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2014年8月7日(木)

『ブレイブルー クロノファンタズマ』の新キャラ・セリカ&ラムダの使い勝手をレビュー。Ver2.0のロケテスト版を動画で紹介

文:喜一

 本日8月7日~10日まで全国4都市で、アークシステムワークスのアーケード用対戦格闘ゲーム『BLAZE BLUE CHRONOPHANTASMA(ブレイブルー クロノファンタズマ)』Ver2.0のロケテストが行われている。今回は都内・秋葉原HEYのロケテスト版をレビューしていく。

『BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA』

 今秋に予定されているバージョンアップでは、新キャラのセリカ=A=マーキュリーとΛ-No.11-(ラムダ)のプレイアブル化、既存キャラの大幅調整が主な調整内容になっている。

 今回のロケテストでは、正式稼働に先駆けて新キャラのセリカとラムダがプレイできたので、さっそくレビュー&プレイ動画をお届けする。なお、今回の記事はロケテスト版に基づくため、製品版とは内容が異なる場合があるので注意してほしい。

『BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA』 『BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA』
▲セリカ=A=マーキュリー▲Λ-No.11-(ラムダ)

■セリカ=A=マーキュリープレイ動画

 セリカの動画の最後には、おまけとしてアマネのアストラル・ヒートを受けた際の子ども化した姿も掲載している。

■Λ-No.11-(ラムダ)プレイ動画


■セリカってどんなキャラ?

 セリカは、ラグナたちがいる現在より100年前の暗黒大戦時代の人間で、ココノエ博士の手によって現代によみがえった。非常に珍しい治癒魔法を使うことができ、『ブレイブルー クロノファンタズマ』の物語において重要な役割を担っている。プレイアブルキャラクターとしてはカルル、レリウスと同じように、セリカは人形のミネルヴァを操っての戦闘スタイルになる。

『BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA』

★ここに注目

 まず注目したいのが、バリュエーションに富んだ技と扱いやすさだ。地上戦では、とにかくできることが多いところが印象的だった。近距離~遠距離用の技がひと通りある点もうれしい。

 また、簡単なコンボからでも2,000以上のダメージが出るので、今後の研究次第ではトップクラスの高火力キャラになりそうだ。軽くプレイしただけだが、通常技からドライブボタンでコンボを締める基礎コンボで安定して2,500ほどのダメージを出すことができた。

『BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA』

 また、攻撃力のみに特化しているわけではなく、弾を撃ちだすアルク・グリエ、飛んできた敵に対して出すアッシュ・ロティル、腕を大きく振り下ろす中段技のマルトゥ・フラン、隙の少ない突進技のランス・キッシュ、空中から急降下攻撃するピック・コンフィなど、セリカの技には対戦格闘においての基本が詰まっていると感じた。

 そして、ディストーションドライブ(以下:DD)は3つ。自分を回復できるアルミュール・ソルベ、ミネルヴァがビームを放つサーブル・アングレイズ、演出が特徴的でミネルヴァが敵を攻撃するキャスク・ヴルーテだ。

『BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA』 『BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA』
▲サーブル・アングレイズを撃つセリカ。右の写真のほうが体力が多いのは、オーバードライブで体力が回復しているため。回復量はオーバードライブの発動状況によるが、最大で体力ゲージの2割ほどだと思われる。

 アルミュール・ソルベは、自分の体力を回復する珍しいDDだが、その反面、非常に隙が大きい。回復量は1~2割ほどなので、安易に使うと敵の攻撃に割り込まれて、回復量以上の大ダメージを受けるリスクもある。使う場面をよく考えたいDDだ。

 サーブル・アングレイズは、ビームを撃ちだすDDで、おそらくかなり広い当たり判定があり、ガードさせた相手を後ろに押し返す効果もある。けん制やタイムアップ寸前での時間稼ぎなどで使用するのが有効そうだ。

 キャスク・ヴルーテは、個人的にはセリカのDDの中で1番使い勝手がよく、コンボにも組み込みやすいように感じた。

『BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA』 『BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA』
▲派手な演出が目を引くキャステク・ヴルーテ

