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2015年3月13日(金)

『ケイオスリングスIII』は近年のRPGが物足りない人にオススメしたい傑作【電撃Appアワード2014】

文:まさん

 皆さん、こんにちは! 王道RPGや変なゲームをはじめ、ゲームは全部大好物な雑食系ライターのまさんです。現在、2014年のベストアプリを決める“電撃Appアワード2014”が開催中と聞いたのですが、ちょっと待って。よく見てみたら、2014年の最高傑作間違いなしのアレがまだ紹介されていないじゃないですか。

 そんなわけで私は、スクウェア・エニックスのiOS/Android用アプリ『ケイオスリングスIII』および、PS Vita用ソフト『ケイオスリングスIII プリクエル・トリロジー』を猛プッシュしたいと思います!

『ケイオスリングスIII』

 最初に断言しておきますが、この作品は“電撃Appアワード2014”どころか、コンシューマハードを含めて2014年に出たRPGのなかでも、1、2を争う大傑作なのは間違いありません。自分は、最初に電撃プレイステーションのレビューで本作に触れたのですが、第2章から加速度的におもしろさを増していく内容に、あわててプレイを中断。ネタバレをいっさい遮断して、発売日までワクワクしながら待っていたほどでした。

 そんな本作の魅力をここで語っていこうと思いますが、はっきり言って、ネタバレなしでさっさと遊んだほうが絶対おもしろいです。最後まで遊べば“電撃Appアワード2014”に投票したくなるのは間違いないので、この記事を読むヒマがあるなら早く遊ぶべきなんですよ! ……すみません。割と滅茶苦茶言っているのは自覚しています。でも、それくらいいいゲームなんですよ。

■王道直球冒険ロマン! 丁寧な伏線の回収とグッとくる演出のオンパレートが心をつかむストーリー

 まず、最初に本作の魅力はどこかと言ってしまえば、すべてです! ちょっと、そこ石投げないでください。だって、本当なんですよ。ストーリーもバトルもジーンを使った合成も、すべてがハイレベルにまとまっているのですから。と言っても、そんなことを言っているとまったく紹介にならないので、まずは一番魅力的な“ストーリー”から推していきたいと思います。

『ケイオスリングスIII』

 本作の舞台となるのは、天空に浮かぶ臨空都市“ニューパレオ”と、空に浮かぶ惑星“マーブルブルー”。主人公のナスカ(名前変更可能)は、不思議な声に導かれて楽園“パラディソス”を探すため、このマーブルブルーを目指すことになります。

 しかし、そこは危険に満ちた未開の惑星。惑星を探検するために冒険者(エクスプローラー)としての試験を受けた主人公は、そこで親友となる“だいすけ”と勝気な少女“リアリー”と出会い、ともに冒険を繰り広げていくことになるのです。

 第1章では、この仲間たちとの出会いと冒険がすごく丁寧に描かれていて、とにかく“冒険する楽しさ”が伝わってきます。冒険の舞台となるマーブルブルーの自然も美しく、仲間たちとの絆が強調された王道な展開はストレートに心地よい。こういう感覚、RPGで久しぶりに味わいましたよ。

 そして、盛り上がってきたところで一気に物語が動く第2章以降。最初はベタな展開にワクワクしつつ、だんだんと盛り上がっていく構成がすごくうまい。このあたりは、さすが老舗のスクウェア・エニックスだな、と感じました。

『ケイオスリングスIII』
▲気持ちのいい仲間たちと一緒に冒険を繰り広げる1章。話が広がり始める2章。物語が急展開を迎える3章。すべての謎が解けていく4章と、起承転結と緩急がしっかりついた物語。セリフや盛り上げどころの演出もうまく、近年のRPGが物足りない人にこそオススメです。

 全体を通して誰でも楽しめるストーリーになっていますが、特に遊んでほしいのがスーパーファミコン後期からPS2あたりまでのRPGが好きだった人たち。あのころのボクらが好きだったRPGの物語的なおもしろさが、本作にはグッと詰まっています。

 イベントが終わるたびに、みんなで“食事”をする描写が入っていたり、サブキャラクターまでしっかりと絡めてくる最終決戦の盛り上がりがすごかったり……ネタバレはしたくないので具体的には言えませんが、とにかく昔のRPGが持っていた直球の熱さがあるんですよ!

