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2014年10月27日(月)

『新生FFXIV』パッチ2.4の見どころを吉田Pに聞く。忍者は“あらゆる要素を持っている”ジョブとして設計

文:電撃オンライン

 いよいよパッチ2.4“氷結の幻想”の配信が明日10月28日に迫る『ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア』。そのパッチ2.4について、吉田直樹プロデューサー兼ディレクターにお話を伺った。

『新生FFXIV』パッチ2.4インタビュー
▲吉田直樹プロデューサー兼ディレクター。

 パッチ2.4では、“新生”してから実装されたエンドコンテンツ“大迷宮バハムート”がついに終結する他、双剣士/忍者が新たなクラス/ジョブとして実装される。

 ラスベガスやロンドンで開催されたファンフェスティバルでは2015年春にパッチ3.0として『蒼天のイシュガルド』の発売が発表されているが、まずは直近の変化となるパッチ2.4についてお楽しみいただきたい。

→ファンフェスティバル ラスベガスでのパッチ2.4情報まとめはこちら
→ロードストーンで公開中のパッチ2.4先行パッチノートはこちら

■2.0シリーズの物語もいよいよ佳境を迎える!

――まずはパッチ2.4“氷結の幻想”で追加されるメインシナリオのコンセプトから教えてください。

『新生FFXIV』パッチ2.4インタビュー
▲パッチ2.4“氷結の幻想”のメインアート。

 パッチ2.3“エオルゼアの守護者”では人々がエオルゼアを平和にしようと動くものの、それぞれの思惑がぶつかり合ってしまい、逆に世界が混乱していく物語が語られました。今回のメインシナリオでは彼らがエオルゼアを護ろうとする本当の理由が明らかになりはじめ、それぞれが掲げる思想の部分が更に激しく衝突してゆく……という流れになります。

 現在の2.0シリーズはパッチ2.5がラストになりますが、その先にある3.0シリーズへとベースの物語は続いていきます。2.0シリーズのラストもできるだけプレイヤーの皆さんに驚いていただきたいと思っていて、パッチ2.5のメインシナリオは前編と後編の2部構成に分けてリリースしようか考えています。

――ストーリー部分も期待できる一方、同時に新クラス・ジョブである双剣士と忍者や、ハイエンドコンテンツである“大迷宮バハムート:真成編”が実装され、どのプレイヤー層にも影響の大きいパッチになりそうですね。

 『新生FFXIV』におけるコンテンツサイクルや目指すべきPvPの形は、パッチ2.3でひとまず基本形をキチンとお見せできたと思っています。その流れを知ったうえで、パッチ2.4ではコアなプレイヤーさんたちには真っ先に“真成編”へ挑戦していただきたいですし、カジュアル層の方は双剣士と忍者のレベルを上げつつ、他のコンテンツでゆっくりと遊んでもらえればと思います。新しい装備品も大量に追加されるので、流行のファッションも変わってくるんじゃないかと、皆さんのオシャレを拝見するのが楽しみです(笑)。

『新生FFXIV』パッチ2.4インタビュー
▲新クラス・双剣士
『新生FFXIV』パッチ2.4インタビュー
▲新ジョブ・忍者。忍者は双剣士レベル30と格闘士レベル15でクエストを受けてクリアすることでなれる。

――装備品と言えばパッチ2.4でアイテムレベル(以下、IL)はどこまで引き上げられる予定ですか?

 最高でIL135となる予定です。

――新しいアラガントームストーンも出るのでしょうか?

 新たに“アラガントームストーン:詩学”が週の取得制限450個で登場し、それと交換できる武器や防具が用意されます。また、それに伴い“アラガントームストーン:戦記”が制限なしで入手できるようになり、“アラガントームストーン:神話”はついに排出されなくなります。

――となると、現在“神話”で交換できるアイテムは“戦記”でのレートに置き換わるのでしょうか?

 はい。ただ、パッチ2.2のときに“神話”がそうであったように、パッチ配信からしばらくは“戦記”の排出量が、パッチ2.3の“神話”ほどにはなりません。とはいえ、当然各アイテムの交換に必要な“戦記”の個数も調整してあるので、極端に交換しづらくなることはないと思います。

――ゾディアックウェポンストーリーで古の武器・アニムスを作る際に必要な黄道十二文書の交換も“戦記”になるわけですか?

