2014年12月2日(火)
11月30日、東京・代々木第一体育館にて『アイドルマスター シンデレラガールズ』のライブイベント“THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 2ndLIVE PARTY MAGIC!!”が開始された。本記事ではフォトレポートに続き詳細なライブ内容をお伝えしていく。なお、出演者やセットリストについてはフォトレポート記事を参照してほしい。
『シンデレラガールズ』はゲーム開始から3周年を迎え、そして1月よりついにTVアニメ放映が開始される。アニメ開始直前に行われるライブとあって、ライブ開始前から会場内外はプロデューサーたちの緊張感、期待感がヒシヒシ伝わってきた。ライブ出演者は先立って21名であることが伝えられており『シンデレラガールズ』チームとしてはフルメンバーではない。しかし“このライブは何かあるんじゃないか”という言葉にならない雰囲気が会場を支配していた。
代々木第一体育館は約1万3000人を収容できる中規模の会場で、今回のステージは、花道と客席中央の円形サブステージも設けられている。花道やサブステージと客席の距離は非常に近く、どの座席でもアイドル達の姿を観やすい構成だ。また、会場に来られないプロデューサーのために全国の映画館にてライブビューイングも実施されている。ライブビューイングは韓国でもゲーム版『シンデレラガールズ』が提供されることを受けて、韓国現地のMEGABOX COEXでも行われていた。
ライブ開始の時刻となると、まず星輝子(松田さん)からアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』で使うライブ会場の音声収録を行なう旨が伝えられた。観客たちは、思い思いにざわつきと歓声を上げて協力していた。
そしてスクリーンに映し出されたのはゲームでお馴染みの事務員、ちひろさんだ。765プロの社長やプロデューサーと同様にシルエット姿だが、ちひろさんは緑のスーツを着ている。つまり765プロの面々は……と邪念が頭よぎる。
スクリーンにはシンデレラをモチーフとした時計とガラスの靴が映し出され、いよいよライブ会場が魔法に掛かる時がやってきた。魔法を掛けるのは魔女ではなく21人のアイドルたち。1曲目は『シンデレラガールズ』のテーマ曲といえる『お願い!シンデレラ』だ。1曲目でプロデューサーたちをライブの魔法を掛けると、ステージには11人が残り2曲目の『We’re the friends!』と続く。
▲『お願い!シンデレラ』 | ▲『We’re the friends!』 |
3曲目からのソロコーナーは、大橋さんの『S(mile)ING!』がトップバッターだ。今年4月に開催されたシンデレラガールズ1stライブをはじめ、各種イベントでも歌われてきたおなじみの曲が多いこともあり、アイドルもプロデューサーも盛りあげどころは把握済み。ここで息が合うかどうかで、ライブに参加したプロデューサーの練度がわかるというもの。
『TOKIMEKIエスカレート』間奏部ではアルファベットをポーズで表現するTOKIMEKIポーズ(YMCY風の振り付け)では「T・O・K! トーキーメーキ! M・E・K! トーキーメーキ!」とコール&レスポンスがバッチリで、これには佳村さんも嬉しかったそうだ。
▲『S(mile)ING!』 | ▲『TOKIMEKIエスカレート』 |
おなじみの曲ながら『DOKIDOKIリズム』では新たなチャレンジが試みられており、歌詞にある「助けてお姉ちゃん」の部分では、ステージに姉・美嘉(佳村さん)が本当に登場して決めポーズ&ハイタッチ! 今までのライブでは助けにこれなかったけど、今夜のステージでついに実現した!
『Twilight Sky』のギターソロパートでは、青木さんが膝立ちしての“吹っ切れた”エアギターを披露。「李衣菜がクールな振りをしてる」なんて誰が言ってるのか言語同断、これ以上ないロックなアイドルがそこにいた。
▲『DOKIDOKIリズム』 |
▲『Twilight Sky』 | ▲『ミツボシ☆☆★』 |
6曲目の『絶対特権主張しますっ!』はライブ初披露となるハイテンション曲! ソロ曲でノリの良い曲が連続してからの本曲が続き、元気なパッション勢が4人集まり小気味よいライム(韻)の応酬を浴びせる。激しいセットリストでプロデューサーの体力を根こそぎ消費するのではないか気がかりだが、この時点では開始からまだ40分前後の経過だ。バテるのはまだまだ早い。
▲『絶対特権主張しますっ!』 |
本ライブは参加人数が多いため、ステージは登壇するアイドルを入れ替える4部構成というスタイルだ。第2部はキュート勢3人が可愛く歌う『アタシポンコツアンドロイド』から始まり、2ndライブにてプロデューサーたちにライブ初披露となる3曲『エヴリデイドリーム』、『花簪 HANAKANZASHI』、『Angel Breeze』が続く。
ライブ衣装は担当キャラクターごとに細かくカスタマイズされていた。牧野さんは小指に佐久間まゆをイメージした赤いリボンを巻きつけており、立花さんは小早川紗枝をイメージした着物風衣装で番傘を持っていた。ライブBDが発売された際には、それぞれの演者の衣装を詳しくチェックしておきたい。
▲『アタシポンコツアンドロイド』 |
▲『エヴリデイドリーム』 | ▲『花簪 HANAKANZASHI』 |
『Angel Breeze』をイメージして白い羽の髪飾りをつけて歌った東山さん。東山さんはプロデューサーの前で歌うのは初めてとなるが、サブステージ中央からせり出した堂々とした迫力は川島瑞樹そのままの雰囲気だ。80年代アイドル風の振り付けにするためのコツは“脇を締める”ことらしい!