『ケイオスリングスIII』

 と、ここまで書くと「え? それ『ケイオスリングス』なの?」と思う人もいるかもしれません。じつはこのシリーズ、前作までは“世界を救うために殺し合う”とか“世界を救うためにパートナーをイケニエに捧げていく”とか、序盤からクライマックスな展開だったんです。

 本作は伏線が丁寧に張られているぶん、序盤は結構緩やかに始まります。ですが、後半はちゃんと話が宇宙規模の大スケールに。シリーズを知っている人でも『ケイオスリングス』だと思えるはずです。なお、本作はナンバリングタイトルですが、前作と直接的なつながりは皆無です。むしろ、『ケイオスリングスIII』がズバ抜けておもしろいので、本作だけ遊んでもまったく問題ありません!

『ケイオスリングスIII』
『ケイオスリングスIII』
▲恋愛をテーマにした作品は多いですが、本作はもっと大きな“愛”がテーマの1つ。仲間というよりも家族的な関係のチームメンバーと食事をするシーンは、本当に見ていて和みます。

■とにかく遊びやすく丁寧なシステム。自分の好きなように進められて快適すぎる!

 そんなわけで物語が魅力的なわけですが、当然ながらシステムもグッド。魅力的な物語に没入できるように、しっかりと快適に遊びやすく作られています。たとえば、街ではボタン1つで各地域に飛べるショートカットがありますし、ダンジョンからはいつでも脱出できる機能がついています。

 さらに敵とのエンカウントも自由に操作できるようになりますし、目的地もミニマップに表示されていたりと、昨今のゲームにしても親切すぎるくらい。バーチャルパッドでの操作性も良好で、操作でイライラすることはまったくありません。

『ケイオスリングスIII』
『ケイオスリングスIII』
▲マーブルブルーの美しい風景。綺麗な大自然を仲間と一緒に冒険するワクワク感は、まさに子どものころに遊んだRPGに感じていたもの。20~30代に直撃するだけでなく、10代の人には新鮮な感覚で楽しんでもらえるんではないでしょうか?

 さらに、ゲームの進行がミッション形式になっているのもポイント。メインクエストを進めるタイミングも自分で選べるので、ひたすらサブクエストを遊んでやり込みを楽しむこともできます。後述しますが、ストーリーを進めるタイミングを見失っちゃうやり込み要素“バトルモード”もあるので、物語が楽しいのにひたすらバトルしたくなっちゃうんですよ。

■ソーシャルゲーム的なカード集めの楽しさと、サクサク感が楽しいバトル

 バトルでは、“ジーン”と呼ばれるカードに宿った地球上の英雄であるノブナガなどを呼び出し、その力を使って戦っていくことになります。ジーンは、宝箱やギフトと呼ばれるアイテムを合成したり、オンスコインというクエストやログイン報酬でもらえるコインを使ってガチャを引いたりすると手に入ります。

 まるでソーシャルゲームのようなシステムですが、リアルマネーはいっさい使用しません。コインもクエストで手に入るので、リアルなガチャと違って気軽に引けます。

 手に入れたカードを合成することで新しいカードを生み出せるのですが、スキルを引き継いで強くしていこうと考え出すと、何時間もカード集めと合成を繰り返してしまう中毒性が……。物語は昔のRPGのいいトコどりですが、システムは最近のアプリのいいトコ取りと言えますね。

『ケイオスリングスIII』
▲ガチャはゲーム内のコインで引けるようになっており、リアルマネーはいっさい使いません。課金をしないでソーシャルゲームのおもしろいところだけを詰め込んだようなシステムになっています。
『ケイオスリングスIII』
▲ジーンカード同士の合成は、ハマり出すと完全な時間泥棒に。ジーン自体にもきちんと存在意義があり、システムをちゃんと世界観に組み込んでいるのも驚きです。

 しかし、このジーンを使ったバトルがなかなか手ごわいんですよ。最初はヌルいですが、きちんとジーンを育てていかないと後半はあっさりやられてしまいます。だからと言ってレベル上げが面倒じゃないのが本作のおもしろいところ。そもそも、レベルアップの仕組み自体もちょっと変わっています。本作では、ジーンそのもののジーンレベルと、仲間たち全体のチームレベルの2種類のレベルが存在しているんです。

 ジーンレベルを上げるとジーン自身の攻撃力などが上昇し、それを装備しているキャラクターの強さに直結。チームレベルはジーンを集めた数で上昇し、レベルが上がるとHPとMPの最大値が増えます。どちらのレベルも上げておかないと、当然ながらバトルで勝てませんがレベル上げの救済措置が多く、苦になりません。