 そうなります。ちなみにゾディアックウェポンストーリーのボリュームも開始から現在の到達点であるネクサスまでかなり時間的な距離が長くなりましたので、パッチ2.4からでゾディアックウェポン制作に必要となる“アートマ”の出現確率が今よりも高くなるように調整しました。

 また、今ご質問にあった黄道十二文書の交換に必要な“戦記”の個数も“神話”と比べて少な目に調整してあります。それ以外に“極リヴァイアサン討滅戦”で手に入る水神の魔鏡、各“極蛮神戦”のレアドロップアイテムであるマウントも、手に入りやすいように調整させていただく予定です。

――ゾディアックウェポンストーリーの続編は、パッチ2.4で実装されるのでしょうか?

 しばらくの間は“真成編”で入手できる武器を頂点に置きたいので、パッチ2.4のタイミングでは入りません。

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■吉田氏がこだわった第七霊災のシナリオの真実が明らかに!

――では次にコンテンツ関連についてお伺いします。まず“真/極シヴァ討滅戦”ですが、今回のバトルはどのようなものになるのでしょうか?

 17日に公開したパッチ2.4のトレーラーを見ていただけるとある程度察してもらえると思いますが、氷なので滑りますし、マップの端に行くと落ちないけど凍ります(笑)。攻略に関しては詳しく言えませんが、滑らないように!というのは覚えておいて良いかな、と。真シヴァ討滅戦はメインシナリオ上に用意されたバトルなので、これまで通りワイワイと楽しめる作りです。

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▲パッチ2.4で実装される蛮神シヴァ。

 極シヴァ討滅戦ではILの高いアクセサリがドロップするので“詩学”を使わずに自身の平均ILを引き上げられますし、専用の武器も用意してあります。これまでの蛮神どれともまた異なるバトルですし、難しいとは思いますが、楽しめるものにしていますので、腕に覚えのある方はぜひ挑戦を。

『新生FFXIV』パッチ2.4インタビュー
▲どのようなバトルが展開されるのか、実装されてからのお楽しみ。

――続いて真成編についてですが、以前に吉田さんはかなり労力と予算を割いて作られているとお話されていました。具体的にどの部分に力を入れたのでしょう?

 全4層で構成されたダンジョンを段階的に攻略していくという、基本的な作りは変えていません。ただ、『旧FFXIV』から続く第七霊災シナリオの完結編にあたるので、3層と4層で待ち受けるボスはふさわしい敵を用意しました。

『新生FFXIV』パッチ2.4インタビュー

 僕にとって第七霊災シナリオというのは、『旧FFXIV』を引き継いでから“僕が最初に考えた、僕なりのFFらしいストーリー物語”でもあるので、その「フィナーレだけはとことんやらせてくれ」とスタッフやマネージャたちには、わがままを聴いてもらいました。

 “時代の終焉”でダラガブの中からバハムートが出現し世界を焼き尽くしたあと、「エオルゼアはなぜ新生したのか?」という謎が明かされていく部分が、しっかりとゲーム体験とつながるように作ってあります。ただ、“大迷宮バハムートというコンテンツが非常に難しいもので、最初に見られる方は限られてしまいます。パッチが進めば緩和されるといっても、最初のうちはそこへ到達できる人が少ない……ですので、コストという部分で考えると非常に悪いですね(苦笑)。

――となると、そのぶん、早期に突破した人たちにとっては満足のいくクオリティに仕上がっていそうですね。

 最速で全層踏破したパーティを皮切りに、物語の展開や結末は伝聞やネット上で広がっていくと思います。PC版のパッチ内容を解析されることもありますし、今の時代それは致し方ないことだと割り切っています。

 ですが、話を聞いたり、ネット上の動画を見たとしても、ゲーム体験の部分が抜け落ちています。僕としては今回の第七霊災編はストーリー、グラフィックス、そしてここまで辿り着くためにしてきた努力のすべて重なったときに、最も強烈に思い出として残るように、一生懸命作ったつもりです。時間はかかっても構いませんので、ぜひご自身の目で第七霊災のラストを見ていただけると、とても嬉しく思います。

『新生FFXIV』パッチ2.4インタビュー

――ちなみに“真成”という言葉にはどんな意味が込められているのでしょうか?

 “人々が知っている歴史は本当に正しいのか?”とか、“真実を知ったからといって、もそれを叫ぶことが正しいのか?”とか、歴史や真相は必ずしも綺麗なものだけではない……うーん、ネタバレしないようにお伝えするのは無理ですね(笑)。

 2.0スタート時から答えにつながるようなセリフや小物は、ジワジワと仕込んできました。『旧FFXIV』の時に時代の終焉トレーラーを観た方が、「実はネール・ヴァン・ダーナスの言動や技、そのほかクエストやNPCのセリフに、バハムートの伏線はあったよなあ」と思い返していただけたように、後からでも考察していただけるとうれしいです。

――吉田さんは最初の踏破者が出るのはいつになると思いますか?