 筆者がもっとも注目したのは、セリカのオーバードライブ(以下:OD)だ。ODはキャラの体力によって発動時間が変わり、ドライブ技が強化されるなど、戦闘を優位に進められるシステムだ(キャラごとに効果が異なる)。セリカのODはリジェライトという効果で、OD中に体力が回復していく。このODの強みはコンボ中にも体力が回復していくことで、体力差が大きく開いた状態からでも戦況を立て直すことが可能。相手の体力を奪いつつ、自分は回復をしていく。そのメリットは非常に大きいものだ。

 以上の技などに加え、リーチの長い通常技の立ちB攻撃(ミネルヴァの蹴り)などを組み合わせることによって、相手にプレッシャーを与えつつ攻防を行えると感じた。また、移動速度も速めで距離調整がしやすく、技の発生も早いので、非常に使い勝手がよいキャラだと言えるだろう。

『BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA』 『BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA』
▲高い女子力を感じる、かわいい投げモーション。▲ラウンド勝利時には相手を回復するという、セリカの優しい一面も。

●総評

 わかりやすいコマンドで、かつ使い勝手のよい技が多い優秀なキャラ。近距離では立ちBを主体にした立ち回りでダメージを奪いつつ、中距離から遠距離ではアルク・グリエを使ってチャンスを狙いながら、セリカの特徴である回復を活かして態勢の立て直しができる。結論として、初心者にもオススメの使いやすいキャラとなっている。

『BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA』
▲アマネのアストラル・ヒートを受けると、なんと子どもの姿に変身!?

■ラムダってどんなキャラ?

 ラムダは、第七機関のココノエ博士によって作られた生体兵器だ。『カラミティトリガー』で、壮絶な最期を迎えたν-No.13-(ニュー)の魂を定着させた存在で、『コンティニアムシフト』でラグナをかばって消滅した。後にハザマによって調整されて復活を果たし、ラムダは消えたはずだったが……。

 こうした設定から、キャラクター性能面でもニューと非常に似通ったラムダ。今回のロケテストでは過去作からの変更点、ニューとの違いを中心に紹介していく。

『BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA』

★ここに注目

 ラムダは『コンティニアムシフトII』以来の参戦となるのだが、『クロノファンタズマ』では使用できなかったということを感じさせない使用感だった。ニューと同じように扱える点や、新技のエクシーガネイルを使ってのフェイント攻撃など、新生ラムダらしい動きも見受けられた。

 新技のエクシーガネイルは、突進技のアクトパルサーZwei(ツヴァイ)からの派生技で、敵に突っ込んでいくと見せかけて、斜め上にジャンプして地上の敵にソードサマナー改を繰り出す技となっている。この技で駆け引きを仕掛けられる場面が多く、エクシーガネイルを多めに使って相手に見せたところで、あえて使わずに攻めに行くなど、相手を揺さぶる戦い方ができる。

 また、ラムダは『クロノファンタズマ』でODを新たに使えるようになった。そのODの効果でソードサマナーを巨大化けできるので、当たり判定の拡大や逆転のチャンスが大きく広がった。総じて、より攻めの選択肢が強くなったところにも注目したい。

●総評

 ラムダは過去作と比べて劇的な変化はないが、今作ではODや新必殺技の追加により、戦術の幅は十分に広がった感触がある。ODを取り入れてのコンボなど、以前にラムダを使用していたプレイヤーにはやりがいのあるキャラクターになっていた。

 ニューとの違いとして、ニューは遠距離(ディアフォルマ)・近距離(ルナフォルマ)と使い分けできる2つのスタイルを持っているが、スタイルチェンジをするためのコマンド入力に手間取ったり、スタイルごとの技の変化を覚えなくてはならなかった。だが、ラムダはニューが苦手としている中距離戦を得意としてる他、スタイルチェンジを意識する必要もないので、ニューを使ってみたかったが諦めてしまったという人は、ラムダをぜひ使ってみてほしい。

『BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA』
▲勝利時の台詞もロケテスト仕様になっているので、ぜひ聞きに行ってほしい。

■新キャラ以外の技やバランスも調整! 開発スタッフのコメントを掲載

 ロケテスト現場には、本作のプロデューサーである森利道氏とバトルプランナーの加藤京平氏が訪れていた。そこで行われたメディア合同の囲み取材の模様をお届けする。

『ブレイブルー クロノファンタズマ』

――まずは、今回のロケテストが始まった感想について教えてください。

:暑い中にお集まりいただき、本当にありがとうございます。ここのところ本当に暑いので、とにかく熱中症にはご注意ください。1人で来て並んでいると、なかなか列から抜けにくいとは思いますが、周りに声をかけてから飲み物を買いに行くなど、無理をしないように気を付けてもらえればと思います。

