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2014年12月11日(木)

『カオスチャイルド』第2章までの製品版レビューが解禁! 事件がついに拓留たちの近くに迫る?

文:カワチ

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『CHAOS;CHILD(カオスチャイルド)』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
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 12月18日に発売を控えるXbox One用ソフト『CHAOS;CHILD(カオスチャイルド)』。本作は『カオスヘッド ノア』、『シュタインズ・ゲート』、『ロボティクス・ノーツ』に続く科学ADVシリーズの4作目となる作品です。1作目『カオスヘッド ノア』から6年後の渋谷を舞台に、“ニュージェネレーションの狂気の再来”という事件に巻き込まれる少年少女たちの運命が描かれていくことになります。

 ここではそんな本作を一足先にプレイしたライターのレビューをお届け。ちなみに第2章“事件が彼らを囁く -Rikishi Sticker-”までの内容が含まれているので、ネタバレを気にする人は今すぐ右上の×ボタンを押してブラウザを閉じろ! いや、と……閉じてください……。

『カオスチャイルド』

■目を覆いたくなるホラーシーンはもちろん
 思わず笑ってしまうコメディシーンにも注目!

 まずはおさらいも兼ねて、作品全体の雰囲気について語っていきましょう。科学ADVシリーズは第2作目の『シュタインズ・ゲート』がSF、第3作目の『ロボティクス・ノーツ』が学園青春モノとガラリとジャンルを変えていますが、『カオスチャイルド』はホラーとミステリーがメイン。やはり1作目の『カオスヘッド ノア』とイメージが一番近いですね。

『カオスチャイルド』 『カオスチャイルド』
『カオスチャイルド』
▲凄惨な事件を取り扱う『カオスチャイルド』。ロボットと青春を題材にしていた『ロボティクス・ノーツ』とは雰囲気がガラリと変わりますね。

 とはいえ『カオスヘッド ノア』に比べると、序盤はかなり明るい場面も多い印象。本作は6年前の事件で一度崩壊してしまった渋谷が舞台ですが、すでに復興を遂げつつあるので退廃した雰囲気はありません。主人公たちは普通に学園に通っていて、そこでは学園モノならではの明るいノリも楽しめますよ。

『カオスチャイルド』
『カオスチャイルド』
▲“新聞部”のメンバーと繰り広げる部活ならではの青春的なやり取りも見どころです。まぁ彼らが追っているのは、くら~い連続猟奇事件ですが……(笑)。

とはいえ6年前の事故が壮絶であったことや、まだ町には傷跡が多く残っていることなどは物語の端々からわかるようになっています。じつは主人公なども事故が原因で重い過去を持っており、これがストーリーの重要なファクターに。平和な学園生活と壮絶な過去に連なる凄惨な事件、その表裏一体のドラマも本作の大きな見どころです。

『カオスチャイルド』
『カオスチャイルド』
▲『カオスヘッド ノア』から6年、渋谷がどのようになっているのか。ファンなら気になっていたであろう部分が明かされていきます。
『カオスチャイルド』
『カオスチャイルド』
▲キャラクターのバックボーンが少しずつ明らかになっていくのも魅力の1つといえます。

 渋谷を騒がす“ニュージェネレーションの狂気の再来”は、切断された自分の右腕を食べながら失血死した“こっちみんな”やカッターで自らの腹を割いてスピーカーを埋め込み、自分の歌声を流していた“音漏れたん”など猟奇的なものばかり。直接的なグロCGはないので安心できますが、想像すると痛々しいものばかりですので、ご注意を……。

『カオスチャイルド』
▲ショッキングな出来事が次々に巻き起こるため、ゲームの止めどきが見つかりません!
『カオスチャイルド』
▲事件の謎を客観的に追っていた主人公たちですが、やがて本人たちの身にも危険が迫り……!?

 “ニュージェネレーションの狂気の再来”は、その名前が示す通り『カオスヘッド ノア』に登場した事件“ニュージェネレーションの狂気”との関係性を示唆しているなど、多くの謎を秘めています。この事件の謎を少しずつ解き明かしていくさまは、まるで極上のミステリーを読んでいるようです。

『カオスチャイルド』
『カオスチャイルド』
▲事件現場には必ず“力士シール”が存在。現実の世界の出来事と絡んだ物語の仕掛けも科学ADVシリーズの見どころですね。

 また、そんな複雑に入り組んだ事件を整理させてくれる要素として新システムの“マッピングトリガー”があります。これは地図上の事件現場などに写真や資料をまとめていくというものですが、自分自身でつながりを推理して正解を当てはめていく必要があるので、これまでの物語の流れを把握しやすいです。とっても便利!

