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2014年8月19日(火)

PS Vita版『モンスターハンター フロンティアG』がサービス開始直前! CBT後の変更点や新モンスター、パートニャーに迫る

文:る~ぱ

 明日8月20日より正式サービスがスタートするPS Vita版『モンスターハンター フロンティアG(以下、MHF-G)』。サービスインにあわせて、開発者へのインタビューを掲載する。

『モンスターハンター フロンティアG』

 今年で正式サービス開始から7年目を迎え、今なお根強い人気を誇る『MHF-G』。4月に行われたアップデート“GG(ダブルジー)”では、新武器種“穿龍棍(せんりゅうこん)”が登場。モンスターやフィールドが追加されることで、つねに進化を続けている。

 今回は開発運営のキーマンである杉浦一徳プロデューサーと木本龍己ディレクターに、PS Vitaのサービス開始やアップデートなど、本作の展開や今後についてうかがった。

『モンスターハンター フロンティアG』
▲プロデューサーの杉浦氏(写真左)とディレクターの木本氏(写真右)。

■7年という長期タイトルとなった『MHF-G』について振り返る

――今年で7年目を迎えた『MHF-G』に関して、率直な感想をお聞かせください。

杉浦:ハンターの皆さんがずっとプレイしてくれていたおかげ、というのが一番だと思います。長いようで短いような7年でしたけど、いろんなことがありました。

――オンラインゲームとしては最初から7年もの年月のロードマップを作ることは少ないと思いますが、どのような区切りで進めてきたのでしょうか?

杉浦:僕はゲームの開発運営を長く続けることを前提で進めていくので、そういった考え方はあまりありませんでした。有能な開発運営の条件は長期で開発運営できることだと考えているので、どんなに評判がよくても半年でサービスが終わっちゃったら意味がないですよね。そうなると長く開発運営していくのは当然なので、「7年続くと思っていましたか?」と聞かれることがある度に逆に答えに困ります。

 とはいえ、採算的に赤字になると続けられませんから、そこを一番気をつけていました。7年も続けているといろいろなドラマやトラブル、それこそいいこともよくないこともありました。そういった思い出はうれしくもあり、反省したこともあります(笑)。

――7年間で特に印象に残っている出来事はなんでしょうか?

杉浦:やはり毎回の大型アップデートですね。よくも悪くも何かしらが起こるので(笑)。モンスターがハンターの皆さんに喜んでもらえたアップデートならばそのモンスターが印象に残りますし、コンテンツ自体の評価が高ければそれはそれですごく記憶に残ります。

『モンスターハンター フロンティアG』

――PS Vita版を発売する構想はいつからありましたか。また、発売することに決まった経緯を教えてください。

杉浦:カプコンの強みはコンソールですから、オンライン事業を立ち上げた当初よりコンソール機での展開は積極的に行うつもりでいました。ただ、携帯機となるとハードの性能、セキュリティの高さ、無線ネットワークの安定度と多数のハードルがあったので7年前はほぼ不可能な状況でした。ですが、PS3版の開発のころにはそれらの課題のハードルがかなり低くなっていたので、「どうせやるならPS Vitaもやらない?」という話になり、そのころから計画自体は立てていました。

――『MHF-G』初の携帯ゲーム機となりますが、手応え、自信の程はいかがでしょうか。

杉浦:PS3版を移植したばかりの時は「文字がつぶれて見えない」、「ロード時間が3分くらい」みたいな絶望的な状況で、「これ……うまくいくの?」というローテンションな会議が記憶にあります(苦笑)。でも、そこから3カ月くらいでしょうか、それらの課題をチームがかなり早く解決してくれてすごく手ごたえを感じたものです。クローズドベータテストも好評でしたし、自信ありますよ!

――PS Vita版の開発で苦労された点はどこでしょう?

杉浦:一番は処理の高速化です。ローディング時間を始め、ゲームとは別のところでストレスなく快適に遊べることが大事だと思うので、そのあたりを既存のプラットホームに近づけていくことが大変でした。

――携帯ゲーム機で『MHF-G』をプレイする一番の魅力とは?

