2015年1月20日(火)
スクウェア・エニックスが運営しているMMORPG『ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア』では、本日1月20日に最新アップデート“パッチ2.5 希望の灯火”が配信される。
▲パッチ2.5 希望の灯火 メインビジュアル。 |
2013年8月に『新生FFXIV』として2.Xシリーズがスタート。今春の発売を迎える3.0に向けて、2.Xシリーズの集大成となるパッチが今回のパッチ2.5 Part1、そして2月下旬に配信されるパッチ2.51、3月下旬に配信されるパッチ2.5 Part2と位置づけられている。
このパッチ2.5シリーズの配信を目前に、『新生FFXIV』プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏にパッチの見どころと、今後の展開についてお話を伺ったのでお届けする。
――まずはパッチ2.5のメインストーリーですが、いよいよパッチ2.Xシリーズの最終章となります。今回のテーマや見どころを教えてください。
▲吉田直樹プロデューサー兼ディレクター |
これまでに語られてきた『新生FFXIV』の物語は単純な勧善懲悪ではなく、大きな立場にいる者たちがそれぞれの正義を貫こうとしてきました。彼らが掲げてきた正義が彼らの望む形になるかどうかの違いはありますが、ひとまずの結末を迎えます。
もちろんこれから『蒼天のイシュガルド』へと進んでいくストーリーでもあるので、すべてが決着するわけではありません。人の出入りもさらに激しくなります。これまでシナリオを引っ張ってきたキャラクターたちが、それぞれどういった立ち位置で“新生編の結末”を迎えるのか、1人ずつ注目してください。これまで張りめぐらせておいた伏線も、一気に回収されていきます。
――新たなダンジョンである“幻龍残骸 黙約の塔”はメインクエストで訪れるとのことですが、まさかミドガルズオルムがボスとして登場するとは予想していませんでした。
開発中もあれだけ大きな存在であるミドガルズオルムをどうやって出そうか悩みましたが、最終的にはうまく物語の中に盛り込めたと思います。『旧FFXIV』がスタートした時点から、ミドガルズオルムはドラゴン族の始祖であるということと、モードゥナの銀泪湖には黙約の塔がありました。
それをちゃんと『新生FFXIV』として回収しつつ、イシュガルドへ行くために重要なパートの1つにしています。ぜひ、初挑戦時はカットシーンをじっくり見ながら挑んでいただきたいです。光の戦士にとっても、大きな転換期になります。
――アシエンたちは『蒼天のイシュガルド』以降の物語にもかかわってくるのでしょうか?
はい。パッチ2.5のメインシナリオで、彼らと光の戦士の距離も大きく動きます。
――パッチトレーラーで新しいアシエンらしき人物が映っていましたね。
彼は2.0のエンディングで映った大勢いるアシエンたちの内の1人です。蛮族に極蛮神を召喚するための儀式を教えていたりと、これまでも暗躍してきました。。ちなみに、アシエンたちそれぞれにもしっかりとした設定があり、人数が多い理由も長い期間をかけて明かされていくことになります。
――パッチトレーラーの最後に超巨大なドラゴンが登場しますが、こちらはニーズヘッグなのでしょうか?
いいえ、ニーズヘッグでもミドガルズオルムでもありません。あのシーンはパッチ2.5のPart2になりますので、そのタイミングに追加されるコンテンツにかかわってきます。
――となると“イシュガルド防衛戦”というコンテンツにかかわりそうですね。
そこはお楽しみにということで。
――では、次にパッチ2.5の実装コンテンツでも多くのプレイヤーが期待している“クリスタルタワー:闇の世界”ですが、こちらの見どころを教えてください。
今回でクリスタルタワーの物語は完結するので、クライマックス感というのはきちんと出せたと思います。ラストということもあって、ある程度の難易度に期待している方がいるかもしれませんが、これまでと同様に初見でもみんなとワイワイ楽しみながらできるバランスにしてあります。
――パッチトレーラーで紹介されていましたが、『FFIII』のラスボスである暗闇の雲があの大きさで“波動砲”を撃つ光景は衝撃的でした(笑)。
開発中は当時のファミコン版『FFIII』のドット絵と比較しながら、プレイヤーと暗闇の雲の大きさをきちんとオリジナルに合わせて製作しました。しかし、最終確認の段階になって、バトル中は皆さんがカメラを引いて戦う、ということを加味して、「うん、もっとでかくしよう!」ということで、最終的には開発中のものより1.25倍ほどスケールアップしてあります。
▲クリスタルタワー:闇の世界の最後に待ち受ける暗闇の雲。 |
――ダンジョン内のBGMも、当時プレイした人はグッとくるものがあると思いますし、暗闇の雲との戦いで流れる曲にも期待してしまいます。
現代の技術で『FFIII』を再現したらこうなる、という部分にこだわって作ってきましたので、雰囲気や各ボスの扱い、雑魚に至るまで色々と見ていただけると嬉しいです。『新生FFXIV』はいろいろな世代の『FF』ファンが集まっているゲームだと思っていますので、昔話をしつつ楽しんでいただければ幸いです。
――こちらの報酬ですが、まず装備品のアイテムレベル(IL)はいくつになるでしょうか?