『カオスチャイルド』 『カオスチャイルド』
▲間違えてもペナルティは無いので、じっくり考えることができます。

 また、シリーズではおなじみの用語解説“TIPS”はもちろん搭載。「ゆっくりしていってね」や「炎上マーケティング」のようなインターネット用語から「量子脳論」や「PTSD」のような科学的な専門用語までわかりやすく解説してくれるため、とても便利です。また「ツイぽ」や「ガンヴァレル」のような今までのシリーズに登場した用語もフォローしてくれるため、科学ADVの初心者でも安心してプレイすることができます。

『カオスチャイルド』
▲さまざまな分野の専門用語が多い科学ADVシリーズ。TIPSは重宝します。

■ジェットコースターのように加速していくストーリー。緊張度は科学ADVシリーズでNo.1!?

 さて、ここからはお待ちかねの第2章までのストーリーの魅力を紹介していきます。あ、ネタバレが気になる人は右上の×ボタンを押してくださいね!(2回目)。まず体験版をプレイしていない人に向けて、第1章のあらすじを簡単に紹介しましょう。

■第1章のあらすじ

 2015年、巨大地震から復興しつつある渋谷で、奇妙な連続殺人が発生。碧朋学園の新聞部に所属する拓留は、この事件がかつて渋谷で起きた「ニュージェネレーションの狂気」の日付と合致していることに気付く。

 そして第3の事件が起きた日付、渋谷のラブホテルで事件が起きたことを知った拓留は幼なじみで新聞部のメンバーである尾上世莉架(おのえ せりか)とともに現場に潜入。そこでロープでガッチリと首を絞められて回転ベッドで死亡している被害者と倒れている警官、血を浴びた少女・雛絵の姿を発見して……。

 というのが第1章“情報強者は事件を追う -Digital Native-”のストーリーでした。ほかに事件の現場近くには“力士シール”が貼られていること、事件を追っている刑事の神成岳志(しんじょうたけし)が、情報屋の百瀬克子(ももせかつこ)に協力を依頼することなどもキーですね。

『カオスチャイルド』 『カオスチャイルド』
▲第3の事件をきっかけに次々に集っていくキャラクターたち。

 第2章では、百瀬の紹介で神成と会合を果たした久野里 澪(くのさと みお)が犯人を殺したいほど憎んでいること、そしてなぜか雛絵たちのことも同じように憎んでいることが判明します。そんな彼女ですが、ラジオパーソナリティの“ケイさん”としての顔も持っており、事件を追っている主人公たち新聞部のメンバーとの接触を図ります。憧れている“ケイさん”から連絡をもらい浮かれる主人公ですが……。

『カオスチャイルド』
▲さまざまな顔を持っている澪。はたして彼女の真意は……。

 一方、新聞部の副部長で事件を追うことを反対していた来栖乃々(くるす のの)の私生活も明かされていきます。養護施設も営んでいる医院に震災の後から身を寄せている乃々は、主人公とその家で家族同然で暮らしていたこともあり、今はキャンピングカーで暮らしている彼に再び戻ってきてもらいたいと願っています。

『カオスチャイルド』
『カオスチャイルド』
▲父親のほか、妹と弟の2人と一緒に暮らしている乃々。かつては拓留もここの家族の一員だった。

 力士シールの作者が代々木のAH総合病院の5階にいることがわかった拓留と世莉架は、その病院へ。5階は精神科の病院でセキュリティが厳しいものの忍びこむことに成功します。そこで彼らは血で描かれた力士シールの絵が部屋一面に存在する部屋を発見。さらに廊下で謎の少女と老人の2人組に出会わせてしまいます。

 現場にスマホを落としつつも慌てて病院を出る主人公ですが、そのとき世莉架に電話が。事件の関係者を名乗る不審人物に乃々が刺されてしまったことを知らされます。

『カオスチャイルド』 『カオスチャイルド』
▲はたしてこの病院には何が隠されているのだろうか……。
『カオスチャイルド』
『カオスチャイルド』
▲乃々が刺されてしまい、生徒会副会長の雅司は主人公に対して怒りをあらわにする……。

 乃久は13針を縫う大怪我をしたものの、一命を取り留めます。新聞部は活動を自粛することになったものの、近くに迫った文化祭で事件を追っているネットメディアの渡部友昭との対談の話が持ち上がって……。

 これが第2章のストーリーになります。ただの部外者であった主人公たちがだんだんと事件の中心に迫っていく様子にドキドキしますね。また、なんといってもAH総合病院の存在ですよ!