杉浦:どこでも持ち運びが可能で、友だちと顔をつきあわせて遊べる手軽さでしょうか。ユーザー同士や開発とユーザーとの交流もしやすくなると思います。

――オフ会なども開きやすくなりそうですね。

杉浦:7年~8年前のオフ会だと、選択肢はネットカフェぐらいしかありませんでした。これからはネットカフェだけではなくPS Vitaを持ちあうオフ会も増えるのではないでしょうか。

――PS Vitaはタッチ操作に対応していますが、ポイントについて教えてください。

杉浦:少しでも狩猟中の操作を快適にしたいという点を意識しました。消費アイテム系をすぐに使えるようにしたとか、チャットの挨拶(あいさつ)を手軽にできる点などはこだわって制作しています。本作はもともとパソコン用に開発したタイトルなので、ボタンなどの割り当ては試行錯誤しましたね。

 「タッチだと使いにくい」とか「ここをタッチ操作にして」といった要望があるかもしれないので、そこは折を見て調整できたらと考えています。今回は時間をかけてクローズドベータテストを行えたので、正式サービス開始時にはハンターの皆さんも満足できる完成度で提供できると思います。

『モンスターハンター フロンティアG』 『モンスターハンター フロンティアG』
▲特定のアクションの他、定型文によるチャットやアイテム呼出、サインなどもタッチ操 作で行える。

――インターフェース周りはほとんど変わっていませんが、チャット関係は大きく変わっていますね。

杉浦:チャット関係は一番最初に手をつけたところです。先ほども言いましたが、最初にテストでさわった時は文字がつぶれて全然読めませんでした(笑)。

――そういった調整は他にもありますか?

木本:物理的にボタンの数が少ないところもあったので、やむを得ずタッチ操作になったアクションはあります。ただ、ものによっては逆に操作しやすくなっているアクションもあると思います。そういった意味では、完成度として高くできたと感じています。

■クローズドベータテストを経てどう変わったのか!?

『モンスターハンター フロンティアG』

――先ほどお話に上がったクローズドベータテストについてお聞き致します。ユーザーからの反響はいかがでしたか?

木本:参加ユーザー様へのアンケートの結果、満足度に関する5段階評価でのご質問に対し、“やや満足”と“満足”が88.3%と、8割以上の方々が満足されており、PS Vita版への満足度の高さがうかがえました。クエストやメゼポルタ広場での操作性についても、“ややよい”、“よい”が81.5%とこちらも8割以上の方々にご好評をいただいています。特に、アイテムショートカット機能の実装や定型文を使ったチャットの行いやすさは好評でした。

 おおむね、他機種版と遜色なくスムーズに狩りを楽しめたというご感想をいただいていますが、ランスの突進や狩猟笛の一部の操作などではゲーム画面に表示されるアイコンをタッチすることになるので、操作に不安を感じた方も少なからずいらっしゃいました。こちらはゲーム内に用意されている“マイハウス”の“睡眠学習”で武器種別に練習することが可能ですので、ぜひ活用していただければと思います。

――画面のグラフィックや見やすさも注力された点の1つだと思いますが、こちらに関してはユーザーの反響はいかがでしたか?

木本:クエスト中の画面の見やすさについては“ややよい”と“よい”が9割以上を占めており、操作性、視認性ともに好評価をいただく形となりました。タッチ操作を活用した狩猟やチャット機能などPS Vitaならではの操作を生かしつつ、携帯ゲーム機でも快適にプレイしていただくことができたかなと感じています。

――使用率が高かった武器種やモンスターの狩猟数などについて、教えてください。

木本:武器種の使用率については1位が“太刀”で44%、2位が“大剣”で28%、3位が“双剣”で24%となっており、太刀の人気がもっとも高かったのは、初心者にも扱いやすいからでしょうか。“穿龍棍”はG級からとなるため使用率は低かったのですが、クローズドベータテスト中にHR1からはじめて、G級に到達されている方もいたようです。

 モンスターの狩猟数では、HR11で誰もが必ず狩猟するダイミョウザザミ(公式狩猟試験“砂漠の盾蟹を駆逐せよ!”)がもっとも多く、次いでHRPが美味しいデュラガウア(イベントクエスト“HRP大量獲得!【氷狐竜】”、HR17の試験に出てくるドドブランゴ(公式狩猟試験“白き獅子たちを狩猟せよ!”)となっています。

――ちなみに、狩猟失敗率はどうだったのでしょうか?