 うーん、どうでしょう……。2層までは“侵攻編”ほどギミック山盛りにはしなかったですし、パーティ全体でしっかりダメージを出せるかどうかにかかわってきますが、アイテムレベル的にみても2週間くらいで1~2層を突破するパーティが出ると思っています。

 ただ、3層と4層は……うーん。毎回プレイヤーの方は我々の想像を飛び越えてくるので、本当は10週と言いたいのですが、おそらく7~8週の間で踏破でしょうか。それより早かったらもう「参りました」です(笑)。

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――真成編を含めたすべての大迷宮バハムートを攻略した際、特別な報酬が得られたりはしますか?

 やはりまずはアチーブメントでしょうか。これを超える名誉はしばらくないと思います。また真成編の報酬はアラガンシリーズではなく、まさしく“バハムート”の名前がついた装備品になります。最初のうちはかなり目立つと思いますのでぜひ手に入れてくださいよ。

――大迷宮バハムート零式も真成編では同時に実装されるんでしょうか?

 いえ、おそらく入れるとしてもパッチ2.5ですね。ただ、3.0シリーズから実装される新しいレイドに関しては、最初から難易度を幾つか考えられたら……という話も少し出ています。でも、やれるかどうかについては現在は通常の難易度を仕様作成中なので、まったくお約束できません。今はまだネタだと思っておいてください(笑)。

――侵攻編の緩和に関してはパッチ2.4から行われていくのでしょうか?

 それもパッチ2.2と同じ流れを予定していて、まず最初の段階では8人でパーティを組んでいれば、コンテンツファインダーを使っていつでも挑戦できるようになります。それから約2週間経過後に“超える力”の適用と、ギミック調整を行っていきます。

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■あらゆる役割をこなす“忍者”を扱うには相応の訓練が必要に!?

――次はおそらくパッチ2.4最大の目玉である新クラス・ジョブの双剣士と忍者ですが、モンクや竜騎士といった既存のメレー(近接武器)DPSと比較して、忍者はどういった立ち位置になるでしょう?

 東京ゲームショウ2014のときに放送したプロデューサーレターLIVEでも少し触れましたが、基本的に“あらゆる要素を持っている”というジョブです。スタンや沈黙の効果はもちろん、他人へのTP回復も可能で、方向指定のないウェポンスキルコンボ、DoT(継続)ダメージ、2種類のセルフバフを使い、それに加えて“忍術”を扱います。

『新生FFXIV』パッチ2.4インタビュー

 さらにステルス状態からの“不意打ち”“だまし打ち”などはウェポンスキルの威力が500とアクションヘルプに書かれていたり……。

――威力500ですか!? 他の攻撃アクションと比べても最高値の威力ですね。

 なお、忍術について詳しくご説明すると“忍術”というアクション自体は1つだけですが、“天の印”、“地の印”、“人の印”といった3つの“印”の組み合わせによって、発動する忍術が変化するというシステムになっています。

 忍者にジョブチェンジ可能になった段階では、結べる“印”は1つだけですが、2つ目の“印”を習得した瞬間に、発動可能な忍術の種類が4つにまで増えます。また、印を結んでいる最中に他のアクションを使ってしまうとペナルティが発生してしまいますが、これに関してはちょっとしたネタを仕込んであるので、ぜひ一度は失敗してみてください(笑)。

 他のジョブよりもユニークなものとして、双剣士の時に使う毒は、単に自身の攻撃力を上昇させるバフなのですが、レベルが上がると効果が変わってきます。具体的には“喉斬り”などのアクションに付随する効果が変化し、“蜂毒”を使っている時は沈黙、“蛇毒”の場合はスタンといったように、シチュエーションによって毒の切り替えを行う場面も出てきます。おそらく、これまでのオンラインゲームでは、経験できなかった、新しいタイプのジョブになったと思います。

『新生FFXIV』パッチ2.4インタビュー

――ものすごく忙しいジョブになりそうですが、“印”を結んでいる最中にオートアタックは発動するのでしょうか?

 はい、ちゃんと攻撃します。ただ、印のリキャストは0.5秒ですので、あまりオートアタックを意識しなくても大丈夫だと思います。

――ちなみに双剣士や忍者以外の新クラス・ジョブのヒントが、10月17日に発売された公式アートブックに収録されているというお話が以前ありましたが……。

 アートブックのなかには『旧FFXIV』の初期の頃から現在に至るまでのものをすべてまとめてあるので、ご覧いただくと「次の武器は、もしかしてこれか!?」といった感じで想像がつくかもしれませんね(笑)。

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■“今とその先”のどちらも楽しめる期間にしたい

――ここからは細かい点をいくつかお聞きできればと思います。まず、グランドカンパニーでの新しい階級はいつぐらいに開放されるのでしょうか?