▲『Angel Breeze』 |
気ままに猫や犬を撮影するカメラ女子を歌った『お散歩カメラ』では、歌詞どおりカメラを構える振り付けが特徴的だ。歌い終わった後のフリートーク時には、その振付けで記念撮影を撮る一幕もあった。
高森さんの演じる前川みくは、ゲーム中では原宿エリアのボスキャラだ。今回のライブ会場、代々木第一体育館は原宿駅の目の前にあり、つまり前川みくはライブのボスでもある(?)。自分のテリトリーで歌えたことをとても嬉しそうに語る高森さんは印象的だった。
▲『お散歩カメラ』 | ▲『おねだり Shall We~?』 |
キュートでフワフワした曲が多かった2部の中で唯一ダークな雰囲気を醸していたのが15曲目『小さな恋の密室事件』だ。血の海とゾンビをイメージした赤黒い照明の中、マントを纏って登場した桜咲さんを、バックダンサーがホラーチックに盛りたてる。雰囲気こそダークな本曲だが、内容は女の子の心情を歌ったものすごくカワイイもの。フリートークでは「歌詞のダイイングメッセージの意味なあに~?」とメンバーに尋ねられると顔を真っ赤にして「大好き」と答えた桜咲さん。照れる姿に会場の全プロデューサーがとろりとけた!
▲『小さな恋の密室事件』 |
16曲目はパッション勢4人による新曲『パステルピンクな恋』。甘い雰囲気MAXで、プロデューサーたちはさらにトロトロにとろけ出す! 続いては10人で歌う『メッセージ』。アニメ第1弾PVで使われたこのキャッチーな曲は“これから何かが始まる予感”を強くプロデューサーに伝えてくる。
▲『パステルピンクな恋』 | ▲『メッセージ』 |
後半戦となる3部は21人全員で歌う『ゴキゲンParty Night』からスタート。まだまだパーティーナイトは続く! お色直しで白いドレスタイプの衣装が眩しい!
「ごきげんな歌の後は超ハジけたおもてなし♪」という挨拶で紹介されたのは、シャウトから始まるヘドバン曲『毒茸伝説』。赤と緑に彩られたステージに現れた、絶対的支配者たる松田さんの姿はまさに超ハジケ! 会場は「マッシュアップ!」の大歓声に包まれた。さらにキノコ帽子を被ったプロデューサーも松田さんはしっかり歌いながら見つけていた。お前も毒キノコにしてやろうか!
▲『ゴキゲンParty Night』 | ▲『毒茸伝説』 |
ハジケっぷりはまだまだ続いて20曲目は『メルヘンデビュー!』。三宅さんのハイテンションな歌声と圧倒的ウサミンコールは、曲を歌い終わるまでピーク音量が下がらなかった。サビ部の「うーどっかん!」の大ジャンプも見事に決まった!
▲『メルヘンデビュー!』 |
さらに間髪入れずの21曲目『あんずのうた』。前2曲から続く激しいコール&レスポンス曲でたたみ掛ける構成は、もちろん会場のプロデューサーたちは最初の「メデメデメデ~」から間奏前の「え~!」まで完璧にコールを入れてくる。ハジケウェーブの中でも疲れるなんて人は誰もいるわけがなかった! ただ、1人を除いては。あんず先輩、替え玉大作戦では“休憩”をしてました。
▲『あんずのうた』 |
『あんずのうた』を終えてもステージに残っていたあんず(五十嵐さん)は、続いて登場したきらり(松嵜さん)に捕獲されて、“曲をはぴぱぴにするレッスン”を手伝ってほしいとお願いされる。しかし“きらりんスティック”を使った振り付けは意外と難しい! レッスンではあんずが歌う『ましゅまろ☆キッス』が聞けるという、レアな場面も見られた。
そんなレッスンの甲斐があり、会場全体で大きく盛り上がった『ましゅまろ☆キッス』。本番でも松嵜さんが歌いながら振り付けをレクチャーしてくれたので、プロデューサーたちもペンライトを使って星を描きながら楽しく応援していた。
▲『ましゅまろ☆キッス』 |
鈴木さんが歌う『ミラクルテレパシー』では、演じるキャラクターの堀裕子のようにステージ上で“サイキックショー”を披露! バックダンサーを幕の中に入れ、鈴木さんが念じるとダンサーが消えた! そして再び幕を上げて念じると……休憩中だったあんず先輩がテレポートして呼び出された!? これは失敗!? 今度は本当にダンサーが再登場! 本当にエスパーじゃん!! え、手品? 何を言ってるのか。
▲『ミラクルテレパシー』 |
24曲目は原さん、山本さん、佳村さんによる『Orange Sapphire』。元気っ子たちによるアップテンポな曲だが、今までのハジケたセットリストの後ではこの曲ですらホッとする雰囲気すらある。これもまた魔法なのだろうか? パッション溢れる曲の連続でもプロデューサーのコールはまだまだ元気いっぱい!