『モンスターハンター フロンティアG』

木本:狩猟失敗率の高さでは、剛種のディオレックスが最多で、次いで剛種のゼルレウスとなりました。比較的新しいモンスターの中でも、初見での狩猟が難しいのが、この2体になりますね。

――ユーザーからご意見・ご要望が多かった内容と対応についてお話いただけますか?

木本:「PS Vitaの機能で自動的にスタンバイモードに入った際、接続状態が切断されてしまうため不便」といったご意見がありました。こちらはオープンベータテスト開始時から接続状態が切断されないように改修しました。ゲーム内の広場でパーティ募集を待ちながら待機することも多い『MHF-G』においては、長時間操作しなくとも接続を維持できることが重要であるという判断でもありました。

 ゲームの操作性についてですが、「左スティックの操作中、意図せずチャットウィンドウが立ち上がってしまう」といったご意見がありました。これについては、タッチ操作の判定エリア調整を行いました。スティックを画面側に倒した際に触れる可能性のある部分などを加味し、設定しました。左スティックは移動など、もっとも多く使用する部分ですので、ここの使い勝手の向上は優先事項と考えております。画面のどこの部分が触れやすいのか、何度も複数人でプレイを行い、調整しました。

――かなり調整されているんですね。

木本:はい。次にタッチ操作についてですが、「クエスト中に、サインを誤発信してしまうことがあったので、マップの拡大・縮小とサイン発信のタッチ操作を逆にしてほしい」というご要望がありました。これは、「このままでもいいのではいか?」という意見もある中、チーム内でも検討した結果として、マップの拡大・縮小操作をマップ部分のタッチへ、サイン発信操作をマップ部分の長押しタッチへ変更しました。

 最後に、「PS Vita版プレイヤーのみが集まれる場所を用意してほしい」というご要望に関して、パソコン版、PS3版のプレイヤーと一緒にプレイできるワールドの他、“PS Vita版専用ワールド”をご用意しました。最初はまず基本となる操作や様々なコンテンツに“慣れたい”というご意見も多かったためです。PS Vita版からプレイを始めた人同士でゲーム内で情報交換をしたり、一緒に最初に公式狩猟試験を受けたりと、同じくらいのレベルの人で集まれた方がコミュニケーションが活性化しやすいと考え、専用のワールドをご用意しました。

――それはうれしいですね。

木本:ありがとうございます。この他、対応までにお時間をいただくものや現時点では対応が難しいものなどもございますが、継続して見直しを行い、皆様に快適に遊んでいただけるような環境を構築して参ります。

■新たに追加されるモンスターを紹介

――PS Vita版のビギナーズパッケージをガルバダオラにした理由はどこにあるのでしょうか?

木本:『モンスターハンター フロンティア』ならではのモンスターをパッケージにしたかったからです。PS3版サービス開始時はリオレウスをベースにした新モンスター・ゼルレウスを持ってきました。今回のガルバダオラは、一目瞭然ですがクシャルダオラをベースにしています。どちらもシリーズではなじみ深いモンスターを『フロンティア』風にアレンジしたモンスターなので、パッケージモンスターとしてふさわしいと判断しました。

『モンスターハンター フロンティアG』 『モンスターハンター フロンティアG』
▲金塵龍(きんじんりゅう) ガルバダオラ……大型探査船の甲板に舞い降りたモンスタ ー。呼吸時に体内に蓄積された金粉が混ざって、金色の風が起こる。

――なじみ深いモンスターのビギナーズパッケージに対し、『G5 プレミアムパッケージ』はイナガミとなっていますが、こちらについて説明していただけますか?

木本:G5アップデートは、近いタイミングで古龍が2体追加されるというかなり珍しいアップデートになっています。イナガミは一見すると地味なモンスターで、ある意味『モンスターハンター』らしい古龍です。今の『MHF-G』のモンスターはド派手なエフェクトのアクションが多いですが、そういった意味でイナガミはややおとなしめに仕上がっています。

 とはいえ、竹を使ったアクションなどゲーム性はかなり凝っているので、そこは楽しんでいただけるかと。一方のガルバダオラはエフェクトバリバリで超ド派手なモンスターといった感じです。そういった意味で、PS Vita版から入った人には『MHF-G』がよりわかりやすく表現されているモンスターだと思います。

『モンスターハンター フロンティアG』 『モンスターハンター フロンティアG』
▲雅翁龍(がおうりゅう) イナガミ……竹林奥部に生息する古龍種。数百年前から住み 着いているようで、尻尾を使って捕食を行うようだ。

――PS Vitaから始めた人は、この2体はどのぐらいから挑戦できるのでしょうか?