120になります。
――闇の世界で入手できる装備品も強化できるようになりますか?
いいえ、強化していくことは想定していません。今回はおしゃれなデザインのものが多いので、既に高いILの装備品をお持ちの方は、そこで手に入れたものを使ってミラージュプリズム(ミラプリ)したり、サブジョブの装備として活用していただけたらと思っています。
▲闇の世界で入手できるデモンズ・ディフェンダーアーマーシリーズ(左)とデモンズ・ヒーラーアタイア(右)。もちろんこの他のジョブにも装備は用意されている。 |
――次に詩学装備の強化素材に関してですが、こちらは“クリスタルタワー:シルクスの塔”と同じように、ボスを倒した時の宝箱に入っていて、ロット権だけが防具と別になるというイメージでよろしいでしょうか?
いえ、“古代の民の迷宮”“シルクスの塔”“闇の世界”をすべて攻略すると、新たなウィークリークエストが受けられるようになり、その報酬にしてあります。クエストの内容は3つのクリスタルタワーを再度攻略するタイプで、ちょっとしたエピソードも用意してありますよ。
――詩学装備の強化素材は暗号化トームストーン、アラグの硬化薬、アラグの強化繊維の3つがありますが、これらはすべて最初から入手できますか?
こちらもシルクスの塔と同じく、パッチを追うごとに増やしていきます。武器のIL更新が一番強さに直結するので、最初は硬化薬が報酬として得られ、いずれ強化繊維や暗号化トームストーンがアップデートで報酬に加わる予定です。硬化薬と強化繊維は、クリスタルタワー以外のコンテンツでも入手経路が増えていますので、ゲーム全体でバランスを考慮しています。
――闇の世界で入手できる素材を使って、クラフターが武器を製作できると発表されていますが、この素材は装備品が入っているものとは別の宝箱から得られるのでしょうか?
クリスタルタワー武器を製作するための素材は、闇の世界ではなく、シルクスの塔と古代の民の迷宮に追加されています。特定のボスを倒すと確定ドロップとして追加されており、このクリスタルタワー武器のキーになる素材は、それ以外にも入手方法を用意してあります。
ウィークリークエストの際に手に入るという想定ですので、闇の世界の各ボスが落とす装備品には他を気にせずロットしていただけます。
――ちなみにロール構成はシルクスの塔と同じくタンク1でしょうか?
はい。難易度を決める際に協議した上で、マッチングしやすさや、プレイヤーの皆さんのご要望を見たうえでシルクスの塔と同じ形になっています。
――次に新規インスタンスダンジョンですが、今回の3つのダンジョンはどういった方向性の難易度になっているのでしょうか?
これまで追加されてきたエキスパートダンジョンに挑戦するのと同じ感覚にしたつもりです。“黙約の塔”はメインシナリオ上に存在し、登場するボスはミドガルズオルムです。ただ、そうはいっても言っても彼がパッチ2.5シリーズのラスボスというわけではありませんので、あまり気構えずにいただいても大丈夫かなと思います。
――ちなみにこのダンジョンの長さは、2.0のメインシナリオで行った“最終決戦 魔導城プラエトリウム”ぐらいになるのでしょうか?
