2014年10月30日(木)
本日10月30日から正式サービスがスタートするX-LEGEND ENTERTAINMENT JAPANのハンティングファンタジーMMOPRG『ハンターヒーロー -HUNTER HERO-』(以下、『ハンターヒーロー』)。本作の開発ディレクター・歐彦廷氏に、本作ならではの魅力や開発コンセプトなどについて、緊急インタビューを行った。今後のアップデートの方向性なども聞いてきたので、これから『ハンターヒーロー』を始める人は要チェック!
●開発ディレクター:歐彦廷(オウ・イェンティン)
『ハンターヒーロー』の開発ディレクターとして、企画やゲーム内調整、人員管理にまで携わる。ゲームシステムやUIデザインを得意とし、これまでに『PRIDE OF SOUL -舞翔伝-』などの開発を手掛けている。今後は、『ハンターヒーロー』のアクション性と『幻想神域』のアニメチックなビジュアルという、2つの要素を生かしたゲームを作っていきたいと考えているという。
――新しく日本でサービスが始まる『ハンターヒーロー』ですが、台湾ではどのくらい人気のあるタイトルなのでしょうか。
歐彦廷氏(以下、歐):弊社がサービスしている『幻想神域』は、台湾ではライトなカジュアルユーザーに支持されています。これに対して、『ハンターヒーロー』はアクション性や操作性が高めのため、コアゲーマーの方たちに多く遊んでいただいているようです。
――『幻想神域』とはユーザー層が違う傾向とのことですが、そもそもの『ハンターヒーロー』の開発コンセプトは?
歐:手軽に遊べるけれど、アクション性の高さを楽しんでもらえるというタイトルを目指して開発しました。やり応えを感じて、どっぷりハマってもらえるとうれしいです。
――キャラクターがかわいらしくて、すごく魅力的に見えるのですが、デザイン時の苦労話などはありますか?
歐:弊社が手掛けた他のタイトルとは違ったビジュアルを目指しました。そこで、キャラクターの頭身を縮めて、3~4頭身くらいに見えるようデザインしています。日本で人気のアクションフィギュア『ねんどろいど』のようなイメージです。顔や髪の造形については、これを参考にした部分もあります。モーションもしっかりと作り込んでいるので、ぜひチェックしていただきたいですね。
――実際にプレイさせていただいて、「細かな部分までよく動くなぁ」と感じました。
歐:ゲームプランナーとグラフィックデザイナーの間で、かなり激しいやり取りがあったようです(笑)。グラフィックデザイナーはきれいで見栄えのいいモーションにしたいと考えているのですが、そのままゲームに採用すると、すごく時間の掛かるモーションになってしまうんです。これだと、操作性や爽快感が損なわれてしまうので、そのバランスを取るのが大変でした。
――小刻みな操作で、キャラクターがしっかりと反応してくれるみたいなアクション性を想定されていたのでしょうか?
歐:応答性の高い動きが大事だと考えたので、最初にさまざまな効果のスキルを考えてから、それぞれのスキルに合わせたモーションを設定しました。爽快感を演出するには短いモーションしか入れられないのですが、派手だけれど時間が長いモーションは、特別な大技となるスキルに割り振っています。
――いろいろなモンスターがいて、多種多様な姿をしているのも興味深かったです。どれくらいの種類がいるのでしょうか?
歐:既に300種類くらいのモンスターを制作していますが、現在ゲームに実装しているのは半分くらいです。今後、マップやダンジョンの追加に合わせて実装していきます。
――すべてのモンスターを自分の騎乗ペットにすることが可能とのことですが、その狙いについて教えてください。
歐:カジュアルな雰囲気のゲームですので、単純に倒す・殺すというよりは、「自分の仲間にできるほうが楽しいのでは?」と考えました。最初は、キャラクターの冒険パートナーとなる“ブブリ”がモンスターに騎乗できるようにするつもりだったのですが、「ちょっとおかしいかな?」と思って、プレイヤーキャラクターが騎乗できるように変更しました。
――ボスモンスターなどの場合、騎乗するための“ホイッスル”を手に入れるのも大変だと思いますが、珍しい騎乗ペットを手に入れて自慢するのも楽しそうです。
歐:ボスモンスターのホイッスルは、一般のモンスターの場合と違って紫色(対人専用)品質のレアアイテムとなっています。それと、ボスモンスターをペットにしても、普通のマップでは騎乗することができません。大きすぎるので、皆が乗るとマップがいっぱいになってしまいます(笑)。
その代わり、専用のPvPマップでボスモンスターに騎乗できるようにしました。この時は、ボスモンスターだけが持つ専用スキルを使って戦えますよ。
――日本では、ハンティングアクションの本家とも言える人気シリーズの新作が発売されたばかりなのですが、そのシリーズとは違う本作ならではの特徴はありますか?