木本:いわゆる剛種モンスターでどちらもHR100から挑戦できます。PS Vita版で0(ゼロ)からスタートしても、わりとすぐに挑戦できると思います。

――新モンスターの素材で作成できる装備のポイントは?

木本:ガルバダオラの武具はいかにも『MHF-G』といった感じで、やや名状しがたいデザインになっています。性能のほうは新スキル“支援”が発動します。このスキルは、発動した本人と近くにいるパーティメンバーの攻撃力と防御力がアップして、味方には状態異常の無効や“絶倫”などの効果があります。タイプ的には“鼓舞”に近く、それの別バージョンといったところですね。

『モンスターハンター フロンティアG』 『モンスターハンター フロンティアG』
▲ガルバシリーズのビジュアル。左の画像が剣士シリーズで、右の画像がガンナーシリー ズ。

――パーティプレイではやりそうなスキルですね。

木本:ラスタに発動させてもいいかもしれません。自身にも効果が発動するのでサポート以外にも使えますし、ソロでも使えると思います。一方、イナガミの剣士用防具には攻撃を回避すると斬れ味が回復する新スキル“巧流”が発動します。

『モンスターハンター フロンティアG』 『モンスターハンター フロンティアG』
▲剣士用の雅孔(がこう)シリーズ。こちらは剛種防具だ。▲ガンナー用の雅穿(がせん)シリーズ。こちらも剛 種防具だ。

――双剣や穿龍棍などとは相性がよさそうです。

木本:イメージとしては“刃打ち”で回復する量に近いと思います。また、ガルバダオラの武器には新属性の“風”が発動します。

――歌姫武器にも新属性が追加される予定だとお聞きしました。

木本:歌姫クエストの報酬武器に“奏”属性がついていますが、それの新たな武器が追加され、“響”属性が追加されます。

――PS Vita版のサービス開始時にはどのようなアップデートが行われるのでしょうか?

木本:PS Vita版の発売に合わせてパッケージモンスターである、ガルバダオラを実装する予定です。

――サービス開始に合わせたキャンペーンなどは実施されるのでしょうか?

杉浦:いろいろ予定しています。PS Vita版のサービス開始時は夏休みシーズンで新規ユーザーが多く入ってくる時期です。PS Vita版のスタートによる相乗効果もあるでしょうから、いわゆるスタートダッシュ的なイベントも考えています。公式メンバーサイトに告知していきます。早く進めたい方は上手に利用していただければと。

――PS Vita版『ビギナーズパッケージ』特典の武具の選定理由は?

杉浦:あまり特別なものを用意すると他のプラットホームの特典と差がついてしまうので、初めてプレイする人が遊びやすくなる装備を意識して選びました。あとは特典武具を長く使いたいという意見も出ているので、G級になっても強化してもらえればかなり長く使える性能に仕上げています。

――PS Vita版ではどのように遊んでほしいですか。

杉浦:やはり携帯機ですから、お友だちと一緒に遊んでもらったり、力を抜いてベッドで寝転がって遊んでもらったりとかですね。据え置き機では遊べないやり方で楽しんでくれたらうれしいです。

■アイルーを連れていける“パートニャー”について

――G5アップデートのテーマは何でしょうか?

杉浦:今回はPS Vita版のサービスが開始されることもあり、ただのアップデートではないと考えています。PS Vita版から始める人のことも考えながらアップデートしていくことを意識しました。G5アップデートの最初のコンテンツは7月23日に実装されましたが、その1カ月後にPS Vita版で始めたハンターが加わる8月、そして既存のハンターたちがアップデートを楽しんでひと段落した9月ごろにも何か喜んでもらえるもの、というように月ごとにテーマを考えています。

――新要素としてパートニャーが追加されました。こちらについて説明していただけますか?