いえ、通常のダンジョンと同じぐらいの長さだと思っていただいて大丈夫です。
――“武装聖域 ワンダラーパレス”では、主にマムージャとの戦いが繰り広げられるようです。彼らがフィールド以外で敵として出てくるのは初めてですね。
マムージャは傭兵としてエオルゼアに来ている蛮族なので、今回のダンジョンでトンベリと絡めて存在感を出しました。ダンジョン内の雰囲気も通常のワンダラーパレスがアップグレードされた感じを楽しんでもらえるデザインにしてあります。
――ということは、また何かに追われたりする仕掛けがあったりするのでしょうか?
今回はトンベリたちを助けるためにダンジョンへ挑むので、マムージャに追いかけられている彼らを助けるシチュエーションが用意してあります。
――パッチトレーラーには『FFXI』プレイヤーにとって、なつかしく感じる方も多いだろう敵の姿も見えました。
『FFXI』をプレイされていた方が、ニヤッとできるような小ネタが多いと思います。もともと『FFXI』を開発していたスタッフも多いからですね。
――先ほどマムージャも蛮族とお話が出ましたが、今後は彼らが崇める蛮神が出てくる可能性もありますか?
さすがに今はまだそこまで考えていません。光の戦士たちが彼らの本拠地へ行く機会があれば、そのときに相見えることになるかもしれませんね。
――“邪念排撃 古城アムダプール”についてはいかがでしょうか?
ここは『新生FFXIV』のサービス開始直後からプレイを続けてくださっている方にとっては、いろいろな思い出が詰まっているダンジョンだと思います。それらの思い出を喚起する要素を入れている他、皆さんがかなり周回されたダンジョンでもあるので、今回は攻略のテンポ感を変えてみました。個人的に新規のダンジョンではここが一番好きですね。
――これら3つのダンジョンがエキスパートルーレットに組み込まれ、既存のものがハイレベルルーレットに移されるのも、これまでと一緒と考えてよろしいでしょうか?
はい、そうなります。ただ、ハイレベルルーレットのダンジョン数が増えすぎているので、3.0のタイミングでどう整理するかを話し合っているところです。
――“逆襲要害 サスタシャ浸食洞”のクラーケンが特にそう感じるのですが、既存のエキスパートダンジョンは不慣れなプレイヤーにとってはやや攻略に時間がかかってしまう印象があり、これがハイレベルに移ると、ダンジョンでもレベル格差的なものが広がる懸念もあります。
パッチ2.4のエキスパートダンジョンは、ギミックを理解していなくても時間をかければ倒せる設計にしてあるんです。つまり、慣れている4人でのアタックでは早くクリアできる。知らない人同士でも「なんとか倒せた」というデザインになっています。後者の場合、クリアまでの時間が長く感じてしまうのかもしれません。その代わり、パッチ2.3までのエキスパートダンジョンと比べると、全滅回数は少ないはずです。
――時間はかかりますが、確かに即全滅というような展開は少ないですね。ちなみにサスタシャ浸食洞といえば、元船長マディソンの銃撃が止まらず、たまにやられてしまう方を見かけます。
あの戦闘は、船長の銃撃が始まったら何も考えずに船長を集中攻撃すれば止まるのですが、逆に難しく考えてしまって時間がかかってまうケースもあるようです。実は当時テストプレイをしている時にもその懸念がありました。そこでヒントとなるセリフを船長がしゃべるように調整してリリースしたり、なかなか調整に苦労したボスでしたね
――次にこちらもファンが多い“事件屋クエスト”ですが、一旦の完結を迎えることになるとアナウンスがあります。パッチトレーラーにはさまざまなシーンが散りばめられていたものの、最終的にどうなるのかまったく予想できませんね(笑)。
あの映像に大ネタは一切入れてありません(笑)。エンキドゥがどうやって登場するのかにも、ご期待ください。
▲ヒルディブランドとナシュの活躍もこれで見納め? |
――やはりエンキドゥは“真ギルガメッシュ討滅戦”に出てくるのでしょうか?
腕が8本になったとはいえ、ギルガメッシュ1人だけでは寂しいですから。
――もう1つの目玉はファンフェスでも体験できた“闘神オーディン討滅戦”ですが、こちらはメインシナリオとは別のクエストになっているのでしょうか? また、難易度に関してはいかがでしょうか?
