アップデートおよびダウンロードコンテンツの内容、仕様、スケジュールは予告なく変更になる場合がある。

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