『モンスターハンター フロンティアG』 『モンスターハンター フロンティアG』

杉浦:パートニャーというコンテンツの構想は去年からありました。あとはどのタイミングで実装するかがポイントですよね。PS Vitaから入る人は、PSPの『モンスターハンターポータブル』シリーズも遊んでいる人が多いでしょうから、懐かしさもあって喜んでもらえるようにと、このタイミングの実装になりました。

――パートニャーとパートナーにはどのような違いがあるのでしょうか?

杉浦:パートニャーは、どちらかというと支援型になるのかなと。パートナーと同じ強さにするとそのまんまですし、弱ければ使われないので、難しいですよね。基本的にはパートナーと同系統で見た目がアイル―というところに、モチベーションを感じていただけるのではと思います。あと、最近のクエストだと2人で行かれるハンターも多いというデータもあるので、パートナーとは違った意味で見せ合いっこなどもできたらいいなと考えています。

――パートニャーの解放条件は?

杉浦:最初からすぐに利用可能です。これまでのマイホルクがマイサポートに名称が変化して、ホルクと同じ場所で育成できます。

――パートニャーの成長方法を教えてください。

木本:クエストに連れて行くことで成長していきます。それ以外にも、マイサポートで特訓などを行って徐々に強化もできますが、パートナーと同じようにクエストをクリアするとポイントが入って、パートニャーランクがアップしていきます。

杉浦:G5から実装されたパートニャーがどういうものか分からないハンターもいるかと思います。公式サイトにて育成のススメを公開しているので、ぜひ参考にして育成してみてください。

――パートニャーは何匹まで雇えるのでしょうか?

木本:G5の段階では3匹になります。ただしクエストに連れていけるのは1匹で、猟団のパートニャーと一緒に猟団トレジャーに派遣することも可能です。

杉浦:猟団や狩人祭などを絡めているところはパートナーとの違いですね。

――パートナーはギルド貢献ポイントで成長しますが、パートニャーはどのような形で成長していくのでしょうか?

『モンスターハンター フロンティアG』

杉浦:ポイントではなくいろんなコンテンツと絡ませていきたいと思います。新しいコンテンツが独立しているのはあまりいいことではないので、既存コンテンツと絡めて、他のコンテンツを遊んでいる人は一石二鳥になるといったところを目指してほしいと開発にも要請しています。

――パートニャーが新規ハンター向けと考えると、G級技巧武器は既存ハンター向けのコンテンツという考え方だと感じました。

杉浦:新しい人が多く入ってくるからといって、新しいものを用意するだけでは昔から遊んでいる人には刺激が足りなくなりますからね。そこでG級技巧武器などを追加しつつ、新規・既存両ユーザーに向けたコンテンツを用意できるよう意識しています。

――G級技巧武器は今後も増えていくのでしょうか?

木本:懐かしの武器をドンドン増やしていく予定です。皆さんの愛着のある武器は何なのかを募集するかもしれません。ただ、数が膨大なのでピンポイントな形ではなく、方向性の指針を聞く形になるかと思います。

――今後もコンテンツのリファインは予定されているのでしょうか?

杉浦:リファインはつねにやっていきます。ただ、古いものに手をつけるのは、ユーザーも開発も意見が分かれるところはあります。例えば使いにくかったインターフェースを修正したとしても、修正に時間がかかると使いにくいインターフェースに慣れてしまい、よくなったのに逆に使いにくくなることもあります。そういったことはないようにチームでも話し合っています。もちろんパートニャーもリファインや追加実装を頑張りますよ。

『モンスターハンター フロンティアG』

木本:G5で実装したパートニャーについては、ハンターから多く要望が寄せられています。上述の通り、開発運営は段階的に調整を行っている状況です。7月30日にはパートニャーの同行設定におけるパートニャーランクポイントの入手について調整を行い、8月20日にはパートニャ―を含むノンプレイヤーキャラクター(NPC)の同行優先順位を任意で設定できるようにする予定です。さらにNPCを含む計4人(3人と1匹)でクエストに出発できるよう調整を進めているので、今後のパートニャーにも期待してください。

――他にも最近では、パローネがパローネ大航祭としてリファインされています。

杉浦:もともと評判の芳しくなかったコンテンツから手をつけてリファインすることが多いので、パローネはまさにその典型です。ただ、開発側の話になりますが、ぶっちゃけ過去のコンテンツをリファインするよりも新しいコンテンツを作る方が当事者は正直楽しいんですよ。でも、オンラインゲームの開発のプロならばユーザーの意見に真摯に傾けて、リファインに立ち向かう気構えがないとオンラインゲームの開発には向いていないと考えています。

――そのパローネ大航祭の評判はどうでしたか?