オーディンのエピソードはメインシナリオとは別にしてあります。難易度についてはパッチ2.1当時に“究極幻想アルテマウェポン破壊作戦“へ挑戦した時くらいの感覚です。ファンフェスの会場で挑戦できたものは、ファンフェスに来ていただいた方たちが全員初見でも50%くらいの勝率になるよう調整してありましたが、それよりは当然難しくなっています。イメージ的には“極シヴァ討滅戦”の少し下くらいかなと。
――となると、最初からコンテンツファインダーにも対応しているのでしょうか?
はい。
――難易度が低いぶん、そこで入手できる装備のILは控えめに設定されているのでしょうか?
ILだけを見ればそうなります。実用性というよりはミラプリを楽しむための装備を用意しています。オーディンの鎧も今回の報酬では1パーツごとにグラフィックを分割しましたので、これでミラプリを楽しんでいただければと。フィールドで戦うオーディンでの交換品とはまた違うものになります。また、鎧を装備できないジョブ用の新たな装備品も用意してあります。
――討伐・討滅戦ルーレットには組み込まれますか?
いえ、さすがにそこまでは簡単ではありません。ただ、そろそろ極討滅戦ルーレットを作ってみたいとは思っています。ただ、“極ラムウ討滅戦”はギミックの説明が複雑なので敬遠されるかもしれませんね(笑)。
――オーディンとの戦いを通じて彼のエピソードが語られていくのでしょうか?
少しだけわかることもありますが、『蒼天のイシュガルド』以降も“闘神”という存在に関する物語は続けていくので、今回明らかになるのはほんの一部です。
――討滅戦関連でお聞きしますが、Part1の公開コンテンツの一覧に「????討滅戦」とありますが?
これはメインシナリオに深くかかわっており、パッチ公開をお待ちください。Part1の大きな区切りとなっているのでお楽しみに。
――パッチ2.51で実装される“マンダヴィル・ゴールドソーサー”ですが、ここに行くためには何か条件があるのでしょうか?
建設者の思想が“ありとあらゆる人に楽しんでもらいたい」なので、簡単なクエストを1つクリアするだけでOKです。クエストの内容も「行ってみなよ」程度のものなので、どなたでもすぐ楽しめると思います。
――メインの遊びとなるチョコボレースですが、出場するチョコボはバディとは別になるのでしょうか?
別になります。
――では、バディを育てていた人にアドバンテージがあるわけではないんですね。
バディチョコボを組み込んだ場合、バディを育ててくれた方のランクを何かに反映する必要があります。チョコボレース用のチョコボには代重ねの仕組みがあるので、ランクの上がったバディからスタートした方が強い子が生まれるとなると、「まずはバディのレベルから上げないといけない」ということになり、ハードルが上がってしまう点もポイントでした。
バディは戦闘コンテンツで、競争鳥としてのチョコボは素養や育てられ方が違う、と思っていただけるとわかりやすいかと。
――となるとレースには誰でも気軽に参加できると?
はい。競争鳥チョコボの育成はレースに出場させて経験値を得ていく方式で、ランクが上がればパラメータが上昇します。それ以外にもパラメータを上昇させる訓練を行えます。そうやって少しずつ自分好みの能力にチョコボを育ててレースに出場し、レースランクが上がりきったころに引退させて交配し、生まれてきた子を再び育てていくという流れです。スキルや能力を遺伝させながら、何代も楽しめるようにデザインされています。
――チョコボの羽根色は自由に決められますか?
スタートは全員黄色のいつものチョコボカラーで、配合によって変わっていきます。いずれ好きに変えさせてほしいというご要望をいただくと思いますが、最初は遺伝要素になるようにしてあります。
――フレンドのチョコボと交配させることはできますか?
パッチ2.51リリース時の主な配合は、自分で育てて引退させたオスチョコボと同じく自分で育てて引退させたメスチョコボを配合させるか、ゴールドソーサーポイントでステータスの高いオス/メスどちらかと配合させるか、という方法がメインとなります。友達のチョコボと配合させる計画もありますが、まず初期は個人サイクルの中で配合させることになります。
――フリーカンパニーはとくに関係はありませんか?
関係ありません。所属していない方も楽しめるようにしてあります。
――ここからはパッチトレーラーの紹介要素以外にお聞きします。まず、アラガントームストーン:戦記の供給量が増えるとのアナウンスがありますが、こちらは具体的にはどんな感覚でしょうか?