 これは『カオスヘッド ノア』のプレイヤーだったら確実にピンと来るキーワードですよね。いったいどのように『カオスヘッド ノア』と『カオスチャイルド』がつながっていくのか……。それはプレイヤー自身の目で確かめてもらえればと。ただ体験版だけでなく、しっかり第2章までプレイしてもらえれば、いかに『カオスチャイルド』が練り込まれたストーリーなのかわかるので、ぜひみなさんにプレイしていただきたいです!

■かわいい女の子もいっぱいで、思わず目移り!

 続いてキャラクターについて語りましょう。やはり萌えは重要ですよね! 科学ADVといえば前作の『ロボティクス・ノーツ』で二次元キャラクターの頂点とも呼べる神代フラウを誕生させたことが記憶に新しいですが、『カオスチャイルド』の女の子たちも負けないぐらいカワイイ娘がいっぱいです!

『カオスチャイルド』
▲1年生の香月華(かづきはな)。無口で「ん」としかしゃべらないクールなキャラクターです。

 幼なじみで裏表のない世莉架やお節介焼きの乃々など、新聞部のメンバーもイイですが、小悪魔的でミステリアスな性格をした雛絵や聡明な先輩・澪など、事件の協力者となるメンバーもそれぞれ個性的です!

 特に雛絵や澪は第2章以降で本格的に登場するので、体験版をプレイした人も楽しみにしてもらいたいです。澪さんの知的で大人な魅力にノックダウンさせられるハズですよ!

『カオスチャイルド』
『カオスチャイルド』
▲『カオスヘッド ノア』ファンにはサプライズとなるキャラクターたちも!
『カオスチャイルド』
『カオスチャイルド』
『カオスチャイルド』
▲普段は天真爛漫な振る舞いを見せていますが、その行動には謎も多い雛絵。ちなみに僕の1番のお気に入りで声は三森すずこさんが担当しています。

 また、科学ADVシリーズといえば個性的な主人公も魅力の1つ。本作の主人公は普段から情強(情報強者)ぶっているコメディリリーフなので、ダークでネガティブな西條拓巳が主人公を務めた『カオスヘッド ノア』とは視点がかなり異なりますね。ネタバレになるので書けませんが、第2章以降はかなり好感の持てるシーンが盛りだくさんですよ。

『カオスチャイルド』
▲リア充ぶっている主人公・宮代拓留(みやしろ たくる)。心の中で他人を見下していた彼ですが……。どこか憎めない人物です。
『カオスチャイルド』
『カオスチャイルド』
▲猟奇事件マニアの伊藤真二。主人公とはいいコンビです。

 『カオスヘッド ノア』でおなじみの“妄想トリガー”も、個性的なキャラクターたちの織り成す物語を彩るいいアクセントになっています。この妄想トリガーはさまざまな場面でポジティブば妄想をするかネガティブな妄想をするか、はたまた妄想をしないかを選び、主人公のさまざまな妄想の世界を覗き見ることができるというもの。

 『カオスヘッド ノア』よりも数が増えて内容もバラエティ豊かになっているため、かなりパワーアップしている印象でした。

『カオスチャイルド』
『カオスチャイルド』
『カオスチャイルド』
▲妄想の種類もさまざま。ポジティブを選ぶかネガティブを選ぶか悩まされます。

 なかにはヒロインの1人がおしっこを漏らしてしまうなんて妄想も……。ハッキリ言ってこれだけでもXbox One本体を買う価値があると言えましょう!

●ポジティブ編

『カオスチャイルド』 『カオスチャイルド』
『カオスチャイルド』

●ネガティブ編

『カオスチャイルド』 『カオスチャイルド』
『カオスチャイルド』
▲ポジティブ妄想だとヒロインがおしっこを漏らし、ネガティブ暴走だと主人公が……。ネガティブ妄想のシチュエーションもこれはこれでよし!

 というわけで『カオスチャイルド』のレビューをお届けしました。第2章までのネタバレOKということでしたが、先が気になって第7章まで一気にプレイしちゃいましたよ! 正直、エンディングまでプレイしたかったです。

 さて、本作が発表された当時は、普通に『カオスヘッド ノア』の続編なのかなと思っていましたが、実際にプレイしてみると今までの科学ADVシリーズの集大成だと確信させてくれるデキでした。また1つのミステリーホラー作品としても楽しめますので、科学ADVシリーズをプレイしたことがないXbox Oneユーザーも手にとってみてもいいと思います。ただし、怖くてトイレに行けなくなっても責任は持てませんよ!

(C)2014 MAGES./5pb./RED FLAGSHIP/Chiyo St. Inc.
(C)2008 5pb./Nitroplus/RED FLAGSHIP

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