歐:台湾では携帯型ゲーム機があまり普及していませんが、開発チームは全員、そのシリーズの大ファンです(笑)。ただ、とても難しいシリーズなので、『ハンターヒーロー』はそれとは違う、誰でも手軽に遊べるゲームを目指しました。ガールフレンドと一緒に遊ぶ時に、「もうやだー!」と言われないよう開発しています(笑)。ターゲット方式とノンターゲット方式の、どちらか好きなやり方で戦えるので、初心者でもしっかり楽しめます。
――プレイヤーの冒険パートナーとして登場するブブリですが、動物のようでいて人間型という、不思議な生き物ですね。
歐:ただの動物だとリアルすぎるので(笑)、ファンタジーらしく“ゆるキャラ”ぽいウサギちゃんのデザインにしました。ゲームの世界の中で、一緒に冒険しているという生活感を感じてもらえるとうれしいです。
――ブブリも、クラスがきちんと分かれていて役割分担ができるということで、そういった育成要素も楽しそうです。
歐:ダンジョンで待つ敵の種類に合わせて、ブブリのジョブをチェンジしたり、好きなタイミングで武器を変えたりすることができます。戦略の一部として楽しんでいただきたいですね。
――キャラクターの育成ですが、レベル上限はいくつになるのでしょうか?
歐:先行テストではレベル30まででしたが、オープンβサービスではレベル50になりました。正式サービスも同じです。ちなみに、台湾も現在はレベル50までとなっています。
――キャラクターが成長していくと、やはり多種多様なスキルが使えるようになるのでしょうか。
歐:レベル20台前半で8種類のスキルが使えるようになります。レベル30からは“スキル強化システム”が利用可能になり、それぞれのスキルの性能をカスタマイズできるようになります。例えば、クールタイムを短くしたり、追加効果を付けたりすることが可能です。これによって、自分のキャラクターをより個性的に成長させられます
――同じクラスでも、違った性能のスキルを操れるようになるわけですか。それは他のオンラインゲームにはあまりない特徴ですね。台湾では、どんなカスタマイズが人気ですか?
歐:クラスによって違いはありますが、皆が好きなのはクリティカルのダメージ量をアップすることですね。やはり、一撃のダメージが最大になると気持ちいいですから(笑)。また、あるサーバーで有名なプレイヤーが、自分がどんなスキルのカスタマイズをしているかを公開したところ、皆がマネしてしまうといったこともありました(笑)。
――クラスごとに2種類の武器が用意されていますよね。それぞれの武器の種類の中で、いろんなバリエーションがあるのでしょうか?
歐:4つの職業で2種類ずつの武器があるのですが、上位クラスでは各武器に特化した戦闘スタイルへ移行します。初期職業で使い比べができるので、育成ルートを見極めて成長させてほしいのですが、「やっぱりちょっと違うな」と感じたら、いつでもクラスを切り替えることができます。武器のバリエーションについては、それぞれがモンスターの外見をモチーフにしてデザインしています。ボスモンスターを倒して素材を集めれば、そのボスならではの武器が作成できます。
――通常の装備アイテムとは別に、ファッションを楽しむためのアバターアイテムもあるのでしょうか。
歐:アバターには大きく分けて2つのカテゴリーがあって、ゲームの中で特定のボスモンスターを倒して入手するもの、それとアイテムモールで購入するものとなっています。1つのボスモンスターからは、3種類のアバターアイテムが手に入ります。こちらは現在、30種類くらいが実装されています。アイテムモールでは、かわいらしいアバターアイテムを中心に、順次販売する予定です。「カッコイイ!」というアバターも作ってみたいですね。
――アバターアイテムも3Dモデルなので、制作には手間が掛かると思うのですが?
歐:手間というより、スケジュールのプレッシャーがキツイですね(笑)。販売後には、すぐにユーザーの反応をまとめて、次のアバターのデザインを始めなければなりません。デザインを変えたり、調整を加えたり……。
――台湾では、ユーザーから「こんなアバターを作って!」という要望は多いですか?
歐:掲示板などで提案してくれる方も多いのですが、すべてのユーザーが歓迎してくれるものなのか、一部の支持しか得られないものなのかを見極めるのが大変です(笑)。もちろん、参考にはさせていただいていますが。
――今後のアップデートで、日本向けにデザインしたアバターなどを用意する予定はありますか?
歐:もともと、台湾のユーザーが「日本大好き!」という嗜好なので、和風のアバターも既にあるんです。今後、日本の運営チームから提案があれば、ぜひ前向きに検討させていただきます。
――パーティプレイは最大5人とのことですが、クラスごとの役割分担などの要素が意外にあって、戦略性が非常に高いと感じました。その辺は狙った通りでしょうか?