杉浦:まだまだこれからですけど、それでも赤点は脱出したかなと思っています。

――1回の航路の時間が調整されて遊びやすくなっていますね。

杉浦:ハンターの皆さんからすればもうちょっと複数のポイントでリファインしてくれと思うかもしれません。しかし、そうなるといつまでたってもリファイン部分を実装できないので、何段階かに分けてリファインする形を取らせてもらっています。

――ハンターと一緒にコンテンツを作り上げていくと。

杉浦:すべてのオンラインゲームで同じことができるとは思いませんが、7年間という積み重ねとハンターの皆さんとの付き合いの長さのおかげでいい関係を築けていると思います。

――ハンターからの意見で印象に残っているものはありますか?

杉浦:ハンターの皆さんからの意見で、具体的な新仕様に関する意見が出ることはあまりありません。ただ、キッカケをいただいたという意味では、ほとんどのコンテンツやリファイン内容についていただいた、印象深い意見は山ほどあります。最近のアップデートだとG1のG級システムの内容には厳しいご意見いただきました。そういう温度差を感じて大幅に修正したところがあります。

――最近ですと極限征伐戦も大きく変化しましたね。

杉浦:極限征伐戦やパローネ大航祭などの大型イベント系は、ハンターの皆さんの意見を積極的に取り入れています。コンテンツ面はゲームバランスもあるので、そのままの意見を反映できないところはありますが、イベントやサービス面はハンターの皆さんの意見がそのまま答えになっています。なので素早くその声をキャッチして、それを開発で練り上げ、イベントやサービスに取り込むことを意識しています。

■新武器・穿龍棍の反響の他、今後の『MHF-G』の展開について迫る!

――4月に実装された穿龍棍(せんりゅうこん)の反響はどうでしたか?

『モンスターハンター フロンティアG』

杉浦:予想通りですが「強すぎる!」と。ただ、新しい武器種が弱くて使われないのでは本末転倒なので、「ちょっと強いかな……」ぐらいで実装しました。

木本:当然、割りを食っている武器種もあります。そこは穿龍棍を下方修正するのではなく、他を上げていく形で調整していきたいですね。

――先日、ハンマーの調整情報が出ていました。

木本:回避からつながる攻撃を増やした他、味方を吹っ飛ばすアクションを減らしてパーティで迷惑かけにくくなる調整をしました。今後もアップデートごとにいろんな武器種にスポットを当てていきたいと思っているので、穿龍棍以外の武器も使いやすくなっていきます。

――ガンランスのシジルによる強化はどれぐらいのものになるのでしょうか?

木本:砲撃レベルの上限が6から7、8、9と強化されます。現状のレベルも底上げされて、今のレベル1が2ぐらいの強さになっているので、かなり強くなっていると思います。最近はヒートブレードのほうが使いやすくなっていますが、ガンランスなのでやっぱり砲撃も使ってもらいたいんです。

 ただ、砲撃は固定ダメージなので攻撃力が上がっていくとどんどん置いてきぼりになります。最初は攻撃力にリンクさせようかと思いましたが、さすがにそうすると砲撃の存在自体に意味がなくなってしまうので、固定ダメージですが威力を上げる調整としています。

――穿龍棍の天、嵐の型の追加はいつごろになるのでしょうか?

木本:早くて来年の春以降、G7以降になる予定です。

――穿龍棍に続く武器種の予定はありますか?

