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2014年11月6日(木)

『CoD AW』はエグゾの登場でどう変わる? レビューでエネルギー兵器の使用感を評価

文:喜一

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『コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
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 スクウェア・エニックスが11月13日に発売するPS4/PS3/Xbox One/Xbox 360/PC用ソフト『コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア(CoD AW)』のレビューをお届けする。

『コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア』

 本作は、2054年の近未来を舞台に繰り広げられる戦闘が魅力となっている他、新たに強化外骨格“エグゾスケルトン”や最新鋭の武装、ガジェット、戦闘車輌などが登場する。これらの装備による戦闘の近未来化で、これまでの『CoD』シリーズとは一味違う戦略の組み立て方などが重要になるだろう。

 このレビューでは、戦略の組み立て方や最新鋭の武装であるエネルギー兵器、各マップなどに注目していきたい。

■近未来の戦場に変わり、新たな戦術を求められるように

 前作『CoD:ゴースト』より大幅にテクノロジーが進化した本作。もちろん戦闘でもそれを感じることができる。実際にプレイしてみて、エグゾを用いた戦闘はとにかく速いということを感じた。これまでの『CoD』シリーズとはまったく違う戦術が求められるだろう。

 戦闘のスピードが速いというだけで、プレイヤーに求められることはいくつかある。まず、エグゾを使用した立体的な動きが加わり、上からの奇襲などが可能となった。これにより従来の戦闘よりも判断の早さが求められる。

『コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア』

 そして、この早さとあわせて戦闘で重要となるのは、戦闘前のカスタマイズで7種類のうち1つを選択することになるエグゾのアビリティだ。エグゾは、バッテリーさえあれば戦闘中にL1ボタン(PS4版)を押すことでいつでも使用可能だ。これを利用することで戦闘が有利に進められる。7種類のアビリティは以下の通り。

・Exoシールド

 腕部のエグゾに格納されたシールドを展開して攻撃を防ぐ。

・Exoオーバークロック

 一時的にブースト加速できる。

・Exoミュートデバイス

 移動音を消すことができる。

・Exoスティム

 一時的に体力を通常より増加させる。

・Exoクローク

 一定時間、姿を消すことが可能になる。

・Exoホバー

 一定時間の滞空が可能になる。

・Exoソナー

 敵のエグゾ使用や武器の使用状況をHUD(ヘッドマウントディスプレイ)に表示する。

 どれを選ぶか迷いがちになるが、最初は長所を伸ばしていくスタイルがいいと感じた。例えばサブマシンガンを使用する際には、Exoオーバークロックでさらに素早い動きを実現可能だ。ヘビーウェポンを使用する際には、Exoシールドで回避行動の貧弱さをカバーすることもできる。

『コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア』
▲シールド展開中は銃を撃てない。

 これらの基本行動を補佐してくれるアビリティに慣れてきたら、次は少し変わったアビリティの使い方を模索していくのがいいかもしれない。ちなみに筆者が使用しておもしろいと感じたのはExoクロークだ。完全に消えるとまではいかないが、目を凝らさないと気づかないレベルまで透明化できるので、裏取りや待ち伏せ、逃走にも使える。

 結論として、筆者は武器や装備が技術的に進歩することで、戦場の近未来化を強く感じた。近未来兵器の登場によって、戦場ではプレイヤー自身のスキルがこれまで以上に求められそうだ。加えて、いくら装備が発達しようともそれに頼りすぎてはいけないということを考えさせられもした。

 戦術面では、とれる行動が増えた印象だ。エグゾやエネルギー兵器の登場で、戦術に幅を持たせることができるだろう。これが正解という動きは存在しないが、本作ではエグゾが重要な要素になることは間違いないと思う。これまでの戦術に固執しないで柔軟にスタイルを変えていくのが、勝利をつかむカギなのではないかと感じた。

『コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア』
▲最先端のテクノロジーを用いた戦闘では、待ち伏せなども通用しないだろう。

■話題のRW-1、エネルギー兵器の使用感は?

 ここでは最新鋭の武装に触れていきたい。ワンショットキルが可能なピストルRW-1と、各エネルギー兵器の使用感などをお伝えする。

●ピストル:RW-1

 発売前から話題になっているRW-1を実際に使ってみたが、一長一短といった感じだ。好感触だったのは、そのダメージ。1発装填のため連射はできないが、当たればほぼ確実に相手をキルできる。

 また、扱いを難しく感じた点もあった。装填数が1発なので、外してはいけないという緊張感がつねに付きまとう。加えて、弾を外した際のリロードに約2秒ほどかかった。ハンドガン系の武器としては、単発でリロード時間を要するのは致命的だろう。

 RW-1は初心者にはあまりオススメできないが、逆にaiming(自分が狙ったところに弾を当てること)がうまい中~上級者にはオススメできる武器だと感じた。

●ショットガン:Tac19

 Tac19は、ショットガンに分類される指向性エネルギー兵器だ。装填数は6、予備弾数は18。この武器は、弾のかわりにエネルギーを撃ち出すというもの。性能を最大限に生かせるのは、通常のショットガンと同じ近~中距離だ。個人的には、Exoオーバークロックと合わせての運用のがしっくりときた。

●スナイパーライフル:MORS

 MORSは、スナイパーライフル型のレールガンだ。装填数は1発、予備弾数は23。筆者が使用して感じたのは、根本的にスナイパーライフルの扱いが非常に難しくなったことだ。なぜならば、エグゾの登場でプレイヤーの動きが早くなっているため、単純に狙いが定まらなく、安定して敵を倒すことが難しい。