▲『Orange Sapphire』 |
第4部はクールながら熱い気持ちのメンバーが揃った“心からのおもてなし”。会場が青い光に包まれる中、青木さん、上坂さん、桜咲さん、東山さんによる『Nation Blue 』が始まる。シャープなダンスとクリアな歌声に、熱に包まれていた空気が一気に引き締まる。
▲『Nation Blue』 |
ソロコーナーでは『2nd SIDE』、『You’re stars shine on me』、『風色メロディ』、『薄荷 -ハッカ-』、『Never say never』と続く。落ち着きを取り戻したプロデューサーたちは、上坂さんの歌声にはコールを止めて聴き入り、松井さんが「みんないっしょにー!」とコールを求めれば「欲・し・い・の!」、「好・き・な・の!」とレスポンスを送り、『風色メロディ』では大空さんに見えるようペンライトで四つ葉のクローバーを作ってアピールするなど、しっかりとした応援を欠かさない。
▲『2nd SIDE』 |
▲『You’re stars shine on me』 | ▲『風色メロディ』 |
▲『薄荷 -ハッカ-』 |
▲『Never say never』 |
そして31曲めの『オルゴールの小箱』もライブ初披露。歌う福原さん、渕上さん、松井さんの組み合わせは“トライアドプリムス”だ。ついに凛、加蓮、奈緒がそろって大きなステージに立ち、歌っている。この瞬間を見たかったプロデューサーは多かったのではないだろうか?
▲『オルゴールの小箱』 |
ステージに全員が集まると、再びスクリーンにちひろさんが登場し、ゲームで開催中の“ボイス争奪戦”について中間結果を発表した。さらに「少しだけ未来が見える魔法を掛ける」というセリフから紹介されたのは、TVアニメの新PVだった! ストーリーや346プロダクション、主要キャラクターたちが紹介されたことで、会場は最大にボルテージアップ! PVの詳細はこちらのページで確認してもらいたい。
新PVで流れていた曲はTVアニメのOPテーマ『Star!!』だが、次に歌ってくれたのは発表されたばかりのこの新曲! もちろんTV放送のOPでは聞けないフルバージョンだ。精一杯、一歩ずつ、輝くといったフレーズが散りばめられた、とても前向きな『アイマス』らしい曲だ。そして最後の曲『輝く世界の魔法』も歌われ、メインのステージは終了となった。
▲『Star!!』 |
▲『輝く世界の魔法』 |
しかし5時間前に掛けられた魔法はまだまだ解けていない。アンコールで再登場したメンバーは、『ススメ☆オトメ ~jewel parade~』と『お願い!シンデレラ』を歌い、最後の最後まで実会場やライブビューイング会場で応援してくれたプロデューサーとの別れを惜しんだ。
▲『ススメ☆オトメ ~jewel parade~』 |
▲『お願い!シンデレラ』 |
4月に行われた1stライブは2日間ともボリューム感のあるものだったが、2ndライブはアニメ開始前にできる限りの『シンデレラガールズ』の要素を詰め込んだ感がある、非常に濃密なステージとなっていた。演出もただ歌うだけでは終わらず、パート分けや寸劇や趣向を凝らしたパフォーマンスの連続で、時間の経過や体力の限界を気にすることがないまま、終演まで一気に突き進んだ。公演時間は5時間近くの長丁場になったが、清々しい達成感と、まだまだこんなもんじゃない、やれることがあるといった感のあるプロデューサーたちの笑顔が印象的だった。
終演のアナウンスとともに2ndライブというパーティで掛けられた魔法は解けてしまったが、1月にはTVアニメが開始される。彼女たちがシンデレラガールになれるように、今度はプロデューサーたちが応援という魔法を掛ける番だ。プロデューサーたちはアイドルたちに、応援という魔法を掛けていこう。そしてまたアイドルたちにどんな素敵な魔法を掛けてもらおうか。ちょっとした先の未来に期待感を持てた、爽やかなライブだった。
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