歐:各クラスの設計については、それぞれの特徴をハッキリさせています。けれど、ゲーム全体のバランスについては、特定のクラスがいないとダンジョンに行けないということが発生しないように調整しています。
――ボスモンスターが攻撃スキルを発動する際は、ダメージが発生する特定のエリアが赤く明示されますよね。このシステムを採用したきっかけを教えてください。
歐:アクション性が高い他のゲームだと、ボスの攻撃で全員が一斉に倒れてしまうといったことが起こります。でも、『ハンターヒーロー』ではより手軽にプレイできるよう、赤いダメージゾーンを表示してわかりやすくしています。ただし、ボスモンスターはスキルを発動する前に特定の仕草を見せますから、コアゲーマーの方ならそれを見極めて対処するのもオススメです。
――エリアがクッキリと表示されていることで、スキル攻撃を食らっても「自分がミスしたんだ」と納得できます(笑)。
歐:今後のアップデートでは、超高難易度のモードも実装予定です。このモードでは、ダメージゾーンの表示を一切なくします! 操作に慣れたら、ぜひチャレンジしてください(笑)。
――ゲームのアップデートについて、台湾で開発したものがすぐに日本で実装できるような体制になっているのでしょうか。
歐:台湾での実装後、プレイヤーの意見をいただいて内容の調整や改善を行い、安定した状態のものを実装できるようにしています。
――ボスモンスター戦では、相手も強いけれど、頑張ればきちんと倒せるといった絶妙のバランスになっていると感じました。バランス調整の難しさについて教えてください。
歐:やはり、時間を掛けてデータを分析する必要があり、それが非常に大変です。プレイヤーからの意見も大いに参考にしています。また、社内で上手いプレイヤーと下手なプレイヤーを集めて、テストプレイを行っています。簡単になりすぎず、でもきちんとクリアできるというのが理想ですね。
――『ハンターヒーロー』はグラフィック全体が非常にきれいなのですが、エリアごとの風景の違いもおもしろいですね。冒険できるエリアはどれくらいあるのでしょうか?
歐:ダンジョンは15カ所くらい、フィールドマップは16種類です。
――フィールドマップでは、親子のような大小さまざまなモンスターを見かけました。1体を攻撃すると、他のモンスターが反応してバトルに参加してくるのにも驚きました。
歐:『ハンターヒーロー』では生活感というものを重視しているので、モンスターの生態なども工夫しています。
――モンスターの頭の上にフキダシがあって、食事をしているとか、眠っているとかのアイコンが出ますよね。
歐:モンスターがそこで生きているという、1つの演出だと考えてください(笑)。
――アイテムの強化や自動移動アシスト機能など、他のMMORPGにあるようなシステムは「何でもあるな」と感じました。かなり欲張りなタイトルですね(笑)。
歐:よりいいゲームを作りたいので、いろんなタイトルを参考にしながら、よりいいシステムに改良して実装しています。
――表情の変化やダンスエモーションの感情表現なども多彩ですね。プレイヤー同士のコミュニケーションが捗りそうです。
歐:ゲームの中で生きているという雰囲気を出すために、いろんなエモーションを用意しました。モーションキャプチャでさまざまな動きを制作したのですが、服の動きなどをキャラクターに合わせるのが大変でした。
――皆が集まると楽しい、特別な場所というものはゲームの中にありますか?
歐:やはり、ギルドタウンでしょうか。同じギルドのメンバーが集まる場所には、そこでしかできないイベントなどもあります。ボスモンスターの召喚とか、そこでしか討伐できないスペシャルなモンスターとか……。皆が一緒に楽しめるコンテンツを用意しています。
――『ハンターヒーロー』に期待している日本のPCゲームファンも多いのですが、どんな人にプレイしてもらいたいですか?
歐:できれば、すべての人にプレイしていただきたいですが(笑)、カジュアルユーザーだけでなく、やはりコアゲーマーの方にも遊んでいただきたいです。会社から帰って毎日ログインしてくれる熱心なサラリーマンの方や、オンラインでコミュニケーションするのが大好きというOLさんたちに遊んでいただければ幸いです。
――最後に、本作のアピールポイントをあらためてご紹介ください。日本のゲームファンへのメッセージもお願いします。
歐:『ハンターヒーロー』は、楽しく狩り生活を送ることができるオンラインゲームです。ボスモンスター退治の達成感を味わいながら、このゲームで仲間とのいい思い出を作ってもらいたいと思います。日本は非常にいいマーケットでもありますので、プレイヤーの皆さんにたくさんの意見をいただき、今後の開発に生かしていきたいと考えています。ぜひ、一度遊んでみてください。
――本日はありがとうございました。
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