杉浦:まだ未定ですね。穿龍棍がどういう風に着地するかの経験値は積みたいと考えています。来年どういうコメントを出すか、お待ちください。

――G6アップデートについて、現状言えることがあれば教えてください。

『モンスターハンター フロンティアG』

杉浦:塔の部分をピックアップしたアップデートになっています。これはイベントというよりも、コンテンツと考えてほしいですね。この塔に上がっていくと、途中でイベントが発生したり、塔の主のようなモンスターがいたりと、長く遊べる形にしたいと思っています。今後の『MHF-G』を支える要素として、単純な大型イベントの1つではなく、1つの大きなコンテンツとして完成させたいと考えています。

――アップデートに関してまだ発表されていないことで、何かあればお願いします。

杉浦:8月20日には極限征伐戦の新要素を実装します。また、G級のバリエーションモンスターの実装を9月ごろに予定しています。

――特異個体としてエスピナス希少種とゲリョス亜種が解禁になりますが、他に増える予定はありますか?

杉浦:G5の段階では新しく追加したのはこの2体です。過去に実装した特異個体の行動バリエーションが増えているものもいますので、そちらを楽しんでいただけたらと思います。

――前回のアクラ・ジェビアやリオレウス希少種のようなイベントもあるのでしょうか。

杉浦:イナガミやガルバダオラもそうですが、PS Vitaから始めた人の目標にしていただきたいので、そこを絡めてイベントを展開していきたいですね。

――PS Vita版はテザリングにも対応して遊べるのも特徴だと思います。

木本:LTEのみの対応となりますが、スマホなどをお持ちのかたはいろいろな場所で楽しめると思います。

杉浦:ただし、通信費だけは気をつけてください(笑)。

――他社さんのゲームだとアプリと連動して何かを得られるというものがありますが、そういった施策はないのでしょうか?

杉浦:当社では『モンスターハンター』を題材としたPCブラウザゲーム『モンスターハンター メゼポルタ開拓記』やアプリゲーム『モンハン大狩猟クエスト』、『モンスターハンター エクスプロア』があるので、『フロンティア』のアプリを作るよりも、それらとどう連動するかを考えています。相互に遊んでくれた方にはインセンティブをつけるなどのコラボもしていきたいですね。

――前回だと『鬼武者Soul』とのコラボのようなイメージでしょうか?

杉浦:そうですね。もちろん、他のゲームとのコラボは今まで通りにやっていくと思いますが、最終的にはデータベース連動で何かできたらと考えています。

――『閃の軌跡II』、『どこでもいっしょ』とのコラボが発表されましたが今後のコラボ予定はありますか?

杉浦:あります……としか今の段階では言えません。毎回趣味に走っててすいませんが。(苦笑)

『モンスターハンター フロンティアG』
▲『閃の軌跡II』の主人公・リィンとヒロイン・アリサのコスチュームが登場。武器は太刀・風切と弓・プリマシューターとなっている。
『モンスターハンター フロンティアG』 『モンスターハンター フロンティアG』
▲『どこでもいっしょ』のコラボ武器として、双剣とハンマーが登場。カワイらしい武器 だが、その威力はいかに!?

――最後にハンターの皆さんに向けてメッセージの方をお願いします。

杉浦:多くのハンターの皆さんは既にG5アップデートを楽しんでいると思います。G5のアップデートは新モンスターの他に、パートニャーを楽しめる内容になっています。PS Vitaから入る人は、G級コンテンツが目の前をちらつくと思いますが、7年かけて実装したHR~SR帯のコンテンツがあります。かなりボリュームがある内容になっているので、ハンターナビも使いつつ楽しんでもらえればと。ゲームに慣れてきたころには、次のアップデートの時期になり、新しいモンスターやコンテンツの投入も予定しているので楽しみにしてください。

 “アップデートで進化するモンスターハンター”というコンセプトを掲げているように、PS Vita版が導入されてから2、3カ月後に大型アップデートがかかりますので、そこでぜひ新しいコンテンツや変わっていくさまを体感してほしいですね。

木本:もともとオンライン専用ゲームでスタートしたタイトルなので、PS Vitaで出すことが頭になかったのですが、通信環境がドンドン進化していきリリースすることができました。今まではパソコンやPS3などのプラットホームで出してきましたが、今回は携帯ゲーム機で出す機会を得たので、今後も新しい展開があるのかなと思っています。僕らも楽しみにしているので、ハンターの皆さんと一緒に楽しんでいけたらと思っています。

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データ

▼『モンスターハンター フロンティアG5 プレミアムパッケージ』
■メーカー:カプコン
■対応機種:PC
■ジャンル:アクション
■発売日:2014年7月23日
■希望小売価格:5,800円(税抜)
 
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