『新生FFXIV』パッチ2.4インタビュー

 いつやろうかすごく悩んでいて、どうしてもコンテンツの実装を優先してしまうので、コスト的に優先順位は低くなってしまうのです……。軍票の上限数を上げるだけでも、早めにやりたいなとは思っています。

――“モブハント”の拡張は予定されていますか?

 新たなトームストーンで得ることになる“詩学装備”も“戦記装備”と同様に、強化の仕組みを取り入れてあります。その際に使う強化アイテムも、パッチが進めば同盟記章で交換できるようになるかもしれません。今予定しているのはそれくらいで、新しいリスキーモブの追加などは、3.0シリーズに向けてという感じでしょうか。

――ヒルディブランド関連のクエストで登場した“ギルガメッシュ討伐戦”の真や極に該当するものは考えていらっしゃいますか?

 “真”とか“極”のように、難しいのは……みんなが遊べて楽しめるのがヒルディかなと。やるなら“珍”とか“愛”とかの方が……(笑)。パッチ2.4で追加される事件屋クエストで、オルトロスとテュポーンが登場するので、まずそこを次回予告も含めて楽しんでください。ヒルディブランドたちの物語もパッチ2.5に向かって大詰めですので、ぜひ引き続きご声援ください。

『新生FFXIV』パッチ2.4インタビュー
▲『旧FFXIV』からの人気コンテンツ・事件屋クエスト。残念ながらパッチ2.5で物語は終結するが……。
『新生FFXIV』パッチ2.4インタビュー
▲クエストを進めていくとオルトロス&テュポーンとのバトルが待っている。

――エキスパートダンジョンは、パッチ2.4で追加される3つの新規ダンジョンに置き換わるのでしょうか?

 はい。パッチ2.3で追加したダンジョンはある程度ランダム性のあるボスが登場し、今回もその辺りは緩急織り交ぜたボスたちになっています。

――トレーラーではフェンリルやクラーケンといったボスが印象的でした。

 なぜクラーケンが“逆襲要害 サスタシャ浸食洞”に登場するかは、とあるNPCのセリフにご注目ください。“財宝伝説 ハルブレーカー・アイル”では途中で逃げてしまったクラーケンですが、今回はちゃんと決着をつけられます。フェンリルに関しては、せっかくシヴァがメインのパッチなので、氷を象徴としたモンスターを使いたいと考え、出し惜しみしてタイミングを逃すくらいならここで登場させてしまおうという判断に至りました。

――同じMMORPGの『FFXI』では召喚獣だったので とても驚きました。

 仮にフェンリルを蛮神として出したとしても姿がシンプルなので、特徴のあるバトルが作りづらいというのもありました。その代わりシンプルですが、カッコいいモデルに仕上がっていますので、ぜひそこにもご注目ください。

『新生FFXIV』パッチ2.4インタビュー
▲新ID・スノークロークでボスとして登場するフェンリル。
『新生FFXIV』パッチ2.4インタビュー
▲どのような攻撃をしてくるのか?

――分解スキルの上限値は上がりますか?

 現状でもスキル300まで上げきるのは大変だと思っていますので開放はまだ先です。ただ、中途半端に上がってしまっているスキル値を下げるアイテムを用意させていただきますので、調整はしやすくなると思います。クラフター関連はほかにもいわゆる“新式3”と呼ばれる装備郡が追加され、また経済が大きく動くと予想しています。

――PvPランクの上限が開放されるとのことですが、新しい専用装備も追加されるのでし

ょうか?

 ILの高い装備品が出ますが、デザインに関してはアニマル装備の延長線上になります。PvP関連は他にも細かい調整が数多くありますので、こちらもご注目ください。

――では最後に、今後の『新生FFXIV』の展望についてメッセージをお願いします。

 いよいよ『新生FFXIV』初となる拡張ディスク3.0の全貌が“FINAL FANTASY XIV FAN FESTIVAL 2014”で明らかになっていきます。世界三都市の締めくくりとなる、東京でのファンフェスにぜひご注目ください。

 パッチ2.4はもちろんのこと、パッチ2.5では“クリスタルタワー”のシナリオがフィナーレを迎えたり、いよいよ“ゴールドソーサー”が登場したりなど、メインシナリオ以外での目玉も用意してありますので“パッチ2.0シリーズという今”と”その先にある3.0シリーズ”、どちらも楽しんでいただけるような今後にしたいと思っています。引き続きもどうぞよろしくお願いいたします。

――本日はありがとうございました!

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