2014年7月31日(木)

『Forza 5』は実車と同様の集中力を必要とする――ニュル北コース7分切りを実現したマクラーレンのテストドライバーが語る『Forza 5』の凄さ

文:megane

 日本マイクロソフトより9月4日に発売されるXbox One用ソフト『Forza Motorsport 5』。本作の報道関係者向け説明会が東京・品川の日本マイクロソフトオフィス内にて開催された。

『Forza Motorsport 5』

 『Forza 5』は、2005年に初代Xbox向けに発売されたマイクロソフトのレースゲームシリーズ。『2』~『4』はXbox 360向けに発売され、今作はXbox One向けのソフトとなった。Xbox Oneローンチタイトルの1つ。また、ナンバリングタイトルではない『Forza Horizon』シリーズも存在し、Xbox One/Xbox 360用ソフトとして10月2日に発売が決定している。

『Forza Motorsport 5』

 説明会の会場では、本作のプロダクトマネージャを務める日本マイクロソフトの南雲 聡氏とイギリスにあるマクラーレン オートモーティブにてチーフテストドライバーを務めるクリス・グッドウィン氏が登壇。

『Forza Motorsport 5』
▲日本マイクロソフト 南雲 聡氏。

 『Forza 5』のカバーアートにはマクラーレンの最新車であるマクラーレンP1(約9661万円)が使われていることから、マクラーレンP1をよく知るクリス氏が登場したというわけだ。

『Forza Motorsport 5』 『Forza Motorsport 5』
▲マクラーレンの車両開発においてチーフテストドライバーを担当しているクリス・グッドウィン氏。F1車両を含むほぼすべてのマクラーレンの車に乗っているとのこと。

 このクリス氏は、世界一過酷で難しいサーキットと言われているドイツ・ニュルブルクリンク北コースにおいて、マクラーレンP1を操縦して7分切りというタイムを残している。

 この7分切りというタイムがどれくらいのものかというと、市販されている車で7分切り、つまり6分台を記録している車は世界で6台しかない。このことからもクリス氏とマクラーレンP1がどれくらいすごいのかがわかると思う。なお、約1億円もするこのマクラーレンP1だが375台しか生産されず、しかも完売しているとのこと。

『Forza Motorsport 5』
▲マクラーレンP1に乗り、ニュル北コースで7分切りのタイムを叩き出す。詳細なタイムは明かされていないが、このマクラーレンP1が世界最速の市販車の1つということに変わりはない。

 説明会では、『Forza 5』でのクリス氏によるニュル北コース実演も行われた。ゲームでは体にかかる圧力や振動などがないため、実車とは感覚が異なる。しかし、マクラーレンでは、シミュレータでのテストによって実車へのフィードバックが行われており、実車ではない状況から、実車へと感覚を近づけていくことは日常的であるという。もっとも、マクラーレンのシミュレータは体への圧力もかかるそうだが。

『Forza Motorsport 5』
▲画面に映し出されたマクラーレンP1のモデリングを語るクリス氏。アップ時の描写も美しく、これならマクラーレンのデザイナーも満足だろうとコメント。

 本日発表されたマッドキャッツのステアリングホイールと、ホイールでのプレイに最適なプレイシートでニュル北コースを走るクリス氏。クリス氏が『Forza 5』をプレイするのは、日本に本日到着してマイクロソフトに到着してから10分くらいだという。しかし、見ている限りではスムースに走行しており(アシストラインなしで!)、ミスらしいミスはまったくなく8分台にてニュル北コースを完走していた。

『Forza Motorsport 5』 『Forza Motorsport 5』
▲マッドキャッツ製のステアリングホイールを使ってニュルブルクリンク北コースの各所を解説しながらドライビングするクリス氏。長年走っているということだけあって、ライン取りはほぼ完璧に近く、ミスなく完走していた。走行後にクリス氏は「グラフィックはマクラーレンのシミュレータよりはるかにいい」と語っていた。
『Forza Motorsport 5』
▲ドライバーの評価を決めると言っても過言ではないのが、アクセル&ブレーキング。コーナー最中の安定したパーシャルアクセル具合もエンジン音から感じられた。

 クリス氏は、「ゲームの中でのことなので1億円の車を運転している実車とはプレッシャーが異なる」としながらも、「実車と同様の集中力が『Forza 5』でも必要だった」と語った。また、『Forza 5』での車の挙動について「去年の夏からマクラーレンP1でニュルブルクリンク北コースを走っているが、自分が覚えている挙動と同じもの」と述べた。

 クリス氏はニュル北コースについて、「世界一難しいコースの1つ」と語る。このコースは20km超えという全長を持ち、山をぐるっと取り囲むようなレイアウトのため、高低差が激しく、日差しなども場所によって変わる。そして、コンディションが毎回変わるとのこと。

 このコースを20年前から走っているクリス氏だが、走るたびに上達が感じられ、おそらく死ぬまでずっと上達できる部分があるコースだろうという。このコースを攻略するのにもっとも必要なのは「集中力」であるとコメントしていた。

『Forza Motorsport 5』 『Forza Motorsport 5』
▲同様にマクラーレンP1でニュル北を走る週刊アスキー編集部のイトー氏。meganeとは『Forza』仲間であり、もちろんニュル北も『Forza』内で幾度となく走っているのだが、マクラーレンP1のパワーに振り回されていたようだ。
『Forza Motorsport 5』 『Forza Motorsport 5』
▲自分もチャレンジ。ステアリングの反応がとてもよく、ちょっと手抜きして回すと途端にスピンしてしまうほど。確かに1秒足りとも気が抜けない状況で、こんな中を涼しい顔して完走していたクリス氏の凄さを感じた。

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