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2014年12月8日(月)

ホラーマニア要注目の『Until Dawn』実機プレイで“セクシーシーンはホラーに欠かせない”と再確認

文:皐月誠

 12月6・7日(現地時間)にアメリカ合衆国・ラスベガスにて開催された“PlayStation Experience”。会場に出展されていたPS4用ソフト『Until Dawn(邦題:Until Dawn -惨劇の山荘-)』のプレイレポートをお届けする。

 本作は、とある山荘で8人の男女が殺人鬼に襲われるという内容のホラーアドベンチャーゲーム。プレイヤーが各キャラクターに取らせたささいな行動が思いもよらない形で影響を与え合っていく“バタフライエフェクトシステム”が特徴的で、シナリオは膨大な分岐ルートを持つ。

 プレイできたパートは、主人公の1人である女性が入浴中に異変を察知して周囲の探索に出るシーンから、その後に登場する殺人鬼から逃亡するシーンまで。逃亡シーンは、“Video Game Awards”のワールドプレミアで披露されたものとほぼ同様。どうにか逃げられないかとプレミアとは違う選択肢を選んでみたが、やはり最後には殺人鬼に捕まってしまった。もしかすると、今回プレイできたパートはチュートリアル的な部分で、結末は一定だったのかもしれない。逃亡シーンについては、以下の動画を参照してほしい。

■動画:『Until Dawn』ワールドプレミア

■動画:『Until Dawn』ティザートレーラー

 少しプレイして感じられるのは、DUALSHOCK4のジャイロを利用した行動対象の直接選択システムがプレイヤーと主人公との間に一種の感覚共有をもたらしてくれること、そして本作が持つ“映画的”演出の巧みさだ。これまでにも“映画的”を謳うゲームは多々あったが、本作はシーンごとに最適なカメラを設定することで、従来作品の一歩先へと進んだ演出に成功している。

 例えば、通路を歩くシーンでは後方視点の追随カメラで“主人公と同じ視点”を描いて不安感を演出、探索シーンでは位置固定の首振りカメラで“調べ回る主人公”を描いて戸惑いを演出、細い通路を奥へと向かう道では完全固定カメラで“だんだん小さくなる主人公”を描いて心細さを演出、などなど……。『アローン・イン・ザ・ダーク』や『バイオハザード』のようなカメラをよりエモーショナルにブラッシュアップさせたと言えば、少しはお伝えできるだろうか。

 ムービーシーンではなくプレイシーンにおいて「あ、このカメラワークうまいなあ……」と思わせてくれたゲームは、個人的には『Until Dawn』が初めてだ。ホラー作品ではビックリ箱的な“驚き”に重心を置いた恐怖演出が行われがちだが、カメラ演出に力を入れた『Until Dawn』は2000年前後にブームとなったジャパニーズホラー映画のような“じわじわとした恐怖”を醸し出してくれている。

 今回のハンズオンでは“殺人鬼に追われる”という要素を体験できたが、ゲーム内では心霊現象じみた怪現象が起こる他、“イスに縛り付けられた状態で頭上から回転ノコギリが迫る”というソリッド・シチュエーション・スリラー的な場面も存在する模様だ。ホラーやサスペンスというジャンルは、サイコ系や幽霊系など細かなジャンルに分類されるが、本作は幅広い恐怖の要素を取り入れていると察せられる。

 またホラー映画の殺人鬼にしても、不死身のモンスターとして知られるジェイソンや霊的な存在のフレディ、人間ながら異常な身体能力を持つブギーマンなど、その類型は多岐にわたる。殺人鬼の正体がどのように表現されるのかも気になるところだ。

 なお、“バスタオル一枚の金髪美女”という点が各所で話題になっているが、PlayStation Move対応のPS3用ソフトとして開発されていた2012年のトレーラー動画を見返してみても“下着姿で襲われる”というシーンがあったので、セクシー路線は根底的な部分として欠かせないようだ。そう、ホラー映画と言えばセクシーシーン、セクシーシーンがある映画と言えばホラー。本作が内包する“ホラー映画的な演出”には、色々な意味で期待が膨らむばかりだ。

■動画:『Until Dawn』Gamescom 2012トレーラー

※古いもののため、最新版の内容とは異なる。

■『Until Dawn』スクリーンショット

『Until Dawn』 『Until Dawn』
『Until Dawn』 『Until Dawn』
『Until Dawn』 『Until Dawn』

(C)Sony Computer Entertainment Europe. Developed by Supermassive Games.

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