ゲーム全体を通じて今と比べて1.5倍くらいに排出量を増やしてあります。パッチ2.3当時のアラガントームストーン:神話をイメージしていただくのがわかりやすいかと思います。新たに追加される“フロントラインルーレット”のボーナスもかなり大きくしてありますので、戦記稼ぎの候補に加えてください。
――今チラッとお話が出ましたが“フロントライン”の新しいルールについて具体的に教えてください。
今回、新ルールとして追加したフロントラインでは陣取りの概念がなくなり、敵軍のプレイヤーを倒したときに得られるポイントで競う殲滅戦です。倒すとプレイヤーに恩恵のあるバフがかかるモブが出現するタイミングも今までとは違いますし、連続キルボーナスによるバフやオブジェクトを破壊するとやバフが得られるといった新しい仕組みを導入しています。リミットブレイクはアドレナリンシステムに置き換わり、個人でゲージを貯めてリミットブレイクを発動可能になります。
――PvPランクの上限は開放されますか?
いえ、次に開放するのは『蒼天のイシュガルド』以降になります。ただ、今回新しいアチーブメントが用意されていて、そこに特別な報酬を用意してみました。
――ちなみにフロントラインでPvPのおもしろさを知り、PvPランクも上がって自信をつけたプレイヤーが“ウルヴズジェイル”に行っても歴戦の狼たちとマッチングしてしまい、一方的な試合になりやすいと思うのですが、そこに対する調整は予定されていますか?
今計画しているのは、今回でフロントラインに2つのルールを用意し、パッチ3.0で各勢力のスタート地点が同じ条件にならない、これまでのルールやマップとは異なる新しいフロントラインを用意するというものです。そこまではPvPプレイヤーの人口拡大フェーズと考えており、その次からウルヴズジェイルの調整に入ります。
フロントラインとウルヴズジェイルでは戦い方もまったく違いますし、昔から続けている人たちと新規ウルヴズジェイルプレイヤーを同じステージが混ざらない仕組みも必要です。
例えば後続の人たちでも入りやすいようにランクを分けて、それも固定化してしまわないように、シーズンごとにランクをリセットするような仕組みもいずれは必要です。どうしても時間はかかってしまいますが、その間はきちんとフロントラインでPvPのおもしろさを広めていければと思っています。
――“エーテリアルホイール”という項目について教えてください。
まずはカンパニーアクションの強化版と思っていただいて間違いありません。エネルギー充填型のクリスタルである“ホイール”と、それをセットするための“ホイールスタンド”、それらを用意することでフリーカンパニー全体に強力なバフが付与されます。
――アクティブ化させるためにプレイヤーが何かしらアクションを起こす必要はありますか?
複数あるバフの効果のついたホイルをスタンドに立ててエネルギーをチャージします。エネルギーの充填が完了したホイールは、チャージドホイールとしてスタンドに再設置すればアクティブ化となります。複数のチャージドホイールを用意しておき、どれをアクティブにするかなどはメンバーの人たちと話し合ってもらうことになります。
――“モブハント”の拡張は予定されていますか?
報酬に詩学強化の素材が追加されるので、また大きなブームになるかもしれませんね。クリスタルタワー:闇の世界と同じく、交換できるものはパッチを追うごとに追加されていきます。
――交換に必要となるモブハンターの手記の個数は以前と同じでしょうか?
いえ、詩学強化アイテムとの交換の場合は、戦記強化アイテムよりも必要個数が増えています。
――ちなみに、戦記装備やアレキサンドライトといったアイテムと交換するために必要な同盟記章の量が引き下げられたりはしますか?
いえ、その点は強さを得られるために必要な時間で計算しているので、今回はまだ変更がありません。ただ、アレキサンドライトはF.A.T.E.でのドロップ率を引き上げるので、かなり出やすくなると思います。また、古の武器 ネクサスにするための試練も緩和され、コンテンツをクリアしたときに得られる輝きの強さが倍になります。
――となると、ゾディアックウェポンもかなり作りやすくなりそうですね。ちなみにパッチ2.51で追加されるゾディアックウェポンストーリーをクリアすると、ILは135になるのでしょうか?
ILについてはいつもご質問いただいて恐縮ですが、アイテム取得モチベーションに関わるのでお答えできかねます。申し訳ありません。
――ゾディアックウェポンは『蒼天のイシュガルド』以降も強化できますか?
