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2015年3月9日(月)

VRのキャラを“なでなで”できちゃう!? ミライセンスの『4D Space Navigator』を触ってみた【GDC 2015】

文:広田稔

 GDC 2015のEXPO会場は、SCEやNVIDIAなどの世界的に知られたビッグカンパニーだけでなく、ベンチャー企業も多くブースを構えている。そんななかから、日本企業のミライセンスが出展していた触感フィードバックインターフェース『4D Space Navigator 3D-HSDK1』(仮称)に注目した。

『GDC 2015』
▲ミライセンスのブース。同社は2014年4月、茨城県つくば市に創業し、同年に産総研技術移転ベンチャーとしても認定されている。

 VRコンテンツは、目で見たり耳で聞くだけでなく、リアル世界で体を動かしてバーチャル世界に干渉できるようになると体験の質が飛躍的に高まる。先に取り上げたモーションキャプチャーの『PERCEPTION NEURON』はリアルからバーチャルへの干渉だが、4D Space Navigatorはその逆で、バーチャルの動きをリアルに戻してしてくれる機器になる。

『GDC 2015』 『GDC 2015』
▲本体サイズは幅31.8×奥行き60×高さ20.5mm。大人の手にすっぽり収まる小ささで、指先に握って利用する。
『GDC 2015』
▲ソフトにあわせてデバイスが振動することで触力覚を生み出し、例えば前後左右に手が動く。自分が意図してなくても、何かに引っ張られてしまう感覚が不思議だ。
『GDC 2015』 『GDC 2015』
▲石を持ち上げたときの反動もフィードバックが可能。ものの硬さの違いや、異なるデコボコなども表現できる。
『GDC 2015』 『GDC 2015』
▲Oculus Riftのデモでは、空中に浮かぶ水球に赤い玉を当てると、くっついてくるというのを振動で表現していた。ほかにもVRコンテンツでいうなら、アイテムやキャラクターに触ったり、モンスターに攻撃したり、野球でバットにボールが当たった衝撃を再現するなどの用途が考えられるだろう。
『GDC 2015』
▲4D Space Navigatorの初お披露目は、今年1月のInternational CES。さらにGDCでは、2つのコントローラを持つことでエンジンの振動や加速減速などの重力感を表現する『4D Driving Bar』(仮称)を発表していた。こちらはフライトシミュレーターなどにも使えそうだ。

 ミライセンスの説明員の方によれば、昨年9月にプレスリリースを出したところ、国内よりも海外のほうが反響が強く、現在はカリフォルニアに米国オフィスを構えて対応しているとのこと。ウェブサイトでは、指先に付けるタイプやペンなど別の形での応用も可能と解説している。今年春にベータ版の配布プログラムを開始する予定なので、興味のある開発者はコンタクトを取ってみてはいかがだろう。

『GDC 2015』 『GDC 2015』
▲今回のGDCではないが、同種のデバイスではNTTの『ぶるなび』というものも存在する。今年2月の“NTT R&Dフォーラム2015”では、Kinectでユーザーの手の位置を認識して、犬にリードを引かれる感覚をフィードバックするデモを展示していた。
『GDC 2015』 『GDC 2015』
▲そのほかGDCの会場では、コロプラがOculus Rift用コンテンツの『白猫VRプロジェクト』を、GMOがスマホ向け広告ネットワークの『GMO SmaAD』をそれぞれ出展しているのを見つけた。

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