 チームレベルは、カードを集めていけば自然と上がっていきますし、ジーンレベルは経験値をいっぱい持った敵と戦えるクエストが1日1回受けられるようになっているので、自分の好きなカードを強化しやすくなっています。経験値アップアイテムを併用すれば、あっという間にレベルが上がるので、育成しやすいんですよ。

 バトル自体も、3人パーティでのコマンドバトルとなっており、テンポがよくサクサクです。弱点をつくことが重要になっており、弱点をつくと敵に与えるダメージが増えたり、ゲージがたまって必殺技が発動したりと、戦術性の高さと派手な演出が相まって楽しめます。ボス戦用のボイス付き会話があるなど、盛り上がる演出が用意されているので本当にスキがない作りです。

『ケイオスリングスIII』
『ケイオスリングスIII』
▲戦闘後にHPが全回復するので、バリバリ戦っていけるバトルシステム。前半はヌルめで気持ちよく、後半はきちんと補助系の魔法を使わないと厳しいバランスで、最後まで楽しめます。

■ソーシャルゲームの楽しさをパッケージゲームにうまく落とし込んでいるバトルモード

 本作には、ストーリーモードのほかにバトルだけを楽しめる“バトルモード”というまったく別のモードがあります。これは、いわゆる“コロシアム”で勝ち抜いていくモードなのですが、完全に本編とは独立しているもの。

 デイリーミッションで特殊な装備が手に入るなど、最初はソーシャルゲームとして作る予定があったという名残なのか、毎日起動して遊べる仕掛けがふんだんに盛り込まれています。ちょっとした時間に遊べるようになっており、これだけでも十分楽しめるんですよ。

 しかも、戦闘中はバトルモード専用の実況が入るという謎の贅沢仕様。この実況がやたらとバリエーションがあるうえに、本編のキャラクターたちがしゃべってくれて笑えるんです。明らかにひいきしている妹や、K-1の実況にしか聞こえない立木文彦さんの熱いアナウンスなど、やり過ぎというくらいやり過ぎているので、ぜひ一度遊んでみるべきですね。

『ケイオスリングスIII』
『ケイオスリングスIII』
▲本編とまったく関係ないお遊びながら、これだけで1本のゲームにできるのではないかと思えるほどよくできている“バトルモード”。経験値稼ぎにも使えますし、本編の息抜きとしても楽しめます。

■2014年を代表するRPGとして、これ以上ないほどの完成度。この物語をまだ体験していない人は、本当にもったいないと言えます!!

 というわけで、物語もシステムも魅力的な本作ですが、やはり何よりも物語と掛け合いが必見! 個人的にも2014年のベストRPGと言える心の1本で、これほどおもしろい作品が、なぜ、もっと盛り上がらないのか不思議でなりません。

 主人公とだいすけとリアリーたちの友情はもちろん、パーティの最年長にして裏の主役とも言えるアルの存在。途中から仲間に加わるヒロイン・エルルの秘密など、パーティメンバー全員が物語にグイグイ絡んできて、サブキャラクターも含めたすべてがラストに向けて収束していく展開は、本当に、こう、ああ、もう誰かと語り合いたい!

『ケイオスリングスIII』

 話すと壮絶なネタバレなので、まだやっていない人に怒られるから言えないのですが、1人でも多くの人に、この作品を遊んでほしいです。最近の超大作RPGが忘れ去っている王道の熱さがありますし、まさに、これこそが日本のRPGだと言えるのではないでしょうか。

 とにかく、RPGが好きなら絶対楽しめるので、“電撃Appアワード2014”の投票に間に合わなくてもいいですから(暴言)、気になったらiOSでもAndroidでもPS Vitaでもいいので遊んでみてください。値段以上に楽しめることを保証します!


●あなたの2014年のベストアプリを教えてください!

 ファン投票で2014年のベストアプリを決める“電撃Appアワード2014”にぜひご投票ください! 対象タイトルは、2014年に皆さんが遊んでおもしろかったと感じたスマホアプリです。2014年以前に配信されたアプリも対象となるので、皆さんが名作だと思うものを教えてください。

 投票していただいた方の中から抽選で10名様にiTunes CardかGoogle playで使えるギフト・カード(5,000円分)をプレゼントいたします。締切は2015年3月22日(日)24:00まで。ぜひ、あなたの2014年のベストアプリに投票してください!

“電撃Appアワード2014”の投票はこちらから

※画像はPS Vita版のものです。
(C) 2014 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Developed by Media.Vision Inc.
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