『蒼天のイシュガルド』のタイミングではそもそもレベルキャップが開放され、ILも大きく跳ね上がってアイテムが大量に追加となります。拡張パッケージの初動となる3.0では、キャラクターそのものの育成がテーマになります。武器や装備の成長は3.1から再開になりますので、新たな武器強化のコンテンツがあるとすれば、それはパッチ3.1からになります。
――仮にパッチ3.1以降に新たな強化要素が追加された場合、苦労して作ったゾディアックウェポンが無駄にならないような仕組みになりますか?
まったくの無駄にならないよう、もちろん考慮していくつもりです。僕も苦労してコツコツ作っていますので……。
――そういえば、ゾディアックウェポンを完成させてしまうとこれまでの古の武器の見た目がなくなってしまいますよね。
ミラプリ用に再現できないか、検討しています。例えば、ゾディアックウェポンを最後まで完成させると、ゲロルトがこれまでの武器のデザインを再現したミラプリ用の模型みたいなものを作ってくれるようになるとか。
――ジョブバランスについては『蒼天のイシュガルド』で大きく変わると思いますが、パッチ2.5シリーズで調整を予定しているジョブはありますか?
特に気にされている方が多いのは召喚士だと思いますが、現在はまだ調整を行っている最中です。もともと召喚士は『蒼天のイシュガルド』で新しいアクションを追加し、その追加アクションを含めて召喚士のMP燃費周りを調整するつもりでした。さすがに3.0までは期間が長いということで、慎重に調整を行っています。
今はだいたいの目処をつけて各コンテンツをまわり、強くなりすぎないかを見ています。ここで慎重に行わなければ3.0の設計にも影響してしまうので、できるだけ早くとは思っていますが、もう少しお時間をいただければ幸いです。
――ゲーム内の話とは少し離れてしまいますが、大晦日にあったニコニコ生放送でプロデューサーとディレクターを兼任し続けるかどうかが話題になっていましたが、吉田さんはどうお考えでしょうか?
そもそもプロデューサーとディレクターは役割が違いますし、本気でそれぞれの仕事を全うしようとすれば、殺人的な業務量になります。僕も普通ではないと思いますし、分離できるのならその方が理にかなっています。僕ももう少し人間的な生活がしたいです(苦笑)。
会社も開発チームもプレイヤーの方も僕のタスク量を心配していただいていますし、分離できるのならいつでもそうしたいです。ただ、責任を持って最後までやり切ってくれる人を探している状況です。
ディレクターにせよ、プロデューサーにせよ、ゲームを徹底的に理解していなければなりませんし、プレイヤーのみなさんと直接向き合わないといけない仕事です。やはり前向きにやってくれる人でないとお客様に失礼ですし、苦しいことがあっても、最終的には「楽しい」と思えないと続けられないお仕事です。
僕の心情から言えば、プロデューサーを誰かに任せたいのですが、ゲーム開発に詳しく、かつオンラインゲームのビジネス部分もまかせられる人は業界内でも多くはないと思いますので、やっぱりプロデューサーを続けるしかないのかなあ、と。
でも、みんないずれにしても「吉田さんのあとなんて絶対に引き継ぎたくないです!」と言われるので、それを解決するのが難しいですね(笑)。
――たしかに相当なプレッシャーになりそうです(笑)。では最後に2015年の抱負と展望をお聞かせ下さい。
年明け早々ではありますが、パッチ2.5シリーズが大きく3つに分かれてリリースされます。そして春には丸ごと1本ぶん新しいRPGが遊べるぐらいのボリュームになっている『蒼天のイシュガルド』が待っています。
夏の暑いころまでドップリと『蒼天のイシュガルド』のスタートに漬かっていただき、その後も続いていく3.Xシリーズを楽しんでもらいたいです。昨年は「2014年は『FFXIV』の年」と言ってきましたが、2015年も同じことが言えるようにがんばりますのでぜひご期待ください。
――ちなみに春というといつ頃になりそうでしょうか?
そうですね……、皆さんが「スクウェア・エニックスの春は長いぞ!」とおっしゃってくださっているようなので、やはり春に! とだけ(笑)。しっかりした形でお届けしたいので、いつ頃になるかを予想しながらお待ちください。
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