――今回の『Ver2.0』は、どのような調整がされているのでしょうか。

:既存のキャラを含めて、大々的に調整を行っています。前回のバージョンアップの際は調整点をあらかじめ公式サイトで発表しましたが、今回はあえて伏せています。

 こういったバージョンアップは、皆さんが実際に遊んで、いろいろと試していく中で調整点が見えてくる部分もおもしろいと思いますので、ぜひプレイしてみてもらえればと思います。

――バランス調整の仕方として、下を上げる、もしくは上を下げるといった方向性があると思いますが、今回はどのような考え方で調整を進めたのでしょうか?

:あえて言うと、下も上も上げるといった印象があります。誰かを弱体化させるよりも、みんなを強化していくような考え方かと思います。このあたりは、加藤のほうが詳しいですね。

加藤:語弊がある言い方かもしれませんが、あまりバランス調整を重視していないんですよ。キャラクターの強弱を平均化するよりも、それぞれのキャラの個性や触り心地の部分が伸びるような考え方をしています。

:今の話のように、キャラクターの個性を強めていくという側面はありますね。それから、これは個人的な極論ですが、俗に言う弱キャラで強キャラを倒した時の気持ちよさってあるじゃないですか。キャラ相性などを含めて、バランスを考えていないわけではありませんが、好きなキャラで気持ちよく遊んでもらえることが大事かなと思っています。

――セリカとラムダ、2人の新キャラを追加した経緯について教えてください。

:今年の春のバージョンアップで、家庭版で追加したカグラ、テルミ、ココノエをACに登場させました。その時から、次のバージョンアップでもキャラクターを追加したいと思っていました。

 できれば2キャラを追加したいと考えて、理想は男女1キャラずつだったのですが、女性キャラ2人となりました。ただ、実はこれで『ブレイブルー』のキャラの男女比がちょうど半々になったんですよ。あ、アマネを女性キャラと数える人もいますけど、彼は男性キャラですからね(笑)。

 セリカを登場させた理由は、チーム内で話し合って出てきた部分でもあるのですが、やっぱり家庭版『クロノファンタズマ』のストーリーモードであれだけ登場しているわけだから、プレイアブルにしないわけにもいけないかなと思いました。

 ちなみに「セリカって誰?」と思われる方もいるかもしれませんが、小説版『ブレイブルー フェイズ0』をぜひ読んでくださいと宣伝をしておきます(笑)。ただ、かなり物語の核心に迫る話が書かれているので、読んだ後は周りにネタバレをしないようにしていだければと思います。

――正式な可動は秋の予定ですが、現在の開発状況はいかがですか?

:9割以上はできていると思います。ただ、細かい部分の調整や、実際に遊んでいただいた方々からの反応をフィードしたい部分もあります。今回のロケテストで最終調整をかけていく形ですね。

――気が早い話かもしれませんが、家庭版へのバージョンアップはいかがでしょうか?

:何も考えていないと言うとウソになりますが、まずはAC版に全力投球しています。実際、開発スタッフの人数的にも、あれもこれも同時に進めていくことは難しいところがありますので(笑)。

 個人的にもアーケードでの展開を盛り上げたいと思っていますし、大会なども含めて地固めをしていきたいなと思っています。


 ロケテストは、東京・名古屋・大阪・福岡の4都市で8月7日~10日まで開催されるので、セリカやラムダをプレイしたい人、『ブレイブルー』に興味を持った人は足を運んでみてはいかがだろうか。

<ロケテスト開催情報>

■開催期間
2014年8月7日~10日

■開催店舗
・秋葉原Hey
 東京都千代田区外神田1-10-5 廣瀬ビル1階~4階
・タイトーステーション 大須店
 愛知県名古屋市中区大須3丁目20?7
・タイトーステーション 大阪日本橋店
 大阪府大阪市浪速区日本橋4-9-14
・タイトーステーション 福岡天神店
 福岡県福岡市中央区天神2ー6ー35サザンクロスビル

(C) ARC SYSTEM WORKS

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