 MORSはリロードがボルトアクション式と同一で、連射はできない。だが、命中率と安定感は他のスナイパーライフルと比べても高いと感じた。

●ヘビーウェポン:EM1

 EM1は弾薬を必要としないエネルギー兵器で、細いレーザーを照射することができる。弾薬のかわりにゲージのようなものが存在し、このゲージが限界点に達してしまうとオーバーヒートして、一時的に使用不可能になる。照射し続けられる時間は約8秒で、オーバーヒートさせた場合にも同じく約8秒ほどのクールダウンが必要となる。弾切れがないという特長を生かすことが重要な武器だ。

●ヘビーウェポン:EPM3

 こちらも弾薬を必要としないエネルギー兵器だ。MORSの連射できるバージョンと考えてもらいたい。筆者調べだが、オーバーヒートに至るまでの連射可能回数は15発ほどで、クールダウンには5~6秒を要する。

 タイミングよく連射すれば、ほぼ永久的に撃っていられる武器なのでプレッシャーを与えやすい。さらに、連射が可能なので近距離戦にも対応している。よく言えば万能であり、悪く言えば器用貧乏。かなり扱いが難しい武器だったので、まずは運用方法を模索するところから始めてみよう。

■エグゾを利用したマップでの立ち回り

 エグゾの登場で特に気をつけたいのがマップの立ち回りだ。本作のマップはエグゾのジャンプを利用する高低差がキモとなっている。ここではマップの高低差を利用した立ち回りについて考えていきたい。

 まず、マップでの立ち回りで優位に立ちたいならば基本的に“上”をとることを意識しよう。前提として、FPSというジャンルでポジション取りは上級者との差を埋める1つの技術でもある。なぜ、上をとることに意味があるかというと、索敵範囲を狭めることで撃ち合いを有利に進められるからだ。単純に地上を歩きながら、上・前後左右を確認しているプレイヤー、上から下のみを狙うプレイヤー、どちらが有利かは明確だ。

『コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア』

 加えて、下から上のプレイヤーと撃ち合うには照準(クロスヘア)を上に向けなくてはならない。これはFPSの瞬間的な撃ち合いにおいて、圧倒的不利を生む時間だ。一方、上から下を狙うプレイヤーは下に意識を集中しておけばいい。1番高いポジションをとれば上を気にする必要はないからだ。これだけでも上をとることの強さがわかったと思う。次は上をとられた場合の立ち回りに注目していきたい。

『コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア』

 「上級者が上から狙ってきたら詰みじゃない?」と思ったあなた、頭を柔らかくして考えていこう。まず、予想することが大事だ。近くの高台に敵がいるとわかりながら撃ち合いを仕掛けるのは、流石によろしくない。ではどうすればいいのか。

 筆者が思いついたのは“投擲物(グレネード、フラッシュなど)を投げる”と“エグゾのアビリティを利用した接近”だ。もし高所に敵がいると予想できるのなら、グレネードなどで牽制してみよう。うまくいけば敵を倒せるし、もしかしたら驚いて高所から降りてくるかもしれない。とにかく相手が何かリアクションをしたら、そこが狙い目になる。

『コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア』
▲ドローンなどを使ってみるのもいいかもしれない。

 また、エグゾのアビリティを利用するという手もある。比較的安全なのは、Exoクロークで気づかれないように接近することだ。腕に自信があるのならば、Exoオーバークロックで敵に的を絞らせないように動いて、撃ち合いを制することができるかもしれない。

 これ以外にもさまざまな立ち回りが存在するだろうが、まずはこういった誰でもできそうな方法で攻めてみるのもいいだろう。システムや装備に慣れてきたら各マップでプレイを重ねて、新たな立ち回りを発見するのもFPSの楽しみだ。

■戦場が近未来化された『CoD AW』の魅力とは?

 さまざまな新要素の追加で、これまでの『CoD』とはまったく違うものになってしまったと心配したファンもいるかもしれない。だが、安心してほしい。撃ち合いの楽しさや出会いがしらの緊張感など『CoD』らしさを残しつつ、新たな試みを行っているのだと実感できた。

 また、本作を語るうえで無視できないのはキャンペーンモードだ。戦闘が近未来化された背景や、さまざまな登場人物たちが織り成す物語を楽しめる。さらにエグゾの操作方法をはじめ、普段の戦闘で役立つ知識も得られる。まずは、キャンペーンモードをプレイして魅力を感じてほしいというのが筆者の抱いた感想である。

 結局、どこが一番の魅力かと聞かれたら、エグゾや新武装などの“近未来”というスパイスを加えつつ、しっかりと『CoD』らしい遊びを楽しめる作品に仕上がっている点だろう。

『コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア』
▲キャンペーンのワンシーン。異常な大きさの強化外骨格(?)のようだが……。

(C)2014 Activision Publishing, Inc. ACTIVISION, CALL OF DUTY, and CALL OF DUTY ADVANCED WARFARE are trademarks of Activision Publishing, Inc.

データ

▼『コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア(字幕版)』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:PC
■ジャンル:FPS
■発売日:2014年11月13日
■価格:オープン
 
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▼『コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア(字幕版)限定版』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:PS4/PS3/Xbox One/Xbox 360
■ジャンル:FPS
■発売日:2014年11月13日
■価格:8,800円(税込)
 
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▼『Xbox One コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア リミテッド エディション』
■メーカー:日本マイクロソフト
■対応機種:Xbox One
■発売日:2014年11月13日
■価格:49,980円+税
▼『Xbox One ワイヤレス コントローラー(コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア)』
■メーカー:日本マイクロソフト
■対応機種:Xbox One
■発売日:2014年11月13日
■価格:6,980円+税
▼『Xbox Live 12ヶ月+1ヶ月 ゴールド メンバーシップ コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア バージョン』
■メーカー:日本マイクロソフト
■対応機種:Xbox One/Xbox 360
■発売日:2014年11月13日
■価格:4,980円+税

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